JPH0125932B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、正逆転ロータリの正逆転切換装置に
関し、左右一対のベベルギヤーを安定良く支持で
きると共に、正逆転切換時のシフターの動作を円
滑にすることを目的とする。

爪軸を正逆転可能にした正逆転ロータリにおい
て、ギヤーケースの内部に、入力用ベベルピニオ
ンと、該ベベルピニオンに左右両側から咬合する
左右一対のベベルギヤーとを回転自在に備え、こ
の一対のベベルギヤーをシフターにより選択的に
伝動軸に切換接続するようにした正逆転切換装置
を採用したものである。この種の装置では、従
来、一対のベベルギヤーを外周側でギヤーケース
に対して回転自在に支持し、内周側にシフターを
設けていたので、一対のベベルギヤーの支持が不
安定であり、ガタに伴なう騒音が発生すると共
に、一対のベベルギヤーの軸振れ等によつてシフ
ターの嵌脱が困難になる欠点があつた。またベベ
ルギヤーを安定良く支持するために、その軸方向
両側で支持するとするならば、構造が複雑で組立
が煩雑になり、しかもシフターを特殊なものにす
る必要がある。

本発明は、このような従来の問題点を解消する
ものであつて、その特徴とするところは、ギヤー
ケース７内部に、入力用ベベルピニオン１８と、
該ベベルピニオン１８に左右両側から咬合する左
右一対のベベルギヤー１９，２０とを設け、該一
対のベベルギヤー１９，２０に貫通する中継軸２
５に、シフター２９，３０により各ベベルギヤー
１９，２０を選択的に結合して爪軸８を正逆転さ
せるようにした正逆転ロータリの正逆転切換装置
において、各ベベルギヤー１９，２０のボス部２
１，２２の軸方向外端側に外嵌する軸受２３，２
４を介して該ベベルギヤー１９，２０をギヤーケ
ース７に回転自在に支持すると共に、中継軸５を
各ボス部２１，２２に内嵌する軸受２６，２７を
介して一対のベベルギヤー１９，２０により回転
自在に支持し、前記軸受２６，２７よりも軸方向
外方側で各ボス部２１，２２の内周に咬合部３
４，３５を設け、中継軸２５の軸方向両端部に一
対のシフター２９，３０を軸方向にのみ摺動自在
に套嵌し、各シフター２９，３０が各ベベルギヤ
ー１９，２０の咬合部３４，３５に対して軸方向
外方側から選択的に係合するように、中継軸２５
に軸方向摺動自在に内嵌する連結部材３１により
該一対のシフター２９，３０を一体移動可能に連
結し、一方のシフター３０に、該シフター３０を
軸方向に操作するためのシフトレバー３７を係合
させた点にある。

以下、図示の実施例について本発明を詳述する
と、第１図において、１はトラクタ、２は油圧装
置、３はPTO軸である。４は正逆転ロータリで、
トラクタ１の後方に三点リンク機構５を介して装
置され、かつ油圧装置２により昇降自在である。
正逆転ロータリ４はトラクタ１のPTO軸３から
自在接手軸６を経て伝達される動力により、入力
用ギヤーケース７内の正逆転切換装置を介して爪
軸８を正逆転駆動可能であり、その正逆転切換装
置は第２図に示すように構成されている。

即ち、第２図において、入力用ギヤーケース７
の両側には中間ケース１０，１１を介してサポー
トアーム１２，１３が装着されている。１４は入
力軸で、ボール軸受１５，１６、軸受ケース１７
等を介してギヤーケース７に回転自在に支持され
ている。入力軸１４は前端側で自在接手軸６を介
してトラクタ１のPTO軸３に連結可能であり、
また後端にはベベルピニオン１８が形成されてい
る。１９，２０は正逆転用の左右一対のベベルギ
ヤーで、ギヤーケース７の内部に、ベベルピニオ
ン１８に対して左右両側から咬合するように配置
されている。この一対のベベルギヤー１９，２０
はそのボス部２１，２２の外周に外嵌するボール
軸受２３，２４により回転自在に支持され、また
その一方のボール軸受２３はギヤーケース７の側
壁部に、他方のボール軸受２４はギヤーケース７
に取付けられた中間ケース１１の内端部によつて
夫々保持されている。２５は筒状の中継軸であつ
て、一対のベベルギヤー１９，２０を左右に貫通
するように配置され、かつ各ベベルギヤー１９，
２０のボス部２１，２２内周に嵌合する軸方向２
個のボール軸受２６，２７により回転自在に支持
されており、またこの中継軸２５の中央部にはボ
ール軸受２６，２７に接当する大径部２８が設け
られている。中継軸２５の左右両端部には正逆転
切換用の一対シフター２９，３０が軸向に摺動自
在にスプライン嵌合されている。シフター２９，
３０は中継軸２５に内嵌する連結部材３１と、そ
の両端に溶接又はネジで固着された一対の鍔部３
２，３３を介して一体に摺動すべく結合されてい
る。そして、この一対のシフター２９，３０の
内、一方のシフター２９はスプライン部を内外周
に有するスプライン筒体から成り、一方のベベル
ギヤー１９のボス部２１内周に形成された咬合部
３４に対して嵌脱自在であり、また他方のシフタ
ー３０は他方のベベルギヤー２０のボス部２２内
周に形成された咬合部３５に対して嵌脱自在であ
り、かつ該シフター３０は周溝３６に係合するシ
フトレバー３７により軸方向に摺動操作可能とさ
れている。シフトレバー３７は中間ケース１１に
挿支された操作軸３８に取付けられ、その操作軸
３８の上端には切換レバー（図示せず）が付設さ
れている。シフター２９の外周には伝動軸３９の
内端側に固定ピン４０で固定されたスプライン継
手４１が套嵌されている。伝動軸３９の外端側
は、チエーンケース４２側の軸受ケース４３によ
りボール軸受４４を介して支持されており、また
チエーンケース４２内に位置するようにスプロケ
ツト４４が設けられ、このスプロケツト４４に掛
装されるチエーンを介して爪軸と運動連結されて
いる。なお、中間ケース１０，１１はボルト４
５，４６によりギヤーケース７に取付けられ、ま
た中間ケース１１にはサポートアーム１３がボル
ト４７により取付けられる。中間ケース１０とサ
ポートアーム１２とは溶接されている。

正逆転ロータリ４は爪軸８、耕耘爪４８から成
る耕耘部を覆うように主カバー４９、後部カバー
５０等を有し、その後部カバー５０の左右両端に
は第３図乃至第５図の如く反転自在に延長カバー
５１が取付けられている。即ち、後部カバー５１
の両端に設けた折曲縁５２には、一対の枢支ブラ
ケツト５３とバネ掛ブラケツト５４とを有する取
付板５５がボルト５６により取付けられ、また延
長カバー５１には一対の可動ブラケツト５７が固
設され、これらブラケツト５３，５７は枢軸５８
により、延長カバー５１が延長位置と後部カバー
５０上の反転位置との間で揺動すべく枢着されて
いる。バネ掛ブラケツト５４と一方の可動ブラケ
ツト５７との間には、収縮勝手に弾性を有するつ
る巻バネ５９が引掛けられている。そして、延長
カバー５１はこのつる巻バネ５９によつて前記２
位置に不安切換可能である。なお、枢支ブラケツ
ト５３には、延長カバー５１の反転時に可動ブラ
ケツト５７と接当するストツパー６０が設けられ
ている。

次に作用を説明する。耕耘作業時には爪軸８を
正転させるダウンカツト、逆転させるとアツプカ
ツトで夫々圃場を耕耘でき、その正逆転の切換え
はギヤーケース７内の正逆転切換装置により行な
う。

例えば第２図の実線は正転時の状態を示し、シ
フター２９がベベルギヤー１９の咬合部３４に咬
合している。従つて、入力軸１４からの動力は、
ベベルピニオン１８、ベベルギヤー１９、シフタ
ー２９、スプライン継手４１、伝動軸３９を経て
爪軸８へと伝達されて行き、爪軸８が正転方向に
回転する。この時、シフター２９と一体に中継軸
２５、シフター３０が回転するが、シフター３０
はベベルギヤー２０から離脱しているので、問題
はない。

逆転させる際には、シフトレバー３７によりシ
フター３０をａ矢示方向に操作する。すると仮想
線の如くシフター３０がベベルギヤー２０に咬合
すると共に、シフター２９がベベルギヤー１９か
ら離脱する。従つて入力軸１４からの動力はベベ
ルピニオン１８、ベベルギヤー２０、シフター３
０、中継軸２５、シフター２９、スプライン継手
４１、伝動軸３９を介して爪軸８へと伝達されて
行き、爪軸８が逆転する。

このようにして正逆転が可能であるが、各ベベ
ルギヤー１９，２０はボール軸受２３，２４で外
周側から支持されると共に、そのベベルギヤー１
９，２０にまたがつて中継軸２５を貫通させ、か
つボール軸受２６，２７を介してベベルギヤー１
９，２０により中継軸２５を支持しているので、
換言すればこの中継軸２５によつてベベルギヤー
１９，２０が内周側から支持される状態となり、
ベベルギヤー１９，２０を安定性良く支持でき
る。従つて、ガタに伴なう騒音も少なくでき、ま
たシフター２９，３０による切換動作も円滑に行
なうことが可能である。しかも、シフター２９，
３０が中継軸２５の両端部にあり、これを中継軸
２５内の連結部材３１で連結しているので、中継
軸２５があるにも拘らず、切換えを無理なく行な
えると共に、構造の複雑化も防止でき、組立も容
易である。

耕耘跡は後部カバー５０で均平する。その場
合、延長カバー５１を使用すれば、チエーンケー
ス４２等の跡も消去でき、均平範囲が大になる。
この延長カバー５１の支持構造として、第３図乃
至第５図に示すようなものを使用すれば、延長カ
バー５１を容易に反転又は延長でき、取扱いが簡
便である。しかも、構造が簡単で安価に実施でき
る。

なお第２図に示す実施例では、センタードライ
ブ用ロータリのギヤーケースを兼用できるように
カバー６１を着脱自在に設けているが、これに限
定でされるものではない。センタードライブ型で
は、カバー６１に代えて、爪軸を有する伝動ケー
スの上端部を取付ければ良い。

本発明によれば、左右一対のベベルギヤー１
９，２０をボス部２１，２２内外の軸受２３，２
４，２６，２７を介してギヤーケース７及び中継
軸２５で回転自在に支持しているので、ベベルギ
ヤー１９，２０の支持が安定したものとなり、倒
れ等による騒音を少なくして切換動作を円滑にで
きる。また各ベベルギヤー１９，２０のボス部２
１，２２内周には、その内周側の軸受２６，２７
よりも軸方向外方側に咬合部３４，３５を形成
し、この咬合部３４，３５に選択的に係合するシ
フター２９，３０を中継軸２５の軸方向両端部に
套嵌しているので、左右一対のベベルギヤー１
９，２０間の間隔を小さくすることができ、従つ
て、ベベルピニオン１８を小径にして、ベベルピ
ニオン１８とベベルギヤ１９，２０との減速比を
大きく取ることができる。更に各シフター２９，
３０は各ベベルギヤー１９，２０のボス部２１，
２２内周の咬合部３４，３５に対して軸方向の外
方側から係脱自在に係合するようにしているか
ら、ボス部２１，２２の軸方向の長さを小さくす
ることができ、全体をコンパクト化できる。また
シフター２９，３０は中継軸２５の両端部に一対
あるにも拘らず、中継軸２５に内嵌する連結部材
３１で一対のシフター２９，３０を一体移動可能
に結合し、一方のシフター３０に係合するシフト
レバー３７で操作するようにしているので、操作
系の構造を簡単にでき、正逆転の円滑な切換が可
能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は側面
図、第２図は伝動系の断面図、第３図は延長カバ
ー部の拡大側面図、第４図は第３図の−矢視
図、第５図は平面図である。 ４……正逆転ロータリ、７……入力用ギヤーケ
ース、８……爪軸、１４……入力軸、１８……ベ
ベルピニオン、１９，２０……ベベルギヤー、２
５……中継軸、２９，３０……シフター、３１…
…連結部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ギヤーケース７内部に、入力用ベベルピニオ
   ン１８と、該ベベルピニオン１８に左右両側から
   咬合する左右一対のベベルギヤー１９，２０とを
   設け、該一対のベベルギヤー１９，２０に貫通す
   る中継軸２５に、シフター２９，３０により各ベ
   ベルギヤー１９，２０を選択的に結合して爪軸８
   を正逆転させるようにした正逆転ロータリの正逆
   転切換装置において、各ベベルギヤー１９，２０
   のボス部２１，２２の軸方向外端側に外嵌する軸
   受２３，２４を介して該ベベルギヤー１９，２０
   をギヤーケース７に回転自在に支持すると共に、
   中継軸５を各ボス部２１，２２に内嵌する軸受２
   ６，２７を介して一対のベベルギヤー１９，２０
   により回転自在に支持し、前記軸受２６，２７よ
   りも軸方向外方側で各ボス部２１，２２の内周に
   咬合部３４，３５を設け、中継部２５の軸方向両
   端部に一対のシフター２９，３０を軸方向にのみ
   摺動自在に套嵌し、各シフター２９，３０が各ベ
   ベルギヤー１９，２０の咬合部３４，３５に対し
   て軸方向外方側から選択的に係合するように、中
   継軸２５に軸方向摺動自在に内嵌する連結部材３
   １により該一対のシフター２９，３０を一体移動
   可能に連結し、一方のシフター３０に、該シフタ
   ー３０を軸方向に操作するためのシフトレバー３
   ７を係合させたことを特徴とする正逆転ロータリ
   の正逆転切換装置。