JPH05130854A - 農産物及び食品の品質保持法 - Google Patents

農産物及び食品の品質保持法

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JPH05130854A
JPH05130854A JP10917492A JP10917492A JPH05130854A JP H05130854 A JPH05130854 A JP H05130854A JP 10917492 A JP10917492 A JP 10917492A JP 10917492 A JP10917492 A JP 10917492A JP H05130854 A JPH05130854 A JP H05130854A
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宏 中北
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 密閉容器に収容した農産物又は食品を5〜6
0気圧に加圧することを特徴とする農産物及び食品の品
質保持方法、密閉容器に収容した農産物又は食品を5〜
60気圧に加圧した後、瞬時乃至10分間で急速に減圧
あるいは20分乃至1時間かけて徐々に減圧することを
特徴とする急速減圧による農産物及び食品の品質保持方
法並びに密閉容器に収容した農産物又は食品を1種もし
くは2種以上の気体を用いて5〜60気圧に加圧するこ
とを特徴とする農産物及び食品の品質保持方法。 【効果】 上記加圧処理のみ、あるいは加圧後に減圧処
理を行う方法は、添加物等を一切使用しないので処理後
に薬品等が残留せず環境を汚染、破壊することなく昆
虫、ダニ等を効率よく不活性化できる。また、加圧に際
して殺菌および/または殺虫作用を有する気体を用いる
方法は、該気体のみでは殺菌および/または殺虫作用を
十分に発揮できない低濃度で用いても、昆虫、ダニ等を
効率よく不活性化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農産物及び食品の品質
保持法に関し、詳しくは流通,貯蔵等の過程において各
種の原因で品質低下を来す農産物及び食品を簡便な手段
で処置して品質を保持する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】農産物
及び食品の品質低下をもたらす要因は様々であり、その
中に昆虫やダニ等の有害動物に起因するものがある。従
来より行われている農産物及び食品の品質保持方法は、
例えばガス燻蒸,殺菌(熱殺菌,冷殺菌,加圧殺菌),
除菌,抑制(低温,乾燥,濃縮,真空,添加物),遮断
(包装)等によるものであるが、これらの方法にはそれ
ぞれ一長一短がある。
【0003】近年、食に対する国民の関心は、特に安全
性を志向しており、上記の如き品質保持のための処理後
に農産物や食品に残留物を残さないことが強く望まれ
る。そこで、本発明の目的は残留物を残すおそれのない
物理的な手段による農産物及び食品の品質保持方法を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、密閉容器に収
容した農産物又は食品を5〜60気圧に加圧することを
特徴とする農産物及び食品の品質保持法、密閉容器に収
容した農産物又は食品を5〜60気圧に加圧した後、瞬
時乃至10分間で急速に減圧あるいは20分乃至1時間
かけて徐々に減圧することを特徴とする農産物及び食品
の品質保持法並びに密閉容器に収容した農産物又は食品
を1種もしくは2種以上の気体を用いて5〜60気圧に
加圧することを特徴とする農産物及び食品の品質保持法
に関する。
【0005】本発明の対象とされる農産物や食品には特
に制限がなく、例えば米,麦,トウモロコシ等の穀類、
大豆,小豆等の豆類、キャッサバ,甘薯等のイモ類、シ
イタケ,カツオブシ等の乾物類、菊,蘭,小松菜等の花
卉,野菜類、絹,綿等の繊維類、コショー,チョージ等
の香辛料、漢方薬等の薬効性草木類、輸入木材等の木材
類、これらの加工品(例えば米粉,小麦粉,キャッサバ
粉,菓子,ビスケット,マカロニ,粉末飲料,紙袋等)
や前記穀類,豆類などの種子などがある。
【0006】前述の如く、農産物及び食品の品質低下を
もたらす要因は、昆虫やダニ等の有害動物に起因するも
の等様々であるが、本発明では農産物又は食品を所定
の圧力に加圧すること、所定の圧力に加圧後、急速に
減圧すること、1種もしくは2種以上の気体を用いて
加圧することの何れかにより、これら要因を一挙に除去
しようとするものである。
【0007】昆虫(卵,幼虫,さなぎ,成虫)やダニ等
が潜んでいるか、若しくはそのおそれのある農産物や食
品を加圧のみで処理する場合、密閉容器内の圧力を10
〜25気圧、好ましくは20気圧とすることが適当であ
り、特に昆虫の卵が潜んでいるか、もしくはそのおそれ
のある農産物や食品を加圧する場合の圧力は20〜40
気圧、好ましくは30気圧が適当である。その他の場合
は、10〜20気圧程度の加圧で十分に目的を達成する
ことができる。加圧に要する時間は特に制限がなく、使
用する容器の大きさ,農産物及び食品の種類,農産物及
び食品中に含まれる昆虫やダニ等の種類などを考慮して
適宜決定すればよく、可及的短時間に行ってもよく、あ
るいは20分〜1時間程度の時間をかけて徐々に行って
もよい。
【0008】所定の圧力に加圧後は直ちに減圧してもよ
く、適当な期間(通常1秒〜60分間、好ましくは1〜
30分間)この状態に保持した後、減圧してもよい。ま
た、減圧は急速(瞬時乃至10分間)に行ってもよく、
使用する容器の種類等を考慮して20分〜1時間程度の
時間をかけて徐々に行ってもよい。
【0009】農産物や食品を加圧する方法は任意であ
り、例えば耐圧性容器などの密閉容器にこれらを収容
し、所定の圧力になるまで加圧する方法が一般的であ
る。なお、加圧する媒体は、通常空気が用いられるが、
粉塵爆発などのおそれがある粉体等については、窒素ガ
スや炭酸ガス等の気体を使用する。また、この処理はバ
ッチ式の他、連続的に行うこともできる。
【0010】また、気体を使用して加圧する場合、窒素
ガスや炭酸ガス等を1種類のみ用いる他、これらと殺菌
および/または殺虫作用を有する気体と組合わせて行う
こともできる。この場合、殺菌および/または殺虫作用
を有する気体としては、従来よりガス燻蒸などに使用さ
れているもの等から任意に選択できる。しかし、本発明
では処理後にこれらを残留させたり、環境を汚染したり
することのないように配慮するため、通常の使用濃度よ
りも格段に低濃度、すなわち十分な殺菌や殺虫効果が期
待できない濃度で使用する。例えば、コクゾウ虫の殺虫
を目的としてホスフィンを使用するときは、50〜10
0μg /リットル、コクゾウ虫の殺虫を目的としてメチ
ルブロマイドを使用するときは、250〜500μg /
リットル程度にて用いる。一方、これら気体を用いて加
圧する場合の圧力は殺菌や殺虫の対象物である昆虫やダ
ニの種類などを考慮して選定すればよく、例えば昆虫の
卵が潜んでいるか、もしくはそのおそれのある農産物や
食品を加圧する場合は、20〜30気圧が適当であり、
昆虫の幼虫,さなぎ,成虫やダニが潜んでいるか、もし
くはそのおそれのある農産物や食品を加圧する場合は、
10〜20気圧が適当である。
【0011】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 実施例1 コクゾウ成虫50頭を小麦粉50kgと共に密閉容器に
封入し、35気圧に加圧し、5分間保持した。次に、容
器内の圧力を10秒間で急速に開放して1気圧とした。
この処理によって、コクゾウ成虫はすべて死滅したが、
小麦粉には全く異常が認められなかった。
【0012】実施例2 ケナガコナダニ成虫100頭をコショウ粉末10gと共
に密閉容器に封入し、20気圧に加圧し、10分間保持
した。次に、容器内の圧力を10秒間で急速に開放して
1気圧とした。この処理によって、ケナガコナダニ成虫
はすべて死滅した。一方、コショウ粉末には全く異常が
認められなかった。
【0013】実施例3 ノシメマダラメイガ幼虫25頭を小麦粉50gと共に密
閉容器に封入し、50気圧に加圧し、5分間保持した。
次に、容器内の圧力を10秒間で急速に開放して1気圧
とした。この処理によって、ノシメマダラメイガ幼虫は
すべて死滅した。一方、小麦粉には全く異常が認められ
なかった。
【0014】実施例4 コナマダラメイガ蛹25頭を小麦粉30gと共に密閉容
器に封入し、60気圧に加圧し、3分間保持した。次
に、容器内の圧力を1分間で急速に開放して1気圧とし
た。この処理によって、コナマダラメイガ蛹はすべて死
滅した。一方、小麦粉には全く異常が認められなかっ
た。
【0015】実施例5 アザミウマ成虫10頭を蘭の花と共に金網カゴに入れ、
密閉容器に封入した。容器内の空気を加圧して15気圧
とし、12分間そのまま保持した。次に、容器内を1分
間で急速に減圧して1気圧とした。この処理により、蘭
の現状を損なうことなくアザミウマ成虫のみをすべて死
滅させることができた。
【0016】実施例6 コクヌストモドキの卵20個を小麦粉10gと共に高圧
窒素ガスを用いて密閉容器内で60気圧に加圧し、35
分間保持した。次に、容器内の圧力を5分以内で急速に
開放して1気圧とした。この処理によって、コクヌスト
モドキの卵はすべて死滅した。一方、小麦粉には全く異
常が認められなかった。
【0017】実施例7 ヤマトシミ成虫20頭を紙袋に入れ、金網カゴに封入
し、密閉容器中で55気圧に5分間保持した。次に、容
器内を1分間で急速に減圧して1気圧とした。この処理
により、ヤマトシミ成虫はすべて死滅したが、紙袋には
全く異常が認められなかった。
【0018】実施例8 キイロユキクイムシ幼虫を細孔を穿ったアカマツ木材に
各1頭ずつ封入した。この幼虫10頭分のアカマツ木材
を密閉容器に封入し、50気圧に加圧し、20分間保持
した。次に、容器内の圧力を1分間で急速に減圧して1
気圧とした。この処理により、木材には何ら影響を与え
ることなくキイロユキクイムシ幼虫を瞬間的に死滅させ
ることができた。
【0019】実施例9 ヒメカツオブシムシ蛹10頭をカツオブシの削り片と共
に金網カゴに入れ、密閉容器内で窒素ガスにより50気
圧に3分間保持した。次に、容器内の圧力を30秒で急
速に減圧して1気圧とした。この処理により、ヒメカツ
オブシムシ蛹をすべて死滅させたが、カツオブシの削り
片には異常が認められなかった。
【0020】実施例10 コクゾウ成虫20頭を米30gと共に密閉容器に封入
し、炭酸ガスを用いて20気圧に5分間保持した。次
に、容器内の圧力を1分間で急速に開放して1気圧とし
た。この処理により、コクゾウ成虫は全て死滅したが、
米には異常が全く認められなかった。
【0021】実施例11 コクゾウ成虫20頭およびコクゾウ幼虫20頭を米30
gと共に密閉容器に封入し、炭酸ガスを用いて20気圧
に5分間保持した。次に、容器内の圧力を3分間で急速
に開放して1気圧とした。この処理により、コクゾウ成
虫およびコクゾウ幼虫は全て死滅したが、米には異常が
全く認められなかった。
【0022】実施例12 コクゾウ成虫20頭を米30gと共に密閉容器に封入
し、炭酸ガスを用いて容器内圧力を60気圧に高めた
後、直ちに容器内の圧力の放出を開始して10分間以内
に1気圧とした。この処理により、コクゾウ成虫は全て
死滅したが、米には異常が全く認められなかった。
【0023】実施例13 あらかじめ、コクゾウ成虫25頭を米15gと共に容器
内に1週間保持して卵を生ませた。次に、この米15g
を密閉容器に封入し、炭酸ガスを用いて容器内圧力を3
0気圧とし、5分間保持した。しかる後、直ちに容器内
の圧力を放出して1分間以内に1気圧とした。この処理
をした米からは1ヶ月後もコクゾウ幼虫が出現せず、コ
クゾウ卵は全て死滅したことが確認された。なお、この
米には異常が全く認められなかった。一方、対照として
コクゾウ成虫25頭を米15gと共に容器内に1週間保
持して卵を生ませたものを、そのまま放置した場合、コ
クゾウ幼虫が多数発生し、成虫化した。
【0024】実施例14 コクゾウ成虫20頭を米30gと共に密閉容器に封入
し、炭酸ガスを用いて容器内圧力を15分間で20気圧
に高めた後、直ちに容器内の炭酸ガスの放出を開始して
1気圧とした。この処理によって、コクゾウ成虫は全て
死滅したが、米には異常が全く認められなかった。
【0025】比較例1 コクゾウ卵300個を密閉容器に封入し、炭酸ガスを用
いて容器内圧力を15気圧に高め、5分間保持した後、
容器内の炭酸ガスの放出を開始して1気圧とした。この
処理によって、コクゾウ卵97個からは幼虫は出現しな
かったが、203個からは幼虫が出現した。
【0026】比較例2 コクゾウ卵300個と共にホスフィン50μg/リット
ルを密閉容器に封入して20分間保持したが、その後全
ての卵から幼虫が孵化した。
【0027】実施例15 コクゾウ卵300個と共にホスフィン50μg/リット
ルを密閉容器に封入した後、炭酸ガスを用いて容器内圧
力を15気圧に高め、5分間保持した。次に、容器内の
炭酸ガスを直ちに放出して1気圧とした。この処理によ
って、全ての卵から幼虫が孵化せず、卵は死滅したこと
が分かった。
【0028】比較例3 コクゾウ幼虫200頭を密閉容器に封入し、これにホス
フィン100μg/リットルを添加して20分間保持し
た。その後、容器を開放してホスフィンを大気中に放出
し、この状態で容器を保持したところ、1ヶ月以内に全
ての幼虫は成虫化した。
【0029】比較例4 コクゾウ幼虫200頭を密閉容器に封入し、この容器を
炭酸ガスを用いて容器内圧力を5気圧に高め、5分間保
持した。しかる後、容器内の炭酸ガスを直ちに放出して
1気圧とした。この処理によって、35頭の幼虫は死滅
したが、残りの165頭の幼虫は成虫化した。
【0030】実施例16 コクゾウ幼虫200頭を密閉容器に封入し、これにホス
フィン100μg/リットルを添加した。次に、この容
器を炭酸ガスを用いて容器内圧力を5気圧に高め、5分
間保持した。しかる後、容器内の圧力を急速に放出して
1気圧とした。この処理により、全ての幼虫が死滅し
た。
【0031】比較例5 コクゾウ卵300個を密閉容器に封入し、この容器を炭
酸ガスを用いて容器内圧力を15気圧に高め、5分間保
持した。しかる後、容器内の炭酸ガスを直ちに放出して
1気圧とした。この処理によって、97個の卵から幼虫
は出現しなかったが、203個の卵から幼虫が出現し
た。
【0032】比較例6 コクゾウ卵300個を密閉容器に封入し、これにメチル
ブロマイド500μg/リットルを添加して20分間保
持した。その後、容器を開放してメチルブロマイドを大
気中に放出し、この状態で容器を保持したところ、全て
の卵から幼虫が孵化した。
【0033】実施例17 コクゾウ卵300個を密閉容器に封入し、これにメチル
ブロマイド500μg/リットルを添加した。次に、こ
の容器を炭酸ガスを用いて容器内圧力を15気圧に高
め、5分間保持した。しかる後、容器内の圧力を急速に
放出して1気圧とした。この処理によって、全ての卵か
ら幼虫は出現せず、300個の卵は完全に死滅した。
【0034】比較例7 コクゾウ幼虫200頭を密閉容器に封入し、これにメチ
ルブロマイド500μg/リットルを添加して20分間
保持した。その後、容器を開放してメチルブロマイドを
大気中に放出し、この状態で容器を保持したところ、1
ヶ月以内に全ての幼虫は成虫化した。
【0035】比較例8 コクゾウ幼虫200頭を密閉容器に封入し、この容器を
炭酸ガスを用いて容器内圧力を5気圧に高め、5分間保
持した。しかる後、容器内の炭酸ガスを直ちに放出して
1気圧とした。この処理によって、35頭の幼虫は死滅
したが、残りの165頭の幼虫は成虫化した。
【0036】実施例18 コクゾウ幼虫200頭を密閉容器に封入し、これにメチ
ルブロマイド500μg/リットルを添加した。次に、
この容器を炭酸ガスを用いて容器内圧力を5気圧に高
め、5分間保持した。しかる後、容器内の圧力を急速に
放出して1気圧とした。この処理によって、200頭の
幼虫は完全に死滅した。
【0037】実施例19 比較例8において、容器内圧力を20気圧に高め、5分
間保持したこと以外は比較例8と同様に処理したとこ
ろ、196頭の幼虫は死滅したが、残りの4頭の幼虫は
成虫化した。
【0038】
【発明の効果】本発明の加圧処理のみ、あるいは加圧後
に減圧処理を行う方法は、農産物及び食品の品質保持処
理を行うにあたり、添加物等を一切使用しないので、処
理後に薬品等が残留することがない。しかも、環境を汚
染,破壊することなく、農産物及び食品の品質低下の要
因となる昆虫,ダニ等の小動物を効率よく不活性化する
ことができる。また、加圧に際して殺菌および/または
殺虫作用を有する気体を用いる方法は、該気体のみでは
殺菌および/または殺虫作用を十分に発揮できない低濃
度で用いても、昆虫,ダニ等の小動物を効率よく不活性
化することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 実施例1 コクゾウ成虫50頭を米25gと共に密閉容器に封入
し、35気圧に加圧し、5分間保持した。次に、容器内
の圧力を10秒間で急速に開放して1気圧とした。この
処理によって、コクゾウ成虫はすべて死滅したが、
は全く異常が認められなかった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】実施例5 アザミウマ成虫10頭を蘭の花と共に金網カゴに入れ、
密閉容器に封入した。容器内の空気を加圧して15気圧
とし、12分間そのまま保持した。次に、容器内を10
分間で急速に減圧して1気圧とした。この処理により、
蘭の現状を損なうことなくアザミウマ成虫のみをすべて
死滅させることができた。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】実施例14 コクゾウ成虫20頭を米30gと共に密閉容器に封入
し、炭酸ガスを用いて容器内圧力を15分間で20気圧
に高めた後、1分以内に容器内の炭酸ガスの放出を開始
して1気圧とした。この処理によって、コクゾウ成虫は
全て死滅したが、米には異常が全く認められなかった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】比較例1 コクゾウ卵300個を密閉容器に封入し、炭酸ガスを用
いて容器内圧力を15気圧に高め、5分間保持した後、
容器内の炭酸ガスの放出を開始して1分以内に1気圧と
した。この処理によって、コクゾウ卵97個からは幼虫
は出現しなかったが、203個からは幼虫が出現した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】実施例15 コクゾウ卵300個と共にホスフィン50μg/リット
ルを密閉容器に封入した後、炭酸ガスを用いて容器内圧
力を15気圧に高め、5分間保持した。次に、容器内の
炭酸ガスを直ちに放出して1分以内に1気圧とした。
の処理によって、全ての卵から幼虫が孵化せず、卵は死
滅したことが分かった。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】比較例4 コクゾウ幼虫200頭を密閉容器に封入し、この容器を
炭酸ガスを用いて容器内圧力を5気圧に高め、5分間保
持した。しかる後、容器内の炭酸ガスを直ちに放出して
1分以内に1気圧とした。この処理によって、35頭の
幼虫は死滅したが、残りの165頭の幼虫は成虫化し
た。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】実施例16 コクゾウ幼虫200頭を密閉容器に封入し、これにホス
フィン100μg/リットルを添加した。次に、この容
器を炭酸ガスを用いて容器内圧力を5気圧に高め、5分
間保持した。しかる後、容器内の圧力を急速に放出して
1分以内に1気圧とした。この処理により、全ての幼虫
が死滅した。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】削除
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】比較例 コクゾウ卵300個を密閉容器に封入し、これにメチル
ブロマイド500μg/リットルを添加して20分間保
持した。その後、容器を開放してメチルブロマイドを大
気中に放出し、この状態で容器を保持したところ、全て
の卵から幼虫が孵化した。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】実施例17 コクゾウ卵300頭を密閉容器に封入し、これにメチル
ブロマイド500μg/リットルを添加した。次に、こ
の容器を炭酸ガスを用いて容器内圧力を15気圧に高
め、5分間保持した。しかる後、容器内の圧力を急速に
放出して1分以内に1気圧とした。この処理によって、
全ての卵から幼虫は出現せず、300個の卵は完全に死
滅した。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】比較例 コクゾウ幼虫200頭を密閉容器に封入し、これにメチ
ルブロマイド500μg/リットルを添加して20分間
保持した。その後、容器を開放してメチルブロマイドを
大気中に放出し、この状態で容器を保持したところ、1
ヶ月以内に全ての幼虫は成虫化した。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】比較例 コクゾウ幼虫200頭を密閉容器に封入し、この容器を
炭酸ガスを用いて容器内圧力を5気圧に高め、5分間保
持した。しかる後、容器内の炭酸ガスを直ちに放出して
1分以内に1気圧とした。この処理によって、35頭の
幼虫は死滅したが、残りの165頭の幼虫は成虫化し
た。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】実施例19 比較例において、容器内圧力を20気圧に高め、5分
間保持したこと以外は比較例と同様に処理したとこ
ろ、196頭の幼虫は死滅したが、残りの4頭の幼虫は
成虫化した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23B 7/148 9281−4B 9/20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器に収容した農産物又は食品を5
    〜60気圧に加圧することを特徴とする農産物及び食品
    の品質保持法。
  2. 【請求項2】 密閉容器に収容した農産物又は食品を5
    〜60気圧に加圧した後、瞬時乃至10分間で急速に減
    圧あるいは20分乃至1時間かけて徐々に減圧すること
    を特徴とする農産物及び食品の品質保持法。
  3. 【請求項3】 密閉容器に収容した農産物又は食品を加
    圧後1秒〜60分間保持し、次いで容器内圧力を瞬時乃
    至10分間で急速に開放して1気圧とする請求項2記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 密閉容器に収容した農産物又は食品を1
    種もしくは2種以上の気体を用いて5〜60気圧に加圧
    することを特徴とする農産物及び食品の品質保持法。
  5. 【請求項5】 気体が炭酸ガスと殺菌および/または殺
    虫作用を有する気体との組合わせである請求項4記載の
    方法。
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