JPH01280933A - エコーキャンセラ装置 - Google Patents

エコーキャンセラ装置

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JPH01280933A
JPH01280933A JP10988988A JP10988988A JPH01280933A JP H01280933 A JPH01280933 A JP H01280933A JP 10988988 A JP10988988 A JP 10988988A JP 10988988 A JP10988988 A JP 10988988A JP H01280933 A JPH01280933 A JP H01280933A
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 国際電話通信、高能率コーデック導入回線等の大きな遅
延時間のエコーが発生する通信システムに於けるエコー
を打ち消す為のエコーキャンセラ装置に関し、 四捨五入処理や狭帯域信号に対する安定処理等の演算量
の削減を図ることを目的とし、適応的にその大きさを変
更するエコー経路推定インパルス応答系列をフィルタ係
数とし、受信信号系列を入力して擬似エコー信号を出力
する擬似エコー発生部を備え、前記擬似エコー信号によ
り実際のエコー成分を打ち消すエコーキャンセラ装置に
於いて、前記擬似エコー発生部の入力信号に一定の直流
分を重畳する重畳手段と、前記擬似エコー発生部の出力
信号の直流分を遮断する直流遮断手段と、前記擬似エコ
ー発生部の出力信号の直流分の大きさに基づいて加算定
数及び乗算定数を設定する定数設定手段と、前記擬似エ
コー発生部のフィルタ係数を複数のグループに分割し、
該グループ毎に前記定数設定手段により設定された加算
定数の加算処理及び乗算定数の乗算処理を順次行う処理
手段とを備えて構成した。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、国際電話通信、高能率コーデック導入回線等
の大きな遅延時間のエコーが発生する通信システムに於
けるエコーを打ち消す為のエコーキャンセラ装置に関す
るものである。
2線4線変換を行うハイブリッド回路に於けるインピー
ダンス不整合により、送話者からの音声信号の一部が回
り込んで、再び送話者へ送り返されるエコーが発生する
。短距離回線等に於けるエコーの遅延時間が短い場合は
問題が少ないが、長距離回線等に於ける遅延時間が大き
い場合にはエコーの影響が大きくなり、通話に支障を来
すことになる。従って、エコー成分を抑圧或いは打ち消
すことが必要となる。
〔従来の技術〕
一般電話機と交換機とは2線の加入者線で接続され、交
換機内では4線で交換接続処理されるものである。その
為、交換機側の4線と加入者側の2線とを変換するハイ
ブリッド回路が交換機側に設けられている。このハイブ
リッド回路に於けるインピーダンス整合が完全な場合は
エコーの発生はないが、ハイブリッド回路に接続される
加入者線等の長さや構成がそれぞれ相違し、且つ温度変
化等が生じることから、インピーダンス整合がくずれる
ことになり、ハイブリッド回路を介した回り込みの信号
が生じる。この回り込みの信号がエコー成分となるもの
で、長距離回線やコーデック等による遅延時間が大きい
時に、エコー成分による影響が大きくなり、通話品質が
劣化するから、このエコー成分を打ち消す為のエコーキ
ャンセラ装置が設けられている。
例えば、第6図に示すように、交換機51のハイブリッ
ド回路52に2線の加入者線54が接続され、この加入
者線54に電話機55が接続される。このハイブリッド
回路52のインピーダンス整合が理想状態の場合は、矢
印で示す回り込みの信号、即ち、エコー成分は生じない
が、前述のように、理想的なインピーダンス整合を維持
することは困難であるから、通常は矢印で示す回り込み
の信号、即ち、エコー成分が生じることになる。
このエコー成分は、図示を省略した相手側の電話機に伝
送されて通話品質を劣化させるので、エコーキャンセラ
装置53により打ち消して、相手側の電話機には、電話
機55からの音声信号のみを伝送する。
エコーキャンセラ装置53は、端子RIN、ROUT、
SIN、5OUTを備え、相手電話機からの音声信号が
端子RTNに加えられ、端子ROUTからの音声信号は
ハイブリッド回路52を介して電話機55に伝送され、
この電話機55からの音声信号はハイブリッド回路52
を介して端子SINに加えられる。この時、ハイブリッ
ド回路52を介したエコー成分も端子SINに加えられ
ることになり、端子RINに加えられた音声信号を基に
、このエコー成分と類似波形となる擬似エコー信号を形
成し、この擬似エコー信号により、エコー成分を打ち消
して端子5OUTから送出するものである。
第7図は前述のエコーキャンセラ装置の従来例の要部ブ
ロック図であり、61は擬似エコー発生部、62は受信
信号格納メモリ、63はエコー経路推定インパルス応答
格納メモリ、64は加算器、65は係数修正部、66は
係数制御部で、係数の四捨五入等の制御を行う。各部の
機能は汎用ディジタル信号処理プロセッサによって実現
することができるものである。
端子RINに加えられた相手電話機からの受信入力信号
は、端子ROUTからノ\イブリ・ソド回路(図示せず
)に送出されると共に、受信信号格納メモリ62に蓄積
される。擬似エコー発生部61は、トランスバーサルフ
ィルタ構成を有し、!子SINに加えられるエコー成分
の時間に対応して受信信号格納メモリ62から読出され
た受信信号系列が入力信号となり、エコー経路推定イン
バルス応答格納メモリ63から読出されたエコー経路推
定インパルス応答系列がフィルタ係数となって、エコー
成分の波形に類似した波形の擬似エコー信号が出力され
、この擬似エコー信号により加算器64に於いて端子S
INに加えられたエコー成分を打ち消すことになる。
この加算器64からのエコー成分の打ち消し残差信号は
、誤差信号として係数修正部65に加えられ、係数制御
部66による四捨五入処理等の係数制御が行われ、誤差
信号に対応して修正された係数は、エコー経路推定イン
パルス応答格納メモI763に格納される。
相手電話機から端子RINに加えられた受信入力信号系
列をXj、端子SINに加えられた送信入力信号がエコ
ー成分のみ場合のエコー信号系列をyj、擬似エコー信
号系列を9j、端子5OUTからの送信出力信号系列を
e、とすると、このejは、送信入力音声信号がない時
に、本当のエコー信号と擬似エコー信号との差として表
され、加算器64から出力された誤差信号系列と称する
ことができる。又音声信号は、通常は、PCMコーデッ
ク等により、例えば、125μs周期で標    −本
化され、ディジタル信号に変換されているものであり、
添字のjは、t=jに於ける値であることを示す。前述
の各信号系列は、 ej =3’j  9J          −・−(
1)の関係となる。ここで、)、%jl  は、擬似エ
コー発生の為のトランスバーサルフィルタのフィルタ係
数で、Nはそのフィルタの次数、即ち、タップ数であり
、対応可能なエコーの最大遅延時間と関連する。
擬似エコー発生部61を構成するトランスバーサルフィ
ルタにより(2)式の演算が行われて、擬似エコー信号
系列9.が得られる。本当のエコー信号系列yJとl疑
似エコー信号系列9Jとの差として得られる誤差信号系
列ejを使用し、(3)式に従って毎周期総てのフィル
タ係数り、  (j)  (i =Q、  1. 2.
  ・・・N−1)の修正を行う。又αは正の常数であ
る。このように、(3)式によりトランスバーサルフィ
ルタの係数を適応的に変化させ、誤差信号系列e、を順
次零に近づける方法は、学習同定法と称されるものであ
る。
前述の演算処理を行う上で、ハードウェアの規模に関係
が深い演算量についてみると、N×周期=最大等化遅延
時間、の関係から、フィルタの次数Nが大きければ大き
い程、遅延時間の大きいエコーにも対処できることにな
り、性能の良いエコーキャンセラを構成することができ
るが、フィルタの次数Nを大きくすると、(2)式の積
和の回数、(3)式の修正処理の回数が増加するから、
高速の演算処理が必要となる。但し、(3)式の左辺の
第2項の分母は、端子RINに加えられる受信入力信号
のt=j−N+1からt=jまでの自乗用であり、t=
jに於ける値をI、とすると、 で表される為、フィルタの次数Nの大きさに拘わらず乗
算2回と加算2回で処理できるので、演算量の点では負
担にならない。更にαej/Ij=W、として、係数W
、を倍周期−度計算すれば、(3)式の計算N回に共通
に使用できる。
この係数W、を使って(3)式を書き直すと、となる。
このような処理を係数修正部65で行うものである。
前記(4)式の計算を、レジスタA、B、Dを備えてA
XB+D−Dの演算ができる汎用ディジタル信号処理プ
ロセッサを用いて実行する場合の基本的な処理フローを
第8図に示す。同図に於いて、(1)、 (2)、  
・・・はステップを示し、先ずBレジスタにWJをロー
ドしておき(1)、次にAレジスタにX j−81をロ
ードしく2)、次にり、(jl をDレジスタにロード
しく3)、次のステップ(4)でAXB+D→Dの演算
によりDレジスタにり、+j“1)を生成し、且つ、X
4−++2をAレジスタにロードする。次のステップ(
5)でDレジスタの内容をメモリにスト了し、次のステ
ップ(6)でh2″ゝをDレジスタにロードし、次のス
テップ(7)でAXB +D→Dの演算及びXj−N+
3をAレジスタにロードする。
従って、ステップ(4)、 f7)に示すように、演算
処理と並行してAレジスタへのロードが行われ、一つの
フィルタ係数について(4)式の計算は3ステツプの演
算量となる。
しかし、実際には、汎用ディジタル信号処理プロセッサ
に於けるA、Bレジスタ及びメモリのビットサイズは1
6ビツトであり、乗算結果が生成されるDレジスタは3
2ビツトである為、Dレジスタの内容をメモリにストア
する時に、下位16ビツトは切り捨てられることになる
この下位16ビツトの切り捨てにより、−回の処理では
16ビツト目が1であるか否かだけに影響し、それ程問
題とならないように考えられるが、1秒間に8000回
も各フィルタ係数について切り捨て処理が行われるから
誤差が累積し、フィルタ係数り、の値は、本来あるべき
値から大幅にずれることになる。汎用ディジタル信号処
理プロセッサは、通常、2の補数形式で処理されている
から、切り捨て処理により数直線上で左にずれた値とな
る。即ち、正数は小さくなり、負数は絶対値としては大
きくなる。従って、切り捨て処理を放置すると、フィル
タ係数り、はどんどん小さくなり、汎用ディジタル信号
処理プロセッサ内で取り得る値の下限値である−2又は
−1に達してオーバフロー現象を起こすことになる。
この為、従来例のエコーキャセラ装置に於いては、第9
図に示すフローチャートに従った処理が行われており、
αυ、αシ、・・はステップを示す。
先ず、WJをBレジスタにロードしておき0υ、次にx
j−N+1をAレジスタにロードしく2)、次にDレジ
スタの上位から17ビツト目に1を置赦し0濁、次にh
o(jl をAレジスタにロードし、且つA×B+D−
4Dの演算処理を行う04)。次にXj−@+2をAレ
ジスタにロードし、且つA+D→Dの演算を行い09、
次にDレジスタの内容をメモリにストアするOQo 従って、Dレジスタの17ビツト目に1を置数して、W
 jX X 、−H*i、Iを加え、更に、h%j)を
加える処理を行うことになり、これによって、h、(ハ
 +Wj−x3−.。4.1の演算に於ける上位から1
7ビツト目の1により桁上げが行われるから、上位16
ビツトのみを抜き出しても等価的に四捨五入処理が行わ
れたことになる。このような四捨五入処理により、一つ
のフィルタ係数当り最低でも4ステツプとなる。汎用デ
ィジタル信号処理プロセッサの種類によっては、Dレジ
スタの下位ビットへの置数処理に2ステツプを要するも
のがあり、この場合には、四捨五入処理を行うと、(4
)式の演算に於ける一つのフィルタ係数当り5ステツプ
となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述の四捨五入処理に於ける係数h%jl の修正につ
いては、基本的な処理フローに対して1〜2ステツプの
増加となるが、係数り正(j)はN個(トランスバーサ
ルフィルタのタップ数N)あるから、全体ではN或いは
2Nステツプの増加となる。又信号の繰り返し周期は、
通常、125μSとするものであるから、1ステツプの
処理時間が100nsの高速汎用ディジタル信号処理プ
ロセッサを用いた場合、周期内の最大処理演算量は、1
250ステツプとなり、例えば、N=112とすると、
N〜2Nは112〜224となる。この値1よ、処理可
能量に対して9〜18%に相当することになり、四捨五
入処理の為に、1個のプロセッサでは処理できず、複数
個のプロセッサを設けなければならない場合もしばしば
生じ、エコーキャンセラ装置のコストアップとなる。
又従来例のエコーキャンセラ装置に於いては、狭帯域信
号が端子RINに入力された場合、安定な動作を維持で
きない問題があった。この場合の狭帯域信号は、単一周
波数の正弦波信号を示すものであり、この狭帯域信号が
端子RINに入力され、t=Qでエコーキャンセラ装置
の動作をスタートさせたとすると、1秒以下の短時間で
収束してエコー成分は入力信号レベルに比べて一40d
B以下(規格では一30dB程度)の小さい値に減衰す
るが、徐々に誤差が大きくなり、数分後にはエコー成分
は一20dB程度に大きくなる。
この為、四捨五入処理の中で、四捨五入を行わずに、切
り捨てを行う処理を実行する為の制御信号の発生機能を
設け、平均して20〜40周期に1回の切り捨てを行わ
せる。この場合、確率的に20〜40周期に1回という
ことで、乱数を発生させて、成る値以上の時は切り捨て
処理を行い、それ以外の時は四捨五入処理を行うもので
ある。
このような処理の為に、約20ステツプ程度のかなりの
演算量を必要とすることになる。
本発明は、前述のような四捨五入処理や狭帯域信号に対
する安定処理等の演算量の削減を図ることを目的とする
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のエコーキャンセラ装置は、動作の安定化並びに
演算量の削減を可能としたものであり、第1図を参照し
て説明する。
適応的にその大きさを変更するエコー経路推定インパル
ス応答系列と、受信信号系列とから擬似エコー信号を出
力するトランスバーサルフィルタ等からなる擬似エコー
発生部1を備え、擬似エコー信号により実際のエコー成
分を打ち消すエコーキャンセラ装置に於いて、トランス
バーサルフィルタ構成の擬似エコー発生部1の入力信号
に一定の直流分を重畳する重畳手段2と、擬似エコー発
生部1の出力信号の直流分を遮断する直流遮断手段3と
、擬似エコー発生部1の出力信号の直流分の大きさに基
づいて加算定数及び乗算定数を設定する定数設定手段4
と、擬似エコー発生部1のフィルタ係数を複数のグルー
プに分割し、各グループ毎に定数設定手段4により設定
された加算定数の加算処理及び乗算定数の乗算処理を順
次行う処理手段5とを備えたものである。
〔作用〕
擬似エコー発生部1の入力信号に対して、重畳手段2に
より直流分を重畳することにより、係数修正で切り捨て
処理によって生じたフィルタ係数の誤差の大きさに比例
した直流分が発生する。この直流分の大きさに対応して
加算定数及び乗算定数を定数設定手段4に於いて設定す
る。又係数修正に於ける四捨五入処理の確率はl/2で
あり、平均的には1周期当り総てのフィルタ係数に対し
て最大切り捨て量の1/2を加算すれば良いことになる
から、間欠的に、即ち、グループ毎に、加算定数の加算
処理及び乗算定数の乗算処理を行うことにより、毎周期
総てのフィルタ係数に対して実施していた四捨五入処理
による演算量を削減する。又狭帯域信号に対しては、フ
ィルタ係数に1より僅か小さい値に設定した乗算定数を
乗算することにより、フィルタ係数の絶対値が大きくな
るのを防止して、エコー減衰量を大きな値に維持するこ
とができる。
〔実施例〕
以下図面を参照して本発明の実施例について詳細に説明
する。
第2図は本発明の実施例のブロック図であり、11は擬
似エコー発生部、12は受信信号格納メモリ、13はエ
コー経路推定インパルス応答格納メモリ、14は加算器
、15は第1の係数修正部、16は第2の係数修正部、
17は高域フィルタ、18は加算器、19は定数設定部
、2oは係数処理部、2工は直流分重畳部である。又R
INは受信、入力信号Xjが加えられる端子、ROUT
は受信出力信号をハイブリッド回路(図示せず)に加え
る端子、SINはハイブリッド回路(図示せず)からの
エコー信号y、及び送信入力信号が加えられる端子、5
OUTはエコー成分を打ち消した送信出力信号を出力す
る端子である。
擬似エコー発生部11と、受信信号格納メモリ12と、
エコー経路推定インパルス応答格納メモリ13と、加算
器14と、係数修正部15とは、従来例のエコーキャン
セラ装置の構成と類似しており、係数修正部15は、基
本的には(4)式の処理を行うものであるが、四捨五入
処理を行わない構成であって、従来例に於ける係数修正
部65 (第7図参照)に比較して機能が簡単化されて
いる。
文筆2の係数修正部16は、高域フィルタ17と加算器
18と定数設定部19と係数処理部2oとから構成され
、高域フィルタ17が第1図に於ける直流遮断手段3に
対応し、加算器18と定数設足部19とが定数設定手段
4に対応し、係数処理部20及び係数修正部15を含め
て処理手段5に対応している。又直流分重畳部21が重
畳手段2に対応している。
定数設定部19は、加算器18により求めた直流分yゎ
、に対応して、加算定数aと乗算定数すとを設定して係
数処理部20に送出されるものである。又エコー経路推
定インパルス応答格納メモリ13には、擬似エコー発生
部11のタップ数Nに対応して、フィルタ係数h0〜h
N−1が格納される。又直流分重畳部21に於いて、入
力信号Xjに定数fを加算することにより直流分を重畳
し、x 、  lとして受信信号格納メモリに格納され
る。
本発明に於いては、係数の切り捨て処理による誤差分を
検出し、その誤差分が一定量を越えた大きさになると、
フィルタ係数に定数を加算して誤差分を打ち消すもので
ある。この場合の誤差分は、周期毎に一定量であるとは
限らないので、その大きさを判定することが必要となり
、その誤差分を擬似エコー発生部11の出力信号の直流
分として検出するものである。
又通話中に両者が同時に発声するダブルトーク状態の時
、或いは端子ROUT、SIN側の加入者のみが発声し
ている場合に於いて、端子SINにハイブリッド回路を
介して送信入力信号が加えられ、エコー信号yjと共に
加算器14に加えられるから、(1)、 (2)、 (
31式の処理を行った時に、誤った方向に係数h%jl
 が動くことになる。これを防ぐ為に、α=0、即ち、
W、−〇として、係数の修正を停止するが、この場合に
、(4)式でWj=0とおけば判る通り、メモリからロ
ードした係数hi(j)をそのまま次の係数り、 fj
*l)  としてメモリにストアすることになり、切り
捨て誤差は発生しない。
又本発明に於いては、第1の係数修正部15に於いて四
捨五入処理を行わない為、係数の修正が行われた時に、
切り捨て誤差によりフィルタ係数h1 (・) は総て
数直線上を左方向に動くことになる。従って、理想的な
フィルタ係数をh%j+  とすると、実際のフィルタ
係数H,(jl は、H,(=+= h、 +j+  
+d        −f5)となる。なお、dは係数
修正部15で四捨五入処理を行わない為に生じたもので
、負の値である。
各係数によって切り捨てと四捨五入との差は一様ではな
いから、dの値は各係数によって異なったものとなる筈
であるが、各周期毎に総ての係数が係数修正処理を受け
、四捨五入であれば、最下位ビットに1が加えられる筈
のものが切り捨てられる確率は1/2となり、累積的に
は総ての係数について一定値dとしても良いことになる
又擬似エコー発生部11の入力信号Xjは音声信号であ
り、直流分は零であるが、通信システムによっては、音
声信号の伝送過程で直流分が重畳される場合がある。こ
のような直流分が含まれていると、エコーの打ち消しが
充分に作用しないものとなるから、通常は、入力信号X
1.y、に対して図示を省略した高域フィルタを通すこ
とにより直流分を遮断している。従って、端子RINに
加えられる入力信号X、には直流分が含まれていないと
考えて良いものであり、この入力信号x4に対して、前
述のように、直流分重畳部21に於いて定数fを加算す
る。これは、入力信号Xjに一定振幅しベルfの直流分
を重畳することと等価である。従って、(2)式は、 +fh、 十df) となる。
上式の右辺の第2項及び第3項は、Xjに直流分が含ま
れていない時に零となる。従って、擬似エコー発生部1
1の出力信号は、本来のエコー成分9.と直流分y。C
=N−d−fとの和となり、直流分は係数h 、 Fl
 の切り捨て処理により生じるずれ分であるdに比例し
たものとなる。又定数fを負の値とすると、直流分yD
cは逆極性の正の値となる。又擬似エコー発生部11の
出力信号9、′を、そのまま加算器14に加える擬似エ
コー信号9.とすると、誤差信号eJは、eJ=Y、=
Yj  Vocとなり、端子5OUTには負の直流分が
出力される。切り捨て処理によりldlの値は急速に大
きくなるから、第2の係数修正部16に於ける処理を行
わないと、誤差信号ejは数秒以内で負の最大レベルに
達する。そこで、本発明に於いては、擬似エコー発生部
11の出力信号9、“を遮断周波数が数10 Hzの高
域フィルタ17に加えて直流分を遮断する。直流分”I
ncは、加算器18により高域フィルタ17の入出力信
号の差として求めることができる。このフィルタ処理は
倍周期実行する。
第3図は本発明の一実施例のフローチャートであり、擬
似エコー発生部11の出力信号9.°が第2の係数修正
部16に入力され、高域フィルタ17へ入力されて■、
直流分が遮断された擬似エコー信号9Jとなる。そして
、加算器18により)’oc=3’j  ’  Vjの
演算を行って■、直流分を検出する。
次に現周期が大周期の第1番目の周期か否か判定する。
即ち、M周期に相当する時間を大周期とし、その大周期
の第1番目の周期であるか否か、周期をカウントするカ
ウンタの内容JがM−1であるか否か判定する■。この
カウンタの機能は、第2の係数修正部16に設けること
になるが、汎用ディジタル信号処理プロセッサを用いて
構成した場合には、容易に実現できる。そして、第1番
目の周期に於いては、予め設定した零又は零に近い定数
である闇値VrHと直流分’10cとを比較する■。
ステップ■の判定に於いて、yock)’toの場合は
、定数設定部19により、a=Q、b=lの加算定数a
及び乗算定数すの設定を行う■。又yゎ。
〉)’11の場合は、a=kl、b=1  kz  (
k+、に2は正の微小数)の定数設定を行う■。前述の
定数設定は、「〈0とした場合を示すもので、f>Qの
場合は、ステップ■に於ける判断は逆となる。又ステッ
プ■又は■の次は、ステップ■に於いてカウント内容J
をOとし、次のステップ■に移行する。
第2番目以降第M番目の周期には、定数a、  bの更
新処理は行わず、ステップ■に移行する。このステップ
■に於いては、定数aの加算と定数すの乗算とを係数処
理部20に於いて行う。即ち、の処理を行うことになる
。なお、1=JL、JL+1.・・・ (J+1)L−
1であり、又N=MLである。即ち、L個からなるグル
ープ毎に順次処理を行うものである。そして、ステップ
■に移行して、カウント内容Jを+1する。前述のステ
ップ■で演算する(7)式の中の定数aの加算は、第1
の係数修正部15に於ける処理、即ち、(3)式の処理
中で、四捨五入処理を省略したことにより、係数h%j
+ が負方向に誤差を持つことになるのを修正する為の
ものである。
又1より僅か小さい定数すの乗算は、狭帯域信号の入力
時にも大きなエコー減衰量を長時間にわたり維持して、
安定な動作を確保する為のものである。国際規格では、
1300Hzの正弦波信号が端子RINに入力された場
合に、エコーキャンセラ装置の動作開始3分後に、減衰
量が10dB程度になっても良いとしている。これは、
正弦波信号入力の場合、トランスバーサルフィルタの係
数の取り得る値として、何種類も可能であり、しかも、
それらの解は連続した解である為、成る係数は大きく振
動しながら正の大きい値に、別の係数は太き(振動しな
がら負の大きい値に向かうことになり、所謂発散現象が
生じることが原因である。これに対して、本発明に於い
ては、1よりも小さい定数すを乗算することにより、係
数の絶対値が大きくなることを防止できるから、安定度
を大幅に向上することができる。
前述の(7)式の処理は、周期毎には全体でN個のフィ
ルタ係数のうち、N/M=L個のフィルタ係数に対して
実施し、大周期であるM周期で全係数に対する係数修正
を完了すれば良いものであり、従って、ステップ■で示
すように、現周期が大周期Mの中の何番目の周期である
かをカウンタの内容Jにより判定する。例えば、N=1
12の時、M=28とし、1周期には112個のフィル
タ係数のうち、L=112/28=4個のフィルタ係数
にそれぞれ14を加算する処理を行う。ここで、汎用デ
ィジタル信号処理プロセッサが取り扱う16ビツトの固
定小数点形の数字の単小数を1としている。又a=14
とする理由は、成るフィルタ係数り、についての(7)
式の処理は28周期に1回のみ行われるので、28周期
の係数修正部15で生じる誤差の平均値に等しい14を
加算するのが最適となるからである。
前述のように、本発明に於いては、個々のフィルタ係数
についてみると、例えば、28周期分の)切り捨て処理
による誤差分を一度にまとめて補正している。又全係数
同一周期に補正するのではなく、一部宛、例えば、4個
宛等のグループ毎に順次補正している。このような一部
宛の処理により、トランスバーサルフィルタのフィルタ
係数の不完全さ、即ち、擬似エコー信号の波形が本当の
エコー信号の波形とは異なったものとなる可能性がある
が、実数レベルでa<IQ−3,1−b<10弓のオー
ダであるから、殆どエコー減衰量の劣化が生じないもの
である。例えば、通常のエコーキャンセラ装置では、3
0dB程度のエコー減衰量を要求されるが、従来例に於
ける実力値として40dB程度のエコー減衰量が得られ
ており、本発明では、39dB程度のエコー減衰量とな
るから、僅かな劣化であり、要求値に比較しても充分な
マージンが得られる減衰量となる。
又入力信号Xjに対する直流分重畳の処理は、入力信号
Xjに対する高域フィルタ処理の最後に定数fの加算処
理を付加すれば良いことになり、2ステツプで済むこと
になる。実際には、最小単位の1を差し引くだけで良い
ものである。
又直流分検出には、高域フィルタ17と加算器18とを
用いる場合を示しているが、この場合、−次の高域フィ
ルタ処理と減算処理とを行えば良いので、例えば、次式
に示すものとなる。
7J =0.975  (9;  ’ −97−+  
“)+ 0.95 >’ J−1−−−(8)VD。=
9. ・−7、−−((11 即ち、乗算2回と加減算3回とにより直流分y、cを得
ることができる。この演算には9ステツプ必要とする。
又前述のように、毎周期判定を行うものではなく、M周
期に1回のみ実施するから、カウンタの歩進やリセット
等の処理もあり、又定数a、bの設定を含めて12ステ
ツプとなる。フィルタ係数の修正に関しては、定数aの
加算と定数すの乗算とは同時に処理できるので、1係数
当り3ステツプで済むことになり、オーバヘッド分であ
る6ステツプを含めても4係数(1グループ)では18
ステツプで可能となる。従って、合計の演算量は41ス
テツプとなる。
従来例のエコーキャンセラ装置に於いては、N=112
の場合、四捨五入の為に係数修正に関して、112〜2
24ステツプ、更に狭帯域信号に対する安定度確保の為
に20ステツプの演算量を要するのに比較して、本発明
に於いては41ステツプで済むことになるから、大幅に
演算量を削減することができる。又N=256のように
、タップ数を増加すると、本発明に於いては、(7)式
の処理の数を増加させるだけで良いので、更にその差は
大きくなる。
又125μs周期で取り込まれる音声信号に対して、■
処理100nsのディジタル信号処理プロセッサを用い
て、本発明によるエコーキャンセラ装置を構成した場合
と、従来例のエコーキャンセラ装置を構成した場合とに
ついて、エコー成分の遅延時間、即ち、何タップまでの
処理ができるかを比較すると、本発明による場合、11
2タップ即ち14m5  (=112X0.125)ま
でのエコーに対応できる。この場合、1250ステツプ
の中、擬似エコー発生部を構成するトランスパーサルフ
ィルタの処理に112ステツプ、係数修正の処理に33
6ステツプ、その他のパワー計算。
ダブルトーク判定、信号の入出力変換等の処理に780
ステツプとなった。これに対して、従来例による場合は
、98又は81タツプ、即ち約12ms又はl Qms
までのエコーに対応できることになる。この場合、12
50ステツプの中、前述のその他の処理に相当するステ
ップは760ステツプであり、従って、1250.−7
60=490ステツプを、1タップ当りの処理に必要な
ステップ数の5〜6で割算することになり、前述の98
又は81タツプとなる。
従って、本発明によれば、狭帯域信号に対しても安定な
動作を行うことが可能となると共に、従来例のエコーキ
ャンセラ装置に比較して、2割から4割も大きい遅延の
エコーに対する打ち消しを可能とすることができる。
第4図は本発明の他の実施例のフローチャートであり、
擬似エコー発生部11の出力信号9J “が入力され、
前述の実施例の■、■のステップ等により直流分検出を
行い■、次にカウンタの内容JがM−1か否か判定する
0゜即ち、大周期の1番目の周期であるか否か判定する
。そして、1番目の周期の場合は、直流分yDcにαに
1を乗算して定数aとし、又αに2の絶対値を1から引
算して定数すとし、カウンタの内容Jを0とする0゜大
周期の1番目でない時は定数a、bの修正は行わずにス
テップ[相]に移行する。
ステップ[有]、0は、前述の実施例に於けるステップ
■、■と同様である。この実施例に於いて、正の定数に
1を適切に選定することにより、切り捨てによる直流分
y、cが負方向に太き(なると、aが負方向に大きくな
り、係数り、は正方向に修正され、直流分yDCが零に
近づくように制御される。又修正が行き過ぎて直流分y
ocが正方向に大きくなると、aも正の値となり、係数
り、は負方向に修正されて、直流分yI、cが零に近づ
くように制御される。従って、絶対値として極めて小さ
い直流分y。、の状態で安定化する。
又、b=1−lkzα1に従って定数すを設定し、これ
を係数に乗算することにより、常に係数り、は絶対値と
して小さい方向に修正され、狭帯域信号に対しても安定
に動作することになる。又定数a、bをαの関数として
いるのは、グブルトークの状態で、係数の修正が行われ
ない時に、αは0になり、従って、a=o、b=1にな
るようにして、第2の係数修正部16に於いても係数修
正が行われないようにする為である。
第5図は本発明の更に他の実施例のフローチャートであ
り、ステップ■、■、■、[相]は、第4図に於けるス
テップ■、[相]、■、■と同様である。
この実施例に於いては、ステップ0でαが0か否か判定
し、α=0の時、a=Q、b=lとし[相]、α≠Oの
時、a=kl Ync、b=1  k2 とする[相]
。そして、カウント内容Jを0とし[相]、ステップ0
の演算を行うものである。
又直流分yDcの検出は、擬似エコー発生部11の出力
信号9.“を低域フィルタに加えることにより行うこと
も可能である。この場合は、低域フィルタの入出力信号
の差分をとることにより、加算器14に加える擬似エコ
ー信号9.を求めることができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明は、擬似エコー発生部1を
構成するトランスバーサルフィルタのフィルタ係数の修
正に於いて、四捨五入処理や定数の乗算処理等を、周期
毎に全フィルタ係数に対して実施しなくても良いので、
演算量を大幅に削減することが可能となり、従来例と同
様な処理能力のディジタル信号処理プロセッサを用いた
場合には、大きな遅延のエコーに対応できることになり
、且つ狭帯域信号が入力された場合のエコー減衰量も大
きく維持できるから、エコーキャンセラ装置の特性を向
上することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理説明図、第2図は本発明の実施例
のブロック図、第3図、第4図及び第5図は本発明のそ
れぞれ異なる実施例のフローチャート、第6図はエコー
経路の説明図、第7図は従来例の要部ブロック図、第8
図及び第9図は従来例のフローチャートである。 ■は擬似エコー発生部、2は重畳手段、3は直流遮断手
段、4は定数設定手段、5は処理手段、11は擬似エコ
ー発生部、12は受信信号格納メモリ、13はエコー経
路推定インパルス応答格納メモリ、14は加算器、15
は第1の係数修正部、16は第2の係数修正部、17は
高域フィルタ、18は加算器、19は定数設定部、20
は係数処理部、21は直流分重畳部である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 適応的にその大きさを変更するエコー経路推定インパル
    ス応答系列をフィルタ係数とし、受信信号系列を入力し
    て擬似エコー信号を出力する擬似エコー発生部(1)を
    備え、前記擬似エコー信号により実際のエコー成分を打
    ち消すエコーキャンセラ装置に於いて、 前記擬似エコー発生部(1)の入力信号に一定の直流分
    を重畳する重畳手段(2)と、 前記擬似エコー発生部(1)の出力信号の直流分を遮断
    する直流遮断手段(3)と、 前記擬似エコー発生部(1)の出力信号の直流分の大き
    さに基づいて加算定数及び乗算定数を設定する定数設定
    手段(4)と、 前記擬似エコー発生部(1)のフィルタ係数を複数のグ
    ループに分割し、該グループ毎に前記定数設定手段(4
    )により設定された加算定数の加算処理及び乗算定数の
    乗算処理を順次行う処理手段(5)とを備えた ことを特徴とするエコーキャンセラ装置。
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