JPH0127974Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、線路の監視、災害や事故の復旧を目
的として配備された新幹線保守中央通路用運搬車
において、この運搬車のサイドガイドローラー構
造に関する。

この運搬車は、新幹線の上り線路と下り線路の
間に設けた中央通路内を走行するものであり、そ
の使用に際しては、ケーブルドラムを搭載した運
搬車と、各種工具類を搭載した運搬車と、梯子を
搭載した運搬車を、それぞれ倉庫から脇通路を経
て中央通路に搬入し、これらを連結して牽引車に
より牽引あるいは推進させながら目的場所まで走
行させるものである。

この場合、運搬車を脇通路から中央通路に搬入
させるには小回りが要求されるため、前後いずれ
かの走行車輪にキヤスターを用いる必要がある
が、このキヤスターを用いると反面走行時の横振
れにより蛇行が生じるという不都合がある。

また、脇通路から中央通路への進入・搬出は直
角に進行することが要求され、運搬車の内輪差以
上の車幅を縮小することになり中央通路内では左
右方向に大きな間隙が生じる結果となるため固定
したガイドローラーでは蛇行を防止することは不
可能である。

本考案は、かかる実情に対処すべくなされたも
ので、その目的とするところは中央通路内で蛇行
を防止して、円滑な走行が行なえるようにしたサ
イドガイドローラー構造を提供することに存す
る。

本考案のサイドガイドローラー構造は、車体フ
レームの前後それぞれに左右のガイドローラーを
設けてなる新幹線保守中央通路用運搬車におい
て、上記各ガイドローラーをそれぞれ車体フレー
ムの側面から外側方向に展開固定する状態と、側
面から内側方向に収納される状態とに、位置決め
自在に支持させ、かつ上記各ガイドローラーを展
開固定させた状態で左右のガイドローラー間の間
隔を中央通路の幅に対応する間隔に設定させるこ
とを特徴とするもので新幹線保守中央通路内にお
いてガイドローラーを展開固定し中央通路の幅に
対応させ、中央通路から脇通路にあるいは脇通路
から中央通路に搬送するときはガイドローラーを
側面から内側方向に収納する構成を設定させるこ
ととした。

以下、本考案の一実施例を図面に示して説明す
る。

第１図は本考案の一実施例である新幹線保守中
央通路用運搬車（以下運搬車という）の平面図、
第２図は同側面図、第３図はサイドガイドローラ
ー構造を示す平面図である。

図において、Ａは運搬車で、この運搬車Ａを３
台１組とし、これらを連結金具１，１によつて一
連に連結させた状態で中央通路Ｂ内を走行させる
ものである。２は運搬車の車体フレームで、アン
グル型材等を用いた枠組み構造となつている。ま
た３，３および４，４は車体フレーム２の下面に
取付けた走行車輪で、この場合、後側の走行車輪
４，４にはキヤスターが用いられている。次に
５，５および５，５は車体フレーム２の前後それ
ぞれに設けた左右のガイドローラーで、基端を車
体フレーム２の角部下面に枢着６させた取付け板
７の先端に軸支８されている。そして、この各ガ
イドローラー５を車体フレーム２の側面２ａ，２
ａから外側方向に展開する状態と、側面２ａ，２
ａから内側方向に収納される状態と、に位置決め
自在に支持させるものであり、この場合、取付け
板７に止穴９を形成させるとともに、車体フレー
ム２に位置決めピン１０を上下摺動自在に支持さ
せ、上記ガイドローラー５の展開状態で位置決め
ピン１０を係止穴９内に落し込むことにより、こ
のガイドローラー５を展開状態に位置決め固定さ
せ、（第３図実線位置）、またガイドローラー５の
収納状態ではストツパーとして利用した位置決め
ピン１０により取付け板７の辺７ａを受け止めな
がら、このガイドローラー５の展開方向への回転
を規制して収納状態に保持させている（第３図仮
想線位置）。そして、このガイドローラー５，５
間の間隔ａを中央通路Ｂの幅員ｂに対応する間隔
に設定させるものであり、この場合、実施例では
ガイドローラー５，５間の間隔ａを中央通路の幅
員ｂよりも若干（約20mm程度）狭く設定させてい
る。

従つて、上記のように構成された運搬車Ａは、
各ガイドローラー５を収納状態に保持させれば、
その車幅が車体フレーム２の幅となつて、脇通路
への走行に支障をきたすことなく、また各ガイド
ローラー５を展開状態に位置決め固定させれば、
そのガイドローラー間の間隔ａが中央通路Ｂの幅
員ｂに対応し、これが運搬車Ａの横移動を規制し
て、蛇行を防止しながら中央通路Ｂ内での走行を
円滑に行わせることになるのである。

以上、本考案の一実施例について説明したが、
本考案の具体的構成は上記した実施例のものに限
定されることはない。例えば、ガイドローラーの
位置決め手段である位置決めピンについて、実施
例ではガイドローラー５を収納状態に保持するの
に、この位置決めピン１０をストツパーとして利
用させているが、この場合についても、ガイドロ
ーラー５を展開状態に位置決め固定させるのと同
様に、取付け板７に係止穴を形成して、これに位
置決めピン１０を落し込む構造としてもよく、要
は、展開状態でガイドローラー間の間隔が中央通
路の幅員に対応するように位置決めし、また収納
状態でガイドローラーが車体フレームの側面から
張出ないようにすれば良いのである。

以上説明したように本考案によれば、ガイドロ
ーラーを車体フレームの側面より内側方向に収納
できるので、倉庫内での保管や倉庫から中央通路
に至るまでの間の取扱いが簡便に行なえるし、ま
た、ガイドローラーを展開状態に位置決めさせれ
ば、中央通路での蛇行を防止して円滑な走行を行
なうことができ、目的の場所への到着を迅速安全
に少ない要員で実施されて、いち早く作業にとり
かかることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である新幹線保守中
央通路用運搬車を示す平面図、第２図は同側面
図、第３図はサイドガイドローラー構造の一実施
例を示す平面図である。 Ａ：新幹線保守中央通路用運搬車、Ｂ：中央通
路、２：車体フレーム、２ａ：側面、５：ガイド
ローラー、１０：位置決めピン、ａ：間隔、ｂ：
幅員。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体フレームの前後それぞれに左右のガイドロ
   ーラーを設けてなる新幹線保守中央通路用運搬車
   において、上記各ガイドローラーをそれぞれ車体
   フレームの側面から外側方向に展開固定する状態
   と、側面から内側方向に収納される状態とに、位
   置決め自在に支持させ、かつ上記各ガイドローラ
   ーを展開固定させた状態で左右のガイドローラー
   間の間隔を中央通路の幅に対応する間隔に設定さ
   せることを特徴とするサイドガイドローラー構造
   とする。