JPH0126692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ボビンに巻いた糸をボビンの軸方向
に向つて繰出し使用するときに、糸にはボビンか
らの一周の解除毎に一回の撚りが掛るので、この
撚りをなくするように糸をボビンへの一周の巻付
け毎に一回の撚りを与えながら巻取るようにする
ためのワインダ（巻糸機又は巻返機）に関するも
のである。

従来技術 たとえばレピア織機で織物を製織する際に緯糸
を定置のボビンから間欠的に繰り出して緯入れす
る場合のように、ボビンから糸を間欠的に繰出し
使用するような場合には、糸が必要以上にボビン
から繰出し解除されて弛緩しスナール（糸のもつ
れ）を生じたりすることのないようにする必要性
から糸をボビンの軸方向に向つて繰出すようにさ
れるところであるが、この場合には糸にはボビン
からの一周の解除毎に一回の撚りが掛るので、平
箔糸等の扁平糸といつたような撚りが掛つては困
る糸を使用するときには、その糸をボビンの一周
の巻付け毎に解除に際して撚りが掛る方向とは反
対方向に一回の撚りを与えながら巻取るようにし
たボビンから繰出して使用するようにされるとこ
ろである。そして、そのように糸をボビンへの一
周の巻付け毎に一回の撚りを与えながら巻取るよ
うにするためには、巻取ボビンを回転駆動軸に連
結して回転させるようにした巻取部と、前記巻取
ボビンと平行に配置した給糸ボビンを該ボビンの
芯軸と直交方向の支軸を中心に該支軸と一体的に
回転可能に支承した給糸部とを備え、前記給糸ボ
ビンを前記支軸を中心に回転させて前記給糸ボビ
ンから前記巻取ボビンにその間で糸に撚りを与え
ながら糸を巻取るようにした形式のワインダが用
いられるところであり、このワインダにおいて前
記給糸ボビンの支軸を前記巻取ボビンの回転に同
期回転させるようにしてなされるところである。
ところが従来のこの種のワインダにおいては、給
糸ボビンの支軸を巻取ボビンの回転駆動軸に対し
てプーリとベルト等の機械的な回転力伝達手段で
連動連結することによつて巻取ボビンの回転に同
期して回転させるようにされていたものであり、
このために機構的に複雑であると共に、いまひと
つ給糸ボビンの支軸の巻取ボビンの回転に対す同
期回転の正確性に欠け、従つて糸に巻取ボビンへ
の一周の巻付け毎に一回の撚りを与えることの正
確性に乏しく、その巻取ボビンから糸をボビンの
軸方向に繰出し使用するときの糸に掛る撚りをな
くすることを正確に完全に実現し難いものであつ
た。

考案の目的 そこで本考案は、前記形式のワインダにつき、
簡単な機構で給糸ボビンの支軸の巻取ボビンの回
転に対する同期回転を正確にできるようにして、
糸に巻取ボビンへの一周の巻取り毎に一回の撚り
を与えることを正確にできるようにすることを目
的とするものである。

考案の構成 係る目的において本考案は、給糸ボビンの支軸
をステツプモータに直結して回転させるように
し、そのステツプモータを巻取ボビンの回転角を
検出してパルス信号に変換するパルスエンコーダ
のパルス信号によつて巻取ボビンに対してセルシ
ン駆動させるようにすることにより、巻取ボビン
の回転に対する給糸ボビンの支軸の同期回転を正
確ならしめるようにしたものである。すなわち、
本考案は、前記形式のワインダにつき、巻取部に
巻取ボビンの回転角を検出してパルス信号に変換
するパルスエンコーダを設ける一方、給糸部にに
給糸ボビンの支軸に直結したステツプモータを設
け、前記ステツプモータを前記パルスエンコーダ
のパルス信号によつて前記巻取ボビンに対してセ
ルシン駆動させるようにしたことを構成の骨子と
すものである。

実施例 本考案を実施例について図面を参照して説明す
ると、図示のワインダにおいて巻取部１と、その
下方に位置する給糸部１０とを備えている。巻取
部１は、糸の巻取ボビン２を夫々回転自在に互い
に同芯的に対向配置した左右一対のフランジ状の
挾持部材３，４の間に挾持させ、一方の挾持部材
３に一体的に設けた摩擦車５の外周を、巻取ボビ
ン２と平行な回転駆動軸６に取付けた摩擦車７の
外周に摩擦接触させ、このようにして巻取ボビン
２を摩擦車５，７を介して回転駆動軸６に連動連
結して回転させるようにしてなる。

他方、給糸部１０は、給糸ボビン１１をコの字
状の支持フレーム１２に支持させた芯軸１１ａに
回転自在に装着して巻取ボビン２と平行に配置
し、その給糸ボビン１１を支持フレーム１２と共
に芯軸１１ａと直交する方向に支持フレーム１２
に固定取付けした支軸１３を中心に該支軸１３と
一体的に回転可能に定置フレーム１４に支承させ
てなる。

しかして給糸部１０において給糸ボビン１１を
支持フレーム１２と共に支軸１３を中心に支軸１
３と一体的に回転させながら給糸ボビン１１から
糸Ｔを巻取部１の巻取ボビン２に供給することに
より、糸Ｔが給糸ボビン１１と巻取ボビン２の間
で撚りを与えられながら巻取ボビン２に巻取られ
る。

なお、巻取部１には糸のトラバースガイド８を
設けることにより、糸Ｔがトラバースされながら
巻取ボビン２に巻取られるようにされる。また、
給糸部１０には、たとえば給糸ボビン１１の糸の
巻層の外周にばね１５の付勢力によつて圧接され
る圧接板１６を支持フレーム１２に付設すること
により、給糸ボビン１１から糸Ｔが適度にブレー
キを与えられながら繰出されるようにされる。

このワインダにおいて、給糸部１０には、フレ
ーム１４に支持させてステツプモータ１７を設
け、このステツプモータ１７を支軸１３に直結し
てある。そして巻取部１には巻取ボビン２の回転
角を検出してパルス信号に変換するパルスエンコ
ーダ９を設け、そのパルスエンコーダ９を増幅回
路２０を介してステツプモータ１７に連結するこ
とにより、パルスエンコーダ９のパルス信号によ
つてステツプモータ１７を回転駆動するようにし
てある。

パルスエンコーダ９は、たとえば巻取ボビン２
に実質上直結されて巻取ボビン２と一体的に回転
する支持部材３や摩擦車５等の回転体の周囲の側
端面、又は外周面に対し光を吸収する部分と光を
反射する部分とを構成する読み取り目盛９ａを等
角度間隔で設け、その目盛９ａに光を照射して光
の反射の有無を検出してパルス信号に変換するよ
うな発光素子と受光素子を備えた光電検出装置９
ｂを設けて構成される。ここでステツプモータ１
７はたとえばパルス信号が１回与えられると1.5゜
回転し、従つて240回のパルス信号によつて１回
転されるようなものとして、これに対応して読み
取り目盛９ａを1.5゜間隔で240目盛としておくと
いうようにされる。しかしてステツプモータ１７
をパルスエンコーダ９のパルス信号によつて巻取
ボビン２に対してセルシン駆動させるようにす
る。

以上の構成のワインダによると、ステツプモー
タ１７がパルスエンコーダ９のパルス信号によつ
て巻取ボビン２に対してセルシン駆動されるの
で、給糸ボビン１１が支軸１３を中心に該支軸１
３と一体的に巻取ボビン２の１回転当り１回の割
合で正確に巻取ボビン２の回転に同期して回転さ
れ、従つて糸Ｔが巻取ボビン２に１周の巻付け毎
に１回の割合で正確に撚りを与えられながら巻取
られ、このようにして巻取つた巻取ボビン２から
該ボビン２の軸方向に糸を繰出し使用するときに
糸に撚りが掛るのを完全になくすることができ
る。しかも、この場合は、巻取部１にパルスエン
コーダ９を設け、給糸部１０に支軸１３に直結し
てステツプモータ１７を設け、それらを電気的に
接続するだけであるから、従来のように巻取ボビ
ン２の回転駆動軸６と給糸ボビン１１の支軸１３
とを機械的な回転力伝達手段で連動連結した場合
に比して機構的に非常に簡単になるものである。

また、本考案においては、パルスエンコーダ９
の読取り目盛９ａについては巻取ボビン２のフラ
ンジ等に直接設けるようにすることもできるし、
巻取ボビン２を回転駆動軸６に直接装着して回転
させるようにした場合には回転駆動軸６又は該軸
６に一体的に付設した回転体に設けるようにする
こともできる。また、そのパルスエンコーダ９と
しては光電式のものとするに限らずマイクロスイ
ツチや磁気リードスイツチ等の近接スイツチを利
用して構成したものとすることもでき、要は巻取
ボビン２の回転角を、巻取ボビン２から直接又は
該ボビン２と実質上一体的に回転される回転体か
ら読み取つてパルス信号に変換するものとしさえ
すればよいものである。

考案の効果 以上のようにして本考案によれば、給糸部の給
糸ボビンの支軸をステツプモータに直結して回転
させるようにし、そのステツプモータを巻取部の
巻取ボビンの回転角を検出してパルス信号に変換
するパルスエンコーダのパルス信号によつて巻取
ボビンに対してセルシン駆動させるようにしたこ
とにより、簡単な機構で給糸ボビンの支軸の巻取
ボビンの回転に対する同期回転を正確にできるよ
うになり、糸に巻取ボビンへの一周の巻取り毎に
一回の撚りを与えることを正確に実現でき、その
巻取ボビンから糸をボビンの軸方向に繰出し使用
するときの糸に掛る撚りをなくすることを確実に
実現できるようになつたものであり、レピア織機
において平箔糸等の扁平糸のような糸を撚れなく
緯入れするような場合に、その糸をボビンに巻い
てボビンの軸方向に繰出し使用するためのワイン
ダとして極めて実益の高いものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に従うワインダの実施例を示す斜
視図である。 １……巻取部、２……巻取ボビン、６……回転
駆動軸、９……パルスエンコーダ、１０……給糸
部、１１……給糸ボビン、１１ａ……芯軸、１３
……支軸、１７……ステツプモータ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 巻取ボビンを回転駆動軸に連動連結して回転さ
   せるようにした巻取部と、前記巻取ボビンと平行
   に配置した給糸ボビンを該ボビンの芯軸と直交方
   向の支軸を中心に該支軸と一体的に回転可能に支
   承した給糸部とを備え、前記給糸ボビンを前記支
   軸を中心に回転させて前記給糸ボビンから前記巻
   取ボビンにその間で糸に撚りを与えながら糸を巻
   取るワインダにおいて、 前記巻取部に前記巻取ボビンの回転角を検出し
   てパルス信号に変換するパルスエンコーダを設
   け、前記給糸部に前記支軸に直結したステツプモ
   ータを設け、前記ステツプモータを前記パルスエ
   ンコーダのパルス信号によつて前記巻取ボビンの
   回転に対してセルシン駆動させるようにしたこと
   を特徴とするワインダ。