JPH01275679A - ボールペン用水性インキ組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はボールペン用水性インキ組成物に関するもので
ある。更に詳しくは、筆跡の滲み、或いは製品を正立状
態（チップ部をヒ向き）で放置した場合のインキドロッ
プバックによる筆記不能現象（インキ呑み込み）等を発
生させることなく、ボールの回転によるボール受座の摩
耗を少なくし、インキ出を円滑ならしめ、さらには高速
筆記時の線飛びスキップ現象（ボールの回転が円滑に行
われないため、インキの供給が途切れ、結果として筆記
線が不連続となる現象）を防止することを目的としたボ
ールペン用水性インキ組成物に関するものである。

従来の技術 従来のボールペン用水性インキは、グリコール系有機溶
剤、水溶性樹脂、防腐剤、防錆剤、界面活性剤等を含む
水溶性染料を溶解或いは顔料を分散させたものである。

これら水性インキは、油性インキに比較し、潤滑性が極
端に低いため、ボールペンに適用した場合、ボールの回
転が円滑に行われず、高速筆記に於いて線飛びスキップ
現象（ボールの回転が円滑に行われないため、インキの
供給が途切れ、結果として筆記線が不連続となる現象）
が発生したり、ボール受座の摩耗により方向性、或いは
筆記不能を発生させる等の欠点を有していた。

前記の欠点を解消させる目的で、不飽和脂肪酸の添加或
いは水溶性シリコーン樹脂の使用等が提案されている。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、不飽和脂肪酸の場合、水に対する溶解度
が非常に低いため、潤滑効果を得るに必要な量を添加す
ることができず、結果として得られたインキは、潤滑性
に乏しく筆記によって徐々にボール受座が摩耗し、方向
性或いは筆記不能現象が発生する。また、水溶性シリコ
ーン樹脂においては、潤滑性は充分であるがインキの表
面張力を著しく低下させて、筆跡の滲みやインキ呑み込
み不良が発生する等の実用トの問題があった。

本発明は、前記した従来の不具合を一挙に解消し、表面
張力を極端に低下させることなく充分な潤滑性が得られ
、円滑なボール回転によりボール受座の摩耗を少なくし
、筆記性能を顕著に向にさせると共に快適な筆記感を与
えるボールペン用水性インキを提供しようとするもので
ある。

問題点を解決するための手段 本発明のボールペン用水性インキ組成物は、着色剤、水
を含有してなる水性インキ組成物にロジンせっけんを配
合することを特徴とする。

前記ロジンせっけんは、アビエチン酸、ネオアビエチン
酸、ジヒドロアビエチン酸、ｄ−ピマル酸等の樹脂酸の
混合物のアルカリ金属塩であり、インキ全量に対し、０
．０１％乃至５．０重量％の範囲で使用される。

配合量が０６０１重量％未満では潤滑効果が乏しく、５
．０重量％を越えるとインキの粘度を高め、インキ誘導
部でのインキ流動性が低下し、高速筆記におけるインキ
追従性が阻害される。

０．０１乃至５．０重量％の範囲で使用できるが０゜１
乃至３．０重量％で添加するのが好ましい。

更に本発明のロジンせっけんに加えて従来公知の潤滑剤
、例えばジチオリン酸塩、ポリオキシエチレンリン酸エ
ステル系界面活性剤等を併用することにより一層筆記性
能を向トさせることができる。

次に本発明に使用する各成分について詳細に説明する。

着色剤としては水性媒体に溶解する染料１．４５４３０
）、タートラジ／（Ｃ，１，１９１４０）、アシッドバ
イオレット６Ｂ　（Ｃ，１，４２６４０）、ブリリアン
トブルーＦＣＦ　（Ｃ，１，４２０９０）等の酸性染料
、バイオレットＢＢ　（Ｃ，１，２７９０５）、ダイレ
クトスカイブルー５８　（Ｃ，１，２４４００）、ブラ
ックＧ　（Ｃ，１，１３５２５５）等の直接染料、或い
はローダミンＢ　（Ｃ，１，４５１７０）、ローダミン
６ＧＤＮ　（Ｃ，１，４５１６０）　、メチルバイオレ
ット（Ｃ，１，４２５３５）　、ビクトリアブルーＢＯ
Ｈ（Ｃ，１，４２５９５）等の塩基性染料が挙げられ、
顔料としてはカーボンブラック、アゾ系、アンスラキノ
ン系、縮合ポリアゾ系、チオインジゴ系、金属錯塩系、
フタロシアニン系等の有機顔料が挙げられる。これら着
色剤はインキ全量に対し１乃至２０重量％、好ましくは
２乃至１５重量％の範囲で使用される。

叉、ペン先でのインキ乾燥抑制剤及び前記染料の溶解助
剤として、エチレングリコール、ジエチレングリコール
、プロピレングリコール、チオジエチレングリコール、
グリセリン、トリエタノールアミン等の水溶性有機溶剤
を用いたり、インキの流動性の改善或いは前記顔料の分
散安定化のために各種界面活性剤を筆跡の滲み防止や前
記顔料の保護コロイドとして、ポリビニールピロリドン
、ポリビニールアルコール、水溶性アクリル樹脂、アラ
ビアゴム等の水溶性樹脂、及びフェノール、安息香酸ナ
トリウム等の防腐剤、ベンゾトリアゾール等の防錆剤を
使用してもよい。

作用 本発明の水性インキ組成物が何故潤滑性に優れ、筆記性
能を向トさせるか、詳細な作用機構は明らかではないが
、本発明に使用のロジンせっけんの構造中のカルボキシ
ル基が金属表面に吸着作用を示し、ボールとボール受座
の間に薄い被膜を形成することにより潤滑性を付与する
ものと推察される。

次に本発明の水性インキ組成物の具体例について説明す
る。以下の配合中の［部−１の表示は重量部を表す。

実施例１ ウォーターブランクＲ５１０８，０部 （Ｃ，１，５０４２０） エチレングリコール　　　　　　　　　１０．０部ジエ
チレングリコール　　　　　　　　１０．０部ポリビニ
ールアルコール　　　　　　　　３．０部（日本合成化
学工業■製、ゴーセノールＧＬＯ５）非イオン界面活性
剤　　　　　　　　　　０．２部（ポリオキシエチレン
ノニルフェノールエーテル）ロジンせっけん（ナトリウ
ム塩）２．０部フェノール　　　　　　　　　　　　　
　０．４部ベンゾトリアゾール　　　　　　　　　　０
．５部水　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　６５．９部前記成分を混合し、約８０℃に加温しつ
つ攪拌溶解して黒インキを得た。

実施例２ ブリリアントブルーＦ　ＣＦ　　　　　　　　１．０部
（Ｃ，１，４２０９０） アシッドバイオレット６　Ｂ　　　　　　　　４．０部
（Ｃ，１，４２６４０） ジエチレングリコール　　　　　　　　１０．０部エチ
レングリコール　　　　　　　　　１０．０部ポリビニ
ールピロリドン　　　　　　　　１．　ｏ　部（ＢＡＳ
Ｆ社製、コリトンに−１７） 非イオン界面活性剤（ポリオキシエチレンオレイルエー
テル）０．３部 ロジンせっけん（カリウム塩）１．０部フェノール　　
　　　　　　　　　　　　０．４部水　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　７２．３部前記成分
を混合し、約６０℃に加温しつつ攪拌溶解し青インキを
得た。

実施例３ アシッドフロキシン（Ｃ，１，４５４１０）　　１．５
部エオシンＧＨ（Ｃ，１，４５３８０）　　　　　４．
０部すンセットイエローＦ　ＣＨ０，５部 （Ｃ，１，１５９８５） ポリエチレングリコール　　　　　　　１０．０部（平
均分子量２００） プロピレングリコール　　　　　　　　　５．０部グリ
セリン　　　　　　　　　　　　　３．０部ロジンせっ
けん（ナトリウム塩）０．５部黄色デキストリン　　　
　　　　　　　　３．０部非イオン界面活性剤　　　　
　　　　　　０．５部（ポリオキシエチレンラウリルエ
ステル　）デバイドロ酢酸ナトリウム　　　　　　　１
．０部ジメチルジチオリン酸ナトリウム　　　　０．５
部前記成分を混合し約７０℃に加温しつつ攪拌溶解し赤
インキを得た。

実施例４ ビクトリアブルーレーキ　　　　　　　　７．０部（青
色顔料　Ｃ，１，４４０４５） グリセリン　　　　　　　　　　　　１０．０部エチレ
ングリコール　　　　　　　　　１０．０部ポリビニル
ピロリドン　　　　　　　　　３．０部（ＢＡＳＦ社製
、コリトンに−１７） 非イオン界面活性剤（ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノオレエート）２．０部 ロジンせっけん（カリウム塩）２．０部プライサーフＡ
２１９Ｂ（第一工業製薬（株製、ポリオキシエチレンリ
ン酸エステル系界面活性剤）０．５部 フェノール　　　　　　　　　　　　　０．５部水　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　６５．
０部水２１部中に前記界面活性剤全量を溶解した媒体中
に顔料を添加、混練して均質な分散体を調製する。別に
残量の水に残余の成分を溶解してビヒクルを調製し、こ
のビヒクル中に前記分散体を攪拌しながら添加し、攪拌
を続けて均質な青インキを得た。

実施例インキの効果を確認する為に、次の様な比較イン
キを作成した。

比較例１ 実施例１のインキ成分中のロジンせっけんを同量の水に
置き換え、同様な方法により黒インキを得た。

比較例２ 実施例２のインキ成分中のロジンせっけんを同量の水に
置き換え、同様な方法により青インキを得た。

比較例３ 実施例３のインキ成分中のロジンせっけん０．５部及び
ジメチルジチオリン酸ナトリウム０．５部をオレイン酸
１．０部に置き変え、同様な方法で赤インキを得た。

比較例４ 実施例３のインキ成分中のロジンせっけん０．５部及び
ジメチルジチオリン酸ナトリウム０．５部をシリコンＸ
−２２−３５１（信越化学社製ポリエーテル変性シリコ
ーン樹脂）０．５部及び水０．５部に置き換え同様な方
法により赤インキを得た。

発明の効果 以ヒの処方により得られた実施例１〜４及び比較例１〜
４のインキをステンレススチール製チップを備えたボー
ルペンにそれぞれ充填したものを試料として、筆記性能
、正立状態での放置によるインキ呑み込み不良の有無等
について試験を行い、その結果を表１にまとめた。

表１ （注１）筆記速度４ｍ／分、筆記荷重１００ｇ、筆記角
度７０度に調整された自転光書き式筆記試験機で試料ボ
ールペンの筆記を行い、１００ｍ毎のボールペンの重量
測定値からインキ消費量を算出し、その値が４０ｍｇ／
１００ｍ以下になった点を終点として筆記距離を求めた
。

（注２）ローランドＤＣ社製ＸＹプロフタ−ＤＸＹ９８
０を用いて、２部ｃｍ／秒の筆記速度で長さ３５．７ｃ
ｍの直線を２８０本筆記し、高速筆記におけるインキ追
従性（線飛びスキップの有無）及び筆記線の状態（滲み
、濃淡の有無）を調べた。

（注３）試料インキ毎に５０本のボールペンを組立て、
正常に筆記できることを確認した後、キャンプを嵌めて
正立状態（チップをト向き）で２０日間放置した後、筆
記試験を行い、インキドロップバックによる筆記不良（
呑み込み不良）の本数を調べた。

前記表１で明らかなように、本発明のロジンせっけんを
配合したインキは、筆跡の滲みやインキ呑み込み不良等
を発生させることな（、水性ボールペンの筆記距離を大
幅に延長させることができ、また高速筆記における線飛
びスキップ現象を防止している。又、ジチオリン酸塩や
ポリオキシエチレンリン酸エステル等の潤滑剤の併用に
より筆記性能を更に向トさせることもできる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 必須成分として、着色剤、水及びロジンせっけんを含有
   してなるボールペン用水性インキ組成物