JPH0127044Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工作機械の主軸等の回転軸変形を測定
する装置に関するものである。回転軸の変形は軸
芯に沿つた伸びの他は軸の倒れとして出現するこ
とが知られている。例えば工作機械の主軸が、主
軸用に使用されるベアリング、モータ等の発熱に
より複雑に変形（以下熱変位を総称する）するこ
とがある。

従来、工作機械の熱変位測定は第１図に示すよ
うにダイヤルインジケータを使用して測定されて
いる。１は工作機械のコラムで、ベツド１ａの上
に固定されている。２は主軸スピンドル１８に取
付けられたテストバーで、主軸スピンドル１８が
回転すると一緒に回転する。１９はコラム１に対
向して設けられた台１ｂ（加工台又はワーク）の
上に載置されたダイヤルインジケータである。主
軸の回転中はダイヤルインジケータ１９の接触子
はテストバー２から離しておく。一定時間毎に主
軸の回転を止めて、テストバーの回転位置を初期
に測定したポイントに位置を合せダイヤルインジ
ケータ１９の接触子をテストバー２に接触させて
変位を検査員が目視にて読んで記録する。従来の
測定装置においては、検査員が所定の時間毎に作
業を余儀なくされること、および作業に際して、
ダイヤルインジケータ１９を接触させたり戻した
りするので、ダイヤルインジケータ接触子の戻り
誤差を発生するため正確な測定はできない。更
に、測定の為に主軸の回転を停止するので、経時
変化をみる為の連続運転中の熱変位を正確に測定
することはできないということがあつた。

とくに、回転軸を連続して長時間回転させる場
合には、ベアリング、モータ等の発熱は数時間に
わたり徐々に増加し、その結果回転軸及びその支
持構造物が温度上昇するので種々の変形を発生す
る。

本考案は、回転軸の経時的変位等の原因で発生
する振れ、例えば工作機械の熱変位を精度良く、
機械を止めることなく、自動的に測定する変位測
定装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本考案は回転軸に
対向して非接触変位計を配置し、回転軸に付けた
マークを非接触にて検出し、この検出信号をトリ
ガ入力にして非接触変位計から出力される変位信
号をサンプルホールド回路に取り込むことによつ
て回転軸の経時変位分を取り出すよう変位測定装
置である。

以下本考案の測定装置を図面を用いて詳細に説
明する。第２図は本考案の測定装置により工作機
械の主軸の熱変位を測定する例を示す図、第３図
は本考案の一実施例を示すブロツク図である。同
図において第１図と同一符号は同一部分を示す。
６は光学的センサ（以下フオトセンサと称す）で
第４図に示す如くテストバー２に近接して台１ｂ
の上に配置される。１７は光学的センサ６に対応
した位置すなわち、テストバー２が回転した時に
フオトセンサ６が検出可能な位置に取付けられる
マークで、具体的には反射鏡、接着テープ等であ
る。３ａは非接触変位計の検出マーク又は非検出
体でテストバー２に取付けられる、第５図に第４
図の向つて左方から見たテストバー２、非接触変
位計３、光学的センサ６の配置を示す。４は測定
装置の検出回路で、非接触変位計アンプ７、ゲイ
ン調整アンプ８、フイルタ９、サンプルボールド
回路１０、フオトセンサ６出力の波形整形回路１
１により構成される。

次にその動作を第６図を用いて説明する。第６
図ａは非接触変位計３の出力波形、ｂはフイルタ
９の出力波形、ｃはサンプルホールド回路１０の
出力信号を示す。テストバー２を回転した時の非
接触変位計３の出力信号１３はフイルタ９により
高周波成分を除去した波形１５となる。フオトセ
ンサー６からのテストバー２の１回転毎のパルス
信号１５のトリガ信号１２とサンプルホールド回
路１０によりサンプルホールドを行い測定時刻毎
に階段状の連続した熱変位の信号１６を得る。出
力信号１６はテストバー２にマーク１７を取付け
た回転位置においてサンプリングされるので、同
じ回転位置におけるテストバー２の変位を計測し
ていることになる。したがつて、テストバー２の
取付けによる振れやスピンドル１８の振れに影響
を受けないで測定時刻毎の経時的変位のドリフト
−熱変位を測定することができる。尚、本装置は
工作機械運転中の熱変位のインプロセスセンサー
の回路にも応用できる。

本考案の一実施例で使用している非接触センサ
は光学的なものであつたが、これに限らず渦電
流、静電容量等でもよく、要するに非接触にて変
位を検出できるものであればよい。第６図ｃの変
位出力１６はペン書きレコーダ等の記録機器、デ
イジタル信号化の後記憶装置５等により記録をす
ることができる。尚、端子１２には工作機械の変
位補償装置等の制御装置を接続することにより更
に機能を拡大することができる。

以上述べた如く本考案は、回転軸と、この回転
軸に対向配置された非接触変位計と、上記回転軸
に取付けたマークと、このマークと対向配置され
且つこのマークの有無を検出するセンサーと、こ
のセンサーからの出力信号に同期して上記非接触
変位計からの出力信号を取り込むサンプルホール
ド回路とを有する回転軸の変位測定装置であるか
ら、測定周期毎に検査員が検査する必要が無い、
自動的に工作機械の熱変位形等の回転軸の変形を
検出できる。尚、非接触式の計測であるので、計
測のために回転軸の回転を止める必要がなく、連
続運転中の熱変位を正確に測定できる。また、従
来技術のように検出部を人が操作する必要がない
ので、測定誤差も防止できるという効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回転軸測定装置を説明する為の
説明図、第２図は本考案の他一実施を示す説明、
第３図は検出回路を示すブロツク図、第４図は第
２図の部分拡大図、第５図は第４図の左側面図、
第６図は第３図の各部波形図である。 ２……テストバー、３……非接触変位計、４…
…検出回路、６……非接触センサ、１０……サン
プルホールド回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転軸と、この回転軸に対向配置された非接触
   変位計と、上記回転軸に取付けたマークと、この
   マークと対向配置され且つこのマークの有無を検
   出するセンサーと、このセンサーからの出力信号
   に同期して上記非接触変位計からの出力を取り込
   むサンプルホールド回路とを有することを特徴と
   する回転軸の変位測定装置。