JPH0129115Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、抽選券に関するものであり、更に詳
しくは感圧発色剤を使用してなるかくし絵付きの
抽選券に関するものである。

従来、これらのかくし絵を使用した抽選券、く
じ等においては、用紙をあらかじめ折り畳み密封
状態としたり、２枚以上の用紙を重合した状態の
ものを挿圧して各種の模様、文字等を発現させる
形式のものは知られている。しかし通常「宝く
じ」「抽選券」として使用されているような１枚
シートの用紙にこれらのかくし絵を施こすものと
しては、水絵、あぶり出し、日光写真等がある
が、これらのものにあつては水や火を使用しなけ
ればならないため児童が水に濡れたり或は火災の
危険が伴う等の欠点があつた。

本考案は、これらの欠点を改善したものであ
り、以下に本考案の抽選券の一実施例を図面に基
づいて説明する。第１図は、本考案の抽選券１の
構成を示す平面図であり、第２図は、第１図Ａ−
Ａ方向の切断面を模式的に示す断面図である。

本考案において抽選券１は、被印刷材料である
基紙２の所要箇所に、まず、無色の発色剤を封入
した微小カプセルを含む組成物を使用し、これ
を、例えば、オフセツト印刷、グラビア印刷、活
版印刷、転写印刷、スクリーン印刷等の通常の印
刷方式、或はロールコート、グラビアコート、そ
の他等の通常のコーテイング方式で印刷ないしコ
ーテイングして画像層３を形成する。画像層３と
しては、文字、図形、記号、模様、ベタの一層等
の任意のものでよいが、上記の実施例では、コー
テイングによるベタの一層を形成した状態を示し
ている。

次に本考案では、上記の画像層３の形成区域以
外の区域であつて、基紙２を折り曲げたとき該画
像層３と重なり合う箇所に、顕色剤を含む組成物
を使用し、これを上記の画像層３を形成したと同
じ方法で印刷ないしコーテイングして顕色層４を
形成する。而して、顕色剤層４は、画像層３と同
様に文字、図形、記号、絵柄或はベタの一層等の
いずれでもよいが、上記の実施例では、「当り」
の文字を印刷した状態を示している。

上記において、画像層３、顕色層４の印刷ない
しコーテイング面は、いずれも無色あり、人間が
見ても認識することができないように隠し印刷な
いしコーテイングしてある。

尚、本考案においては、基紙の表裏面には、必
要に応じて一般の有色インキによる任意の文字、
図柄等の画像を印刷し得ることは勿論であり、ま
た、通常使用されている「宝くじ」のように当選
番号をあらかじめ印刷してある抽選方法と併用し
て使用することもできる。

又、本考案において、画像層３および顕色層４
の形成区域としては、両者が重なり合う位置であ
れば基紙のいずれの位置に形成してもよく、また
その区域の大小も任意である。

次に本考案の抽選券の使用方法を説明すると、
第３図示の如く抽選券１を構成する基紙２を折り
畳むことによつて、画像層３と顕色層４との面が
接触するように重合した後、指先或はヘラ等で押
圧して、画像層３中の発色剤を反応発色させて、
第４図に示す如く「当り」の文字を発色影像文字
５として形成させて抽選券としての機能を奏する
ことになる。而して、本考案では上記の発色影像
文字５の内容により、その抽選券の当り、はずれ
を認識することができる。

また、本考案において、画像層３中の発色剤を
青、紫、赤等の数種類の呈色反応を生ずるものを
使用して、その発色の色によつて当り、はずれを
決めるようにすることも、もちろん可能であつて
各種の模様、文字及び色等を任意に設定すればよ
い。

本考案に係る抽選券は、宝くじ等の抽選方式に
利用することができるのみならず、単色又は多色
印刷模様を単に押圧するのみで簡単に顕現するこ
とが出きるので学童、児童の教習具或は玩具とし
ても広く利用し得る効果を有するものである。ま
た特に、１枚シートの抽選券に、簡単に応用する
ことができ、その発色による図柄、模様及び色を
自由に設定することができるので非常に広範囲な
抽選方法に利用することができるという効果を有
する。

次に本考案の抽選券について別態様のものを例
示すると、第５図ないし第９図に示すように基紙
２の表裏両面にそれぞれ前記と同様な方法で画像
層３と顕色層４とを形成して抽選券１を構成し
（第５図と第６図）、次に基紙２を折り曲げて画像
層３と顕色層４との面を重ね合わせて発色させて
発色影像文字５を形成して抽選券とすることもで
きる。

尚、本考案において、発色剤としては一色によ
る発色でもよいが、発色剤の種類を変更ないし組
合わせて青、紫、赤等の多色の発色も可能であ
る。上記の本考案において基紙としては、抽選
券、投票券等に使用されている通常の紙類を使用
することができる。

次に又、上記の本考案において画像層及び顕色
層は、例えば、無色の発色剤を封入した微小カプ
セルを含む組成物、または顕色剤を含む組成物を
例えば、オフセツト印刷、グラビア印刷、活版印
刷、転写印刷、スクリーン印刷等の通常の印刷方
式、或はロールコート、グラビアコート、その他
のコーテイング方式等で形成することができる。

上記の無色の発色剤としては、公知もの、例え
ば、ジフエニルメタン系化合物、トリフエニルメ
タン系化合物、フルオラン系化合物、スピロピラ
ン系化合物、フエノチアジノ系化合物等のロイコ
体を使用することができ、具体的には、クリスタ
ルバイオレツトラクトン、ベンゾイルロイコメチ
レンブルー等を使用することができる。

而して、上記の発色剤をマイクロカプセル化す
るには、公知の方法、例えば、発色剤をオイルに
溶解し、これをゼラチン、アラビアゴム等を使用
してコアセルベーシヨン法によつてカプセル化す
ることができる。

次に又、上記において顕色剤としては、上記の
発色剤に作用して発色反応を呈すもので、公知の
もの、例えば、酸性白土、油溶性フエノール、ホ
ルムアルデヒド樹脂等を使用することができる。

而して、本考案において無色の発色剤を封入し
た微小カプセルを含む組成物、又は顕色剤を含む
組成物としては、例えば、無色の発色剤を封入し
た微小カプセル、又は顕色剤に樹脂等のバインダ
ーを加え、その他充填剤等の所要の添加剤を任意
に加えて溶剤・希釈剤等で十分混練した組成物を
使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の抽選券の構成を示す平面
図、第２図は第１図Ａ−Ａの切断断面図、第３図
は本考案の抽選券の使用状態を示す断面図、第４
図は、本考案の抽選券で「当り」の文字を発色さ
せた状態を示す斜視図、第５図ないし第９図は本
考案の抽選券の別態様を示すものであり、第５図
は平面図、第６図は第５図のＢ−Ｂの断面図、第
７図は断面図、第８図は断面図、第９図は斜視図
である。 １……抽選券、２……基紙、３……画像層、４
……顕色層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基紙の所要箇所に、無色の発色剤を封入した微
   小カプセルを含む組成物による画像層を設け、更
   に該画像層形成区域以外の区域で基紙を折り曲げ
   たとき該画像層と重なり合う箇所に、顕色剤を含
   む組成物による顕色層を設けてなる抽選券。