JPH01259055A - 弗素樹脂系摺動材組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、軸受、ピストンリング、シールリング等に用
いる弗素樹脂系摺動材組成物に係るもので、特に高速、
高荷重域でも優れた耐摩耗性を有し、かつ相手材の損傷
度が非常に少ない弗素樹脂系摺動材組成物の改良に関す
るものである。

［従来の技術］ 従来、上記摺動材組成物として、弗素樹脂（ポリテトラ
フルオロエチレン）を主材とした組成物が多用されてい
る。

上記ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）は耐薬品
性、耐熱性、潤滑性等に優れた特性を有しているが、耐
摩耗性、耐クリープ性に劣るため、ガラス繊維、カーボ
ン繊維等を充填し、それらの特性を向上させることによ
り、摺動材としての使用がなされている。しかしながら
、これらの充填材を添加した摺動材は、相手材が、アル
ミニウム、アルミニウム合金、ステンレススチール等の
軟質金属の場合、これらが損傷されるため、使用するこ
とができない。特に充填材がガラス繊維の場合。

相手材の損傷の度合は著しい。

一方、充填材としてオキシベンゾイルポリエステルを用
いると、相手材が軟質金属の場合でも損傷度が著しく改
善されることが知られている。しかし高速、高荷重域で
の使用においては、耐摩耗性の悪化やクリープが発生す
るので、使用できないという問題がある。

［課題を解決するための手段］ 本発明者等は、高速、高荷重域でも優れた耐摩耗性を有
し、かつ相手材が軟質金属の場合でも相平材を損傷させ
ない弗素樹脂系摺動材組成物について鋭意研究を行った
結果、ＰＴＦＥにオキシベンゾイルポリエステル５〜１
５ｗｔ％と、炭素繊維５〜１５ｗｔ％とを同時に限定量
充填した場合、その相乗効果により相手材の損傷が非常
に少なく、かつ耐摩耗性も著しく向上するという事実を
知見し、その知見に基づいて本発明を完成したものであ
る。

［発明の具体例］ 本発明において用いるＰＴＦＥは、次式［１］の反復単
位を有するものであり、市販されているものとしては、
テフロン７−Ｊ（三井デュポンクロロケミカル製）、ポ
リフロンＭ−１２（ダイキン工業製）、フルオンＧ−１
６３（旭フロロポリマー製）等がある。

本発明において用いるオキシベンゾイルポリエステルは
、一般に、次式［■コの反復単位を有するものであり、
市販されているものとしては、エコノールＥＩＯＩ　（
住人化学工業製）等がある。

本発明において用いる炭素繊維は、従来より公知のもの
を任意に選択使用することができる。例えば、レーヨン
、ポリアクリロニトリル、ピッチなどの有機物を出発原
料として、特殊な雰囲気中で加熱して炭化または黒鉛化
することによって得られる繊維状物質等が好適である。

しかして、炭素繊維の使用にあたっては、均一混合性や
摺動性改善効果などを考慮して、繊維の直径およびアス
ペクト比（長さ／直径の比）を選定するのが好ましい。

炭素繊維の直径は１通常５〜２０μ程度のものがよく、
またアスペクト比は通常５〜１００程度のものがよい、
アスペクト比が余りに小さ過ぎる場合は、粉末状あるい
は粒子状の炭素物質と同様になり、摺動性改善効果が得
られない。また、アスペクト比が余りに大き過ぎる場合
には、均一混合性や組成物としての成形性などに難点を
生じ、空隙のない緻密な成形品が得られ難くなる。

本発明においては、ＰＴＦＥに配合するオキシベンゾイ
ルポリエステルの含有量は５〜１５ｖｔ％の範囲に定め
、また炭素繊維の含有量は５〜１５ｖｔ％の範囲に定め
る。後記の実施例に示すが、オキシベンゾイルポリエス
テルまたは炭素繊維の含有量が上記範囲より少ない場合
、もしくは多い場合は、いずれも耐摩耗性を悪化させた
り、または相手材である軟質金属の損傷度を増大させる
原因となる。

本発明の組成物の混合方法としては、ＰＴＦＥとオキシ
ベンゾイルポリエステルおよび炭素繊維とを、例えばヘ
ンシルミキサーなどの混合機で乾式混合する方法が一般
的であるが、ＰＴＦＥの水性媒体や有機媒体にオキシベ
ンゾイルポリエステル、炭素繊維を添加し、析出後乾燥
させる方法も可能である。

前記組成物から軸受、ピストンリング、シールリング等
の摺動材を得るには、室温で圧縮成形によって予備成形
体を作成した後、熱風循環焼成炉で３５０〜３８０℃の
温度で焼結し、そのあと切削加工するのが一般的である
。なお、成形方法としては、ラム押出し成形等も適用で
きる。

［実施例］ 実施例（１）および比較例 ＰＴＦＥ　（テフロン７−Ｊ、三井デュポンフロロケミ
カル！ｌ）、オキシベンゾイルポリエステル（エコノー
ルＥ１０１、住人化学工業製）を第１表の組成比となる
ようにヘンシルミキサーで混合し、その混合物を外径２
９＋ｎｍ、内径１７ｍ、長さ１ｏｏｓｅの円筒状に成形
圧５００ｋｇ／ｃｄで予備成形し、３７０℃で４時間焼
成し、この成形品を外径２６ｍ、内径２０ｍｍ、長さ２
０Ｉｌｌｌの円筒状に切削後、ジャーナル軸受摩耗試験
機を用いて、圧力Ｐ　＝　２０　ｋｇ／ｃｄ、速度Ｖ　
＝　２５０　ａｍ／ｓｅｃ、相手材をアルミニウム合金
（ＡＤＣ−１２）とし、冷凍機油（日本石油製デフォイ
ルＮＳ）中で３００時間摩耗試験を行った。その結果を
第１表に示す。

第１表 Ｓ：軸受接触面積（ａＪ）、Ｖ：すベリ速度（ａｍ／５
ｅｅ）　。

上記第１表に示すように、炭素繊維を含有しない場合は
クリープによって亀裂を生じてしまう。

それに対し、炭素繊維を含有するものはクリープによる
亀裂は生じなくなるが、含有量が５ｗｔ％より少ない場
合は摩耗係数が大きい。また含有量が１５ｗｔ％より多
い場合は相手材のアルミニウム合金の摩耗量が大きく、
かつ摩耗係数も大きくなる。

一方、オキシベンゾイルポリエステルを含有しない場合
は、炭素繊維が相手材を傷つけ、相手材の摩耗量が大き
くなり、また摩耗係数も大きい。

それに対しオキシベンゾイルポリエステルを含有するも
のは相手材の摩耗量および摩耗係数は共に改善されるが
、５ｗｔ％より少ない場合は改善効果が不十分である。

また１５ｗｔ％より多い場合は摩耗係数が悪化する。

実施例（２）および比較例 下記第２表の組成比となるように、実施例（１）と同様
に作成した試料を、ジャーナル軸受摩耗試験機ヲ用イテ
、圧力Ｐ＝　１０ｋｇ／ａＪ、速度Ｖ＝１５０ｃｘ／ｓ
ｅｃ、相手材ニアルミニウム合金の摩耗量アルミニウム
合金（ＡＤＣ−１２）、無潤滑（潤滑油なし）の条件で
１００時間の摩耗試験を行った。その結果を第２表に示
す。

第２表 第２表に示すように、Ｐｖ値（軸受にかかる圧力と速度
の積）が余り大きくない場合はＰＴＦＦにオキシベンゾ
イルポリエステルのみを含有したものはクリープによる
亀裂は発生しないが、それ自体の摩耗係数が大きい、ま
た、ＰＴＦＥに炭素繊維のみを含有したものは相手材を
損傷させ、かつそれ自体の摩耗係数も大きい。

一方、ＰＴＦＥにオキシベンゾイルポリエステルと炭素
繊維を適当量含有したものは、相手材の損傷が非常に少
なくかつ、それ自体の摩耗も著しく改善される。

［発明の効果］ 以上に述べたように１本発明の弗素樹脂系摺動材組成物
は耐摩耗性、耐クリープ性に優れているので、高速、高
荷重域でも、軸受、ピストンリング、シールリング等と
して使用できるばかりでなく、特に相手材がアルミニウ
ム、アルミニウム合金、ステンレススチール等の軟質金
属であっても。

相手材の損傷度を非常に少なく抑えることができる。

特許出願人　　　　　ニチアス株式会社代理人　　弁理
士　　永　１）武三部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ポリテトラフルオロエチレン７０〜９０ｗｔ％とオキシ
   ベンゾイルポリエステル５〜１５ｗｔ％と炭素繊維５〜
   １５ｗｔ％とから成る弗素樹脂系摺動材組成物。