JPH0128052Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、主として卵の流通用包装容器として
用いられるもので、樹脂フイルムの真空成形によ
り、身部分と蓋部分の一辺縁どうしを、両部分の
開閉支点を構成するように一体に繋ぎ形成したフ
イルム状樹脂容器に関するものである。

（従来の技術） 従来、合成樹脂製薄シートから、パツク本体と
カバー本体とを、その一側の折曲自在な蝶番部を
介して一体的に成形した容器において、この蝶番
部の両端部に設けた切込みに、この部分の切断用
細線材を介挿し、この両端を外側で互いに結んで
ループ状にしたものは実願昭56−101633号（実開
昭58−12169号）として知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の容器にあつては、蝶番部の両端部に設け
た切込みに介挿した切断用細線材は、その両端を
外側において結んでループ状としたものであるか
ら、結び目が外側にあつてフイルム状樹脂容器と
しては外観上体裁がよくなく、またこの細線材は
ループ状であるため、この容器の積重ね、あるい
は梱包等において他物に引掛り易いばかりでな
く、引掛つた場合等において、細線材は切込みに
介挿されているから、樹脂容器の性質として裂け
易く支障をきたすおそれがあつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記のような点に鑑みて案出されたも
ので、身部分と蓋部分との開閉支点をなす繋ぎ部
分に、この部分を切断する線条材を、繋ぎ部分の
両端近くに設けた透孔に挿通し、これを繋ぎ部分
の内外面にそうように緩みのない無端状に構成す
ることにより問題点を解決した。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面について説明す
る。

第１図に示す樹脂容器は、樹脂フイルムを真空
成形により身部分１と蓋部分２との辺縁部を両者
の開閉支点となる繋ぎ部分３を介して一体に成形
したものである。卵等の内容物の収容包装におい
ては、繋ぎ部分３に対する身部分１及び蓋部分２
の各辺縁部４及び５を互いに重合してスポツト溶
着、接着、止め針、セロテープ等にて止着する。

第２図に示すように繋ぎ部分３には、その長手
方向の両端近くに透孔９，９′が設けられており、
この両透孔９，９′に、繋ぎ部分３を切断するた
めの線条材７が挿通され、これは繋ぎ部分の内外
面にそい緩みなく無端状に構成されている。

この切断用の線条材７は、容器が塩化ビニール
製のときは、ナイロンフイラメント群に塩化ビニ
ールをコーテイングしたものであり、またスチロ
ール製のときは、ナイロンフイラメント群にスチ
ロールをコーテイングしたものが好ましいが、引
張りに対し、強度的に足りれば、いかなる材質の
ものであつてもよい。

なお、対象とする容器は、卵容器以外のいかな
る包装容器であつてもよい。

前記したように卵等の内容物を収容包装したも
のを開披するには、切断用の線条材７に指を引掛
けて摘み、これを透孔９あるいは９′の方向に引
張れば繋ぎ部３の透孔９，９′間は容易に切断す
ることができ、残りの両端部は、開披された身部
分１に指を掛けて引張ることにより簡単に切断さ
れる。

（考案の効果） 本考案は、身部分と蓋部分の繋ぎ部分の両端近
くに透孔を設け、これに無端状の切断用の線条材
を挿通し、しかもこれを繋ぎ部分の内外面にそい
緩みのないように構成したものであるから、線条
材は外側に結び目はあらわれず、緩みがなく外側
面にそうことと相俟つて外観上体裁がよく、しか
も緩みがないことにより、容器を積重ねたり、梱
包したり、運んだりする等の取扱いの際に、この
線条材が他物に引掛かつて支障をきたすことがな
い。仮に引掛かつたような場合にあつても、線条
材は透孔に挿通されているから、切込みに介挿さ
れているように不用意に裂けるおそれは少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の容器の展開姿勢の全体斜視
図、第２図は要部の拡大斜視図である。 １……身部分、２……蓋部分、３……繋ぎ部
分、７……切断用線条材、９，９′……透孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 身部分と蓋部分との開閉支点をなす繋ぎ部分の
   内側に、この部分を切断するための線条材を介在
   させたものにおいて、この線条材を繋ぎ部分の両
   端近くの透孔に挿通すると共に、繋ぎ部分の内外
   面にそい緩みのない無端状に構成したフイルム状
   樹脂容器。