JPH01275186A - 多数回印字型熱転写記録媒体及びその製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明はサーマルプリンタ、サーマルタイプライタ等の
感熱転写記録装置に使用され、記録媒体の同一箇所を繰
返し印字することができる多数回印字型熱転写記録媒体
及びその製造法に関するものである。

［従来の技術］ 従来この種の熱転写記録媒体として、微細多孔性樹脂層
中に加熱で液状になるカルナバワックスのような固体状
インク連続相を形成させることにより、インクが一度に
転移せず毛細管現象により少しずつにじみ出て、記録紙
を汚さずに多数回にわたって使用できる感熱転写媒体が
開示されている（特開昭５４−６８２５３）。

［発明が解決しようとする課題］ しかし上記感熱転写媒体は微細多孔性樹脂の中にインク
の固体状連続相を形成しているため、換言すればインク
が樹脂に包み込まれて保持されているので、印字の解像
度が高くなく、印字濃度が比較的薄く、しかもカスレが
見られる。特に初回の印字と繰返して印字したときの印
字の品質にバラツキが見られ、初回の印字においてもワ
ンタイム方式の市販の感熱転写媒体に比べると印字濃度
が薄く、公式文書の作成には難があり、練習用或いは校
正用にしか用いることができない。

本発明の目的は、初回の印字品質と繰返し使用したとき
の印字品質にバラツキがなく、常にワンタイム方式の市
販の感熱転写媒体と同等以上の高品質の印字が得られる
多数回印字型熱転写記録媒体及びその製造法を提供する
ことにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本願第一発明は、基材の片
面に着色剤と熱可塑性ワックスと接着用樹脂とを含むソ
ルベント型熱溶融性インク層が複数積層された多数回印
字型熱転写記録媒体であって、複数のインク層の各上面
に熱溶融性インク組成物に対して非相溶性の熱可塑性樹
脂に着色剤が分散された微細多孔薄膜が形成されたもの
である。

また本願第二発明は、着色剤と熱可塑性ワックスと接着
用樹脂とを含む熱溶融性インク組成物を第１溶剤に溶解
し、インク組成物に対して非相溶性の熱可塑性樹脂を第
１溶剤より沸点の低い第２溶剤に溶解し、これら２種類
の溶液を混合してソルベント型熱溶融性インクを調製し
、この熱溶融性インクを基材の片面に塗工した後で第１
溶剤及び第２溶剤の順にこれらの溶剤が蒸発するように
乾燥し、このインクの塗工と乾燥を複数回繰返して層上
面に熱可塑性樹脂に着色剤が分散された微細多孔薄膜が
形成されたインク層を基材上に複数積層することを特徴
とする多数回印字型熱転写記録媒体の製造法である。

本発明の基材を例示すると、ポリエステル、ポリイミド
、ポリカーボネートの　１〜ｌＯμｍ程度のフィルムが
挙げられる。ポリエステルフィルム及びポリイミドフィ
ルムの場合にはサーマルヘッドと対向する面に予めシリ
コーン樹脂等の耐熱層を設けておくと、スティック（融
着）を防止でき好ましい。基材のサーマルヘッドと対向
しない面には熱溶融性インクを複数回塗工、乾燥して形
成された積層インク層が設けられる。この熱溶融性イン
クはソルベントに可溶のインクであって、次の方法によ
り調製される。

先ず、着色剤と熱可塑性ワックスと接着用樹脂とを含む
インク組成物をトルエン、キシレン等のような沸点が１
１０〜１４０℃程度の揮発性第１溶剤に溶解する。着色
剤はカーボンブラック等の黒色顔料のみならず、青、赤
、黄色等の顔料又は油溶性染料を使用することができる
。ワックスはサーマルヘッドの加熱により粘弾性を発現
する酸化ポリエチレンワックス、ポリアミド樹脂のよう
な熱可塑性ワックスであって、パラフィンやカルナウバ
ワックスのようなサーマルヘッドの加熱により粘弾性が
著しく低下するワックスを含まない。接着用樹脂はソル
ベント系でワックスや着色剤と相溶性のある脂肪族炭化
水素樹脂が適当である。

次いで、上記インク組成物に対して非相溶性或いは難溶
性の熱可塑性樹脂を２−ブタノン、４−メチル−２−ブ
タノンのような沸点が８０℃前後の揮発性第２溶剤に溶
解する。この熱可塑性樹脂としては前記２−ブタノン、
４−メチル−２−ブタノンにしか溶解しない塩化ビニル
・酢酸ビニル共重合樹脂或いはポリアミド樹脂のような
塗膜の形成し易い樹脂が好ましい。上記共重合樹脂は塩
化ビニルと酢酸ビニルの重量比が６５：３５又は９７：
３で２００〜８００の範囲の平均重合度のものから選ば
れる。

次に、上記２種類の溶液をボールミル、アトライタ等の
混練機により十分に混合し、熱溶融性インクを調製する
。インク組成物溶液と熱可塑性樹脂溶液との混合比は重
量比で９９．５　：　０．５〜６５：３５の範囲から選
ばれる。

この熱溶融性インクを前述した基材の片面に塗工した後
、乾燥する。塗工は公知のグラビヤコーティング法が用
いられ、乾燥は沸点の低い２−ブタノン、４−メチル−
２−ブタノンの第２溶剤が先に蒸発する条件で行われる
。これによりこの溶質である熱可塑性樹脂に着色剤が分
散された微細多孔薄膜がインク層の表面に形成される。

１回の塗工と乾燥により形成されるインク層の厚さは、
０１〜２０μｍ程度か好ましい。続いてこの塗工と乾燥
を複数回繰返すことにより熱溶融性インク層が複数積層
された多数回印字型熱転写記録媒体が得られる。

［作　用］ 熱溶融性インクの第１層を乾燥した後の第２層の塗工に
よって第２層に含まれる接着用樹脂が一旦固化した第１
層に部分的にブリッジを形成して第１層と第２層間の剥
離を防止する。第２層以下第ｎ層まで同様な繰返しで立
体構造のインク層が複数積層される。微細多孔薄膜は上
記接着用樹脂と一体となってインク層を積層可能にする
とともにインクの層間移動を可能にする。

すなわち、この熱転写記録媒体にサーマルヘッドを当て
ると、サーマルヘッドの加熱されたドツト部分の熱溶融
性インクが溶融し、可塑化された薄膜の微細孔を通じて
徐々ににじみ出て記録紙に印字される。ここでワックス
及び接着用樹脂も加熱によりゴム状の粘弾性を発現し、
印字の直後に印字箇所を残余のインクが移動して埋める
。２回以後の印字においても同様に印字箇所を残余のイ
ンクが移動して埋め、次のサーマルヘッドの加熱に備え
る態勢となる。

［発明の効果コ 以上述べたように、本発明の熱溶融性インクは、従来の
パラフィンやカルナウバワックスのように１回のサーマ
ルヘッドの加熱により粘弾性が著しく低下するワックス
を使用せず、印字の際に粘弾性を発現する熱可塑性の合
成樹脂系のワックスを使用するため、その部分が白抜け
することがない。

また微細多孔薄膜によるインク層の積層化によりインク
層の厚みを増大でき、３〜５層のインク層で少なくとも
５回まで同一箇所を印字してもインクが消尽されない。

この微細多孔薄膜も印字の際に粘弾性を示すため、この
薄膜を通じてインクが徐々ににじみ出て記録紙に印字さ
れ、記録紙に無用の汚れを生じることなく解像度の高い
鮮明な印字像が転写される。

解像度、濃度等の印字品質は初回は勿論、繰返し使用し
たときにも劣化することなく、常にワンタイム方式の市
販の感熱転写媒体と同等以上の高品質の印字か得られる
。このため公式文書の作成に多数回使用することができ
、ワードプロセッサに適した経済性にも優れた多数回印
字型熱転写記録媒体を得ることができる。

［実施例コ 次に本発明の詳細な説明する。以下に用いる「部」は「
重■部」を示す。

〈実施例１〉 次の配合のインク組成物を予め加熱溶解した後ボールミ
ルにかけ、十分に分散した。

・カーボンブラック粉末（ＭＡ−１００）　　　　　　
６部・　調色用染料　にり′ロンンヘ′−スＥＸ）　　
　　　　　　　　　　　　２部・酸化ポリエチレンワッ
クス　（サンワックスＥ−３００）　８部・脂肪族炭化
水素樹脂（フィントンＣ−１００）　　　　　５部・バ
インダ剤　　エチレン・酢ビ共重合樹脂（エバ′フレフ
クスＥＶ−４５Ｘ）　　　５部・　増粘剤　（エチルセ
ル叶スＣＰ−１００）　　　　　　　　　　　　　　　
　　１部・　溶　　剤　（トルエン）　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　５０部別に塩ビ・
酢ビ共重合樹脂　（テ゛ンカヒ゛ニルＣ１００Ｏ）　３
部を２−ブタノン２０部で溶解し、この溶液を上記イン
ク組成物に混合し、再びボールミルで十分に混合して熱
溶融性インク１００部を調製した。

このインクを５基連続したグラビア印刷機を用いて厚さ
６μｍで長さｌｏｏｍのポリエステルフィルム上に塗工
した。グラビア印刷機では各ヘッド毎にインクを塗工し
続いて乾燥した。グラビア印刷機の出口でフィルム上に
インク層が５層積層された積層厚６μｍのインクリボン
が製造された。

このインクリボンをブラザー工業（燭のワードプロセッ
サ（ピコワード５１００）に装着し、同一箇所を５回印
字した。

〈実施例２〉 次の配合のインク組成物を予め加熱溶解した後ボールミ
ルにかけ、十分に分散した。

・カーボンブラック粉末　（ＭＡ−１００）　　　　　
　６部・油溶性染料（ＳＯＴ　Ｂｌａｃｋ　Ｎｏ、５）
　　　　　　　２部・ポリエチレンワックス　（ホ゛リ
ヮフクス５００）　　　　１０部・　ワ　ッ　クス　　
（ラノリンアルコール）　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　１部・クマロン樹脂　（クマロンＴ　１０５
　）３　部・バインダ剤　　エチレン・酢ビ共重合樹脂
（工へ″フレフクスＥＶ−２２０）　　　５部・　増粘
剤　（メチルセル叶ス）　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　１部・　溶　　剤　（キルン）　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　４２部別に
ポリアミド樹脂　（ポリアミ）’Ｈ−１６３３）　　１
０部を４−メチル−２−ブタノン２０部で溶解し、この
溶液を上記インク組成物に混合して熱溶融性インク１０
０部を調製した。

このインクを実施例１と同様に厚さ１０μｍのポリカー
ボネートフィルム上に塗工し、多数回印字型熱転写記録
フィルムを製造した。

このフィルムを松下電器産業（…のワードプロセッサ（
バナヮードＦＷ−ＫＩＯＩ）に装着し、同一箇所を３２
ドツトフオントで５回印字した。

〈印字結果〉 実施例１及び２とも初回から５回まで印字濃度、解像度
の変らず、従来のワンタイムリボンのタイプエリボン及
び高速印字用で一般にタイプ■と呼ばれるリボンと同程
度以上の性能を有した。特にカーボンブラック以外に、
染料を含有したためブラックの色相が青味で深味を呈し
、より一層高品質な印字が得られた。

゛・ミ、し／

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）基材の片面に着色剤と熱可塑性ワックスと接着用樹
   脂とを含むソルベント型熱溶融性インク層が複数積層さ
   れた多数回印字型熱転写記録媒体であって、 前記複数のインク層の各上面に前記熱溶融性インク組成
   物に対して非相溶性の熱可塑性樹脂に前記着色剤が分散
   された微細多孔薄膜が形成されたことを特徴とする多数
   回印字型熱転写記録媒体。 ２）着色剤と熱可塑性ワックスと接着用樹脂とを含む熱
   溶融性インク組成物を第１溶剤に溶解し、前記インク組
   成物に対して非相溶性の熱可塑性樹脂を前記第１溶剤よ
   り沸点の低い第２溶剤に溶解し、前記２種類の溶液を混
   合してソルベント型熱溶融性インクを調製し、この熱溶
   融性インクを基材の片面に塗工した後で前記第１溶剤及
   び第２溶剤の順にこれらの溶剤が蒸発するように乾燥し
   、このインクの塗工と乾燥を複数回繰返して層上面に前
   記熱可塑性樹脂に前記着色剤が分散された微細多孔薄膜
   が形成されたインク層を基材上に複数積層することを特
   徴とする多数回印字型熱転写記録媒体の製造法。