JPH01267382A - スクロール圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野） 本発明は、固定スクロールとこれに対して旋回運動を行
う旋回スクロールとにより圧縮動作を行うスクロール圧
縮機の構造に係り、特に無給油スクロール圧縮機に好適
なスクロール圧縮機に関する。

〔従来の技術〕

従来、スクロール圧縮機の軸方向荷重を受ける構造とし
ては、特開昭５３−９２９１５号公報に。

旋回スクロール背面のスラスト軸受が開示され。

また、特開昭５３−１１９４１２号公報に、旋回スクロ
ールの背面にガス圧を加えて、逆の軸方向荷重を発生さ
せ、固定スクロールに旋回スクロールを押付ける方式、
すなわち固定スクロールの環状ハウジング端面をスラス
ト軸受とする構造が開示されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記従来技術のスラスト軸受構造では、スラスト軸受部
が密封されたハウジングの中にあり、給油が前提となっ
ている。したがってスラスト軸受部に給油を行わない場
合には、摺動部での過度の温度上昇による焼付きの発生
あるいは摩耗が多いなどで、耐久性が劣る等の多くの改
善すべき問題点があった。

本発明の目的は、スクロール圧縮機の旋回軸部分を工夫
するとともに、旋回軸摺動部分等の冷却効果を高めて、
無給油状態での使用が可能なスクロール圧縮機を提供す
ることにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明のスクロール圧縮機
においては、 フレームに固定される固定スクロールと、ほぼ中心に旋
回軸を有し、該旋回軸と駆動軸を連結する連結部を介し
て旋回する旋回スクロールとにより圧縮動作を行うスク
ロール圧縮機において、前記旋回軸と前記駆動軸のそれ
ぞれの軸方向変位が前記連結部において、互いに干渉し
ないように嵌合する旋回軸受と、前記フレームに前記連
結部が貫通する穴を設け、該穴の外側の所定の位置に環
状凹溝とを設けたフレーム溝面と、前記旋回スクロール
の旋回軸を有する面を旋回スクロール背面とした旋回ス
クロール背面と、を合わせて形成される環状溝と、該環
状溝の中に設け前記旋回スクロールの自転を防止し、か
つ、前記旋回スクロールに作用する前記旋回軸の軸方向
の力を前記フレームに伝えるオルダムリングと、前記フ
レームに少なくとも、前記旋回軸受と、前記駆動軸受と
の回転摺動部を冷却する気体を流す通気孔と、を設けた
ものである。

また、前記環状溝の中にグリースを封入することや、前
記旋回スクロール背面と前記フレーム溝面との間にリン
グ状シール材を設け、前記環状溝を密封するようにする
とよい。

さらに、前記リング状シール材を自己潤滑性のある摺動
材で製作すると効果的である。

また、前記オルダムリングを構成するリング及びキーの
少なくとも一方に自己潤滑性のある摺動材を用いたこと
もよい。

また、前記気体が前記通気孔を通して循環するファンを
装着するスクロール圧縮機とすることもできる。

さらに、前記ファンを前記旋回軸と駆動軸受との間に設
けることが好ましい。

また、前記ファンに旋回スクロールの旋回により生じる
遠心力を打消すためのバランスウェイトを結合すること
もよい。

〔作　用〕

フレームに固定される固定スクロールと、旋回軸を有す
る旋回スクロールと、により圧縮動作を行うスクロール
圧縮機において、その旋回軸と、その旋回軸に駆動を与
える駆動軸と、のそ九ぞれの軸方向変位を互いに干渉し
ないように嵌合する旋回軸受を設け、前記旋回軸の軸方
向への移動を可能にする。

また、前記フレームに前記旋回軸と前記駆動軸との連結
部が貫通する穴を設け、前記フレームの所定の位置に環
状凹溝部を設けたフレーム溝面と、前記旋回スクロール
の旋回軸を有する面とを合わせて環状溝を形成し、その
環状溝の中にオルダムリングを配置して前記旋回スクロ
ールの自転を防止するとともに、前記旋回スクロールに
作用する前記旋回軸の軸方向の力を前記フレームに伝え
る。

さらに、フレームに気体を流す通気孔を設け、前記旋回
軸受等の回転摺動部を冷却する。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を第１図〜第６図により説明する
。

第１図は、本発明の一実施例に係る無給油スクロール圧
縮機の全体構成を示す断面図であり、第２図は、第１図
のＡ−Ａ断面を示す図、第３図は。

第１図のＢ−Ｂ断面を示す図である。

これらの図において、固定スクロール１は、鏡板１ａと
該鏡板１ａに垂直で渦巻状に形成されたラップ１ｂと鏡
板外周の環状ハウジング部１０等とから構成されており
、環状ハウジング部１ｃに設けた吸込孔１ｄと鏡板１ａ
の中心付近に設けた吐出孔１ｅを有し、環状ハウジング
部１ｃが後述するフレーム４に固定されている。

旋回スクロール２は、鏡板２ａと該鏡板２ａに垂直で渦
巻状に形成されたラップ２ｂと旋回軸部２０等とから構
成され、そのラップ２ｂが固定スクロール１のラップ１
ｂと互にかみ合うと共に。

旋回軸部２ｃが円筒ころ軸受、又は、針状ころ軸受等の
ころがり軸受から成る旋回軸受６を介して後述する駆動
軸３の旋回連結部３ｂに装着されている。

駆動軸３は、主軸部３ａと旋回連結部３ｂとから成り、
さらに、主軸部３ａは、主軸受７あるいは、補助軸受８
を介してフレーム４に装着されると共に第１図で下方へ
の移動を制限されている。

また旋回連結部３ｂには、前記主軸部３ａの中心線に対
してこだけ偏心した穴を設け、その内部に旋回軸受６と
旋回スクロール２の旋回軸部２ｃを装着しである。なお
主軸受７あるいは補助軸受８としては、主にラジアル荷
重を支えるころがり軸受を用いるが、摺動特性の点で可
能であればすべり軸受を用いても良い。

フレーム４は、軸方向荷重支持部４ａと主軸受保持部４
ｂと補助軸受保持部４０等とから構成されており、さら
に、軸方向荷重支持部４ａには。

旋回スクロール鏡板２ａの背面と対面する面側にリンク
状溝５が、旋回スクロール鏡板２ａの背面で蓋をされる
ように設けられている。

オルダムリング９は、前記リング状溝５の中に設けられ
、旋回スクロール鏡板２ａの背面及びリング状溝５の底
面と接する（摺動する）リング９ａと該リンク９ａに９
０’ごとに設けた溝を摺動すると共に旋回スクロール鏡
板２ａの背面とリング状溝５の底面にそれぞれ２個ずつ
固定されたキー９ｂ、９ｃとから成り、キー９ｂ、９ｃ
の自転防止作用とリング９ａの運動により、旋回スクロ
ール２は自転を防止された状態で旋回運動を行うことが
できる。

また、１０は、駆動軸３の主軸部３ａの下方に取付けた
冷却気体循環用のファン、１１は、ファンカバーあるい
はケーシング、１２ａ、１２ｂ。

１２ｃは、フレーム４に設けた冷却気体を通すための通
気孔である。なお、ファン１０としてはラジアルファン
、シロッコファン、プロペラファン等が考えられる。

さらに、１３は、旋回スクロール２等の旋回により生ず
る遠心力に対抗する反対向きの遠心力を発生するために
設けたバランスウェイトであり、フレーム４の軸方向荷
重支持部４ａと主軸受保持部４ｂとの間の空間で駆動軸
３に固定されている。

次に、上記のような構成から成る実施例゛の動作内容に
つい説明する。

図示していないモータ等の駆動装置により駆動される駆
動軸３の回転に伴って、旋回スクロール２は、オルダム
リング９により自転を防止された状態で、半径εの旋回
運動を行う。この旋回運動により、作動気体が、固定ス
クロール１の吸込孔１ｄから吸込まれ、まず両スクロー
ル１，２の鏡板１ａ、２ａとラップｌｂ、２ｂとで形成
されるラップ最外周部の圧縮室２０に閉じ込められる。

この圧縮室２０は、旋回スクロール２の旋回運動に伴っ
て、ラップの外周部から中心部に向って体積を縮小しな
がら移動するために作動気体は圧縮され、この高圧とな
った作動気体は吐出孔１ｅより外部へ吐出される。

この場合、旋回スクロール２は、圧縮室２０内のガス圧
により駆動軸３方向への軸方向荷重を受けるが、該軸方
向荷重は、旋回スクロール鏡板２ａの背面で、オルダム
リング９のリング９ａを介して、フレーム４のリング状
溝５の底面で支持される。すなわちオルダムリング９の
リング９ａは、旋回スクロール２にかかるガス圧による
軸方向荷重を受け、旋回スクロール鏡板２ａとフレーム
４の軸方向荷重支持部４ａとの間で、第３図において旋
回スクロール２に対しては矢印２１の方向に、フレーム
４に対しては矢印２２の方向に。

摺動する。

また第３図において、特に軸方向荷重を受けるオルダム
リング９のリング９ａにおける幅寸法Ｗがホさすぎると
、摺動面での単位面積当り荷重すなわち面圧が高くなり
摩耗や発熱が大きくなると同時に、リング９ａの剛性が
不足することになる。

したがって、リング９ａの幅寸法Ｗは十分大きくする必
要がある。

ここで、上記のように旋回スクロール２に加ねるガス圧
をオルダムリング９を介してフレーム４の軸方向荷重支
持部４ａで支えるとしても、ガス圧により、旋回スクロ
ール２において、鏡板２ａにたわみが生じ、旋回軸２ｃ
が駆動軸３側へ多少変位する。

さらに、上記した作動気体に与えられた圧縮動力のうち
大部分が熱に変換され、この熱により作動気体自身の温
度と圧縮要素である両スクロール１．２の温度が上昇す
ると共に、前記熱は旋回軸受６を介して駆動軸３に伝導
する。また軸受６゜７．８においても、それらの損失分
に相当する発熱がある。そして、旋回スクロール２の鏡
板２ａがオルダムリング９を介してフレーム４の軸方向
荷重支持部４ａで支持され、駆動軸３の主軸部３ａが主
軸受７で保持されていることから、旋回スクロール２の
旋回軸２ｃと駆動軸３の旋回駆動部３ｂとが軸方向に互
に近ずくように熱膨張する。

しかし、前述したように、旋回スクロール２と駆動軸３
とが、旋回スクロール２の旋回軸部２ｃと駆動軸３の旋
回駆動部２ｂの所で円筒ころ軸受あるいは針状ころ軸受
等のころがり軸受から成る旋回軸受６を介して軸方向へ
の移動可能なように結合されていると共に、旋回スクロ
ール２の旋回軸部２ｃの下方と駆動軸３の旋回連結部３
ｂの上方にそれぞれ移動スペース１４と１５を設けであ
るために、旋回スクロール２においてガス圧による鏡板
２ａの軸方向たわみや熱膨張による旋回軸部２ｃの軸方
向伸び、あるいは駆動軸３において熱膨張による旋回連
結部３ｂの軸方向伸びが生じても、旋回スクロール２と
駆動軸３とが軸方向に接することはなく、またガス圧に
より旋回スクロール２が受ける軸方向荷重が駆動軸３に
伝達されることもない。

また、以上の動作において、オルダムリング９のリング
９ａと旋回スクロール鏡板２ａや、フレーム４の軸方向
荷重支持部４ａとの摺動部、及びオルダムリング９のリ
ング９ａとキー９ｂとの摺動部では、必要に応じて摺動
性能を向上して摩擦熱や摩耗を大幅に低減する必要があ
り、そのためにフレーム４の軸方向荷重支持部４ａ上に
設けたリング状溝５の中にグリースを封入する。この場
合、リング状溝５は、旋回スクロール鏡板２ａの背面に
よりふたをされて密封状態となり、グリースの流出を防
止することができる。そしてオルダムリング９がリング
状溝５の中に取付けられていると同時にリング９ａの運
動による撹拌作用により、前記オルダムリング９と旋回
スクロール鏡板２ａやフレームの軸方向荷重支持部４ａ
との摺動部及びオルダムリング９自身での摺動部を十分
にグリース潤滑することができる。

さらに、ガス圧縮に伴う発熱や摺動による摩擦熱によっ
て、旋回スクロール２、オルグムリング９、フレーム４
、旋回軸受６、主軸受７．補助軸受８等において温度上
昇が生じるが、この温度上昇が大きすぎる場合には、例
えば、前述したグリースの劣化を招くといった問題が生
じる。これを防止するために、通気孔１２ａ、１２ｂ、
１２ｃ及びファン１０が設けてあり、駆動軸３の回転に
よりファン１ｏも回転し、冷却気体が通気孔１２ａ、１
２ｂ＊　　１２ｃを通って循環し、フレーム４の軸方向
荷重支持部４ａ、旋回軸受６、主軸受７、補助軸受８等
を冷却して前記温度上昇を抑える。なお圧縮条件あるい
は駆動条件によっては。

通気孔１２　ａ　ｙ　１２　ｂ　ｔ　１２　ｃを通る気
体の自然循環だけで温度上昇を十分抑えられ、この場合
にはファン１０は不要である。

すなわち、本実施例によるスクロール圧縮機は、基本的
に旋回スクロール２と駆動軸３とを結合する旋回軸受部
分を軸方向に移動（滑り）可能とし。

旋回スクロール２を挾んで固定スクロール１と反対側に
駆動軸３を貫通させたフレーム４を設け、そのフレーム
４の旋回スクロール２と対面する面上に旋回スクロール
２の背面とによりグリースの封入が可能となるようなリ
ング状溝５を設け、該リング状溝５の中に旋回スクロー
ル２の自転を防止するオルダムリング９を、旋回スクロ
ール２の背面及び前記リング状溝の底面に接するように
取付け、さらに前記フレームに各摺動部分を冷却気体を
通す通気孔を設けるように構成したものである。

従って、旋回軸受部分で旋回スクロール２や駆動軸３の
熱膨張等による軸方向の変位を吸収することができ、ま
た圧縮動作時に、旋回スクロール２にかかる軸方向荷重
をオルダムリング９を介してフレーム４で支持すると共
に、必要に応じてフレーム上のリング状溝５にグリース
を封入することにより旋回スクロール２の背面やフレー
ム４上のリング状溝５の底面とオルダムリング９との摺
動面あるいは、オルダムリング９自身での摺動面の潤滑
特性を向上することができ、さらには、前記通気孔１２
ａ、１２ｂ、１２ｃを通る冷却気体の循環により、旋回
スクロール２やフレーム４の摺動部、オルダムリング９
、各軸受等を冷却し。

これらの摺動面が許容温度以上にならないようにするこ
とができる。

第４図は、第１図においてフレーム４の軸方向荷重支持
部４ａに設けたリング状溝５の中にグリースを封入した
場合のグリース封入構造を改善した実施例を示す断面図
であり、第１図に・おける上方部分に相当する図である
。

第４図において、２３．２４は旋回スクロール２とフレ
ーム４との対向面３０ａ、３０ｂの位置で、フレーム４
の軸方向荷重支持部４ａに設けた溝の中に設けたリング
状シール材であり、また第１図と同一番号を付したもの
は同一部分を示す。

以上の構成により、フレーム４の軸方向荷重支持部４ａ
に設けたリング状溝５の中にグリースを封入してスクロ
ール圧縮機を運転した場合、旋回スクロールとフレーム
との対向面３０ａ、３０ｂ部分が十分に密閉され、リン
グ状溝５の中に封入しであるグリースが外部へ流出する
のを防ぐことができ、オルダムリング９自身やこれとの
摺動部分の寿命を長く保つことができる。

また、リング状シール材２３．２４として自己潤滑性の
あるプラスチックやセラミックスあるいは含油メタルや
表面に固体潤滑剤をコーティングした鉄等の金属材料な
どの摺動材を用いることにより、潤滑特性を向上できる
。

またさらに、第１図あるいは第４０！の実施例において
、オルダムリング９に摺動材に用いることも考えられる
。すなわち、オルダムリング９を、リング９ａあるいは
キー９ｂ、９ｃのうちいずれか一方あるいは両方に摺動
材を用いた構成とし。

さらに、摺動材として、前記した自己潤滑性のあるプラ
スチックやセラミックスあるいは含油メタルや表面に固
体潤滑剤をコーティングした鉄等の金属材料等を、摺動
条件、荷重条件等に応じて適当に使い分ける。この結果
、場合によっては、フレーム４の軸方向荷重支持部４ａ
上に設けたリング状溝５の中叫グリースを封入しなくと
も十分な潤滑特性を保つことができ、さらにこの場合に
は第４図におけるリング状シール材２３．２４が不要に
なる。

第５図は、本発明の他の実施例に係る全体構成を示す断
面図で、特に第１図において補助軸受８の下側に設けた
ファン１０を、フレーム４における軸方向荷重支持部４
ａと主軸受保持部４ｂとの間の空間に設けたことを基本
とする。摺動部冷却のための冷却気体の循環構成に関す
るものであり。

第１図と同一番号を付けたものは同一部分を示す。

また第６図は、第５図のＣ−Ｃ断面で見たファン部分の
構造を示す図である。

第５図及び第６図において、４０は、通気孔４０ｄが複
数個あけられた回転板４０ａ、翼４０ｂ、駆動軸３への
固定用のボス４０ｃとから成る遠心ファン、４１は、旋
回スクロール２等の旋回により生じる遠心力に対抗する
反対向きの遠心力を発生するためのバランスウェイトで
あり、さらにファン４０とバランスウェイト４１とは剛
に結合してあり、ファン４０の回転板４０ａにおけるバ
ランスウェイト４１の位置には翼４０ｂが取付けてない
。

以上の構成において、駆動軸３の回転によりファン４０
とバランスウェイト４１とは一体になって回転し、ファ
ン４０による通気孔１２ｃ→１２ｂ→１２ａを通る冷却
気体の循環により、補助軸受８、主軸受７、旋回軸受６
、フレーム４の軸方向荷重支持部４８等が冷却されて温
度上昇が抑えられ、バランスウェイト４１により、旋回
スクロール２による遠心力とのバランスが保たれる。

そして、第５図及び第６図の実施例を第１図の実施例と
比べると、前者では、ファン４０の設置スペースをバラ
ンスウェイト４１の設置スペースと兼用することができ
ると共に第１図の実施例で必要なファンカバー］、１が
不要となり、スクロール圧縮機をコンパクトにすること
ができる。またファン４０が、特に温度上昇に対する配
慮が必要なフレームの軸方向荷重支持部４ａと旋回軸受
６と結合した駆動軸の旋回連結部３ｂの近くにあり、こ
れらの部分の冷却をさらに効率良く行うことができる。

なお、第１回あるいは第５図及び第６図においては、旋
回スクロール２等の旋回により生じる遠心力を打消すた
めにバランスウェイト１３あるいは、４１を設けである
が、旋回スクロール２等による遠心力が小さい場合には
、バランスウェイト１３、あるいは４１は不要になる。

そして特に第５図及び第６＠においては、バランスウェ
イト４１と一体になっていない例えば第１図と同様な構
造のファン１０を、フレーム４の軸方向荷重支持部４ａ
の主軸受保持部４ｂとの間の空間位置で駆動軸３に取付
ければよい。

ところで以上述べた実施例においては、モータやエンジ
ン等の駆動装置を図示していないが、駆動軸３における
駆動位置としては、第１図あるいは第５図において、主
軸受７と補助軸受８との間あるいは補助軸受８の下側が
考えられ、また駆動方法としては、駆動装置と駆動軸３
との直結やベルトやチェーン等を介しての結合が考えら
れる。

そして特に主軸受７と補助軸受８との間で駆動軸３を駆
動する場合には、駆動軸３の主軸部３ａを主軸とするモ
ータを設けることにより、駆動装置（モータ）を含めた
スクロール圧縮機全体をコンパクトにまとめることがで
きる。

さらに、これまでの実施例は主に空気圧縮機を想定して
述べたが、冷却気体の経路を閉サイクルとし、ガスクー
ラ等を別に設けることにより、作動気体を別の気体とし
、該作動気体と同じ気体を冷却気体として構成すること
もできる。

以上説明したように、本実施例によれば、スクロール圧
縮機において、旋回軸受部分３ｂで軸方向の移動を可能
にして熱膨張等による軸方向の変位を吸収する、フレー
ム４上に旋回スクロール２の背面でふたをされるリング
状溝５を設け、その中に旋回スクロール２の自転を防止
するオルダムリング９を取付けると共にグリースを封入
し、さらに旋回スクロール２にかかる軸方向荷重をオル
ダムリング９を介してフレーム４で受ける。また、ファ
ン１０あるいは、４０により摺動部分を冷却すると共に
ファンの取付スペースを縮小する、といった構成にした
ことにより圧縮部における必要な密封度を保った状態で
、摺動部において温度上昇を十分低く抑えると共に潤滑
特性の向上を図ることができるため、コンパクトな無給
油スクロール圧縮機を実現することができる。

〔発明の効果〕

本発明は、以上説明したように構成されているので以下
に記載するような効果を奏する。

フレームに固定される固定スクロールと、旋回軸を有す
る旋回スクロールとを備えたスクロール圧縮機において
、その旋回軸と、その旋回軸に駆動を与える駆動軸と、
のそれぞれの軸方向変位を互いに干渉しないように嵌合
する旋回軸受を設け、前記旋回軸の軸方向への移動を可
能にした構造とし、また、前記フレームに環状凹溝部を
設けたフレーム溝面と、前記旋回スクロールの旋回軸を
有する面とを合わせて環状溝を形成し、その環状溝の中
にオルダムリングを配置して前記旋回スクロールの自転
を防止するとともに、その旋回スクロールに作用する前
記旋回軸の軸方向の力を前記フレームに伝える構造とし
ているので、旋回スクロールに作用するガス圧や運転時
の熱膨張による旋回軸の軸方向の伸びによる駆動軸への
接触を防ぐことができるので、安定した回転駆動を得る
ことができる。

さらに、フレームに気体を流す通気孔を設け、旋回軸受
等の回転駆動部を冷却しているので旋回軸受や他の軸受
部分の回転焼付を防止しスクロール圧縮機の長寿命化が
図れる。

そして、前記環状溝の中にグリースを封入することによ
りオルダムリングによるグリースの撹拌作用が容易に行
われるのでオルダムリング摺動部の潤滑をよくすること
ができる。

また、旋回軸を有する旋回スクロール背面と、フレーム
溝面との間にリング状シール材を設け、前記環状溝を密
封するようにすることにより、グリースの外部への流出
を防ぐことができるので、オルダムリング摺動部分の寿
命を長くすることができる。

さらに、前記、リング状シール材を自己潤滑性の、ある
摺動材とすることにより前記旋回スクロール背面と前記
フレーム溝面との潤滑特性を向上することができる。

また、オルダムリングのリング及びキーの少なくとも一
方に自己潤滑性のある摺動材を用いることにより、前記
環状溝の中へのグリース封入は不要となるばかりでなく
、前記リング状シール材も不要となり、簡単な構造でし
かも、無給油で十分な潤滑特性を得ることができる。

そして、前記通気孔を通して気体を循環させるファンを
設けることにより、旋回軸受部等の熱放散効率を高め、
スクロール圧縮機の性能を高めることが可能となる６ また、ファンを前記旋回軸と駆動軸受との間に設けるこ
とにより、旋回軸受部やその他の回転摺動部への気体の
循環作用をよくすることが可能となり、各軸受部等の焼
付防止に対する効果を高めることができる。

そしてまた、ファンに旋回スクロールの旋回に生じる遠
心力を打消すためのバランスウェイトを結合することに
より、ファンの回転をスムースにすると共に、スクロー
ル圧縮機をコンパクトにすることかできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係るスクロール圧縮機の全
体構成を示す断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ断面図、
第３図は第１図のＢ−Ｂ断面図、第４図は第１図におけ
るグリース封入構造の他の実施例を示す部分断面図、第
５図は、本発明のさらに他の実施例に係るスクロール圧
縮機の全体構成を示す断面図、第６図は第５図のｃ−ｃ
断面図で冷却用気体循環用ファンの構造を示す図である
。 １・・・固定スクロール、２・・・旋回スクロール。 ２ｃ・・・旋回軸、３・・・駆動軸、３ｂ・・・旋回連
結部。 ４・・・フレーム、５・・・リング状溝、６・・・旋回
軸受。 ７・・・駆動軸受、９・・・オルダムリング、１０．４
０・・・ファン、　１２　ａ　、　１２　ｂ　、　１２
　ｃ　−通気孔。 １３．４１・・・バランスウェイト、２３．２４・・・
リング状シール材。 英　１　図 ノ７ノ 第３　図 草＋　図 第６　図

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. １．フレームに固定される固定スクロールと、ほぼ中心
   に旋回軸を有し、該旋回軸と駆動軸を連結する連結部を
   介して旋回する旋回スクロールとにより圧縮動作を行う
   スクロール圧縮機において、前記旋回軸と前記駆動軸の
   それぞれの軸方向変位が前記連結部において互いに干渉
   しないように嵌合する旋回軸受と、前記フレームを介し
   て前記駆動軸を軸支する駆動軸受と、前記フレームに前
   記連結部が貫通する穴を設け該穴の外側の所定の位置に
   環状凹溝とを設けたフレーム溝面と、前記旋回スクロー
   ルの旋回軸を有する面を旋回スクロール背面とする旋回
   スクロール背面と、を合わせて形成される環状溝と、該
   環状溝の中に設け、前記旋回スクロールの自転を防止し
   、かつ、前記旋回スクロールに作用する前記旋回軸の軸
   方向の力を前記フレームに伝えるオルダムリングと、前
   記フレームに少なくとも前記旋回軸受と前記駆動軸受と
   の回転摺動部を冷却する気体を流す通気孔と、を備えた
   ことを特徴とするスクロール圧縮機。
2. ２．前記環状溝の中にグリースを封入したことを特徴と
   する請求項１記載のスクロール圧縮機。
3. ３．前記旋回スクロール背面と前記フレーム溝面との間
   にリング状シール材を設け、前記環状溝を密封するよう
   にしたことを特徴とする請求項２記載のスクロール圧縮
   機。
4. ４．前記リング状シール材を自己潤滑性のある摺動材で
   製作したことを特徴とする請求項３記載のスクロール圧
   縮機。
5. ５．前記オルダムリングを構成するリング及びキーの少
   なくとも一方に自己潤滑性のある摺動材を用いたことを
   特徴とする請求項１記載のスクロール圧縮機。
6. ６．前記通気孔を通して前記気体が循環するファンを装
   着したことを特徴とする請求項１記載のスクロール圧縮
   機。
7. ７．前記フアンを前記旋回軸と駆動軸受との間に設けた
   ことを特徴とする請求項６記載のスクロール圧縮機。
8. ８．前記フアンに前記旋回スクロールの旋回により生じ
   る遠心力を打消すためのバランスウェイトを結合したこ
   とを特徴とする請求項６又は７記載のスクロール圧縮機
   。