JPH01287404A - 固体表面複合分析装置 - Google Patents

固体表面複合分析装置

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JPH01287404A
JPH01287404A JP11755788A JP11755788A JPH01287404A JP H01287404 A JPH01287404 A JP H01287404A JP 11755788 A JP11755788 A JP 11755788A JP 11755788 A JP11755788 A JP 11755788A JP H01287404 A JPH01287404 A JP H01287404A
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sample
tip
probe
screen
electric field
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JP11755788A
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Osamu Nishikawa
治 西川
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は固体表面の超微細構造を観察および分析する装
置に関する。 (従来の技術) 固体表面の超微細構造を観察する方法としてトンネル走
査顕微It(STM)および電界イオン顕微鏡(FIM
)が実用化されており、また固体表面の超微小部分の分
析を行う装置としてアトムプローブ分析装置(AP)が
ある。 STMは鋭い探針の先端を試料表面から数への距離に近
づけて試料表面を走査し、試料表面の形状を原子レベル
の分解能で画き出す装置で、その原理を第2図で説明す
る。同図AでSは試料表面、Pは針先端部で個々の円弧
は原子である。原子は核の周りを電子雲で囲まれた構造
で、図の個々の円弧は各原子の電子雲の濃密な範囲で一
応原子の表面と考えられる面であるが、電子雲は急速に
密度が低下するが、その面より外方まで拡がっている。 図の点線はそのような固体表面近傍の電子雲密度の等高
線である。探針Pの先端が数Aの距離まで試料表面に近
づ(と、図のように針表面近傍と試料表面近傍の電子雲
はつながって、試料と針との間に電圧をかけてお(と両
者間にトンネル電流Itが流れる。このトンネル電流は
探針先端と試料表面との間の距離がIA変化しても指数
関数的に大きく変化するので、探針を第2図Bに示すよ
うにxyz微動微動装置数付け、トンネル電流が一定に
なるように2方向の位置を制御しなからx、y方向つま
り試料面に沿って走査し1.z方向の動きをx、y方向
の距離を横軸にとって記録することにより試料表面の形
状を原子的スケールで画き出すことができる。この装置
は真空中でも大気中でも使える。 STMの問題点は、探針の先端や試料表面の組成が分ら
ないことである。探針としてタングステンを用いていて
も、針先端の原子がタングステンとは限らない。吸着ガ
スで汚染されていたり、相手の試料と接触したとき試料
原子が付着したりしていることがあり、対向している原
子が変ればトンネル電流の電圧特性は変化する。従って
針先端および試料面の組成を明薙にしておくことが重要
であるが、これは容易なことではない。 FIMは第3図に示すように試料Nを先端半径が100
0A程度の球面になるように研摩した針とし、真空中で
この針の先に10cm程度離して蛍光板Fを置き両者間
に試料側を正にして高電圧を印加する。装置内に10”
−’To r r程度の映像ガスを入れておくと、試料
先端付近には仙界電界が成形されているので、その強電
界内で映像ガスは分極されて試料先端に引付けられ、ガ
ス分子が試料先端に接触するとトンネル効果により映像
ガス分子から試料側に電子が移り、映像ガス分子は正イ
オンとなって試料先端から反撥される。試料先端の電位
分布は第3図Bに示すように試料原子の配列を反映した
状態になっており、イオンはこの電位面に垂直に加速さ
れ、電界が針先端に集中している所から、針先端から少
し離れると殆んど無電界に近い状態でイオンは試料表面
近傍で加速された後直進して蛍光板に当り、これを発光
させる。イオンの反撥方向は試料先端の原子スケールの
゛電位分布形状によって決まるので、蛍光面上の輝点の
配列は試料先端の原子配列を反映したものとなる。従っ
てこの蛍光パターンから試料先端の原子配列を読み採る
ことができるのである。 APは上述したFIMと質量分析手段とを組合せたもの
である。試料の針と蛍光板間に電圧を印加すると、上述
した映像ガスのイオン化も起るが、針先端表面の原子も
陽イオンとして脱離する電界蒸発も起る。APはこの電
界蒸発によって生じたイオンを質量分析することによっ
て試料の針の先端表面の吸着原子1分子、或は試料その
ものの表面分析を行うもので、上述した電界蒸発は試料
表面の突出している原子から順序よ(進行して行くので
、・最上層から一原子層ずつ蒸発して行く。従って経時
的に質量分析を行っていると試料表面の組成を一原子層
単位で分析することができる。APの具体的な構造は第
3図Aに示すように試料針Nに対向させて蛍光板Fを置
き、蛍光板Fの中央に探査孔りを設けておき、探査孔を
通過したイオンを質量分析するようになっている。蛍光
板1:ltFIMのパターンが現れているので、針Nの
向きを変えて分析しようと思う表面のパターンが探査孔
りの所に来るようにして、質量分析を行う。質量分析の
方法としては例えば針と蛍光板間に一定の電圧を印加し
ておき、それに幅が数nsのパルス電圧を重畳してその
間に電界蒸発を行わせ、イオンの飛行速度によって質量
分析を行う方法が用いられる。試料が半導体の場合、パ
ルスは半導体中を効率よく伝わらないので、パルス電圧
の代りにパルスレーザの光を試料に当て\電界蒸発を行
わせる。 APは上述したように試料先端の原子配列と組成の両方
を観察できる特徴があるが、試料が半導体とか高分子或
は非晶質材料になると、構成原子の蒸発電界の方が映像
ガスのイオン化電界より弱くなり、FIMの像が得られ
ない場合があり、折角APで試料の組成を知ることがで
きても、これと試料原子の配列構造との関係を知ること
ができない。 (発明が解決しようとする課題) 本発明は上述したSTMとAPとを組合せることにより
、夫々の方法が有する問題点を解消し、任意試料の超微
1m構造の解明を可能にしようとするものである。 (課題を解決するための手段) 針状試料の先端に対向させて第1のスクリーンを配置し
、このスクリーンの中央に小孔を穿ってその後方に質量
分析手段を配置し、上記試料先端と上記スクリーンとの
間に退避可能にx、y、t3軸方向駆動される探針をそ
の先端を試料先端に対向させて配置し、上記探針が試料
と上記スクリーンとの間から退避した位置において上記
探針先端と対向する位置に第2のスクリーンを配置し、
試料および探針に高電圧を印加して第1および第2のス
クリーン上に試料および探針先端のFIM像を形成し得
るようにするき共に、試料先端と探針先端とを対向させ
た状態で両者間に流れるトンネル電流を検出してSTM
1111定を行い得るようにした。 (作用) 試料が針状であり、その試料と対向してスクリーンが配
置してあって、試料に高電圧を印加できるので、スクリ
ーン上にはFIM像が形成される。こ\でスクリーンに
は中央に小孔が穿っであるので、試料に高電圧を印加し
たとき試料表面から電界蒸発したイオンはこの小孔を通
過できる。 小孔の背後には質量分析手段が設けられているので、こ
のイオンの質量分析ができる。つまりAP分析ができる
。試料と上記スクリーンとの間に退避可能に探針が設け
られ、探針を用いて試料先端面の87M観察ができる。 探針の退避位置において探針と対向するスクリーンには
探針自身のFIM像が形成される。AP分析は試料表面
の電界蒸発を伴っているので、試料面の浄化にも利用で
き、探針についてもFIM像の観察ができるので、電界
蒸発を利用した浄化と浄化の1ivlができる。 (実施例) 第1図に本発明の一実施例を示す。まずこの実施例の概
要を説明する。1は真空容器で、左端部に試料Sが取付
けられる。試料Sは先端曲率半径が1000A程度まで
鋭くされており、FIM像を観察することができる。こ
の試料先端と対向して約10CII離れて蛍光板2が配
置されている。蛍光板2は感光板3と置換可能なように
ターレット式の切換袋a4に取付けられており、中央に
小孔りが穿たれている。試料Sの先端と蛍光板2の小孔
りの中心を結ぶ線上で蛍光板後方にイオン検出器5が配
置されている。Bは87M用の探針でx、y、zS軸方
向駆動装ft6に保持されており、3軸方向に醍知量駆
動されるようになっている。駆動装置6は水平軸Vによ
って起倒可能に保持され、図案線位置と点線位置の二位
置をとり得るようにしである。駆動装置6を図案線位置
にすると試料Sの先端と探針Bの先端とが向き合い、こ
の状態で探針Bの2方向位置を調整して試料Sと探針8
間に電圧を印加すると両者間にトンネル電流が流れるよ
うにすることができる。そこで、駆動装置6を作動させ
て試料Sの先端に沿い探針を移動させてSTMの観測が
できる。駆動装置6を倒して固点線の位置にすると、探
針Bは試料Sの先端から退避する。この状態で試料Sと
真空容器1間に高電圧を印加し、試料先端から電界蒸発
を起こさせると、試料から離脱したイオンが蛍光板2の
中心孔りを通過しイオン検出fi5によって検出される
。このときイオンの飛行速度Vを測定することでイオン
の質量分析が行われる。従ってAP分析が可能となる。 またこの状態で真空容器1内に映像ガスを送っておけば
蛍光板2上にFIM像を得ることができる。駆動装置6
を固点線位置に倒したとき探針Bは先端が上を向いてい
る。 この上向きの探針の先端に対向する位置にもう一つの蛍
光板7が配置してあり、真空容器1と探針Bとの間に高
電圧を印加すると蛍光板7上に探針Bの先端のFIM像
を見ることができる。 上述装置で試料の87M観測を行う場合の装置の操作お
よび動作を述べる。STMにおいて問題になるのは前述
したように試料および探針の表面の汚染である。試料に
ついては、探針Bを固点線位置に退避させた状態で試料
先端から電界蒸発を行わせ、蒸発したイオンを質量分析
するAP機能によイオン種を決定すれば、試料から蒸発
して来るイオンが試料のものか汚染物質のものかがわか
るから、汚染物質のイオンが検出されなくなる迄電界蒸
発を続ければ、試料表面の浄化およびその確認ができる
。探針Bの先端の汚染も探針の図点線位置で蛍光板7に
おいて探針Bの先端のFIM像を観察すると、もし汚染
がなければFIM像は゛探針の材質例えばタングステン
のFIM像が観察される。FIM像は針先端表面の原子
の種類および配列を現しており、汚染に対し敏感である
からFIM像の観察で表面が清浄か否かがわかる。汚染
が認められるときは電界蒸発によって浄化できることは
試料の場合と同じである。このようにして試料および探
針の表面の清浄さが確認された後、探針を図実線位置に
してSTMH測を行う。 記述のように探針を図点線位置にしておけばAP測定お
よびFTMil!測ができる。 試料Sを保持する試料台8は真空容器1の左端壁の開口
部の蓋であって容器1に対し電気的に絶縁して気密に取
付けられる。試料台8には試料をx、y、z3軸方向に
位置調節するマイクロメータ式の微動装置8aが付設さ
れており、真空容器1に取付けられた光学顕微鏡9によ
り探針Bと試料Sの相互位置合わせが目視によってでき
るようになっている。目視によって成る程度位置合わせ
をして後はSTMII定系の自動制御作用により、試料
に対し、探針先端は自動的に適当な位置をとる。探針駆
動装置6も真空容器1に対して電気的に絶縁されて取付
けられており、真空容器1は接地されていて、試料およ
び探針には正の高電圧が印加できるようにしである。駆
動装ft6のX。 y * z 3軸方向の駆動は夫々圧電素子によって行
われる。STM測定を行うとき、試料Sは定電圧源eに
接続される。試料Sと探針8間に流れるトンネル電流が
抵抗r1プリアンプA等よりなる電流検出回路で検出さ
れ、コンパレータCで規準値と比較され、コンパレータ
Cの出力が駆動装置6の2軸駆動信号発生器v1;=入
力され、トンネル電流が一定値を保つよう2軸駆動が行
われる。V2の出力は記録計Rに送られる。他方駆動装
置6のX軸、y軸方向夫々の駆動信号発生器Vx、Vy
が予め与えられたスケジュールで信号を出し、探針Bに
試料Sの先端に沿ってx、y方向走査運動を行わせる。 このx、y両軸駆動信号も記録計Rに送られ、記録計R
に試料先端の形状が画き出される。FIMIQlllを
行う場合試料Sは直流高圧電源Hに接続される。真空容
器1内には映像ガスとして10Torr程度にHeが導
入される。 AP測定を行う場合、直流高圧電源Hの電圧に加えてパ
ルス発生器Pの出力パルスが印加される。 このパルスはnsオーダの時間幅である。高圧電源Hの
出力電圧だけでは試料からの電界蒸発は起こらず、パル
ス発生器Pの出力が重なったとき電界蒸発が起るように
夫々の電圧を設定しておくと、イオン検出器5からはパ
ルス発生器Pの出力パルスと同期したパルスが出力され
る。このとき計時回路Tでパルス発生器Pの出力パルス
とイオン検出l!#5の出力パルス間の時間遅れを測定
する。この時間遅れは試料から蒸発したイオンが試料近
傍の電界で加速されて到達する速度に関係しており、重
いイオン程遅れ時間が大きいから、この遅れ時間の測定
によってイオンの質量分析が行われる。 第1図に示した実施例は上述したようなものであるが、
試料からの電界蒸発を行わせるのに上述したパルス発生
器Pのパルスを重畳する代りに或はこれと併用して、パ
ルスレーザ照射手段を設けてもよい。また試料Sはその
先端を中心にして向きが変えられるようにした揺動可能
なホルダに保持させ、このホルダーを試料台8に取付け
るようにしてもよい。このようにすると試料先端のFI
M像を見て、そのパターンの特定の部位が蛍光板2の中
心に来るように試料を傾けて、その状態でAPIIII
定を行うことにより、試料面の超微小部分を指定してA
Pによる分析を行うことができる。 (発明の効果) 本発明によればSTMIQ察を行うに当って試料および
探針の汚染の除去および汚染除去の確認ができるだけで
なく、APとSTMとの両方が可能なことにより、FI
M像が得られないような試料に対しても、STMによる
表面の超微細構造と関係づけて元素分析を行うことがで
きる他、FIM、AP二看者複合結果次のような効果が
得られる。 試料針先端は各種の結晶面が現われているので、結晶面
毎の興った物性(例えば、原子間結合力、電子状態の差
、加熱によるこれらの変化等)が調べられる。これはF
IMによって試料先端の一つの結晶面を選んで、AP分
析を行うことにより、その結晶面の電界蒸発の難易度が
分るからである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例装置の側面図、第2図AはS
TMの原理図、第2図BはSTMの全体概略図、第3図
AはFIMおよびAPの概略構成図、第3図Bは同上に
おける試料先端拡大図である。 1・・・真空容器、2・・・蛍光板、5・・・イオン検
出器、6・・・x、y、z3軸方向駆動装置、7・・・
蛍光板、8・・・試料台、S・・・試料、B・・・探針
。 代理人  弁理士 縣  浩 介 $1 図 第2図 I!3図 手  続  補  正  書(自発) 1、事件の表示  昭和63年特許願第n”i午′57
−7ヂ 2、発明の名称 固併表jネ1か今市口(1 3、補正をする者 事件との関係  特許出願人 4、代 理 人 訂正明 細 書 1、発明の名称 固体表面複合分析装置 2、特許請求の範囲 針状試料の先端に対向させて第1のスクリーンを配置し
、このスクリーンの中央に小孔を穿ってその後方に質量
分析手段を配置し、上記試料先端と上記スクリーンとの
間に退避可能にx、y、z3軸方向駆動される探針をそ
の先端を試料先端に対向させて配置し、上記探針が試料
と上記スクリーンとの間から退避した位置において上記
探針先端と対向する位置に第2のスクリーンを配置し、
試料および探針に高電圧を印加して上記第1および第2
のスクリーン上に試料および探針先端の電界イオン顕微
鏡像を形成し得るようにすると共に、試料先端と探針先
端とを対向させた状態で両者間に流れるトンネル電流を
検出して走査星トンネル顕微鏡の出力が得られるように
したことを特徴とする固体表面複合分析装置。 3、発明の詳細な説明 (産業上の利用分野) 本発明は固体表面の超微細構造を観察および分析する装
置に関する。 (従来の技術) 固体表面の超微細構造を観察する方法としてトンネル走
査型顕微鏡(STM)および電界イオン顕微鏡(FIM
)が実用化されており、また固体表面の超微小部分の分
析を行う装置としてアトムプローブ分析装置(AP)が
ある。 STMは鋭い探針の先端を試料表“面から数λの距離に
近づけて試料表面を走査し、試料表面の形状を原子レベ
ルの分解能で画き出す装置で、その原理を第2図で説明
する。同図AでSは試料表面、Pは針先端部で個々の円
弧は原子である。原子は核の周りを電子雲で囲まれた構
造で、図の個々の円弧は各原子の電子雲の濃密な範囲で
一応原子の表面と考えられる面であるが、電子雲は急速
に密度が低下するが、その面より外方まで拡がっている
。図の点線はそのような固体表面近傍の電子雲密度の等
高線である。探針Pの先端が数式の距離まで試料表面に
近づ(と、図のように針表面近傍と試料表面近傍の電子
雲はつながって、試料と針との間に電圧をかけておくと
両者間にトンネル電流Itが流れる。このトンネル電流
は探針先端と試料表面との間の距離が0.1人変化して
も指数関数的に大きく変化するので、探針を第2図Bに
示すようにxyz微動微動装置数付け、トンネル電流が
一定になるように2方向の位置を制御しながらx+Y方
向つまり試料面に沿って走査し、2方向の動きをx、y
方向の距離を横軸にとって記録することにより試料表面
の形状を原子的スケールで画き出すことができる。この
装置は真空中でも大気中でも使える。 STMの問題点は、探針の先端や試料表面の組成が分ら
ないことである。探針としてタングステンを用いていて
も、針先端の原子がタングステンとは限らない。吸着ガ
スで汚染されていたり、相手の試料と接触したとき試料
原子が付着したりしていることがあり、対向している原
子が変ればトンネル電流の電圧特性は変化する。従って
針先端および試料面の組成を明確にしておくことが重要
であるが、これは容易なことではない。 FIMは第3図に示すように試料Nを先端半径が100
OX程度の球面になるように研摩した針とし、真空中で
この針の先にl0C11程度離して蛍光板Fを置き両者
間に試料側を正にして高電圧を印加する。装置内に10
  Torr程度の映像ガスを入れておくと、試料先端
付近には強電界が成形されているので、その強電界内で
映像ガスは分極されて試料先端に引付けられ、ガス分子
が試料先端に接触するとトンネル効果により映像ガス分
子から試料側に電子が移り、映像ガス分子は正イオンと
なって試料先端から反撥される。試料先端の電位分布は
第3図Bに示すように試料原子の配列を反映した状態に
なっており、イオンはこの電位面に垂直に加速され、電
界が針先端に集中している所から、針先端から少し離れ
ると殆んど無電界に近い状態でイオンは試料表面近傍で
加速された後直進して蛍光板に当り、これを発光させる
。 イオンの反撥方向は試料先端の原子スケールの電位分布
形状によって決まるので、蛍光面上の輝点の配列は試料
先端の原子配列を反映したものとなる。従ってこの蛍光
パターンから試料先端の原子配列を読み取ることができ
るのである。 APは上述したFIMと質量分析手段とを組合せたもの
である。試料の針と蛍光板間に電圧を印加すると、上述
した映像ガスのイオン化も起るが、針先端表面の原子も
陽イオンとして脱離する電界蒸発も起る。APはこの電
界蒸発によって生じたイオンを質量分析することによっ
て試料の針の先端表面の吸着原子2分子、或は試料その
ものの表面分析を行うも、ので、上述した電界蒸発は試
料表面の突出している原子から順序よく進行して行くの
で、最上層から一原子層ずつ蒸発して行(。従って経時
的に質量分析を行っていると試料表面の組成を一原子層
単位で分析することができる。APの具体的な構造は第
3図Aに示すように試料針Nに対向させて蛍光板Fを置
き、蛍光板Fの中央に探査孔りを設けておき、探査孔を
通過したイオンを質量分析するようになっている。蛍光
板にはFIMのパターンが現れているので、針Nの向き
を変えて分析しようと思う表面のパターンが探査孔りの
所に来るようにして、質量分析を行う。質量分析の方法
としては例えば針と蛍光板間に一定の電圧を印加してお
き、それに幅が数nsのパルス電圧を重畳してその間に
電界蒸発を行わせ、イオンの飛行速度によって質量分析
を行う方法が用いられる。試料が半導体の場合、パルス
は半導体中を効率よく伝わらないので、パルス電圧の代
りにパルスレーザの光を試料に当て\電界蒸発を行わせ
る。 APは上述したように試料先端の原子配列と組成の両方
を観察できる特徴があるが、試料が半導体とか高分子或
は非晶質材料になると、構成原子の蒸発電界の方が映像
ガスのイオン化電界より弱くなり、FIMの像が得られ
ない場合があり、折角APで試料の組成を知ることがで
きても、これと試料原子の配列構造との関係を知ること
ができない。 (発明が解決しようとする課題) 本発明は上述したSTM、l!:APとを組合せること
により、夫々の方法が有する問題点を解消し、任意試料
の超微細構造の解明を可能にしようとするものである。 (課題を解決するための手段) 針状試料の先端に対向させて第1のスクリーンを配置し
、このスクリーンの中央に小孔を穿ってその後方に質量
分析手段を配置し、上記試料先端と上記スクリーンとの
間に退避可能にX * 3’ # Z3軸方向駆動され
る探針をその先端を試料先端に対向させて配置し、上記
探針が試料と上記スクリーンとの間から退避した位置に
おいて上記探針先端と対向する位置に第2のスクリーン
を配置し、試料および探針に高電圧を印加して第1およ
び第2のスクリーン上に試料および探針先端のFIM像
を形成し得るようにすると共に、試料先端と探針先端と
を対向させた状態で両者間に流れるトンネル電流を検出
してSTM測定を行い得るようにした。 (作用) 試料が針状であり、その試料と対向してスクリーンが配
置してあって、試料に高電圧を印加できるので、スクリ
ーン上にはFIM像が形成される。こ\でスクリーンに
は中央に小孔が穿っであるので、試料に高電圧を印加し
たとき試料表面から電界蒸発したイオンはこの小孔を通
過できる。 小孔の背後には質量分析手段が設けられているので、こ
めイオンの質量分析ができる。つまりAP分析ができる
。試料と上記スクリーンとの間に退避可能に探針が設け
られ、探針を用いて試料先端面の37M観察ができる。 探針の退避位置において探針と対向するスクリーンには
探針自身のFIM像が形成される。AP分析は試料表面
の電界蒸発を伴っているので、試料面の浄化にも利用で
き、探針についてもFIM像の観察ができるので、電界
蒸発を利用した浄化と浄化の確認ができる。 (実施例) 第1図に本発明の一実施例を示す。まずこの実施例の概
要を説明する。1は真空容器で、左端部に試料Sが取付
けられる。試料Sは先端曲率半径が1000λ程度まで
鋭くされており、FIM像を観察することができる。こ
の試料先端と対向して約10cs+離れて蛍光板2が配
置されている。蛍光板2は感光板3と置換可能なように
ターレット式の切換装置4に取付けられており、中央に
小孔りが穿たれている。試料Sの先端と蛍光板2の小孔
りの中心を結ぶ線上で蛍光板後方にイオン検出器5が配
置されている。BはSTM用の探針でx、y、z3軸方
向駆動装置6に保持されており、3軸方向に既知量駆動
されるようになっている。駆動装置6は水平軸Vによっ
て起倒可能に保持され、図案線位置と点線位置の二位置
をとり得るようにしである。駆動値fl16を図案線位
置にすると試料Sの先端と探針Bの先端とが向き合い、
この状態で探針Bの2方向位置を調整して試料Sと探針
8間に電圧を印加すると両者間にトンネル電流が流れる
ようにすることができる。そこで、駆動装置6を作動さ
せて試料Sの先端に沿い探針を移動させてSTMの観測
ができる。駆動装置6を倒して固点線の位置にすると、
探針Bは試料Sの先端から退避する。この状態で試料S
と真空容器1間に高電圧を印加し、試料先端から電界蒸
発を起こさせると、試料から離脱したイオンが蛍光板2
の中心孔りを通過しイオン検出器5によって検出される
。このときイオンの飛行速度Vを測定することでイオン
の質量分析が行われる。従ってAP分析が可能となる。 またこの状態で真空容器1内に映像ガスを送っておけば
蛍光板2上にFIM像を得ることができる。駆動装置6
を固点線位置に倒したとき探針Bは先端が上を向いてい
る。 この上向きの探針の先端に対向する位置にもう一つの蛍
光板7が配置してあり、真空容器1と探針Bとの間に高
電圧を印加すると蛍光板7上に探針Bの先端のFIM像
を見ることができる。 上述装置で試料のSTMl!測を行う場合の装置の操作
および動作を述べる。STMにおいて問題になるのは前
述したように試料および探針の表面の汚染である。試料
については、探針Bを固点線位置に退避させた状態で試
料先端から電界蒸発を行わせ、蒸発したイオンを質量分
析するAP機能によイオン種を決定すれば、試料から蒸
発して来るイオンが試料のものか汚染物質のものかがわ
かるから、汚染物質のイオンが検出されなくなる迄電界
蒸発を続ければ、試料表面の浄化およびその確認ができ
る。探針Bの先端の汚染も探針の固点線位置で蛍光板7
において探針Bの先端のFIM像を観察すると、もし汚
染がなければFIM像は探針の材質例えばタングステン
のFIM像が観察される。FIM像は針先端表面の原子
の種類および配列を現しており、汚染に対し敏感である
からFIM像の観察で表面が清浄か否かがわかる。汚染
が認められるときは電界蒸発によって浄化できることは
試料の場合と同じである。このようにして試料および探
針の表面の清浄さが確認された後、探針を図案線位置に
してS TM11測を行う。 記述のように探針を固点線位置にしておけばAP測定お
よびFIM観測ができる。 試料Sを保持する試料台8は真空容器1の左端壁の開口
部の蓋であって容器1に対し電気的に絶縁して気密に取
付けられる。試料台8には試料をxp y+ z3軸方
向に位置調節するマイクロメータ式の微動装置8aが付
設されており、真空容器1に取付けられた光学顕微鏡9
により探針Bと試料Sの相互位置合わせが目視によって
できるようになっている。目視によって成る程度位置合
わせをして後は87M測定系の自動制御作用により、試
料に対し、探針先端は自動的に適当な位置をとる。探針
駆動装置6も真空容器1に対して電気的に絶縁されて取
付けられており、真空容器1は接地されていて、試料お
よび探針には正の高電圧が印加できるようにしである。 駆動装置6のX。 y、z3軸方向の駆動は夫々圧電素子によって行われる
。87M測定を行うとき、試料Sは定電圧源eに接続さ
れる。試料Sと探針8間に流れるトンネル電流が抵抗r
1プリアンプA等よりなる電流検出回路で検出され、コ
ンパレータCで規準値と比較され、コンパレータCの出
力が駆動装置6の2軸駆動信号発生器Vzに入力され、
トンネル電流が一定値を保つよう2軸駆動が行われる。 V2の出力は記録計Rに送られる。他方駆動装置6のX
軸、y軸方向夫々の駆動信号発生器Vx、Vyが予め与
えられたスケジュールで信号を出し、探針Bに試料Sの
先端に沿ってx、y方向走査運動を行わせる。このx、
y両軸駆動信号も記録計Rに送られ、記録計Rに試料先
端の形状が画き出される。FIMW!測を行う場合試料
Sは直流高圧電源Hに接続される。真空容器1内には映
像ガスとして10−令Torr程度にHeが導入される
。 AP111定を行う場合、直流高圧電源Hの電圧に加え
てパルス発生器Pの出力パルスが印加される。 このパルスはnsオーダの時間幅である。高圧電源Hの
出力電圧だけでは試料からの電界蒸発は起こらず、パル
ス発生器Pの出力が重なったとき電界蒸発が起るように
夫々の電圧を設定しておくと、イオン検出器5からはパ
ルス発生器Pの出力パルスと同期したパルスが出力され
る。このとき計時回路Tでパルス発生器Pの出力パルス
とイオン検出器5の出力パルス間の時間遅れを測定する
。この時間遅れは試料から蒸発したイオンが試料近傍の
電界で加速されて到達する速度に関係しており、重いイ
オン程遅れ時間が大きいから、この遅れ時間の測定によ
ってイオンの質量分析が行われる。 第1図に示した実施例は上述したようなものであるが、
試料からの電界蒸発を行わせるのに上述したパルス発生
器Pのパルスを重畳する代りに或はこれと併用して、パ
ルスレーザ照射手段を設けてもよい。また試料Sはその
先端を中心にして向きが変えられるようにした揺動可能
なホルダに保持させ、このホルダーを試料台8に取付け
るようにしてもよい。このようにすると試料先端のFI
M像を見て、そのパターンの特定の部位が蛍光板2の中
心に来るように試料を傾けて、その状態でAP測測定行
うことにより、試料面の超微小部分を指定してAPによ
る分析を行うことができる。 (発明の効果) 本発明によればSTM観察を行うに当って試料および探
針の汚染の除去および汚染除去の確認ができるだけでな
く、APとSTMとの両方が可能なことにより、FIM
像が得られないような試料に対しても、STMによる表
面の超微細構造と関係づけて元素分析を行うことができ
る他、FIM、AP二看者複合結果法のような効果が得
られる。 試料針先端は各種の結晶面が現われているので、結晶面
毎の異った物性(例えば、原子間結合力、電子状態の差
、加熱によるこれらの変化等)が調べられる。これはF
IMによって試料先端の一つの結晶面を選んで、A2分
析を行うことにより、その結晶面の電界蒸発の難易度が
分るがらである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例装置の側面図、第2図AはS
TMの原理図、第2図BはSTMの全体概略図、第3図
AはFIMおよびAPの概略構成図、第3図Bは同上に
おける試料先端拡大図である。 l・・・真空容器、2川蛍光板、5・・・イオン検出器
、6・・・X t ”I t 23軸方向駆動装置、7
・・・蛍光板、8・・・試料台、S・・・試料、B・・
・探針。 代理人  弁理士 縣  浩 介 手続補正書(自発) 1、 事件の表示 昭和63年特許願第117557号
2、 発明の名称 固体表面複合分析装置 3、 補正をする者 事件との関係   特許出願人 住 所 京都市中京区西ノ京桑原町1番地名称(199
)株式会社島津製作所 代表者   西 八 條  實 4、 代 理 人  郵便番号 5415、 補正によ
り増加する発明の数  06、 補正の対象 明細書全文 tTTE明 細 書 1. 発明の名称 固体表面複合分析装置 2、特許請求の範囲 針状試料の先端に対向させて第1のスクリーンを配置し
、このスクリーンの中央に小孔を穿ってその後方に質量
分析手段を配置し、上記試料先端と上記スクリーンとの
間に退避可能にx、y、z3軸方向駆動される探針をそ
の先端を試料先端に対向させて配置し、上記探針が試料
と上記スクリーンとの間から退避した位置において上記
探針先端と対向する位置に第2のスクリーンを配置し、
試料および探針に高電圧を印加して上記第1および第2
のスクリーン上に試料および探針先端の電界イオン顕微
鏡像を形成し得るようにすると共に、試料先端と探針先
端とを対向させた状態で両者間に流れるトンネル電流を
検出して走査型トンネル顕微鏡の出力が得られるように
したことを特徴とする固体表面複合分析装置。 3、発明の詳細な説明 (産業上の利用分野) 本発明は固体表面の超微細構造を観察および分析する装
置に関する。 (従来の技術) 固体表面の超微、細構造を観察する方法として走査型ト
ンネル顕微鏡(STM)および電界イオン顕微跳(FI
M)が実用化されており、また固体表面の超微小部分の
分析を行う装置としてアトムプローブ分析装置(AP)
がある。 STMは鋭い探針の先端を試料表面から数人の距離に近
づけて試料表面を走査し、試料表面の形状を原子レベル
の分解能で画き出す装置で、その原理を第2図で説明す
る。同図AでSは試料表面、Pは針先端部で個々の円弧
は原子である。原子は核の周りを電子雲で囲まれた構造
で、図の個々の円弧は各原子の電子雲の濃密な範囲で一
応原子の表面と考えられる面であるが、電子雲は急速に
密度が低下するが、その面より外方まで拡がっている。 図の点線はそのような固体表面近傍の電子雲密度の等高
線である。探針Pの先端が数人の距、mまで試料表面に
近づくと、図のように針表面近傍と試料表面近傍の電子
雲はつながって、試料と針との間に電圧をかけておくと
両者間にトンネル電流Itが流れる。このトンネル電流
は探針先端と試料表面との間の距離が0.1人変化して
も指数関数的に太き(変化するので、探針を第2図Bに
示すようにxyz微動装置Mに取付け、トンネル電流が
一定になるようにZ方向の位置を制御しなからx、y方
向つまり試料面に沿って走査し、2方向の動きをXIY
方向の距離を横軸にとって記録することにより試料表面
の形状を原子的スケールで画き出すことができる。この
装置は真空中でも大気中でも使える。 STMの問題点は、探針の先端や試料表面の組成が分ら
ないことである。探針としてタングステンを用いていて
も、針先端の原子がタングステンとは限らない。吸着ガ
スで汚染されていたり、相手の試料と接触したとき試料
原子が付着したりしていることがあり、対向している原
子が変ればトンネル電流の電圧特性は変化する。従って
針先端および試料面の組成を明確にしておくことが重要
であるが、これは容易なことではない。 FIMは第3図に示すように試料Nを先端半径が100
0人程度0球面になるように研摩した針とし、真空中で
この針の先に10c11程度離して蛍光板Fを置き両者
間に試料側を正にして高電圧を印加する。装置内に10
−’ Torr程度の映像ガスを入れてお(と、試料先
端付近には強電界が成形されているので、その強電界内
で映像ガスは分極ス分子から試料側に電子が移り、映像
ガス分子は正イオンとなって試料先端から反撥される。 試料先端の電位分布は第3図Bに示すように試料原子の
配列を反映した状態になっており、イオンはこの電位面
に垂直に加速され、電界が針先端に集中している所から
、針先端から少し離れると殆んど無電界に近い状態でイ
オンは試料表面近傍で加速された後直進して蛍光板に当
り、これを発光させる。イオンの反撥方向は試料先端の
原子スケールの電位分布形状によって決まるので、蛍光
面上の輝点の配列は試料先端の原子配列を反映したもの
となる。従ってこの蛍光パターンから試料先端の原子配
列を読み取ることができるのである。 APは上述したFIMと質量分析手段とを組合せたもの
である。試料の針と蛍光板間に電圧を印加すると、上述
した映像ガスのイオン化も起るが、針先端表面の原子も
陽イオンとして脱離する電界蒸発も起る。APはこの電
界蒸発によって生じたイオンを質量分析することによっ
て試料の針の先端表面の吸着原子1分子、或は試料その
ものの表面分析を行うもので、上述した電界蒸発は試料
表面の突出している原子から順序よく進行して行くので
、最上層から一原子層ずつ蒸発して行く。従って経時的
に質量分析を行っていると試料表面の組成を一原子層単
位で分析することができる。APの具体的な構造は第3
図Aに示すように試料針Nに対向させて蛍光板Fを置き
、蛍光板Fの中央に探査孔りを設けておき、探査孔を通
過したイオ゛ンを質量分析するようになっている。蛍光
板にはFIMのパターンが現れているので、針Nの向き
を変えて分析しようと思う表面のパターンが探査孔りの
所に来るようにして、質量分析を行う。質量分析の方法
としては例えば針上蛍光板間に一定の電圧を印加してお
き、それに幅が数nsのパルス電圧を重畳してその間に
電界蒸発を行わせ、イオンの飛行速度によって質量分析
を行う方法が用いられる。試料が半導体の場合、パルス
は半導体中を効率よく伝わらないので、パルス電圧の代
りにパルスレーザの光を試料に当て\電界蒸発を行わせ
る。 APは上述したように試料先端の原子配列と組成の両方
を観察できる特徴があるが、試料が半導体とか高分子或
は非晶質材料になると、構成原子の蒸発電界の方が映像
ガスのイオン化電界より弱くなり、FIMの像が得られ
ない場合があり、折角APで試料の組成を知ることがで
きても、これと試料原子の配列構造との関係を知ること
ができない。 (発明が解決しようとする課B) 本発明は上述したSTMとAPとを組合せることにより
、夫々の方法が有する問題点を解消し、任意試料の超微
細構造の解明を可能にしようとするものである。 (課題を解決するための手段) 針状試料の先端に対向させて第1のスクリーンを配置し
、このスクリーンの中央に小孔を穿ってその後方に質量
分析手段を配置し、上記試料先端と上記スクリーンとの
間に退避可能にx、y、z3軸方向駆動される探針をそ
の先端を試料先端に対向させて配置し、上記探針が試料
と上記スクリーンとの間から退避した位置において上記
探針先端と対向する位置に第2のスクリーンを配置し、
試料および探針に高電圧を印加して第1および第2のス
クリーン上に試料および探針先端のFIM像を形成し得
るようにすると共に、試料先端と探針先端とを対向させ
た状態で両者間に流れるトンネル電流を検出してSTM
III定を行い得るようにした。 (作用) 試料が針状であり、その試料と対向してスクリーンが配
置してあって、試料に高電圧を印加できるので、スクリ
ーン上にはFIM像が形成される。こ\でスクリーンに
は中央に小孔が穿っであるので、試料に高電圧を印加し
たとき試料表面から電界蒸発したイオンはこの小孔を通
過できる。 小孔の背後には質量分析手段が設けられているので、こ
のイオンの質量分析ができる。つまりAP分析ができる
。試料と上記スクリーンとの間に退避可能に探針が設け
られ、探針を用いて試料先端面の87M観察ができる。 探針の退避位置において探針と対向するスクリーンには
探針自身のFIM像が形成される。AP分析は試料表面
の電界蒸発を伴っているので、試料面の浄化にも利用で
き、探針についてもFIM像の観察ができるので、電界
蒸発を利用した浄化と浄化の確認ができる。 (実施例) 第1図に本発明の一実施例を示す。まずこの実施例の概
要を説明する。1は真空容器で、左端部に試料Sが取付
けられる。試料Sは先端曲率半径が1000人程反末で
鋭くされており、FTM像を観察することができる。こ
の試料先端と対向して約10amII!lれて蛍光板2
が配置されている。蛍光板2は感光板3と置換可能なよ
うにターレット式の切換装置4に取付けられており、中
央に小孔りが穿たれている。試料Sの先端と蛍光板2の
小孔りの中心を結ぶ線上で蛍光板後方にイオン検出器5
が配置されている。BはSTM用の探針でx、y、z3
軸方向駆動装置6に保持されており、3軸方向に既知量
駆動されるようになっている。駆動値fi!6は水平軸
Vによって起倒可能に保持され、図案線位置と点線位置
の二位置をとり得るようにしである。駆動装置6を図案
線位置にすると試料Sの先端と探針Bの先端とが向き合
い、この状態で探針Bの2方向位置を調整して試料Sと
探針8間に電圧を印加すると両者間にトンネル電流が流
れるようにすることができる。そこで、駆動値W16を
作動させて試料Sの先端に沿い探針を移動させてSTM
の観測ができる。駆動装置6を倒して図点線の位置にす
ると、探針Bは試料Sの先端から退避する。この状態で
試料Sと蛍光板2間に高電圧を印加し、試料先端から電
界蒸発を起こさせると、試料から離脱したイオンが蛍光
板2の中心孔りを通過しイオン検出器5によって検出さ
れる。このときイオンの飛行速度Vを測定することでイ
オンの質量分析が行われる。従ってA2分析が可能とな
る。またこの状態で真空容器1内に映像ガスを送ってお
けば蛍光板2上にFIM像を得ることができる。駆動値
e6を固点線位置に倒したとき探針Bは先端が上を向い
ている。この上向きの探針の先端に対向する位置にもう
一つの蛍光板7が配置してあり、蛍光板7と探針Bとの
間に高電圧を印加すると蛍光板7上に探針Bの先端のF
IM像を見ることができる。 上述装置で試料のSTMiQ測を行う場合の装置の操作
および動作を述べる。STMにおいて間層になるのは前
述したように試料および探針の表面の汚染である。試料
については、探針Bを固点線位置に退避させた状態で試
料先端から電界蒸発を行わせ、蒸発したイオンを質量分
析するAP機能によりイオン種を決定すれば、試料から
蒸発して来るイオンが試料のものか汚染物質のものかが
わかるから、汚染物質のイオンが検出されな(なる迄電
界蒸発を統ければ、試料表面の浄化およびその確認がで
きる。探針Bの先端の汚染も探針の固点線位置で蛍光板
7において探針Bの先端のFIM像を観察すると、もし
汚染がなければFIM像は探針の材質例えばタングステ
ンのFIM像が観察される。FIM像は針先端表面の原
子の種類および配列を現しており、汚染に対し敏感であ
るからFIM像の観察で表面が清浄か否かがわかる。 汚染が認められるときは電界蒸発によって浄化できるこ
とは試料の場合と同じである。このようにして試料およ
び探針の表面の清浄さが確認された後、探針を図案線位
置にしてSTM11111を行う。 記述のように探針を固点線位置にしておけばAP測定お
よびFIMIII測ができる。 試料Sを保持する試料台8は真空容器1の左端壁の開口
部の蓋であって容器lに対し電気的に絶縁して気密に取
付けられる。試料台8には試料をx、y、z3軸方向に
位置調節するマイクロメータ式の微動装置8aが付設さ
れており、真空容器1に取付けられた光学顕微鏡9によ
り探針Bと試料Sの相互位置合わせが目視によってでき
るようになっている。目視によって成る程度位置合わせ
をした後はSTM測定測定口動制御作用により、試料に
対し、探針先端は自動的に適当な位置をとる。探針駆動
装置6も真空容器1に対して電気的に絶縁されて取付け
られており、真空容器1は接地されていて、試料および
探針には正の高電圧が印加できるようにしである。駆動
値fl!6のX。 y、z3軸方向の駆動は夫々圧電素子によって行われる
。S7M測定を行うとき、試料Sは定電圧源eに接続さ
れる。試料Sと探針8間に流れるトンネル電流が抵抗r
等よりなる電流検出回路で検出され、コンパレータCで
規準値と比較され、コンパレータCの出力が駆動装置6
の2軸駆動信号発生器Vzに入力され、トンネル電流が
一定値を保つよう2軸駆動が行われる。Vzの出力は記
録計Rに送られる。他方駆動装fi!6のX軸、y軸方
向夫々の駆動信号発生器VX、Vyが予め与えられたス
ケジュールで信号を出し、探針Bに試料Sの先端に沿っ
てx、y方向走査運動を行わせる。 このx+Y両軸駆動信号も記録計Rに送られ、記録計R
に試料先端の形状が画き出される。FIM観測を行う場
合試料Sは直流高圧電源Hに接続される。真空容器1内
には映像ガスとして1O−4Torr程度にHeが導入
される。AP測定を行う場合、直流高圧電源Hの電圧に
加えてパルス発生器Pの出力パルスが印加される。この
パルスはnsオーダの時間幅である。高圧電源Hの出力
電圧だけでは試料からの電界蒸発は起こらず、パルス発
生器Pの出力が重なったとき電界蒸発が起るように夫々
の電圧を設定してお(と、イオン検出器5からはパルス
発生器Pの出力パルスと同期したパルスが出力される。 このとき計時回路Tでパルス発生器Pの出力パルスとイ
オン検出器5の出力パルス間の時間遅れを測定する。こ
の時間遅れは試料1から蒸発したイオンが試料近傍の電
界で加速されて到達する速度に関係しており、重いイオ
ン程遅れ時間が大きいから、この遅れ時間の測定によっ
てイオンの質量分析が行われる。 第1図に示した実施例は上述したようなものであるが、
試料からの電界蒸発を行わせるのに上述したパルス発生
器Pのパルスを重畳する代りに或はこれと併用して、パ
ルスレーザ照射手段を設けてもよい。また試料Sはその
先端を中心にして向きが変えられるようにした揺動可能
なホルダに保持させ、このホルダーを試料台8に取付け
るようにしてもよい。このようにすると試料先端のFI
M像を見て、そのパターンの特定の部位が蛍光板2の中
心に来るように試料を傾けて、その状態でAP測定を行
うことにより、試料面の超微小部分を指定してAPによ
る分析を行うことができる。 (発明の効果) 本発明によれば87M観察を行うに当って試料および探
針の汚染の除去および汚染除去の確認ができるだけでな
(、APとSTMとの両方が可能なことにより、FIM
像が得られないような試料に対しても、STMによる表
面の超微細構造と関係づけて元素分析を行うことができ
る他、FIM、AP二者複合の結果次のような効果が得
られる。 試料針先端は各種の結晶面が現われているので、結晶面
毎の異った物性(例えば、原子間結合力、電子状態の差
、加熱によるこれらの変化等)が調べられる。これはF
IMによって試料先端の一つの結晶面を選んで、AP分
析を行うことにより、その結晶面の電界蒸発の難易度が
分るからである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例装置の側面図、第2図AはS
TMの原理図、第2図BはSTMの全体概略図、第3図
AはFIMおよびAPの概略構成図、第3図Bは同上に
おける試料先端拡大図である。 1・・・真空容器、2・・・蛍光板、5・・・イオン検
出器、6・・・XI y* z3軸方向駆動装置、7・
・・蛍光板、8・・・試料台、S・・・試料、B・・・
探針。 代理人  弁理士 縣  浩 介

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1.  針状試料の先端に対向させて第1のスクリーンを配置
    し、このスクリーンの中央に小孔を穿ってその後方に質
    量分析手段を配置し、上記試料先端と上記スクリーンと
    の間に退避可能にx、y、z3軸方向駆動される探針を
    その先端を試料先端に対向させて配置し、上記探針が試
    料と上記スクリーンとの間から退避した位置において上
    記探針先端と対向する位置に第2のスクリーンを配置し
    、試料および探針に高電圧を印加して上記第1および第
    2のスクリーン上に試料および探針先端の電界イオン顕
    微鏡像を形成し得るようにすると共に、試料先端と探針
    先端とを対向させた状態で両者間に流れるトンネル電流
    を検出して走査トンネル顕微鏡の出力が得られるように
    したことを特徴とする固体表面複合分析装置。
JP11755788A 1988-05-13 1988-05-13 固体表面複合分析装置 Pending JPH01287404A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0259601A (ja) * 1988-08-26 1990-02-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> チップトリミング装置
JPH03185302A (ja) * 1989-12-15 1991-08-13 Hikari Gijutsu Kenkyu Kaihatsu Kk 走査トンネル顕微鏡
JP2001083066A (ja) * 1999-09-14 2001-03-30 Jeol Ltd 走査プローブ顕微鏡
JP2008262879A (ja) * 2007-04-13 2008-10-30 Nippon Steel Corp アトムプローブ装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JPH03185302A (ja) * 1989-12-15 1991-08-13 Hikari Gijutsu Kenkyu Kaihatsu Kk 走査トンネル顕微鏡
JP2001083066A (ja) * 1999-09-14 2001-03-30 Jeol Ltd 走査プローブ顕微鏡
JP2008262879A (ja) * 2007-04-13 2008-10-30 Nippon Steel Corp アトムプローブ装置

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