JPH0129510Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ニユーセラミツクスなどの焼結に使
用される連続式高温雰囲気炉に関するものであ
る。

従来の焼結用高温雰囲気炉は、たとえば第１図
に示すような構成からなつている。第１図におい
て、ａは装入室、ｂは装入扉、ｃは装入機（プツ
シヤ）、ｄは焼結室、ｅは抽出扉、ｆは抽出室、
ｇは抽出機、ｈは炉床、ｉはヒータである。また
第２図は第１図の炉内の一部を拡大して示したも
ので、第２図において、ｊはトレー、ｋは被処理
品、ｍは第１図の装入機ｃによつてトレーｊが押
し出される方向を示した矢印である。

すなわち、従来の高温雰囲気炉においては、被
処理品（被焼結品）ｋをトレーｊに載置して装入
機ｃに乗せる。そして装入扉ｂを開いて焼結室ｄ
に押し込む。このとき、装入機ｃで炉内のトレー
ｊを、１トレー分だけ押し込むのである。したが
つて、トレーｊの送りが、装入扉ｂを明けて１ト
レーずつであるため、トレーの先端と後端の被処
理品ｋで熱処理サイクルにばらつきがあり、また
第２図にみられるように、トレーｊの移動が炉床
ｈ上を摺動しながら行なわれるので、装入機ｃの
押し力を大きくしなければならない。とくに、炉
床ｈは単にトレーｊを摺動可能に支持しているだ
けであるので、第３図にみられるように、直列に
なつている多数のトレーｊが矢印ｍの方向に押さ
れたとき、そのうちのあるトレーが浮上る（ジヤ
ムアツプする）おそれがあるため、炉の長さに制
約がある。

本考案は、被処理品のどの部分も均一の熱覆歴
となつて、製品の品質が安定し、またトレーを送
るための押し力が著しく軽減されるとともに、ト
レーの浮上りが生じない連続式高温雰囲気炉を提
供することを目的とするものである。

このため、本考案の連続式高温雰囲気炉の構成
は、被処理品を載置するトレーの通る通路に沿わ
しめて焼結室内の両側に長手方向にそれぞれ設け
られて該トレーの両側端部をそれぞれ案内するガ
イド溝を備え、かつ、該ガイド溝の内部には前記
トレーを支承しながら回転する多数のローラを有
するとともに、該ガイド溝の上部には前記トレー
の両側端部よりも上方にして炉内方向に突出して
前記トレーの浮上りを防止する浮上り抑止部を有
し、しかも、前記焼結室の予熱部には装入室から
送られたトレーを抽出室のほうへ送るプツシヤを
備えていることを特徴としている。

以下、本考案の一実施例について、第４図およ
び第５図を参照しながら説明する。

第４図において、１は装入室、２は焼結室、３
は抽出室である。そして焼結室２は、予熱部（予
熱帯）４、加熱部（加熱帯）５、均熱部（均熱
帯）６、徐冷部（徐冷帯）７、冷却部（冷却帯）
８からなつている。また９は装入扉、１０は装入
中間扉、１１は抽出中間扉、１２は抽出扉、１３
は装入機、１４はプツシヤ、１５はヒータ、１６
はフアン、１７は抽出機、１８はトレー、１９は
被処理品、２０は水冷壁、２１は断熱壁である。

第５図は第４図の切断線Ａ−Ａに沿う拡大断面
図で、焼結室２の断熱壁２１内の両側に長手方向
に設けられてトレー１８の両側端部をそれぞれ案
内するガイド溝２２を備え、かつ、ガイド溝２２
の内部にはトレー１８を支承しながら回転する多
数のローラ２３を有するとともに、ガイド溝２２
の上部にはトレー１８の両側端部よりも上方にし
て炉内方向に突出して前記トレーの浮上りを防止
するサプレツサとしての浮上り抑止部２４を有し
ている。

すなわち、焼結室２は、装入中間扉１０によつ
て装入室１と仕切られ、抽出中間扉１１によつて
抽出室３と仕切られ、予熱部４にプツシヤ１４が
設けられている。またガイド溝２２の構成材料お
よびローラ２３の材質は高温に耐えるように、グ
ラフアイト製にしてあり、かつ、各ローラ２３の
炉の長手方向のピッチは、トレー１８のその方向
の長さの半分以下にして、常にトレー１８が２つ
以上のローラ２３上に乗つて移動するようにして
ある。

第４図および第５図に示すように構成された連
続式高温雰囲気炉においては、被処理品（被焼結
品）１９はトレー１８に載置されて、まず装入扉
９を開き、装入室１の中へ図示されていない装入
機で運び込まれる。つぎに、装入扉９が閉まると
装入室１内は図示されていない真空ポンプによつ
て真空に引かれ、空気や被処理品１９中の水分等
が除去される。そして、焼結室２と同圧に同一種
類の不活性ガスによつて充満される。こののち、
装入中間扉１０が開いて装入機１３によつて焼結
室２内へ押し込む。この焼結室２内の被処理品１
９は、この次の被処理品が入るときは、１トレー
分だけ前進（第４図では右方へ前進）していて、
次のトレーが入るスペースが残つている。そし
て、装入中間扉１０が閉まると、プツシヤ１４
が、いま装入されたトレー１８の後端（第４図で
は左端）を押しはじめる。すると、焼結室２内の
全トレー１８が同じく抽出室３のほうへ一定速度
で進行する。トレー１８の進行（第４図では右移
動）に伴なつて、被処理品１９は、予熱部４で予
熱→加熱部５で加熱→均熱部６で均熱→徐冷部７
で徐冷→冷却部８で冷却され、最先端のトレーが
出口の抽出中間扉１１の手前に進行する。その位
置に達したことを感知すると、該中間扉１１が開
き、抽出機１７が前記最先端のトレーを引き出し
に行き、抽出室３内へ引き出す。もちろん、該扉
１１が開く前に抽出室３は焼結室２と同圧に保た
れている。この操作が完了すると、該扉１１が閉
まる。この操作は、ほぼ装入側と同時に行なわれ
る。なおプツシヤ１４が完全連続式とした場合
は、この間も焼結室２内のトレー１８は低速で動
いている。もし、往復動式プツシヤを採用した場
合は、短時間に高速復動し、次のトレーを迎えて
再び前進活動する。また第５図にみられるよう
に、トレー１８は焼結室２内においては、ガイド
溝２２で案内され、かつ、ローラ２３の上をロー
リングコンタクトしながら進行する。さらに、浮
上り力が万一生じたときに、それが、ガイド溝２
２の浮上り抑止部２４によつて、そのジヤムアツ
プが防止され、円滑な進行が保たれる。

上述のように、本考案によれば焼結室の予熱部
にプツシヤを内蔵し、トレーを抽出室のほうへ一
定速度で送るので、被処理品のどの部分も均一の
熱覆歴となつて、製品の品質が安定し、またトレ
ーの両側端部を案内するガイド溝の内部にはロー
ラを有してトレーが該ローラの上を進行するの
で、前記プツシヤの押し力が著しく軽減されると
ともに、前記ガイド溝の上部には浮上り抑止部を
有するので、トレーが沢山直列に並んでも、トレ
ーは浮上ることがなく、したがつて、浮上りによ
るトラブルが全く生じない。

このように、本考案の奏する効果は、きわめて
大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高温雰囲気炉の一例を示した断
面立面図、第２図は第１図の炉内の一部を拡大し
て示した斜視図、第３図は第１図の炉内における
トレーの浮上りを示した説明図、第４図は本考案
の一実施例を示した一部切欠断面立面図、第５図
は第４図の切断線Ａ−Ａに沿う拡大断面図であ
る。 １……装入室、２……焼結室、３……抽出室、
４……予熱部、５……加熱部、６……均熱部、７
……徐冷部、８……冷却部、９……装入扉、１０
……装入中間扉、１１……抽出中間扉、１２……
抽出扉、１３……装入機、１４……プツシヤ、１
５……ヒータ、１６……フアン、１７……抽出
機、１８……トレー、１９……被処理品、２０…
…水冷壁、２１……断熱壁、２２……ガイド溝、
２３……ローラ、２４……浮上り抑止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被処理品を載置するトレーの通る通路に沿わし
   めて焼結室内の両側に長手方向にそれぞれ設けら
   れて該トレーの両側端部をそれぞれ案内するガイ
   ド溝を備え、かつ、該ガイド溝の内部には前記ト
   レーを支承しながら回転する多数のローラを有す
   るとともに、該ガイド溝の上部には前記トレーの
   両側端部よりも上方にして炉内方向に突出して前
   記トレーの浮上りを防止する浮上り抑止部を有
   し、しかも、前記焼結室の予熱部には装入室から
   送られたトレーを抽出室のほうへ送るプツシヤを
   備えていることを特徴とする、連続式高温雰囲気
   炉。