JPH0125502Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の属する技術分野〕 本考案は、雷による衝撃やその他の異常電圧を
大地に放電して、機器の端子電圧を耐電圧以下に
低減し、機器の絶縁破壊を防止するための電源保
護用避雷器の回路に用いられる素子に関する。

〔従来技術の説明〕

従来、この種の避雷器回路用素子には温度ヒユ
ーズを用いたものが知られているが、放電後の温
度ヒユーズの交換作業は煩雑であるうえ、放電が
なくても温度ヒユーズは機械的強度が脆弱である
ため、振動や通常の温度サイクルで回路内が断線
状態になり易い欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上記欠点を解消するもので、機械的
強度が高く、放電時に限つて確実に回路動作が行
われ、作動状況を外部から確認することができ、
全体としてコンパクトな避雷器回路用素子を提供
することを目的とする。

〔考案の特徴〕

本考案は、ガス放電管とバリスタとが直列に接
続された避雷器回路用素子において、上記ガス放
電管と上記バリスタとの接続点に低温半田により
互いに溶着された第一の接続片および第二の接続
片を設け、上記第一および第二の接続片の溶着点
近傍に設けられた絶縁ブレードと、この絶縁ブレ
ードを上記溶着点に対して蓄勢状態で押接するス
プリングと、上記ガス放電管、上記バリスタ、上
記第一の接続片、上記第二の接続片、上記絶縁ブ
レードおよび上記スプリングを収容し、上記絶縁
ブレードの先端に対向する箇所に開口部が設けら
れた容器とを備えたことを特徴とする。

ガス放電管またはバリスタが発熱すると、低温
半田が溶融する。このときスプリングの反発弾性
力により絶縁ブレードが第一および第二の接続片
の接続を遮断して容器の開口部に現れるから、外
部から遮断状態になつたことが分かる。

〔実施例〕 本考案の原理を第１図により説明すると、ガス
放電管１とバリスタ２とが直列に接続される。こ
のガス放電管１とバリスタ２との間には、第一の
接続片３および第二の接続片４とが低温半田５に
より互いに溶着される。この第一および第二の接
続片３，４の溶着点には、電気絶縁材からなる絶
縁ブレード６の先端が配設される。この絶縁ブレ
ード６の基端には、絶縁ブレード６を上記溶着点
に押接するスプリング７が設けられる。８は入力
端子、９はアース端子である。

入力端子８に異常電圧が印加すると、ガス放電
管１またはバリスタ２のいずれかが発熱し、低温
半田５が溶融する。この低温半田５が溶融する
と、絶縁ブレード６がスプリング７の反発弾性力
により第一の接続片３および第二の接続片４の間
に挿入され、両接続片３，４の接続が遮断され
る。

第２図〜第５図は本考案実施例避雷器回路用素
子の構造図である。第２図〜第５図において、各
符号は第１図の各符号にそれぞれ対応する。１０
は容器である。容器１０の上段には、ガス放電管
１が内設され、その下段には断面が「逆コ」字状
の絶縁ブレード６およびこの絶縁ブレード６を下
記の溶着点に押接するスプリング７が内設され
る。ガス放電管１の片面には、入力端子８が当接
する。またバリスタ２の片面には、容器１０の底
面に冠着するアース端子９の一部が当接する。こ
のガス放電管１およびバリスタ２の間には、第一
の接続片３お第二の接続片４が介装される。この
両接続片３，４は低温半田５により互いに溶着さ
れる。この低温半田５による溶着点には、絶縁ブ
レード６の一方の先端６ａがスプリング７により
押し付けられる。また容器１０の絶縁ブレード６
の他方の先端６ｂに対向する箇所には、開口部１
０ａが設けられる。

このような構成の避雷器回路用素子では、入力
端子８に異常電圧が印加すると、ガス放電管１お
よびバリスタ２が導通し、この状態が継続する
と、発熱し、この発熱温度により低温半田５が溶
融する。この低温半田５が溶融すると、第６図に
示すように絶縁ブレード６がスプリング７の反発
弾性力により押出され、絶縁ブレード６の先端６
ａは第一の接続片３および第二の接続片４の間に
挿入して両接続片３，４の接続を遮断し、同時に
絶縁ブレード６の他方の先端６ｂは容器１０の開
口部１０ａを通つて容器１０の外部に突出する。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、ガス放電
管とバリスタとの間の接続点に設けられた２枚の
接続片を低温半田により面接合させることによ
り、従来の温度ヒユーズのように振動や通常の温
度サイクルで断線状態になることがなく、また異
常電圧が入力端子に印加されたときに、この接続
点がガス放電管またはバリスタのいずれか一方の
発熱により機械的に溶断するように構成すること
により、放電時以外に誤つて動作することがな
く、放電時に限つて確実に回路動作が行われる優
れた効果がある。

また絶縁ブレードの先端を動作時に容器の外部
に現れるように構成することにより、作動状況を
外部から確認することができ、しかもガス放電管
と絶縁ブレードとを二段構成にすることにより、
全体としてコンパクトな優れた避雷器回路用素子
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の原理を説明するためる回路構
成図。第２図は本考案実施例避雷器回路用素子の
構造を示す第３図のAA′断面図。第３図は第２図
のBB′断面図。第４図は本考案実施例避雷器回路
用素子の要部破断底面図。第５図は本考案実施例
避雷器回路用素子の側面図。第６図は第４図の絶
縁ブレードの動作を示す要部破断底面図。 １……ガス放電管、２……バリスタ、３……第
一の接続片、４……第二の接続片、５……低温半
田、６……絶縁ブレード、７……スプリング、８
……入力端子、９……アース端子、１０……容
器、１０ａ……開口部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ガス放電管１とバリスタ２とが直列に接続され
   た避雷器回路用素子において、 上記ガス放電管と上記バリスタとの接続点に低
   温半田により互いに溶着された第一の接続片３お
   よび第二の接続片４を設け、 上記第一および第二の接続片の溶着点近傍に設
   けられた絶縁ブレード６と、 この絶縁ブレードを上記溶着点に対して蓄勢状
   態で押接するスプリング７と、 上記ガス放電管、上記バリスタ、上記第一の接
   続片、上記第二の接続片、上記絶縁ブレードおよ
   び上記スプリングを収容し、上記絶縁ブレードの
   先端に対向する箇所に開口部１０ａが設けられた
   容器１０とを備えたことを特徴とする避雷器回路
   用素子。