JPH0127091B2 - - Google Patents

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JPH0127091B2
JPH0127091B2 JP54043229A JP4322979A JPH0127091B2 JP H0127091 B2 JPH0127091 B2 JP H0127091B2 JP 54043229 A JP54043229 A JP 54043229A JP 4322979 A JP4322979 A JP 4322979A JP H0127091 B2 JPH0127091 B2 JP H0127091B2
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JP
Japan
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intrinsic viscosity
polyester
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wet wall
ester polymer
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JP54043229A
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JPS55135133A (en
Inventor
Katsuto Matsuzawa
Yasuhiro Tokyama
Toshihiro Izumitani
Tetsuo Matsumoto
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Publication of JPH0127091B2 publication Critical patent/JPH0127091B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はポリエステルの連続的製造法に関する
ものである。 詳しくはアルキレンテレフタレート単位を主構
成成分とする高分子量のポリエステルを撹拌機構
またはこれに類する機構を装備しない、いわゆる
濡壁塔を用いて連続的に製造する方法に関するも
のである。 エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレ
ート等のアルキレンテレフタレート単位を主構成
成分とするポリエステルは繊維、成形品として広
汎な用途を有する代表的なポリエステルである。 このようなポリエステルは通常、テレフタル酸
またはジメチルテレタレートとエチレングリコー
ルまたは1,4―ブタンジオールとをエステル化
またはエステル交換反応させてビスヒドロキシア
ルキルテレフタレートまたはその低重合体を得、
しかる後にエチレングリコールまたは1,4―ブ
タンジオールを脱離せしめる重縮合反応によつて
用途に応じた固有粘度になるまで重縮合すること
により製造される。テレフタル酸とエチレングリ
コールまたは1,4―ブタンジオール以外に第三
成分が用いられる場合があるが、これはポリエス
テルの繊維製品としての染色性、吸湿性、防炎性
等の改良、成形品としての成形性、結晶性等の改
良のためである。従つて、このような第三成分は
ポリエステルの本来の性質を損わない範囲で使用
することが好ましく、このためにはポリエテル中
のエチレンテレフタレート単位またはブチレンテ
レフタレート単位が80モル%より少なくならない
範囲で使用することが好ましい。 周知のように重縮合反応は触媒の存在下、ポリ
エステルの融点以上の温度で実施される。そして
重縮合反応は平衡反応なので、生成するグリコー
ル成分を速かに反応系外に除去することが重要で
ある。この目的のため、減圧下で反応物を強力に
撹拌し重縮合するのが通常である。重縮合反応は
工業的には回分式、連続式のいずれでも実施され
ているが、特殊品の生産、小規模生産には回分式
が用いられ、大規模生産には連続式が用いられ
る。連続式は得られるポリエステルの品質面、コ
コスト面から極めて有利である。連続重縮合反応
装置としては横型撹拌反応装置が広く世界的に用
いられている。横型撹拌反応装置は回分式に用い
られる縦型撹拌槽に比し気液接触面を増せるため
重縮合時間が少なくて済むといわれているが、そ
れでも所定の重合度にまで重縮合するには1〜2
時間要するのが普通である。しかし、重縮合反応
は高温で行なわれるため副反応による異物生成が
多く、このため反応時間は可能な限り短くするこ
とが好ましい。これを解決するために撹拌機構の
構造に種々の工夫がなされているが、必ずしも満
足する結果は得られていない。更に、横型撹拌反
応装置においては固有粘度が0.8以上の高重合度
のポリエステルを得るための効果的な撹拌が極め
わ難しい。一方、近時次のような縦型撹拌装置を
用いた重縮合法が注目されている。すなわち、反
応液を重力により壁面上を流下させ、反応液の表
面更新を壁面に沿つて摺動もしくは壁面との小さ
な間隙をおいて移動する撹拌翼で行ないながら重
縮合する方法である。この方法において、反応液
は撹拌翼により壁面上に塗布され薄膜を形成する
ため、グリコール成分の脱離が速かに行なわれ
る。その結果、所定の重合度のものを数分〜30分
程度の短時間の重縮合で得ることができる。しか
し、この方法にも次の欠点がある。その一つは、
撹拌による発熱が大でとくに壁面に近い撹拌翼先
端部では局部的に温度が上昇し、製品であるポリ
エステルの品質に悪影響を与えることである。他
の一つは、撹拌により生じた反応液飛沫が撹拌
軸、反応釜の上部等に付着したまま長時間反応系
にとどまり、これがポリエステルの品質に悪影響
を与える異物に成長した後、製品となるポリエス
テル中に落下混入することである。製品ポリエス
テルとして色調が良好なことは重要なことである
が、異物が含有されていないことも重要なことで
ある、というのも、異物はフイルターの目詰りを
はやめ操業性を低下させたり、延伸時の単糸切れ
を多発せしめるからである。また、フイルム製造
時にはフイツシユアイ生成の原因となるからであ
る。勿論、前記のような異物の混入は縦型撹拌反
応装置を頻繁に洗浄することにより回避できる
が、これによりこの重縮合法の利点の一つである
生産性の高さを著しく犠性にしなければならな
い。勿論、上記したような問題は縦型撹拌反応装
置に限られるものではなく、撹拌機構を有する反
応装置においては避け難い問題である。 他方、ビスヒドロキシアルキルテレフタレート
またはその低重合体を撹拌機構を装備しない縦型
反応装置いわゆる濡壁塔に供給し、これを壁面に
沿つて流下させ減圧下重縮合させる方法が知られ
ている。(米国特許第3192184号、特公昭48―
17558号、特公昭43―13238号)このような方法に
おいては撹拌機構がないので前記したような問題
は生じないと推定される。更に、この方法は撹拌
に要するエネルギーが当然のことながら不要なの
で、この面でも有利な方法といえる。しかしなが
ら、このような方法で固有粘度が0.5より高いポ
リエステルを製造した例は見当らないのである。
例えば、米国特許第3192184号は固有粘度が0.4以
下のポリエステルを製造することを目的とするも
のであつて、実際には固有粘度0.09〜0.32のポリ
エステルしか製造していない。 また、特公昭48―17558号公報では、濡れ壁式
反応機で得られたプレポリマーを大量に循環させ
る必要のあることは記載されているが、これはポ
リエステルの重合反応を対象とするものではな
く、テレフタル酸とグリコール類のエステル化反
応もしくはトランスエステル化反応を対象とし、
その際、該反応が反応律速ではなく、伝熱律速の
状態で操作されるため、好ましい伝熱速度と膜厚
の関係を有利にするがための循環方式を意味する
ものに過ぎない。従つて、エステル化反応もしく
はトランスエステル化反応の段階では種々のメリ
ツトがあるが、反応律速である重合段階ではかえ
つて逆効果である。つまり、固有粘度が0.18以下
のポリエステルを循環方式の濡れ壁式反応機で製
造しているに過ぎず、それ以上の固有粘度のポリ
エステルについては循環方式を採用していない。
即ち、重合段階で単純に得られたポリエステルを
循環使用すると、折角重合度の上がつたポリエス
テルがフリーのエチレングリコールによつて解重
合されるからである。そして特公昭43―13238号
では重合度5〜50(重合度50は固有粘度で0.4〜
0.45に相当する)のポリエステルを前記したよう
な方法で製造し、その後の重縮合はやはり表面更
新が容易な撹拌反応装置で行なつている。すなわ
ち、このような方法は固有粘度が0.5より低いい
わゆるプレポリマーを製造する初期重縮合(予備
重縮合)の場合にのみ有効というのが常識であつ
たのである。その理由としては前記特許に記載さ
れているように固有粘度が高くなるとともに溶融
粘度も高くなり、その結果操作性及び表面更新が
低下するという危惧が主たるものであつたと推定
される。 本発明者らは濡壁塔を用いて固有粘度が0.5よ
り高くかつ高品質のポリエステルを工業的に有利
に製造するために鋭意研究したところ、原料ポリ
エステルを特定の浸辺長当りの流量で濡壁塔に供
給し重縮合すればよいことを見出し、先に提案し
た。(特公昭63―56254号公報)しかしながら、こ
の方法においては固有粘度が0.12以上のポリエス
テルを原料としなければならない点に問題があつ
た。すなわち、一般にテレフタル酸またはジメチ
ルテレフタレートとエチレングリコールまたは
1,4―ブタンジオールとをエステル化またはエ
ステル交換して得られるビスヒドロキシアルキル
テレフタレートまたはその低重合体の固有粘度は
0.12より低く、この方法に適用するにあたつては
周知の方法で固有粘度が0.12以上となるまで予備
重縮合しなければならないからである。 本発明者らは前記方法を有効に実施する方法に
つき更に研究を進めた結果、濡壁塔の重縮合によ
り得られるポリエステルを外部循環させ、これに
固有粘度が0.12より低い低重合体を供給しつつ重
縮合する方法と前記方法とを結合すれば工業的に
有利なプロセスとなることを見出し本発明に到達
した。 すなわち、本発明の要旨とするところは第1の
非撹拌型円筒型濡壁塔に固有粘度0.12〜0.4のエ
ステル重合体を主成分とする重合可能な液状物を
供給し減圧下重縮合させ、得られる固有粘度0.15
〜0.5の重縮合物の一部は固有粘度0.12未満のエ
ステル重合体と混合して第1の濡壁塔に循環し、
残部は第2の非撹拌型円筒型濡壁塔に供給して固
有粘度が0.5より大となるまで減圧下重縮合させ
るポリエステルの連続的製造法であつて、前記エ
ステル重合体は一般式() (式中、Rはエチレン基またはブチレン基を示
す)で表わされる単位を含有するものであり、か
つ第1及び第2の濡壁塔への供給速度は式() F≧A×10-3×IV-〓 ……() 〔式中、Fはそれぞれの濡壁塔の浸辺長当りの
流量(Kg/m・hr)を示し、IVはそれぞれの濡
壁塔に供給されるエステル重合体の固有粘度を示
し、A及びβは一般式()においてRがエチレ
ン基のとき夫々4.2及び5.1の数を示し、Rがブチ
レン基のとき夫々2.7及び4.5の数を示す〕を満足
することを特徴とするポリエステルの連続的製造
法に存する。 以下本発明を詳細に説明する。 本発明方法においてはまず固有粘度が0.12〜
0.4、好ましくは0.15〜0.3のエチレンテレフタレ
ート単位またはブチレンテレフタレート単位を好
ましくは80モル%以上含有するエステル重合体
(以下単に原料ポリエステルという)を主成分と
する重合可能な液状物を第1の濡壁塔に供給す
る。固有粘度が0.12より低いときは壁面上に形成
される膜の厚さが薄く、反応に必要な時間膜を保
持することができない。また、壁面に液切れを発
生させたり、一部落下したりして安定な流動状態
が得られない。その結果、ポリエステル中に異物
が混入し高品質のポリエステルが得られなくな
る。なお、本発明において固有粘度とは常法に従
つてフエノールと四塩化エタンとの混合溶媒(重
量比1:1)にポリエステルを溶解し20℃で測定
したものである。本発明方法において原料ポリエ
ステルはテレフタル酸またはジメチルテレフタレ
ートとエチレングリコールまたは1,4―ブタン
ジオールとを周知の方法に従つてエステル化また
はエステルを交換反応させて得られる固有粘度が
0.12未満のエステル重合体(以下PES―1とい
う)と第1の濡壁塔での重縮合により得られる重
縮合物、すわち固有粘度が0.15〜0.5、好ましく
は0.2〜0.4のエステル重合体(以下PES―2とい
う)とを混合して調製することが必要である。
PES―2/PES―1(重量比)はその混合物の固
有粘度が前記範囲を満足する限り、すなわち0.12
〜0.4である限りとくに制限を受けないが、好ま
しくは6以下、最適には0.2〜4の範囲である。
なお、PES―1とPES―2の混合は第1の濡壁塔
での重縮合により生成するPES―2の一部を第1
の濡壁塔に循環し、これにPES―1を供給するこ
とにより行なわれる。原料ポリエステルの原料と
しては前記成分以外に例えばジエチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール等の多価アルコー
ル;イソフタル酸、p―オキシ安息香酸、5―ナ
トリウムスルホイソフタル酸、トリメリツト酸等
の多価カルボン酸を共重合成分として使用できる
が、これらの成分は原料ポリエステル中の前記一
般式()で表わされる単位の含有量が80モル%
より低くならないように使用することが好まし
い。 前記の原料ポリエステルを主成分とする重合可
能物は、原料ポリエステルの重合度によつても異
なるが、エチレンテレフタレート単位が80モル%
以上の原料ポリエステルの場合普通250℃以上、
とくに260℃以上で、ブチレンテレフタレート単
位が80モル%以上の原料ポリエステルの場合普通
220℃以上とくに230℃以上で溶融した液状に保持
される。勿論、重合可能な液状物中には周知の重
縮合触媒、添加剤例えば酸化チタン等が含有され
ていてもよい。 本発明方法においては原料ポリエステルを主成
分とする重合可能な液状物を前記式()を満足
する浸辺長当りの流量で第1の濡壁塔に供給する
ことが必要である。好適な浸辺長当りの流量はエ
チレンテレフタレート単位が80モル%以上の原料
ポリエステルの場合、 F≧5.3×10-3×IV-5.1 ……() ブチレンテレフタレート単位が80モル%以上の
原料ポリエステルの場合、 F≧3.4×10-3×IV-4.5 ……() (式中、F及びIVはいずれも式()と同義
である)を満足する範囲である。循環方式を採用
し、固有粘度を0.12以上としても、浸辺長流量が
前記式()を満足しなければ本発明の効果が発
揮されない。 即ち、浸辺長流量が前記式()で示される範
囲に満たないと、膜の厚さが薄くなり過ぎて反応
液で十分に濡れない部分が生じて異常滞留とな
り、異物の発生につながり好ましくない。ところ
が、()式で示されるような固有粘度に応じた、
ある範囲以上の浸辺長流量とすると、異物の発生
のないポリエステルを生産性良く製造できるので
ある。ポリマーの膜厚は、粘度が高いほど薄くす
る必要のあることは従来公知であるが、これは好
ましい膜厚と粘度の関係が広義の負の比例関係に
なることを意味するものであつて、前記式()
は、単に好ましい膜厚と粘度の関係が広義の負の
比例関係になることだけを数式で表現したもので
はない。重合可能な液状物を濡壁塔に供給する方
法としては周知の方法がいずれも採用でき、例え
ば重合可能な液状物を溢流壁より溢流させる方
法、分配器等より供給する方法が採用される。な
お、ここで浸辺長当りの流量とは重合可能な液状
物の供給速度(Kg/hr)を浸辺(m)で除したも
のである。また、浸辺長とは流体に接する固体壁
の辺の長さであつて、円管の場合浸辺長はπD(D
は内径(m)を示す)である。 第1の濡壁塔に供給された重合可能な液状物は
壁面上に沿つて膜状に流下させられ、減圧下重縮
合させる。濡壁塔の構造は特殊なものである必要
はなく、蒸留、ガス吸収等の操作に使用される濡
壁塔あるいは前記したポリエステルの初期重縮合
に用いられる撹拌機構を装備しない縦型反応装置
等がいずれも使用できる。普通、複数個の濡壁管
を備えた濡壁塔がよく用いられる。濡壁管の場
合、その内径は原料ポリエステルの固有粘度、浸
辺長当りの流量によつても異なるが普通3cm以
上、とくに5cm以上もあれば十分である。また、
濡壁は平滑な面を有するものである必要はなく、
粗面化された面を有するもの、特定形状の溝を刻
んだ面を有するものであつてもよく、あるいは金
網状のものであつてもよい。好適なのは平滑な面
を有するものである。濡壁塔に供給された重合可
能な液状物は前記式()を満足する浸辺長当り
の流量で供給される限り壁面上に沿つて膜状に流
下する。従つて、濡壁塔内を減圧下にすれば重縮
合反応は進行する。 減圧の程度は通常の重縮合の場合と同様な普通
200mmHg以下、好ましくは30mmHg以下、最適に
は20mmHg以下である。重縮合温度もやはり通常
の重縮合の場合と同様でエチレンテレフタレート
単位80モル%以上の原料ポリエステルの場合250
〜320℃、とくに260〜300℃、ブチレンテレフタ
レート単位80モル%以上の原料ポリエステルの場
合普通220〜300℃、とくに230〜260℃の範囲であ
る。本発明方法によれば重縮合温度が低い場合で
も高生産性でポリエステルを製造することができ
るので、縦型撹拌反応装置に比し低い重縮合温
度、例えばエチレンテレフタレート単位80モル%
以上の原料ポリエステルの場合260〜290℃の範囲
の温度でも工業的に採用することができ有利であ
る。 前記したように本発明方法においてはこの第1
の濡壁塔での重縮合により固有粘度が0.15〜0.5、
好ましくは0.2〜0.4のPES―2を製造する。 このようにして製造されたPES―2の一部は前
記したように第1の濡壁塔に循環され、残部は第
2の濡壁塔へ供給され、固有粘度が0.5より大、
好ましくは0.55〜1.2、最適には0.6〜1.0のポリエ
ステルが得られるまで重縮合される。固有粘度が
0.5より高いポリエステルは一般に製品、例えば
繊維用、成形品用として提供されているものであ
る。PES―2を第2の濡壁塔に供給するにあたつ
てはやはり前記式()を満足する浸辺長当りの
流量で供給することが必要である。なお、第2の
濡壁塔における重縮合は第1の濡壁塔における重
縮合と同様に行なわれる。勿論、PES―2と目的
とするポリエステルの固有粘度の差が大きく、こ
れを一段の濡壁塔で重縮合する場合塔長が著しく
長くなるときは、適宜多段例えば2〜5段とくに
2〜3段にすることもできる。 以下本発明方法を図面に従つて説明する。第1
図は本発明方法に使用される濡壁塔の一例であつ
て、図中Aは第1の濡壁塔を示し、Bは第2の濡
壁塔を示す。配管1より供給されるPES―1は配
管2を通つて循環するPES―2と配管3で合流
し、配管3内に設置された静的混合装置4で混合
された後、第1の濡壁塔Aの分配供給部5へ供給
される。分配された重合可能な液状物は濡壁管6
の壁面上に沿つて膜状に流下する。なお、図の場
合、濡壁管を複数個備えた多管式濡壁塔である。
濡壁塔内は減圧下になつているので壁面上に沿つ
て膜状に流下する重合可能な液状物は重縮合が進
行する。その際生成するグリコール成分等のガス
は排気管7より排出される。このようにして製造
されたPES―2はギヤポンプ8を径て一部は配管
2を通つて第1の濡壁塔Aへ循環され、残部は配
管9よりギヤポンプ10を経て第2の濡壁塔Bに
供給される。第2の濡壁塔Bに供給されたPES―
2は第1の濡壁塔Aにおけると同様に分配供給部
11より濡壁管12へ供給され固有粘度が0.5よ
り大となるまで重縮合される。生成するグリコー
ル成分等のガスは排気管13より排出される。こ
のようにして得られたポリエステルはギヤポンプ
4を経て配管15より排出される。 以上本発明方法について詳細に説明したが、本
発明方法は次のような利点を有する。 (1) 撹拌機構を有さない濡壁塔で重縮合を実施す
るので前記したような問題が生じず、高品質の
ポリエステルを製造することができる。 (2) 撹拌機構がないため、その分重縮合装置を小
型化できる。従つて、建設費が安くなる。 (3) 生産性が高い。 (4) 撹拌に要するエネルギーが不要なので省エネ
ルギーの方法である。 (5) 操作性がよく安定したポリエステルの製造が
可能である。 (6) 高固有粘度例えば0.8以上のポリエステルの
製造が容易である。 (7) 縦型撹拌反応装置に比し低温での重縮合が可
能である。 次に本発明を実施例により更に具体的に説明す
るが、本発明はその要旨をこえない限り以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例 1 まず、内径150mm、長さ10mの濡壁管を有する
単管濡壁塔(No.1)を用い、固有粘度0.10のビス
ヒドロキシエチルテレフタレートの低重合体(以
下PET―1という)を原料としし280℃、5mm
Hgの減圧下で連続的に重縮合し固有粘度0.37の
ポリエステル(以下PET―2という)を製造し
た。なお、PET―1はテレフタル酸とエチレン
グリコールのエステル化により得られたものであ
り、触媒として三酸化アンチモンをテレフタル酸
1モルに対し2×10-4モル含有している。PET
―1を濡壁塔に供給するにあたつてはこの濡壁塔
(No.1)の重縮合によりり連続的に得られるPET
―2の一部をPET―2/PET―1重量比が2.0と
なるように混合し、浸辺長当りの流量が450Kg/
hr・mとなるようにした。また、濡壁塔に供給さ
れるPET―1とPET―2の混合物の固有粘度は
0.28であつた。 次に、上記の方法で連続的に得られるPET―
2の一部を内径150mm、長さ10mの濡壁管を有し、
ジヤケツトが280℃に加熱されている単管濡壁塔
(No.2)へ浸辺長当りの流量150Kg/m・hrで供給
して0.5mmHgの減圧下で連続的に重縮合させた。
このようにして固有粘度0.68の色調が良好で繊維
製造に適したポリエステル(以下PET―3とい
う)が得られた。このPET―3を厚さ3mmのシ
ートとして異物数を肉眼で測定したところ3個/
100cm2であつた。 前記一連の重縮合を10日間連続的に行なつた
が、とくに異常も認められず円滑に行なわれた。
また、固有粘度の変動は±0.008であつた。 実施例 2 実施例1と同一の装置(濡壁塔No.1およびNo.2
等)を用い、固有粘度0.11のビスヒドロキシブチ
ルテレフタレートの低重合体(以下PBT―1と
いう)を原料とし、240℃、5mmHgの減圧下で連
続的に重縮合し、固有粘度0.48のポリエステル
(以下PBT―2という)を製造した。 なお、PBT―1はテレフタル酸ジメチルと1,
4―ブタンジオールのエステル交換により得られ
たものであり、触媒としてテトラブチルチタネー
トをテレフタル酸ジメチル1モルに対し5×10-4
モル含有している。 PBT―1を濡壁塔に供給するにあたつては、
この濡壁塔(No.1)の重縮合により連続的に得ら
れるPBT―2の一部をPBT―2/PBT―1重量
比が3.0となるように混合し、浸辺長当りの流量
が360Kg/hr・mとなるようにした。また、濡壁
塔に供給されるPBT―1とPBT―2の混合物の
固有粘度は0.38であつた。 次に、上記の方法で連続的に得られるPBT―
2の一部を250℃に加熱された濡壁塔(No.2)へ
浸辺長当りの流量75Kg/hr・mで供給して0.5mm
Hgの減圧で連続的に重縮合させた。このように
して固有粘度0.90の色調が良好で成形品製造に適
したポリエステル(以下PBT―3という)が得
られた。このPBT―3を厚さ3mmのシートとし
て異物数を肉眼で測定したところ2個/100cm2
あつた。前記一連の重縮合を10日間連続的に行つ
たが、とくに異常も認められず円滑に行われた。
また固有粘度の変動は±0.011であつた。 比較例 1,2 濡壁塔No.1において重合されたものを循環せず
にそのまま全量を濡壁塔No.2に供給した。比較例
1は濡壁塔No.1における浸辺長当りの流量(F)が式
()を満足しない場合であり、比較例2は濡壁
塔No.2に供給される原料ポリエステルの固有粘度
が0.15〜0.5を満足しない場合である。表1に記
載された数値以外は実施例1と同様に行なつた。
結果を表−1に併記する。 比較例 3 濡壁塔No.1における浸辺長当りの流量(F)が式
()を満たさない場合であり、表−1に記載さ
れた数値以外は実施例1と同様に行なつた。結果
を表−1に併記する。 比較例 4 濡壁塔No.2における浸辺長当りの流量(F)が式
()を満たさない場合であり。表−1に記載さ
れた数値以外は実施例1と同様に行なつた。結果
を表−1に併記する。
【表】 表−1の結果よりわかるように、比較例1,2
のように第1の濡壁塔からの生成物を第1塔に循
環しないと最終生成物の固有粘度は0.33,0.27と
低く、実用に供し得ないものである。また比較例
3,4のように2つの濡壁塔においてどちらか一
方でも浸辺長当りの流量(F)が式()を満たさな
い場合は、固有粘度は上がるものの最終生成物中
の異物が多く満足できる製品は得られないもので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法に使用される濡壁塔の一例
の略図である。図中、Aは第1の濡壁塔、Bは第
2の濡壁塔、6,12は濡壁管を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 第1の非撹拌型円筒型濡壁塔に固有粘度0.12
    〜0.4のエステル重合体を主成分とする重合可能
    な液状物を供給し減圧下重縮合させ、得られる固
    有粘度0.15〜0.5の重縮合物の一部は固有粘度0.12
    未満のエステル重合体と混合して第1の濡壁塔に
    循環し、残部は第2の非撹拌型円筒型濡壁塔に供
    給して固有粘度が0.5より大となるまで減圧下重
    縮合させるポリエステルの連続的製造法であつ
    て、前記エステル重合体は一般式() (式中、Rはエチレン基またはブチレン基を示
    す)で表わされる単位を含有するものであり、か
    つ第1及び第2の濡壁塔への供給速度は式() F≧A×10-3×IV-〓 ……() 〔式中、Fはそれぞれの濡壁塔の浸辺長当りの
    流量(Kg/m・hr)を示し、IVはそれぞれの濡
    壁塔に供給されるエステル重合体の固有粘度を示
    し、A及びβは一般式()においてRがエチレ
    ン基のとき夫々4.2及び5.1の数を示し、Rがブチ
    レン基のとき夫々2.7及び4.5の数を示す〕を満足
    することを特徴とするポリエステルの連続的製造
    法。 2 特許請求の範囲第1項記載のポリエステルの
    連続的製造法において、Rがエチレン基で、浸辺
    長当りの流量(F)が式() F≧5.3×10-3×IV-5.1 ……() (式中、IVはそれぞれの濡壁塔に供給される
    エステル重合体の固有粘度を示す)を満足する方
    法。 3 特許請求の範囲第1項記載のポリエステルの
    連続的製造法において、Rがブチレン基で、浸辺
    長当りの流量(F)が式() F≧3.4×10-3×IV-4.5 ……() (式中、IVはそれぞれの濡壁塔に供給される
    エステル重合体の固有粘度を示す。)を満足する
    方法。 4 特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれ
    かに記載のポリエステルの連続的製造法におい
    て、最終的に得られるポリエステルの固有粘度が
    0.55〜1.2である方法。
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