JPH0124922B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば油圧シヨベル等の走行油圧モ
ータで走行駆動される走行駆動油圧回路に関する
ものである。

油圧シヨベル等の油圧回路においては、掘削作
業時、ブームまたはバケツトとアームまたは旋回
を同時に操作して作業できるようブームまたはバ
ケツト用とアームまたは旋回用の２個の油圧ポン
プを使用し、これらを第１油圧ポンプ、第２油圧
ポンプとしており、他方走行時においてはクロー
ラ式の場合は左右のクローラを格別に動かしてス
ピンターン、ピボツトターン等を可能にするとと
もに、第１油圧ポンプ及び第２油圧ポンプの吐出
油を合流させて走行増速を計れるようにし、また
ホイル式の場合は、第１油圧ポンプ及び第２油圧
ポンプの吐出油を合流させて走行させている。そ
して、ブレード専用として第３油圧ポンプを設け
ている。この場合、作業中第１及び第２油圧ポン
プへ同時に最大負荷がかかつて、吐出油の全量が
リリーフバルブよりバイパスされる時の所要動力
をエンジンの最大出力と等しくしており、すなわ
ち、最大負荷に合わせてポンプ流量及び圧力を設
定しているため、走行負荷の軽い場合でも流量を
エンジン出力に合わせて増大し速度アツプを図る
ことが出来ない欠点があり、逆に言えば軽負荷の
時エンジンの出力を有効に使用していない欠点が
あつた。

そこで、このような問題を解消するため、従
来、必要により第３油圧ポンプの圧油をも走行油
圧モータ側へ合流させ、これによつて、その走行
油圧モータへの圧油流量を増大させて走行速度を
増大できるようにしたものが考えられている（特
開昭57―184137号公報参照）他方、複数の油圧ポ
ンプの圧油を適宜合流させて、選択的に特定のア
クチユエータへ供給できるように、そのときの圧
油供給必要量の優先順位を判定して、その判定結
果に基づいて各アクチユエータへ選択的に圧油を
供給できるようにしたものがある（特開昭56―
6901号公報参照）。また、前記のように第３油圧
ポンプの圧油を合流したときに、エンジンの回転
数が低いとエンストを起こす虞れがあるが、特開
昭56―85581号公報には、油圧ポンプの流量や吐
出圧力を検出し、エンジンの現在の出力トルクを
算出してその算出したトルクが定角トルクを超え
た場合には、油圧ポンプの流量を減少させてエン
ストを未然に防止するようにした装置が開示され
ている。

しかしながら、上記従来の装置において、第３
油圧ポンプの圧油を合流して走行油圧モータ側へ
供給するため、その合流操作を行なうための特別
のレバーを設けており、レバー数がそれだけ増加
して運転席周りの構造が複雑化するのみならず、
エンジン回転数とは全く無関係に第３油圧ポンプ
の圧油を合流させるようレバー操作を行なうこと
ができることから、エンジン回転数が低いときに
オペレータが操作してエンストを起こす虞れがあ
るといつた欠点がある。上記エンスト防止装置
は、このような点で有効であるが、しかしなが
ら、この従来の装置においては、ポンプ流量検出
器や吐出圧検出手段、エンジントルクの算出手
段、更には、油圧ポンプの流量制御手段等の装置
が必要となり、全体的に高価となる欠点がある。
また、前記のように各油圧ポンプの圧油を、その
ときの優先順位に応じて各アクチユエータへ選択
的に圧油を振り分けて供給するものにおいては、
その優先順位の決定方法を変更することによつ
て、必要により走行油圧モータにも各油圧ポンプ
の圧油を合流して行なうことができるが、この場
合においても優先順位判定回路のほかに各種の制
御回路及び検出手段等が必要となり、やはり高価
なものとなる欠点がある。加えて、上記エンスト
防止装置やポンプ流量制御装置では、全体が電気
回路によつて構成されることから、故障したとき
の対応が非常に困難で、機械的に簡単に補修を行
なうことができないといつた欠点を有している。
この発明は、かかる従来の欠点を解消して、必要
により、第３油圧ポンプの圧油をも合流して走行
油圧モータへ供給することができ、しかも、その
ための特別のレバーを設ける必要がなく、かつ、
全体的に安価に製作できるようにしたものであ
る。

そして、このような目的を達成するため、この
発明では、１または複数のアクチユエータへ吐出
油を供給する第１の油圧ポンプと、走行油圧モー
タへ吐出油を供給し、かつ、前記第１の油圧ポン
プと同一のエンジンによつて駆動される第２の油
圧ポンプを備え、前記第１の油圧ポンプの圧油と
第２の油圧ポンプの吐出油を合流して前記走行油
圧モータへ供給するようにした油圧回路におい
て、前記第１・第２油圧ポンプの吐出油を供給さ
れるアクチユエータとは別のアクチユエータへ圧
油を供給し、かつ、前記第１・第２油圧ポンプと
同一のエンジンによつて駆動される第３の油圧ポ
ンプを設け、この第３の油圧ポンプの吐出油供給
路中に、その第３油圧ポンプの吐出油を前記走行
油圧モータへ選択的に合流して供給するための流
路切換弁を設けるとともに、この流路切換弁を、
前記エンジンのアクセル操作具へ、そのエンジン
が最高回転となつた位置より更にそのアクセル操
作具を深く移動させると、第３油圧ポンプの吐出
油が走行油圧モータ側への合流側へ切り換わるよ
うに連動連結したことを特徴とする。

以下、本発明の構成を油圧シヨベルの油圧回路
において実施した一実施例に基づいて説明する
と、第１図において、１は、アームシリンダ２へ
の圧油の方向を切り換えるアーム用油圧切換弁、
３ａ，３ｂは、走行油圧モータ４への圧油の方向
を切り換える一対の走行油圧切換弁、５は、スイ
ングシリンダ６への圧油の方向を切り換える油圧
切換弁、７は、バケツトシリンダ８への圧油の方
向を切り換える油圧切換弁、９は、ブームシリン
ダ１０への圧油の方向を切り換える油圧切換弁を
示している。他方、１１は、エンジン１２によつ
て駆動される第１油圧ポンプであつて、この第１
油圧ポンプ１１の吐出側が油路１３を介して、並
列に接続されたブームシリンダ用油圧切換弁９、
バケツトシリンダ用油圧切換弁７、スイングシリ
ンダ用油圧切換弁５、及び、走行油圧モータの一
方の油圧切換弁３ｂ側へ接続されて、これらに圧
油を供給するようにしている。同じく、エンジン
１２によつて駆動される第２油圧ポンプ１４は、
その吐出側が油路１５を介して、互いに並列接続
されたアームシリンダ用油圧切換弁１、及び、走
行油圧モータの他方の油圧切換弁３ａ側へ接続さ
れて、これらに圧油を供給するようにしている。
また、各走行油圧モータ用油圧切換弁３ａ，３ｂ
からの吐出油は、互いに合流させて走行油圧モー
タ４へ供給するようにしており、これによつて、
第１油圧ポンプ１１及び第２油圧ポンプ１４の合
流量が走行油圧モータ４へ供給される。

次に、１６は、ブレードシリンダ１７への圧油
の方向を切り換える油圧切換弁、１８は、旋回モ
ータ１９への圧油の方向を切り換える油圧切換弁
を示しており、これらの油圧切換弁１６，１８
が、前記６個の油圧切換弁１，３ａ，３ｂ，５，
７，９とからなる切換弁群Ａとは別の第２の切換
弁群Ｂを構成するとともに、更に、本実施例で
は、エンジン１２によつて駆動される更にもう１
つの第３油圧ポンプ２０を設け、この第３油圧ポ
ンプ２０からの吐出油を、互いに並列接続された
これら各油圧切換弁１６，１８へ供給するよう構
成するとともに、この第３油圧ポンプ２０から第
２切換弁群Ｂに至る油路２１の途中に、二位置流
路切換弁２２を介装し、この流路切換弁２２の一
方の吐出側の油路２１ａを前記第２油圧ポンプ１
４からの油路１５へ合流させ、これによつて第１
油圧ポンプ１１及び第２油圧ポンプ１４に加え
て、第３油圧ポンプ２０からの吐出油をも走行油
圧モータ４へ合流して供給できるようにしてい
る。

また、上記の油圧回路において、作業時、スイ
ングシリンダ５、バケツトシリンダ７及びブーム
シリンダ９は第１油圧ポンプ１１により、アーム
シリンダ２は第２油圧ポンプ１４によつて圧油を
供給され、これによつて、アームシリンダ２と、
他のブームシリンダ９、バケツトシリンダ７及び
スイングシリンダ５を同時に作動させることがで
きるが、本実施例では、更にこれに加えて、前記
流路切換弁２１を第２切換弁群Ｂ側へ切り換える
ことによつて旋回モータ１９、またはブームシリ
ンダ１７をも同時に操作することができ、すなわ
ち、作業時に同時に３つの動作を行わしめること
ができる。

上記の構成において、一般に、走行時の走行油
圧モータの所要馬力PSは、 PS＝Ｐ（Kg／cm²）・Ｑ（／min）／450η Ｐ：走行油圧モータ油圧力 Ｑ：ポンプ流量 η：油圧効率 で表され、この所要馬力PSがエンジン最大出力
に合わせて設定されていることから、負荷の軽い
時、すなわち、圧力Ｐの低い時は、ポンプ流量Ｑ
を大きくできることとなり、従つて、この状態で
第３油圧ポンプ吐出油を合流させてやれば、それ
だけエンジン出力を有効に使用して走行スピード
を増大させることができる。第２図は、この場合
の霜行性能曲線を示したものであつて、このよう
に第３油圧ポンプ２０の吐出量を合流させること
によつて、図の斜線部分だけ性能を増大して走行
速度を大きくできる。

第３図は、上記流路切換弁２２の切り換え操作
を行なうための連動機構を示している。

そこで、その構造を説明すると、図においてア
クセルペダル２３は、支点ピン２４へ回動自在に
枢着されており、更にこの支点ピン２４への取り
付けボス２５には、アーム２６が突設されてお
り、このアーム２６の中間部にエンジン側へ連結
されたアクセルワイヤ２７が、スプリング２８を
介して連結され、これによつて、アクセルペダル
２３を図の矢印方向に踏み込むと、アクセルワイ
ヤ２７が引つ張られてエンジン回転数が増大する
ようになつている。他方、前記流路切換弁２２に
は、そのスプール２９の先端に、該スプール２９
の出入方向の長穴３０を備えたリンク３１が取り
付けられており、このリンク３１の長穴３０へ、
前記アーム２６の先端に取り付けたピン３２が係
合している。

従つて、アクセルペダル２３を踏み込むと、ア
ーム２６は、その先端のピン３２がこの長穴３０
内を摺動できる範囲でスプール２９を押すことな
く、すなわち、流路切換弁２２の切り換え操作と
無関係にアクセルワイヤ２７を引つ張つてエンジ
ン回転数を増大させることができるが、この長穴
３０の長さは、エンジン回転数の最大位置、すな
わち、エンジンレギユレータのストロークエンド
に一致するようにして設定されており、それゆ
え、アクセルペダル２３をストロークエンドまで
踏み込むと、アーム２６先端のピン３２が長穴３
０の終端位置へ当接し、、更に踏み込むと、アク
セルワイヤ２７はそれ以上移動できないため、ス
プリング２８が伸びてアーム２６が回動するとと
もに、ピン３２がリンク３１及びスプール２９を
押して流路切換弁２２を切り換え、この流路切換
弁２２の切り換えられた位置を、第３油圧ポンプ
２０からの吐出油を第２油圧ポンプ１４側の油路
１５へ合流させるようにしておけば、この第３油
圧ポンプ２０からの圧油が合流して走行油圧モー
タ４へ供給されることになる。すなわち、この実
施例では、アクセルペダル２３を通常の回転数制
御範囲を越えて強く踏み込むことによつて、流路
切換弁２２を切り換えるよにしたものであつて、
流路切換弁２２用の操作レバーを特別に操作する
必要がなく、アクセルペダル２３に載せていた足
をそのまま強く踏み込むという、簡単な操作で切
り換えを行うことができるという利点があり、更
には、エンジン１２を最大回転にしてから流路を
切り換えるので、回転数の低いときに合流させて
エンストを起こすといつた不都合が解消される。

以上のように、本発明によれば、必要により第
１・第２油圧ポンプの吐出油に加えて第３油圧ポ
ンプの吐出油をも合流させて走行油圧モータを駆
動できるのみならず、その切り換えを行なう流路
切換弁の切り換え操作は、アクセル操作具を通常
の操作範囲を越えて深く移動させるだけで行なう
ことができ、そのため、流路切換弁用の特別の操
作レバー或いはペダル等を設ける必要がなく、か
つ、手を持ち替えたり足を踏み替えることなくそ
のまま操作できるという効果がある。その際、ア
クセル用の操作具を通常のエンジンの最高回転を
越えて移動させることで切り換えを行なうもので
あるから、エンジン回転数が低いときに第３油圧
ポンプの圧油を合流させてエンストを起こすとい
つた不都合がない。加えて、本発明では、このよ
うなポンプ吐出油の合流操作やエンストの防止
を、特別の制御回路や検出手段を用いて電気的に
行なうものではないから、全体に安価で、かつ、
連動系が故障した場合であつても、比較的簡単に
その故障に対応して補修を行なうことができると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例を示す油圧回路図、
第２図は、その走行性能曲線、第３図は、流路切
換弁の切り換えを行う装置の一例を示す概略正面
図である。 ４…走行油圧モータ、１１…第１油圧ポンプ、
１２…エンジン、１４…第２油圧ポンプ、２０…
第３油圧ポンプ、２２…流路切換弁、２３…アク
セルペダル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ １または複数のアクチユエータへ吐出油を供
   給する第１の油圧ポンプと、走行油圧モータへ吐
   出油を供給し、かつ、前記第１の油圧ポンプと同
   一のエンジンによつて駆動される第２の油圧ポン
   プを備え、前記第１の油圧ポンプの圧油と第２の
   油圧ポンプの吐出油を合流して前記走行油圧モー
   タへ供給するようにした油圧回路において、前記
   第１・第２油圧ポンプの吐出油を供給されるアク
   チユエータとは別のアクチユエータへ圧油を供給
   しかつ、前記第１・第２油圧ポンプと同一のエン
   ジンによつて駆動される第３の油圧ポンプを設
   け、この第３の油圧ポンプの吐出油供給路中に、
   その第３油圧ポンプの吐出油を前記走行油圧モー
   タへ選択的に合流して供給するための流路切換弁
   を設けるとともに、この流路切換弁を、前記エン
   ジンのアクセル操作具へ、そのエンジンが最高回
   転となつた位置より更にそのアクセル操作具を深
   く移動させると、第３油圧ポンプの吐出油が走行
   油圧モータ側への合流側へ切り換わるよう連動連
   結したことを特徴とする走行駆動油圧回路。