JPH0130140Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、蓋つき紙カツプに係り、店頭等にお
いてジユース類等を販売する際に使用するに適す
る蓋つき紙カツプに関する。

（従来の技術） 従来、店頭等でジユース類等を販売する場合に
は、ジユース類等を紙カツプに充填後、ストロー
差込孔として十文字状等に切込み加工したプラス
チツク成形蓋をカツプに被せ、該差込孔にストロ
ーを差し込んで使用するものがある。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、従来のものでは、店頭等でジユ
ース類等を販売する場合には、ジユース類等を紙
カツプに充填後、ストロー差込孔を加工したプラ
スチツク成形蓋をカツプに被せているため、紙製
のカツプとプラスチツク製の成形蓋の両方を用意
しなければならず、販売時に両者をセツトする煩
わしさがある。これは例えば、カツプと蓋とが数
量的に一致しないという形で現れたり、蓋の嵌合
具合にきつい、ゆるい等のばらつきを生じるとい
うような種々の形で現れ、その煩わしさの程度は
予想外に大きいものである。

また、プラスチツク成形蓋は廃棄処理に難点が
あり、この点からも改良が望まれている。

（課題を解決するための手段） 本考案は、このような問題点の解決を図ろうと
するもので、その目的とするところは、カツプと
蓋との一体性及び差し込まれたストローの安定性
を保持した、蓋つき紙カツプ容器を提供しようと
するものである。

上記目的を達成するために、本考案は、紙カツ
プの口縁部にその円周を略三等分する分割点Ａ，
Ｂ，Ｃを設け、更に該分割点Ａ，Ｂ，Ｃの隣合う
２点、ＡとＢ，ＢとＣ及びＣとＡの各々を両端と
する下方に弧状に湾曲する折線ｃ，ａ及びｂを設
けると共に、該折線ａ，ｂ及びｃを一辺として上
方に弧状に延長する弧状山形蓋部１，２及び３を
設け、かつ該弧状山形蓋部１，２及び３の先端に
円弧状の切欠き１１，１２及び１３を設けてなる
蓋つき紙カツプを構成し、該紙カツプの３枚の蓋
部を、ジユース類等の充填後に、順次折り曲げて
重ね合わせ、しかる後、形成された円形の穴にス
トローを差し込んで使用することを特徴とするも
のである。

（作用） 上述のように構成された蓋つき紙カツプでは、
飲食時、折り重ねられた蓋部のうちの一番上方に
位置するものの中央部近傍をストローの先端にて
下方に押圧すると、各蓋部が外方に押し出され、
３枚の蓋部の先端中央近傍部に円形の穴が形成さ
れ、該穴中にストローが先端から自動的に押し込
まれる。そして、３枚の蓋部が元の位置に戻ろう
として中央に集中する力により、ストローが三方
から押圧挾持されて固定される。従つて、飲食者
はこの固定されたストローにより安全に内容物を
飲食することができる。

（実施例） 次に、図により本考案の一実施例を説明する
と、第１図は本考案にかかる蓋つき紙カツプの斜
視図であつて、通常の紙カツプと同じように胴貼
りし底付けしてなる紙カツプの胴部の上端口縁部
にその円周を略三等分する分割点Ａ，Ｂ，Ｃを設
け、更に該分割点Ａ，Ｂ，Ｃの隣合う２点、Ａと
Ｂ，ＢとＣ及びＣとＡの各々を両端として上方に
孤状に胴部を延長し、各延長部の先端に円弧状の
切欠き１１，１２，１３を設けるとともに下方に
孤状に湾曲する折線ａ，ｂ，ｃを設けてなるもの
である。而して、折線ａ，ｂ，ｃの上方部をそれ
ぞれ蓋部１，２，３とし、又、切欠き１１，１
２，１３は３箇集まつてストロー５の外周と略等
しい円を形成して、ストロー５の差込孔４を形成
するように構成してある。

組立、使用に当たつては、内容物充填後、第２
図に示すように折線ａ，ｂ，ｃに沿つて蓋部１，
２，３を順に折り曲げて重ね合わせる。尚、折り
曲げの順序は任意であつてよい。飲食に当たつて
は、折り重ねられた蓋部１，２，３のうち一番上
方に位置するもので、例えば、第２図における蓋
部３の先端中央部近傍を矢印Ｐに示すようにスト
ロー５の先端にて下方に押圧すると、３枚の蓋部
１，２，３はそれぞれ矢印ｍに示すように外方に
押し出され、中央に３枚の蓋部１，２，３の先端
中央近傍部が外方に移動したことに伴い切欠き１
１，１２，１３による円形の穴４が形成されてス
トロー５の差込孔４を構成し、該穴４中にストロ
ー５が先端から自動的に押し込まれる。次いで、
３枚の蓋部１，２，３がそれぞれ元の位置に戻ろ
うとして中央に集中するため、該集中に伴つてス
トロー５は第３図に示すように三方から押圧挾持
されて強固に固定される。従つて、飲食者はこの
強固に固定されたストロー５により安全に内容物
を飲食することができる。尚、店頭における販売
においては、第４図に示すように閉鎖状態のまま
ストローを添えて購買者に手渡してもよいし、第
３図に示すようにストロー５を差し込んだ状態で
手渡してもよい。また、販売時及び飲食途中の閉
鎖時においては蓋部１，２，３を折線ａ，ｂ，ｃ
に沿つて折り曲げれば蓋部１，２，３がそれぞれ
湾曲するため十分に強固な閉鎖状態を保持しうる
が、更に閉鎖状態を強固にするため一番上方に位
置する蓋部の切欠き近傍を指先にて瞬時下方に押
圧後指先を離すことにより、第４図に示すように
一番上方に位置する蓋部の切欠きと上方から二番
目に位置する蓋部の切欠きとを係合させてもよ
い。

（考案の効果） 本考案は上述の構成を有するため、従来のもの
のように紙製のカツプとプラスチツク製の成形蓋
との両方を用意し、両者をセツトしなければなら
ない煩わしさがなく、容器体の一部に折線を設け
るだけという極めて簡単な構成で容器体の一部を
蓋とすることができ、ストローを突き差すだけ
で、３枚の蓋部がそれぞれ元の位置に戻ろうとし
て中央に集中するため、該集中に伴つてストロー
を三方から押圧挾持して強固に固定することがで
きる。また、独特で且つ興趣に富んだ形状をして
いることや、従来のプラスチツク製の成形蓋の場
合と異なり蓋部分にも美麗な印刷を施しうるた
め、展示販売効果を高め得ることができる。更に
は、従来の紙製のカツプとプラスチツク製の成形
蓋とを用いる場合よりも遥かに製造容易に且つ安
価に製造し得、廃棄処理も容易となる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を表し、第１図は斜視
図、第２図乃至第４図は使用状態を示す斜視図で
ある。 図の主要な部分を表す符号の説明、１，２，３
……蓋部、４……穴、５……ストロー、１１，１
２，１３……切欠き、Ａ，Ｂ，Ｃ……分割点、
ａ，ｂ，ｃ……折線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 紙カツプの口縁部にその円周を略三等分する分
   割点Ａ，Ｂ，Ｃを設け、更に該分割点Ａ，Ｂ，Ｃ
   の隣合う２点、ＡとＢ，ＢとＣ及びＣとＡの各々
   を両端とする下方に孤状に湾曲する折線ｃ，ａ及
   びｂを設けると共に、該折線ａ，ｂ及びｃを一辺
   として上方に弧状に延長する弧状山形蓋部１，２
   及び３を設け、かつ該弧状山形蓋部１，２及び３
   の先端に円弧状の切欠き１１，１２及び１３を設
   けてなる蓋つき紙カツプ。