JPH0128001B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は貯穀害虫等の害虫の卵を死滅させ防除
する方法に関する。 従来、食品、香辛料、花類、書籍、木材、動物
標本等の防虫には燻蒸処理、防虫剤の使用、殺菌
処理などが行なわれているが、これらの防虫方法
は成虫の防除、死滅などに不充分であるばかりで
なく、害虫の卵を簡便に死滅させることは実質的
に不可能であつた。害虫の防除を完全に行うため
には害虫卵を死滅させることが必須であり、成虫
を死滅させるだけでは不完全である。なぜなら、
成虫の死骸があるだけで害虫の被害とみなされる
ため、卵の段階で死滅させなくては完全とはいえ
ないからである。そのため従来から害虫を完全に
死滅させる方法の開発が望まれていたが、この課
題を解決する方法は見出されていないのが実状で
ある。 本発明はこの要望に応えうるものであり、害虫
卵を完全に死滅させる方法を提供するものであ
る。すなわち本発明は 害虫卵または害虫卵の付着した物品を、脱酸素
剤組成物をガーレー式透気度（JIS Ｐ 8117）
200〜100000秒／空気100mlの通気性包材に密封し
てなる脱酸素材とともに実質的に非通気性の包材
または気密容器に密封し、酸素濃度0.1％以下で
10〜30℃に保持し、害虫卵を死滅させ開封後のふ
化を防止することを特徴とする害虫卵の防除方法
である。 本発明において対象とされる害虫卵としては例
えばコクヌストモドキ、アズキゾウムシ、コクゾ
ウ、コナマダラメイガ、ナガシンクイ、ジンサン
シバンムシ、ノコギリヒラタムシ、イガ、ヒメカ
ツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、その他
の、食品、香辛料、繊維および繊維織物、毛皮、
書籍、絵画、木材、動物標本などの各種物品につ
く害虫の卵があげられる。 脱酸素剤組成物は酸素を吸収する固形の組成物
であり、例えば鉄、炭化鉄などの鉄粉、亜ニチオ
ン酸塩、亜硫酸塩、第二鉄塩などの還元性の無機
塩、ヒドロキノン、カテコール、ピロガロール、
没食子酸、ブチルヒドロキシアニソール等で例示
されるポリフエノール類、グルコース等で例示さ
れる還元性の糖類、アスコルビン酸、エリソルビ
ン酸などで例示される還元性の多価アルコール、
からなる群から選ばれる還元剤を主たる有効成分
とするものがあげられる。その中で鉄粉と電解
質、例えば鉄粉とハロゲン化金属を含有するもの
が好ましい。 本発明においては害虫卵または害虫卵の付着し
た物品は脱酸素材とともに密封し、酸素濃度0.1
％以下で10〜30℃に保持されるが、保持期間は４
日以上が好ましい。 本発明によれば害虫卵を有する物品から害虫卵
を完全に死滅させることができる。害虫卵を有す
る物品は事前に燻蒸等の特別な防虫、殺虫、殺菌
などの処理を要しないが、もちろん燻蒸等の処理
を併用することもできる。 以下に実施例等をあげて説明する。 実施例 １ コクヌストモドキ成虫200匹を小麦粉500g中で
１週間飼育した後成虫を取り除いた。残つた小麦
粉を20gずつに分け、以下の試料に供した。試料
の小麦粉20gと脱酸素材（ガーレー式透気度3000
秒／空気100mlの包材に密封、500ml用、4gを
KOP／PE袋（150×200m／ｍ）に入れ、袋内の
空気量が約500mlとなるよう密封した。同一検体
を10個作製し24℃室内に保存した。パツク後
72Hr及び96Hrに開封し、そのまま24℃室内に置
いて試料小麦粉から羽化してくるコクヌストモド
キの数を記録した。対照区として脱酸素材を除い
た他は全く同一の条件で検体を作製、開封後、羽
化してくる虫の数を100％とした。１回で５パツ
クずつ開封した。 【表】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 害虫卵または害虫卵の付着した物品を、脱酸
   素剤組成物をガーレー式透気度（JIS Ｐ 8117）
   200〜100000秒／空気100mlの通気性包材に密封し
   てなる脱酸素材とともに実質的に非通気性の包材
   または気密容器に密封し、酸素濃度0.1％以下で
   10〜30℃に保持し、害虫卵を死滅させ開封後のふ
   化を防止することを特徴とする害虫卵の防除方
   法。