JPH0128905B2 - - Google Patents

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JPH0128905B2
JPH0128905B2 JP56078029A JP7802981A JPH0128905B2 JP H0128905 B2 JPH0128905 B2 JP H0128905B2 JP 56078029 A JP56078029 A JP 56078029A JP 7802981 A JP7802981 A JP 7802981A JP H0128905 B2 JPH0128905 B2 JP H0128905B2
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limiting current
internal resistance
current
voltage
solid
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JP56078029A
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Haruyoshi Kondo
Keiichi Saji
Takashi Takeuchi
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Priority to US06/373,257 priority patent/US4626338A/en
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Publication of JPH0128905B2 publication Critical patent/JPH0128905B2/ja
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/403Cells and electrode assemblies
    • G01N27/406Cells and probes with solid electrolytes
    • G01N27/4065Circuit arrangements specially adapted therefor

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
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  • Electrochemistry (AREA)
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  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、固体限界電流式酸素センサ(以下限
界電流式酸素センサという)を用いた酸素濃度検
出装置に関する。
その目的は、限界電流式酸素センサの内部抵抗
に起因して生ずる誤差の発生を防止し、使用温度
範囲や酸素濃度測定可能範囲の制約を取り除くと
共に、耐久性を向上させることにある。
今日の社会において火力発電所、自動車用内燃
機関等の多くの燃焼装置が実用され、様々な形で
我々の生活に貢献していることはいうまでもな
い。これ等の装置は運転条件が適切でないと多量
の有害ガスを発生する恐れがある。また、低燃費
化の要請も強い。
排気の清浄化と低燃費化を図る方法として燃料
希薄(リーンと略す)領域での燃焼が有望であ
る。例えばデイーゼル機関等は本来リーン領域で
運転されるのが常であるが、ガソリン機関におい
てもリーン領域での運転が有望である。
これ等のリーン領域で運転する機関においても
空燃比の調節が不適切なる時には煤の発生、失火
による未燃燃料排出や出力低下等々の不都合な問
題が生じ、リーン領域での運転の目的にそぐわな
いばかりか返つて逆効果となるような恐れすらあ
る。それ故、空燃比の調節は極めて重要事項であ
る。ところで、あらゆる制御の常として制御対象
(ここではリーン領域の空燃比)を精密かつ高速
に検出できねばならない。従来この分野では必ず
しも適切なセンサが存在しなかつた。例えば磁気
式酸素濃度検出器は応答が遅く車載に不適切であ
り、気体密度式あるいは熱伝導度式センサは微量
の水素(H2)混入により測定精度に大きな影響
を受ける等の問題があつて機関の燃焼制御には適
さなかつた。
これに対し、我々は先に限界電流を測定して酸
素ガス濃度を分析するセンサ(以下、限界電流式
酸素センサと略す)を提案(特開昭52−72286号
公報)し、また陰極を多孔質層で被覆した酸素濃
度センサを開発(特願昭55−123677、特開昭57−
48648号公報)して対処した。このセンサは従来
センサの持つ種々の困難 を解決するものであつた。この方式は非常に有効
なものではあるが尚、若干の問題点があることは
否めない。すなわち、自動車用機関等の燃焼装置
では運転状態によつて排気の温度が変動するのが
常である。それ故、排気センサである限界電流式
酸素(濃度)センサも低温から高温迄の広い温度
領域での作動を要求されている。ところで、限界
電流式酸素センサは温度によつて内部抵抗が大き
く変化すること、および酸素濃度対電流の比例係
数が若干変わることの二つの問題点を有する。本
発明は二つの問題点の内で内部抵抗による種々の
問題について解決方法を与えようとするものであ
る。
第1図に限界電流式酸素センサの電圧電流特性
の一般的な例を示す。図中、電圧を変化しても電
流変化の微小な部分があり、ここを過電圧支配領
域と称し、その電流値を限界電流値と称する。過
電圧支配領域より電圧電流の低い領域では電圧と
電流がほぼ比例的な部分があり、ここは電解質
(酸素イオン伝導体)の内部抵抗および電解質と
電極界面の抵抗の和により電圧/電流比がほぼ決
められている。これを抵抗支配領域と言うことに
する。又、過電圧支配領域より電圧電流の高い領
域では少しの電圧上昇に対して急に電流の増す部
分がある。これは排気中に多量に含まれている二
酸化炭素(CO2)や水蒸気(H2O)が大きな印加
電圧によりある限界値を超えると一部分解されて
酸素濃度が増加した様に見えるためである。この
領域を過剰電流領域ということにする。上記の如
く、印加電圧が低いと抵抗支配領域になり、逆に
印加電圧が高いと過剰電流領域になるので限界電
流の検出は両領域にはさまれた部分で行なわねば
ならない。この範囲は1〔V〕程度である。従来
の方法では内部抵抗による電圧降下の最大値を
0.5〔V〕程度に限定して、印加電圧としては1
〔V〕と0.5〔V〕の中間の0.75〔V〕程度に設定し
て使う場合が多かつた。しかしながら、この条件
を満たすために種々の制約(直線性不良、酸素濃
度の限定等)を受ける原因になつていた。
この問題からのがれるためには内部抵抗による
電圧降下を低減する必要がある。内部抵抗による
電圧降下は内部抵抗と電流の積なのでそのいずれ
か又は両方を低い値に制限せねばならない。
先ず、内部抵抗について説明すると電解質によ
る抵抗は次式で示される。
R=ρl/s …(1) 但し、 R:内部抵抗 ρ:抵抗率 l:厚さ s:面積 従つて、内部抵抗を小さくするためには抵抗率
を小さくすること、電解質厚さを薄くすること、
面積を大きくすることが必要なことがわかる。陰
極を多孔質層で被覆した酸素濃度センサの場合は
電解質及び電極面積を大きくすることについては
次の理由で有効ではない。すなわち、電極面積を
大きくすれば内部抵抗を逆比例的に小さくできる
が、同時に多孔質層を通る酸素量も面積に比例す
るので電流値をも大きくする結果を招く。従つ
て、抵抗と電流の積である電圧降下は一定であ
り、その減少を図るという目的に対してセンサの
面積を大きくして抵抗を下げることは全く有効で
ないことが明らかである。逆にセンサを小型化し
て面積を小さくすることによつて内部抵抗が高く
なつても電圧降下の面では不利にならないことも
わかる。それ故、抵抗率そのものあるいは電解質
厚さを小さくすることは問題解決の有効な方法で
ある。しかし厚さについては主に調製時および使
用時の機械的強度面の制約を受け、焼結手法では
0.01〜0.1〔mm〕、スパツタリング等の薄膜手法な
らば0.1〔μm〕が下限界と考えられ、また電解質
抵抗についても以下に述べる様に限界がある。酸
素イオン導電体の抵抗率については次式で示され
但し、 ρp:係数 e:自然対数の底 E:活性化エネルギ K:ボルツマン定数 T:絶対温度 (2)式において係数ρpおよび活性化エネルギEは
材料組成、焼成条件、不純物等によつて決まる値
である。酸素イオン伝導体としてはジルコニアに
Y2O3、Yb2O3、Gd2O3、MgO、CaO、Sc2O3
を添加したもの、あるいはBi2O3にY2O3
Er2O3、WO3等を添加したものを用いればρpが低
く良好である。
しかしながら、いずれの組成の酸素イオン伝導
体であつても温度の低下に伴なつて急激に抵抗率
が高くなることは避け難い。その理由は活性化エ
ネルギーの値が0.5〜1.4〔eV〕程度と高いことに
よる。又、電解質の内部抵抗の他にも電解質と電
極の界面にも抵抗が存在するが、これは電解質の
表面処理状態、電極材料等により変化する。電極
材料としてPt、Ag、Rh、Pd、Ir等、あるいはこ
れ等の混合材料を用いれば界面抵抗を実用上は小
さくすることが可能である。
又、これ等の内部抵抗等はセンサの使用時間の
増大に伴つて除々に増加し、センサとしての特性
が劣化する傾向を有する。
次の手段として電流値を小さくすることによつ
て電圧降下を小さくする方法について検討してみ
よう。任意の酸素濃度における限界電流値は酸素
の流れを律速する部分(細孔又は多孔質層)の通
りやすさと面積の積によつて決まつている。しか
しながら、前述の内部抵抗を小さくしたいという
要求に対して面積を大きくするのが有効でなかつ
たと同様に限界電流値を小さくするのに面積を小
さくすることは有効ではない。その理由は面積を
小さくして電流値を下げた場合には内部抵抗が大
きくなつて電流と抵抗の積である電圧降下が一定
になり、それを小さくするのには寄与できないた
めである。
従つて、内部抵抗による電圧降下を減少させる
目的で限界電流値を小さくするためには他の手
段、すなわち酸素流れに対する律速部の状態を変
えることにより行なわなければならない。例えば
細孔の場合には径を小さくするとか穴長を長くす
ることや多孔質体により酸素の流れを律速する場
合には多孔質層を緻密にしたり、厚くしたりする
ことである。
しかしながら、このような手法によつて電流値
を下げることも他の面から制約を受ける。すなわ
ち、前述の如くセンサとしては一般的に応答時間
の短いことが望ましい。応答時間はセンサ内(多
孔質層等を含む)に蓄積された酸素量を電流によ
つて汲み上げるのに要する時間が強く支配する。
それ故、ガスの蓄積量が同一の場合には電流値に
逆比例し、電流値の低下は応答時間の増大につな
がる。それ故、この面より制約を受けて電流値
(電流密度)の下限が自ずと決まつてくる。
以上述べた如く、電圧降下を小さくするための
面積当りの抵抗を小さくすることにも電流を小さ
くすることにも制約があつて自由に小さくできる
ものではないことが明らかになつた。そこで、次
なる手段として内部抵抗等による電圧降下が大き
くなつてもそれによる妨害を避けてうまく使うこ
とはできないかということにならざるを得ない。
本発明はこのような要請に応えるための一手法に
関するものである。
本発明の基本的な考え方を先ず示そう。前述の
如く過大な電圧をかけることは過剰電流領域にな
つて不都合である。しかしながら、ここでいう過
大な電圧とは電極と電解質の界面にかかつている
状態が問題である。従つて、電解質の内部での電
圧降下が大きかつたとしてもその電圧は、電極で
の電気化学反応には何等寄与がなく、その意味で
は障害ではない。従つて、内部抵抗による電圧降
下分と特定の電圧(実用的には0.25〜0.75〔V〕
程度)の和を印加することができれば良いことに
なる。このようにできれば内部抵抗および電圧降
下が大きい場合も小さい場合も印加が電圧を可変
することによつて常に正しい過電圧領域での限界
電流値を求めることができ、高酸素濃度で限界電
流値が大きくなつても問題にならない。本発明は
内部抵抗を測定し、それによる電圧降下分を推定
して適正な限界電流検出用電圧を印加して、正し
い限界電流値を計測する装置を提供するものであ
る。
内部抵抗の測定法としては種々のものがあり、
例えば、抵抗測定専用の部分を設ける方法、抵抗
支配領域を用いて測定する方法、電圧降下から推
定する方法、等価回路の特徴を生かして、交流を
用いて測定する方法等がある。本発明はどのよう
な内部抵抗測定法を利用しても実施することが可
能である。
以下、本発明の種々の実施例について図面を用
いて詳細に説明する。これらの実施例としては、
用いられる限界電流式酸素センサが内部抵抗検出
用の専用の電極を有するものであるか否か(即
ち、該センサが3または4端子のものであるか、
あるいは2端子のものであるか)、および内部抵
抗検出と限界電流検出のために該センサに与える
電圧(電流)の印加方法の種類が何であるかによ
つて大別すると3種類の態様がある。その3種類
とは、限界電流式酸素センサとして3端子また
は4端子のものを用いた例、限界電流式酸素セ
ンサとして2端子のものを用い、内部抵抗測定と
限界電流測定とを交互に切り換えるものの例、
同じく2端子のセンサを用い、内部抵抗測定のた
めに交流を用い、限界電流測定のために直流を用
いたものの例である。
なお、本発明の実施の態様が上記3種類のみに
限定されるものではなく、他の態様によつて実施
され得ることはいうまでもない。
まず、第2図ないし第8図を用いて前記第1の
態様の実施例について詳細に説明する。
1は本発明の限界電流式酸素センサを示す。こ
のセンサは酸素イオン固体電解質1aとこの一面
に電極1bを、また他の面に限界電流検出用電極
1dと内部抵抗検出用電極1cを有する。電極1
cと電極1b、電極1dと電極1bは固体電解質
1aをはさんで互に対向する様配置されている。
酸素イオン固体電解質1aはZrO2、HfO2
ThO2、Bi2O3等にCaO、MgO、Y2O3、Yb2O3
等を安定剤として固溶させ、緻密に板状に成形さ
れている。電極1b,1c,1dはPt、Ag、
Rh、Ir、Pd等もしくはこれらの合金からなる耐
熱性の電子伝導体から成る。電極1dは多孔質層
1fによつて被覆される。電極1dにはこれから
流出する向きに電流を流す。したがつて、多孔質
層1fは電極1dに流入する酸素流を律速する作
用を有する。電極1bは付着物等による劣化を防
止するため多孔質の保護層1eによつて被覆され
る。電極1cも同様に多孔質層1gによつて被覆
される。多孔質層1e,1f,1gはアルミナ、
マグネシヤ、ケイ石質、スピネル、ムライト等の
耐熱性無機物質からなる。多孔層1eは多孔層1
fと比較してガス透過性を同等かもしくは大きく
することが望ましい。これは多孔質層1fでは酸
素透過量を律速するが、多孔質層1eは酸素の排
出側になるからである。限界電流検出用電極1d
と内部抵抗検出用電極1cの電位は特定電位差付
加部2を経由して電位差増幅部3へ入る。その出
力は第一電流制御部4を経て電極1cへ接続し、
又、第二電流制御部5および電流検出部6を経て
電極1dへ接続する。尚、第二電流制御部5と電
流検出部6の前後関係を交換しても良い。第二電
流制御部の電流の向きは第一電流制御部の向きと
同じあるいは逆向きでも良い。第一電流制御部の
電流の大きさi1と第二電流制御部の電流の大きさ
i2は、概ね比例的な関係に制御される。すなわち
第1図において電極1cの電位C1−C2線上に乗
せるようにする。尚、電流i1とi2の向きを同方向
とすれば第一電流制御部の代りに内部抵抗検出制
御用抵抗4a、第二電流制御部の代りに限界電流
検出制御用抵抗5aを用いて第3図の如く簡易な
回路構成とすることもできる。この場合には電流
i1とi2の比例性が若干悪くなる。又、電流検出部
6の代りに第4図の如く構成して抵抗5aの両端
の電位差を検出して電流を求めることも可能であ
る。
多孔層1gを多孔層1fよりガス透過性を大き
くするかあるいは同一のガス透過性であつても多
孔層1gにより酸素が律速される電流値以下の電
流値とすれば内部抵抗検出用電極1cの電位は主
として内部抵抗による電圧降下(例えば第1図の
a点)になる。一方、限界電流検出用電極1dの
電位は内部抵抗による電圧降下と多孔層1fによ
つて酸素の流れが律速されることによる過電圧の
和(例えば第1図のb点)となつている。酸素ガ
スの流れ方向を多孔質層1f側から同1e側へ向
う方向とすると、電流は電極1b側から同1c側
および同1d側へ向う方向になる。従つて、電極
1cおよび1dの電位は接地電位に対して負値に
なつている。仮にある酸素濃度において内部抵抗
検出側の動作点がa点であれば接地電位に対する
電極1cの電位は−V1となる。同様に限界電流
検出電極の動作点がb点であれば電極1dの電位
は−V2となる。それ故、特定電位差付加部2で
は−V1からΔVを減ずるか又は−V2にΔVを加算
するかすれば、電極1cと1dの電位差を相殺す
ることができる。これは電位差増幅部3で電位差
を高倍率で増幅すれば増幅部3の入力端子電位差
が零に近づく方向に調節される。すなわち特定電
位差付加後の電位で比較して1c側の電位が低い
場合に電位差増幅器3の出力電圧がさらに負にな
り、逆に1cの電位が高い場合には増幅部3の出
力電圧が高く(出力電圧の絶対値では小さく)な
る様にi1及びi2が制御され、最終的には電位差増
幅部3の入力電位差が零になる状態に制御され
る。つまり、限界電流検出電極1dの電位の動作
点は第1図のb点に保たれ、センサ周囲の酸素濃
度が変化しても動作点はb1−b2線上に保たれるこ
とになる。この様にすればセンサ内部抵抗が温度
によつて変化しても常に正確な限界電流値i2を検
出することが可能になるのである。尚、酸素濃度
の上昇に伴つて限界電流検出側の動作点がb1−b2
の線上に添つて移動するが、これは見方を変える
と等価的に負の内部抵抗r3を持つた電源をセンサ
に接続していることになり、r3は内部抵抗検出側
での抵抗r2(正の値)にi1/i2を乗じた値の負の抵
抗を作つていることになる。すなわち r3=−r2×i1/i2 …(3)式 一般的に負の抵抗値を発生する電気回路では自
己発振の問題を生ずる。この問題を起こさずに安
定に動作させるためには負の抵抗と直列に正の抵
抗を接続し、しかも負の抵抗値より正の抵抗値の
方を大きくして、直列接続に於ける抵抗値の和を
正にしておく必要が生ずる。すなわち、限界電流
検出側の内部抵抗r2による電圧対電流の関係をc1
点とc2点を結ぶ線で表わせばc1とc2を結ぶ線の勾
配よりもb1とb2を結ぶ線の勾配の方を大きくして
おく必要がある。r2に対してr1の大小関係が異な
る場合があつたとしても(3)式に示した如く、i1
i2比を適当に設定することにより必らずr2+r3
正の値にすることができる。また両電極1c及び
1d、さらに多孔質層1g,1fが同一性状であ
つて電極面積当りの限界電流値も同一の場合には
i1とi2に同一の電流密度で流したのでは前記の如
き電極1cと電極1dの電位をすなわちa点とb
点の差ΔVなる差が発生しない。それ故、内部抵
抗検出側電極1cは限界電流検出側の電流密度よ
り低目(実用的には0.7〜0.9倍以下)の電流密度
になるように第一電流制御部と第二電流制御部の
比例関係を設定する必要がある。
又、第3図の破線の如く、内部抵抗検出側の多
孔質層を薄くすること等によつてガス透過性を大
きくして内部抵抗検出側の限界電流値の電流密度
の方を大きくすれば同一の電流密度であつても1
c側の電極では限界電流による過電圧は影響しな
くなり限界電流検出電極1dの動作電圧を内部抵
抗による電圧降下分を補正して第1図における動
作点をb1−b2上に乗せることができる。あるいは
内部抵抗検出側は全く限界電流特性を示さない様
に素子を構成しても良いことは当然で、これは電
極1cと電極1eではさまれる部分の材質を電子
伝導体あるいは酸素イオン、電子混合導電体とす
ることにより可能である。
又、第3図に示す破線の如き限界電流値を大き
くする特殊形状のセンサでなくても、電極面積1
cを1dより大きくすることにより内部抵抗検出
用電極側の電流密度を限界電流検出用電極側の電
流密度より小さくすれば(0.01〜0.7倍程度)過
電圧の影響が現われるのを避けることができる。
しかし密度を低くした割合だけ電圧降下も低くな
るのでその比率の逆数倍電圧降下分を増幅してや
れば前記と同様である。
尚、第2図では内部抵抗検出用電極1cと限界
電流検出用電極が並行している場合を示したが同
心円的配置になつていても良い。又、対向電極1
bが1ケの場合を示したが内部抵抗検出用と限界
電流検出用に分かれていても良い。同様に電解質
が一体となつている場合を示したがこれも内部抵
抗検出用と限界電流検出用で分離していても良
い。又、その場合には同質の電解質でなくても限
界電流検出用の電解質の抵抗温度係数と等しいか
あるいは近い抵抗温度係数を有する感温材料(サ
ーミスタ等)を用いても同様である。
又、第2図では内部抵抗検出用と限界電流検出
用電極の双方に同方向の電流すなわち同方向の酸
素イオンを流す場合を示してあるが、別の方向に
なつていても良い。その場合の回路を第7図に示
す。その場合には酸素ガス流律速側の多孔質層が
両面を向くので多孔質層の厚さを独立に設定する
ことが容易に行なえるという利点がある。その場
合には限界電流式酸素センサの構造を第7図のよ
うに変えた方が好都合である。その理由は酸素ガ
スの流れを多孔質層1lから1jへ向うものと1
iから1kへ向うものに分けることになるため、
電解質1a内における横方向の酸素イオン流れを
抑制することと、1kから1lへ向う酸素ガス流
れも抑制する必要があり、そのため内部抵抗検出
側と限界電流検出側の距離を少なくとも電解質厚
さ程度以上離す必要がある。第7図では電極1k
と1cを接地する場合の構成を示した。この場合
には電位差増幅部3の出力を抵抗4aへ供給する
と共に電極1gの電位を特定電位差付加部2へ供
給している。この場合には多孔質層1lの厚さよ
り1iの厚さを薄くすることによつて、内部抵抗
検出側の限界電流を限界電流検出側の値より大き
くすることができ、内部抵抗検出時に過電圧の影
響を受けることなく、内部抵抗を正しく検出する
ことができ、しかも1lと1iが反対側であるた
め、多孔質層を独立に設定することが容易である
という特徴を有する。尚、第7図の構成ではセン
サ部から出るリード線が4本になるが、第8図の
ように構成すれば3本に減ずることも可能であ
る。この場合には第3図と比較して電位差増幅部
3の出力を反転器15により正負逆転し、抵抗4
aへ供給する。そして電極1cの電位は反転器1
6により正負逆転してから特定電位差付加部へ供
給する。こうしても第7図の実施例と同様に機能
する。
第4図には一実施例を示す。電池10は特定の
電位差を与えるためのものである。演算増幅器7
は正(+)、負(−)入力間の電位差を増幅する。
反転器8は電圧の正負を反転する。反転型加算器
9は演算増幅器7の出力と反転器8の出力を加算
するためのものである。反転器8と反転型加算器
9の機能を合わせると抵抗5aの両端の電位差を
検出することができこの電圧は限界電流値と比例
した大きさになつている。
第5図には別の実施例を示す。この場合には抵
抗5aと比較して抵抗4aの値を大きくして内部
抵抗検出用電極側の電流密度を低下させて限界電
流の影響をさけると共に電流密度を低くすること
によつて電圧降下が小さくなつた分を電圧増幅器
11で増幅して補正し同一電流密度における電圧
降下を推定する方法を採つている。
第6図にさらに別の実施例を示す。この例では
第5図の場合と比較して電池を用いずにポテンシ
ヨメータ14と反転型加算器13およびポテンシ
ヨメータの入力+Vを用いたことと増幅器11の
かわりに反転型電圧増幅器12を用いた点が異な
つている。そして反転型加算器13、反転型電圧
増幅器12の使用に伴なつて電圧の正負が反転す
るため演算増幅器7への入力端子の接続を第4図
の場合と逆にして使用している。
次に、前記第2の態様の実施例、即ち、限界電
流式酸素センサとして2端子のものを用い、内部
抵抗検出と限界電流検出とを切換器により時分割
的に交互に切換える型のものについて第9図およ
び第10図により説明する。
第9図において、21は限界電流式酸素センサ
を示す。このセンサは固体電解質21aの両面に
電極21bと21cを有する。又、酸素流律速用
のコーテイング層21eと電極保護用コーテイン
グ層21dを有する。
この回路では時間を二分して、一方の期間には
限界電流の検出を行ない、他の期間には内部抵抗
の検出を行なうようにしている。
電圧印加部22は限界電流検出時にセンサに印
加する電圧を与える部分である。電流検出部23
は限界電流検出期間の電流検出に使用する。
切換部25は限界電流検出用の印加電圧と内部
抵抗検出回路を切り換えるためのものである。
内部抵抗検出部26は内部抵抗を測定するため
のものである。
発振部27は限界電流検出期間と電圧降下測定
期間を交互に切り換えるためのものである。実用
的には限界電流検出期間5〔ms〕〜500〔ms〕、
内部抵抗検出期間5〔ms〕〜500〔ms〕程度を
選べば良い。尚、温度変化は緩慢である場合が多
いので限界電流検出期間を長くして、内部抵抗検
出期間を短かくするのも有効である。
電圧降下演算部28は限界電流と内部抵抗を乗
じて電圧降下を演算するためのものである。
特定電圧加算部29は内部抵抗による電圧降下
の一部と特定電圧(CO2、H2O等を含む内燃機関
等の排気ガス中では実用的には0.25〔V〕〜1.0
〔V〕程度が良いが、これらは測定するガス雰囲
気中の成分によつて適切なる大きなとする必要が
ある)を加算して、限界電流測定時に過電圧支配
領域にするための印加電圧を求めるためのもので
ある。
サンプルホールド部30は限界電流検出期間に
は内部抵抗の情報が得られないため、内部抵抗検
出期間に測定した内部抵抗の値をサンプリングし
て保持しておくものである。
サンプルホールド部31は内部抵抗の測定時に
は限界電流の情報が得られないため、限界電流検
出期間に測定した限界電流の値をサンプリングし
て保持しておくものである。
サンプルホールド部30および31は発振器か
らの検出期間切換信号と同期してサンプリングを
行なう。
回路の動作としては発振部27の信号を用いて
二つの期間(第1期間と第2期間とする)に分け
て、それを短い周期で繰り返す。
先ず第1期間には限界電流の検出を行なう。そ
のときに印加する電圧は前期間において測定した
内部抵抗電圧降下と特定電圧を加算した値を用い
る。限界電流検出期間を長くして内部抵抗測定期
間を短くするのも前述の如く有効である。
次に第2期間には内部抵抗の検出を行なう。そ
のときに印加する電圧は微小なる大きさ(1〜
100〔mV〕程度)の直流又は交流電圧にするのが
実用的には良い。第1期間と第2期間を交互に繰
り返すことにより過電圧支配領域における限界電
流値を求めることができる。
尚、第1図において酸素濃度の上昇に伴なつて
限界電流検出の動作点がb1−b2の線上に添つて移
動することになるが、これは見方を変えると負の
内部抵抗(これをr3とする)を持つた定電圧電源
をセンサに接続していることに相当する。そし
て、センサの内部抵抗Rb(正)に減衰部24での
伝達率を乗じた値の負の抵抗を作つていることに
なる。
r3=−Rb×η …(4)式 但し、 η:減衰部24での伝達率 そして、負の抵抗を有する回路において発振に
よる不安定等の問題を起こさずに安定に動作させ
るためには負の抵抗と直列に正の抵抗を接続し、
しかも負の抵抗値よりも正の抵抗値の方を大きく
して、直列接続における抵抗値の和を正にしてお
かなければならない。
Rb+r3>0 …(5)式 ∴η<1 …(6)式 第1図を用いて説明するとセンサの内部抵抗
Rbによる電圧対電流の勾配をc1点とc2点を結ぶ線
で表わすとし、動作点の勾配をb1点とb2点を結ぶ
線で表わすとすると、c1点とc2点を結ぶ線の勾配
よりもb1点とb2点を結ぶ線の勾配の方を大きくし
ておかないと安定性が保てない。
尚、本発明の内部抵抗補償を行なうことによ
り、補償しない場合と比較して酸素濃度の測定範
囲を1/(1−η)倍に拡大することができる。
従つて、ηが1.0に近づく程拡大できることにな
るが、実用上は安定性との兼ね合いからηを0.5
〜0.99程度に選ぶのが良い。
尚、減衰部24を入れる位置は内部抵抗演算部
26の出力の部分へ入れても良いし、サンプルホ
ールド部30の出力の部分へ入れても良いし、特
定電圧加算部の出力の部分へ入れても良い。これ
等は全て等価な働きをする。又、26,30,2
8,29,22の各演算部での比例係数を調節す
ることによつて代用し、減衰部24を省略するこ
ともできる。
又、サンプルホールド30を入れる位置は電圧
降下演算部28の出力側へ入れても良いし、減衰
部24の出力側へ入れても良いし、特定電圧加算
部29の出力側へ入れても良い。これ等はいずれ
も等価である。
第10図には実施例を示す。第10図において
22aは反転型加算器であり、限界電流測定時に
センサに電圧を印加するためのものである。23
aは抵抗であり、この両端の電圧を23bの電位
差検出部で検出して限界電流を検出する。24a
はポテンシヨメータであり電圧降下を補償する割
り合いを設定している。
25aはリレーであり、限界電流測定用の印加
電圧と内部抵抗測定回路を交互に切り換えるため
のものである。
26aは微小電圧を印加して抵抗を測定する回
路である。
27aは矩形波発振器であり、限界電流測定期
間と電圧降下測定期間を切り換えるための信号を
発生させるためのものである。27bは1安定マ
ルチバイブレータで限界電流期間に切り換えた後
で、限界電流が切り換えに伴う過渡的な値から定
常状態に達した後でサンプリングを行なうための
ものである。同様に27cも1安定マルチバイブ
レータであり、内部抵抗測定期間に切り換えた後
で、内部抵抗が切り換えに伴う過渡的な値から定
常状態に達した後でサンプリング(電圧の)を行
うためのものである。
28aは積演算部であり、限界電流と内部抵抗
を乗じて電圧降下を演算するためのものである。
29aは反転型加算器であり、電圧降下と特定電
圧を加算するためのものである。29bはポテン
シヨメータであり、特定電圧を設定するためのも
のである。30および31はサンプルホールド部
であり限界電流および電圧降下を夫々の測定期間
において切り換え後の過渡期間を過ぎて定常状態
に達した後でサンプリングを行ない、それ以外の
期間にはその値を保持しておくためのものであ
る。
更に、前記第3の態様の実施例、即ち限界電流
式酸素センサとして2端子のものを用い、内部抵
抗検出用に交流を用い、限界電流検出用に直流を
用いる例について詳細に説明する。
第11図には限界電流センサの過電圧支配領域
におけるインピーダンスの周波数による軌跡を示
す。すなわち、直流(DC)および無限大(∞)
周波数では抵抗成分のみでリアクタンス分は零で
あるが、途中の周波数においてはリアクタンス成
分も存在する。このようなほぼ半円形の軌跡を描
くセンサの電気的等価回路は第12図の如く表わ
すことができる。第12図においてRbは抵抗支
配領域での内部抵抗に対応している。又、RD
過電圧領域における電解質と電極との界面に存在
する抵抗を表わし、CDは同様に界面の静電容量
を表わす。
従つて、過電圧支配領域において内部抵抗Rb
を求めるにもいくつかの方法が存在し得る。
(a) 1/2πCDRb以上か又はそれに近い周波数でイン ピーダンスの絶対値を求めてRbの近似値とす
る。
(b) 同上の方法において交流インピーダンス絶対
値と位相角から抵抗分を演算する。
(c) 複数の周波数においてインピーダンスの絶対
値や位相角を測定し、等価回路の各定数を求め
る。
これ等の各方法の内で(a)の方法が最も簡便であ
る。尚、周波数としてはセンサ素子の大きさ製法
等により最適に設定する必要があるが通常は500
〔Hz〕〜100〔kHz〕程度が適当である。
第13図に本発明の第3の態様の実施例の基本
的な回路構成を示す。以下、図に基いて詳細に説
明する。限界電流センサ41は酸素イオン導電体
41aの両側に電極41bと41cを有し、両電
極からリード線を取り出している。又、両電極の
外側に酸素流律速用のコーテイング41eと保護
用コーテイング41dを有する。電圧印加部42
の電圧は電流検出部43を経由してセンサに供給
する。電流検出部43で検出された電流信号を交
流直流分離部44へ導く。交流直流分離部44で
分離した直流電流成分は限界電流であり酸素濃度
に対応している。分離した交流電流成分は内部抵
抗演算部45へ導く。交流発振部48の出力電圧
を内部抵抗演算部45へ導き交流直流分離部44
で分離した交流電流成分と合わせて内部抵抗値を
求める。その内部抵抗値と分離部44で分離した
直流電流成分(限界電流)を電圧降下演算部46
へ導き積演算をする。この値は内部抵抗による電
圧降下分(第1図のV1)に相当する。電圧降下
演算部46で得られた電圧降下の一部と特定電圧
(第1図のΔV)の加算を特定電圧加算部47で
行なう。この電圧が限界電流センサに印加すべき
直流電圧分(第1図のV2)になる。特定電圧加
算部47の出力電圧と交流発振器48の出力電圧
を電圧印加部42で加算する。
尚、第1図において酸素濃度の上昇に伴つて限
界電流検出の動作点がb1−b2の線上に添つて移動
することになるが、これは見方を変えると負の内
部抵抗(これをr3とする)を持つた定電圧電源を
センサに接続していることに相当する。そして、
センサの内部抵抗Rb(正)に減衰部49での伝達
率を乗じた値の負の抵抗を作つていることにな
る。
r3=−Rb×η …(7)式 但し、 η:減衰部49での伝達率 そして、負の抵抗を有する回路に於て発振によ
る不安定等の問題を起こさずに安定に動作させる
ためには負の抵抗と直列に正の抵抗を接続し、し
かも負の抵抗値よりも正の抵抗値の方を大きくし
て、直列接続に於ける抵抗値の和を正にしておか
なければならない。
Rb+r3>0 …(8)式 ∴η<1 …(9)式 第1図を用いて説明するとセンサの内部抵抗
Rbによる電圧対電流の勾配をc1点とc2点を結ぶ線
で表わすとし、動作点の勾配をb1点とb2点を結ぶ
線で表わすとすると、c1点とc2点を結ぶ線の勾配
よりもb1点とb2点を結ぶ線の勾配の方を大きくし
ておかないと安定性が保てない。
尚、本発明の内部抵抗補償を行なうことにより
補償しない場合と比較して酸素濃度の測定範囲を
1/1−η倍に拡大することができる。従つて、η が1に近づく程拡大できることになるが実用上は
安定性との兼ね合いからηを0.5〜0.99程度に選
ぶのがよい。
尚、減衰部49を入れる位置は内部抵抗演算部
45の出力の部分へ入れても良いし、交流直流分
離部44から電圧降下演算部46へ接続する部分
に入れても良いし、特定電圧加算部47への出力
側へ入れても良い。これ等は全て等価な働きをす
る。又、44,45,46,47の各演算部での
比例係数を調節することによつて代用し、減衰部
49を省略することもできる。
第14図は第3図のブロツク図をさらに具体化
した実施例を示すものである。42aは反転型加
算器であり、センサに印加すべき電圧を演算(加
算)している。43aは電流を検出するための抵
抗である。43bは電位差検出部であり43aの
抵抗と43bの電位差を組み合わせ、次式により
電流を求めることができる。
I=V/R …(10) 但し、 I:電流 V:電位差 R:抵抗 44bはハイパスフイルタ(HPF)であり、
直流と交流の重畳した電圧の中から交流成分のみ
を取り出すものである。必要により発振周波数と
同調した帯域フイルタやロツクインアンプ又はト
ラツキングフイルタ等を用いても良い。44aは
ローパスフイルタ(LPF)であり。直流と交流
の重畳した電圧の中から直流成分のみを取り出す
ものである。この直流電流成分は限界電流になつ
ているので出力すると共に掛算器46bへ供給す
る。発振器48では交流電圧を発生させる。内部
抵抗計測の目的には周波数0.5〜100〔kHz〕、電圧
1〜500〔mV〕程度の範囲内が適当である。発振
器の電圧とハイパスフイルタ44bの出力を割算
器45bへ供給して次の演算を行なう。
r1=EAC/IAC ……(11)式 但し、 r1:界面抵抗も含めた内部抵抗。
EAC:発振器の出力電圧 IAC:HPFの出力 これによつて内部抵抗を求めることができる。
割算器の出力値(センサの内部抵抗)とLPFの
出力(限界電流)を掛算器46bへ導き積演算を
行う。
Vd=Idc×r1 …(12)式 但し、 Vd:内部抵抗での電圧降下 Idc:LPFの出力(限界電流) これにより内部抵抗での電圧降下を求めること
ができる。
適当な標準電圧(−10〔V〕)をポテンシヨメー
タ47aを通して0.5〔V〕程度の電圧(特定電
圧)を作り、それと掛算器の出力(内部抵抗によ
る電圧降下)をポテンシヨメータ49aを直して
反転型加算器47bに供給して加算を行なう。こ
の値はセンサに印加すべき直流電圧になる。発振
器の出力と加算器47bの出力を加算器42aに
供給して発振器の出力と加算を行なう。この出力
電圧は限界電流センサに印加すべき直流と交流の
重畳した電圧である。
第15図には別の実施例を示す。この場合には
ハイパスフイルタHPFの出力および発振器48
の出力の交流を整流して割算しているので交流波
形が零と交わる付近での零除算による不安定さの
問題が解消できる。
尚、一般的に割算および掛算をするかわりに対
数変換して減算又は加算を行ないそれを指数演算
することもできる。
第16図〜第19図には本発明によつて得られ
た結果を実線で従来技術による結果を破線で示
す。第16図には酸素濃度と出力電流の関係を示
す。従来技術では酸素濃度が高くなつて出力電流
が大きくなるにつれて内部抵抗による電圧降下が
大きくなり、印加電圧に近づくと電流が抑制され
て直線性が悪化すると共に上限が低くなつてしま
う。それに対し、本発明によるときは内部抵抗に
よる電圧降下の影響が出ないから直線性が良好で
あり、しかも酸素濃度の測定範囲が広いという特
徴を有する。
第17図では内部抵抗と酸素濃度測定範囲の関
係を示す。従来技術によるときは内部抵抗が低い
場合には測定範囲が広く、内部抵抗が大きくなる
につれて、急激に酸素濃度測定範囲が狭くなると
いう問題点があつたのに対し、本発明によるとき
には内部抵抗の影響を十分に補償しているため殆
んど影響を受けずに広い酸素濃度測定範囲が確保
できるという特徴を有する。
第18図には温度と酸素濃度測定範囲の関係を
示す。従来技術では温度が低下するにつれて急激
に上昇する内部抵抗の影響を受けて酸素濃度測定
範囲が狭くなるのに対し、本発明によるときは大
きな内部抵抗まで十分に補償できるので温度の低
い領域まで広い酸素濃度測定範囲を確保できると
いう特徴を有する。
第19図には耐久試験時間と出力電流の関係を
示す。耐久試験の初期には比較的大きな内部抵抗
変化を生ずるので、従来技術によるときには出力
電流の低下となつて現われる。しかし、本発明に
よるときには十分に補償できるため殆んど電流が
変化しないという特徴を有する。
以上要するに本発明の回路により限界電流式酸
素センサの内部抵抗に起因する電圧降下の影響を
補正して限界電流値を正しく検出することによ
り、直線性、精度が向上すると共に、測定可能酸
素濃度範囲、使用温度範囲を著るしく拡大するこ
とができ、耐久劣化等による内部抵抗の増加等に
対しても悪影響を受けなくてもすむようになり、
産業上すこぶる有用かつ利用価値の高い技術を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は限界電流式酸素センサの典型的な電圧
対電流特性の一例を示す図である。第2図は限界
電流検出用の他に内部抵抗検出用の電極を含む限
界電流式酸素センサを用いた場合の本発明の一実
施態様の基本的構成を示すブロツク図、第3図〜
第8図は第2図の構成の種々の実施例を示すもの
である。第9図および第10図は二端子型の限界
電流式酸素センサを用い、内部抵抗検出と限界電
流検出とを時分割的に切換える型の本発明の実施
の態様を示すブロツク図である。第11図は過電
圧領域における限界電流式酸素センサの周波数対
インピータン軌跡を示す図、第12図は限界電流
式酸素センサの過電圧領域における電気的等価回
路図、第13図は交流により内部抵抗の測定を、
直流により限界電流の測定を行なう態様の装置の
基本的な回路構成を示すブロツク図、第14図お
よび第15図はそれぞれ第13図の構成を具体化
した実施例を示す図である。第16図〜第19図
は本発明の効果を示すための特性図であり、第1
6図は酸素濃度と出力電流との関係、第17図は
内部抵抗と酸素濃度測定範囲との関係、第18図
は温度と測定酸素濃度範囲との関係、第19図は
耐久時間と出力電流との関係をそれぞれ示すもの
である。 1,21,41……固体限界電流式酸素セン
サ、2……特定電位差付加部、3……電位差増幅
部、4……第一電流制御部、5……第二電流制御
部、6……限界電流検出部、7……演算増幅器、
8,9,13,15,16,22a,29a,4
2a,47b……反転型加算器、22,42……
電圧印加部、23,43……電流検出部、24,
49……減衰部、25……切換部、26……内部
抵抗検出部、27……発振部、28,46……電
圧降下演算部、29,47……特定電圧加算部、
30,31……サンプルホールド部、44……交
流直流分離部、45……内部抵抗演算部。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 固体限界電流式酸素センサと、 前記固体限界電流式酸素センサに限界電流検出
    用電圧を印加して、それによつて流れる限界電流
    を測定する限界電流測定部と、 前記固体限界電流式酸素センサの、環境温度の
    変化に迅速に追従して変化する内部抵抗により生
    ずる電圧降下分(V1)に特定電圧(△V)を加
    えて前記限界電流検出用電圧を補償する補償部
    と、 を備えたことを特徴とする限界電流式酸素濃度検
    出装置。 2 固体酸素イオン伝導体から成る板あるいは円
    筒の一面に陰極層を、これと対向する他の面に陽
    極層を設けた構成の固体限界電流式酸素センサを
    用いたことを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の限界電流式酸素濃度検出装置。 3 固体酸素イオン伝導体から成る板あるいは円
    筒の一面に陰極層を、これと対向する他の面に陽
    極層を設け、さらに前記陰極層にはガスの拡散を
    制限するための部材による被覆を施した構成の固
    体限界電流式酸素センサを用いたことを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の限界電流式酸素濃
    度検出装置。 4 固体酸素イオン伝導体の一面に陰極層を、こ
    れと対向する他の面に陽極層を設けて構成した限
    界電流検出を行なうための部分と、前記固体酸素
    イオン伝導体の一部にさらに追加の電極層を設け
    構成した内部抵抗検出を行なうための部分とを備
    え、かつ内部抵抗測定のために付加した電極層に
    は前記限界電流検出を行なうための部分を陰極に
    被覆した部材のガス透過性よりも大きなガス透過
    性を有する部材で被覆した構成の限界電流式酸素
    センサと、 前記限界電流検出を行なうための部分に限界電
    流検出用電圧を印加することにより流れる限界電
    流を測定する限界電流測定部と、 前記内部抵抗検出を行なうための部分に、前記
    限界電流検出を行なうための部分の前記限界電流
    の電流密度とほぼ同じ電流密度の電流を印加し、
    かつ前記限界電流検出を行なうための部分に、特
    定電圧(△V)と前記内部抵抗検出を行なうため
    の部分における電圧降下(V1)との和の電圧で
    ある前記限界電流検出用電圧を印加するように、
    各センサ部を駆動する駆動回路部と を備えたことを特徴とする限界電流式酸素濃度検
    出装置。 5 固体酸素イオン伝導体の一面に陰極層を、こ
    れと対向する他の面に陽極層を設けて構成した限
    界電流検出を行なうための部分と、前記固体酸素
    イオン伝導体の一部にさらに追加の電極層を設け
    て構成した内部抵抗検出を行なうための部分とを
    備え、これら両部分の限界電流特性をほぼ同等に
    構成した固体限界電流式酸素センサと、 前記限界電流検出を行なうための部分に限界電
    流検出用電圧を印加することにより流れる限界電
    流を測定する限界電流測定部と、 前記内部抵抗検出を行なうための部分が抵抗支
    配領域内で駆動されるように前記限界電流検出を
    行なうための部分の電流密度より一定割合だけ低
    い電流密度の電流を前記内部抵抗検出を行なうた
    めの部分に印加し、かつ、特定電圧(△V)と前
    記内部抵抗検出を行なうための部分での電圧降下
    を前記電流密度を低減した割合分だけ増幅して補
    正した電圧(V1)との和(V1+△V)との電圧
    を前記限界電流検出を行なうための部分を印加す
    るように、各センサ部を駆動する駆動回路部と、 を備えたことを特徴とする限界電流式酸素濃度検
    出装置。 6 固体限界電流式酸素センサと、 前記固体限界電流式酸素センサに限界電流検出
    用電圧を印加して、それに流れる限界電流を測定
    する限界電流測定部と、 前記固体限界電流式酸素センサに対し、それを
    抵抗支配領域に駆動できる程度の大きさの内部抵
    抗検出用電圧を印加して、内部抵抗を測定する内
    部抵抗測定部と、 第1の期間に前記限界電流測定部を動作させ、
    第2の期間に前記内部抵抗測定部を動作させるよ
    うに交互に切換える切換部と、 前記測定した内部抵抗と限界電流とから、内部
    抵抗による電圧降下を算出する電圧降下算出部
    と、 予め定めた特定電圧と前記算出した内部抵抗に
    よる電圧降下の電圧とを加算して限界電流検出用
    電圧を生成する限界電流検出用電圧生成部と、 を備えたことを特徴とする限界電流式酸素濃度検
    出装置。 7 固体限界電流式酸素センサと、 前記固体限界電流式酸素センサに直流の限界電
    流検出用電圧を印加することにより流れる限界電
    流を測定する限界電流測定部と、 前記固体限界電流式酸素センサに対し、交流の
    内部抵抗検出用電圧を印加して、内部抵抗を測定
    する内部抵抗測定部と、 前記測定した内部抵抗と限界電流とから、内部
    抵抗により電圧降下を算出する電圧降下算出部
    と、 予め定めた特定電圧と前記算出した内部抵抗に
    よる電圧降下の電圧とを加算して限界電流検出用
    電圧を生成する限界電流検出用電圧生成部とを有
    し、 前記直流の限界電流検出用電圧と前記交流の内
    部抵抗検出用電圧とは重畳して限界電流式酸素セ
    ンサに印加されることを特徴とする限界電流式酸
    素濃度検出装置。
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