JPH0128665Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は上面が開放したケース内に一次、二
次両コイルと鉄心の組立体を収納し、ケースの上
部に合成樹脂などで成形したキヤツプを取付けて
密閉し、ケース中に絶縁油を充填した閉磁路型点
火コイルに関するもので、特にキヤツプを成形す
る際にインサートモールドでキヤツプに貫通状に
固定してある一次コイルの巻始め線と、一次コイ
ルの巻終り線及び二次コイルの巻始め線とを接続
する一次端子の構造を改良し、接続を容易且つ確
実に行える様にしたのである。

この型式の点火コイルは、１次コイルを２次コ
イルのボビン中に通すと共に、一次コイルのボビ
ン中に鉄心を貫通し、こうして組立てたコイル、
鉄心組立体を上面が開放したケース中に横置して
収容し、ケースの上部に嵌合してかしめて取付け
る合成樹脂製のキヤツプに貫通状に固定された二
つの一次端子の一方に一次コイルの巻始め線、他
方に一次コイルの巻終り線と二次コイルの巻始め
線を接続し、それからキヤツプをケースに取付
け、キヤツプの高圧端子取付部から絶縁油をケー
ス中に充填し、それから高圧端子を組付けて２次
コイルの巻終りと接続する。

一次端子は第１，２図に示す様にキヤツプ１の
上面から突出する雄ネジ部２を有し、こゝにナツ
トを螺装して一次コイルに電圧を印加する外部の
電線をナツトにより締付けて結線する。

そして、従来は一次コイルの巻始め線や、一次
コイルの巻終り線と二次コイルの巻始線を接続す
るために第１図の様に貫通孔３を備えるか、第２
図の様に下端から途中まで開設した上向きの盲孔
４を備え、第１図の場合は貫通孔３の下端から線
５を上端まで通し、線５の先端を上端に半田付で
接続し、第２図の場合は盲孔４の底に先端が達す
るまで線５を下端から差込み、下端に線を半田付
で接続している。しかし、これでは線５を各孔
３，４に通すのに手数がかゝり、作業性が悪いと
共に、線５の先端が見えなくなるため、半田付け
後に接続の状態が確認できないと言う問題があ
る。

そこで本考案は一次端子のキヤツプ上面から突
出する上端面に直径方向の突条を突設すると共
に、キヤツプの下面から下に突出する下端面に線
を接続するための同様に直径方向の凹条を設け、
且つこの突条と凹条の向きをほゞ平行にして従来
の問題点を解消したのである。

第３図は本考案による一次端子の一実施例の立
面図、第４図は同上の一半は上から、他半は下か
ら見た平面図であり、６は雄ネジ部２の上面に設
けた直径方向の突条、７は下端面に設けた直径方
向の凹条で、突条６と凹条７の向きは平行であ
る。

この様に本案の一次端子は上端面と下端面に
夫々平行な直径方向の突条６と凹条７があるの
で、キヤツプ２を形成する際にインサートモール
ドで一次端子を固定する場合、突条６により凹条
７を一次コイルや、二次コイルの線５と接続する
のに最適な方向に向けることができると共に、線
５を接続する際は従来の様に孔に通すのではなく
線を横にし凹条７に嵌めればよいので非常に作業
し易い。

又、嵌めたあと半田付けを行うが、凹条に嵌め
た線５の出かたと、半田の流れの状況が一目で確
認できる。

そして、完成後に雄ネジ部２に上からナツトを
螺装する際、上端から突出する突条６はナツトを
案内する役目をし、ナツトが入れ易くなると言う
効果も併せている。

尚、第５図は本案の一次端子を用いた点火コイ
ルの一部を断面にした側面図で、図中、８は上縁
部をかしめてキヤツプ１を取付けたケース、９，
１０，１１はケース中に収納した一次コイル、二
次コイル、鉄心を示す。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は夫々従来の一次端子の立面
図、第３図は本考案による一次端子の立面図、第
４図は一次端子の一半は上から他半は下から見た
平面図、第５図は同上を用いて組立てた点火コイ
ルの一部を断面にした側面図で、図中、１はキヤ
ツプ、２は一次端子の雄ネジ部、６は半径方向の
突条、７は同じく凹条、８はケース、９は一次コ
イル、１０は二次コイル、１１は鉄心を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一次、二次コイルと鉄心及び絶縁油を内部に収
   納するケースの上部に嵌合して取付けられるキヤ
   ツプに上下方向に貫通して固定され、一次コイ
   ル、二次コイルの電線を接続する閉磁路型点火コ
   イルの一次端子において、 端子の上端面には半径方向の突条、同じく下端
   には電線を嵌めて半田付けする半径方向の凹条を
   設け、上記突条と凹条の向きをほゞ平行にしたこ
   とを特徴とする閉磁路型点火コイルの一次端子。