JPH0124845B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、省エネルギー対策を施した連続熱処
理炉に関するものである。

従来、予熱帯、高温処理帯、冷却帯からなる連
続熱処理炉において、省エネルギーを図るために
種々の考案が提案されている。

その一つとして、特公昭45−10610号公報があ
る。この考案は、予熱帯と冷却帯とが天井壁と空
隙をもつて設けられた炉内仕切壁を介して平行す
るように、連続熱処理炉をコ字形に配置し、前記
予熱帯と冷却帯間にて熱交換を行なうようにした
ものである。

しかしながら、前記のものでは、予熱帯あるい
は冷却帯の同一帯域で炉内雰囲気が混合し、処理
材との温度差がとりにくく、熱交換効率が低いと
いう欠点を有していた。

本発明は前記従来形式の欠点を除去するために
種々検討の結果なされたもので、予熱帯と冷却帯
とを、一つのまとまつた帯域とし、予熱帯の装入
側端部と冷却帯の抽出側端部とを炉外に設けた循
環ダクトで連通し、高温処理帯の高温雰囲気ガス
を、予熱帯を通過させて処理材を予熱し、処理材
との熱交換で温度が低下した雰囲気ガスを冷却帯
から高温処理帯へ循環させるようにしたものであ
る。すなわち、高温雰囲気ガスを前記のように処
理材の移動方向に対して向流循環させることによ
り、予熱帯、冷却帯で処理材を効率的に熱交換さ
せて省エネルギーを図つた連続熱処理炉を提供し
ようとするものである。

つぎに、本発明を実施例である図面にしたがつ
て説明する。

第１図は本発明の第１実施例を示し、連続熱処
理炉１は、装入ベスチブル２、予熱帯３、ラジア
ントチユーブ等の加熱源を有する高温処理帯（焼
鈍炉）４、冷却帯５と抽出ベスチブル６とからな
り、前記各帯域の天井には対流フアン７を有す
る。

そして、本発明においては、前記予熱帯３の装
入側端部と冷却帯５の抽出側端部とを循環ダクト
８で連通し、循環ダクト８中に設けた循環フアン
９によつて、矢印で示すように、炉内雰囲気ガス
を、高温処理帯４→予熱帯３→循環ダクト８→冷
却帯５→高温処理帯４へと循環させるようになつ
ている。なお、１０はコントロール弁である。

したがつて、処理材Ｗは装入ベスチブル２から
搬送ローラ１１により予熱帯３、高温処理帯４、
冷却帯５を経て熱処理され、抽出ベスチブル６か
ら抽出されるが、処理材Ｗは予熱帯３で高温処理
帯４からの高温雰囲気ガス（800℃）で熱交換さ
れ、約30℃から380〜500℃近傍まで予熱されて高
温処理帯４へ装入される。

一方、雰囲気ガスは800℃から徐々に約150℃に
降温し、循環ダクト８から冷却帯５の抽出側端部
に約120℃となつて供給される。

この低温となつた雰囲気ガスは高温処理帯４か
ら高温状態で抽出されてくる処理材Ｗを約200℃
に冷却し、その後、高温の処理材Ｗと熱交換しつ
つ800℃に昇温されて高温処理帯４へと循環する
ことになる（第３図参照）。

すなわち、高温処理帯４の高温雰囲気ガスは予
熱帯３の高温処理帯４側の高温部から低温部であ
る装入予熱帯の装入端側へと流れると同時に、予
熱帯の天井部に設けた対流フアン７により炉内強
制循環流れが形成されるため、予熱帯における温
度分布の均一化を図り、処理材Ｗと効率よく熱交
換して理想的なカーブで昇温し（逆に処理材Ｗは
理想的カーブで予熱）、冷却帯５の最低温部であ
る抽出側端部へ供給される。そして、循環ダクト
８には比較的低温となつた雰囲気ガスが循環する
ため、この部分での放熱は少く、かつ、放熱によ
り降温しても冷却帯５での処理材Ｗの冷却に何の
支障も与えない。冷却帯５に供給された低温の雰
囲気ガスは、冷却帯５の天井部に設けた対流フア
ン７により強制循環流れを形成されながら高温処
理帯４から処理材Ｗと熱交換し、処理材Ｗを均一
に冷却するとともに、自ら昇温して高温処理帯４
へ戻るため冷却帯５における温度分布の均一化を
図り高温処理帯４の温度を降温することもなく、
炉内の高温雰囲気ガスの熱エネルギーを有効に利
用するものである。

なお、ヒートサイクルの変更はラジアントチユ
ーブによる高温処理帯４の温度設定およびコント
ロール弁１０の開度調整によつて行なう。

第４図は本発明の第２実施例を示し、連続熱処
理炉１をコ字形に配置して設置スペースを少くし
たものである。なお、図において、１２は乾燥
炉、１３は装入ストツクテーブル、１４は抽出ス
トツクテーブル、１５はトラバーサで、その他第
１実施例と同一部分には同一符号を付してある。
また、図面では、対向する高温処理帯４間にも循
環ダクト１６を設けているが、必ずしも必要でな
い。

さらに、第１、第２実施例において、搬送手段
としてローラハースを用いた場合を説明したが、
トレイプツシヤ式、あるいはベルト式であつても
よいことは勿論である。

以上の説明で明らかなように、本発明によれ
ば、高温処理帯の高温炉内雰囲気ガスを処理材の
移動方向に対して向流循環させて処理材を予熱
し、予熱帯の装入側端部から降温した低温雰囲気
ガスを炉外循環ダクトを介して冷却帯の抽出側端
部へ供給し、冷媒気体として使用するため、冷却
帯に別途冷却手段を設ける必要がなく、かつ、処
理材と循環雰囲気ガスとの保有熱量を効率よく熱
交換させるため、燃料原単位を、たとえば24万
Kcal／tonを16万Kcal／tonと約2/3に低減するこ
とができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかゝる連続熱処理炉の第１実
施例を示す概略説明図、第２図は第１図の−
線拡大断面図、第３図は炉内雰囲気ガス温度と処
理材温度との関係を示すグラフ、第４図は第２実
施例を示す概略平面図で、第５図は第４図の−
線拡大断面図である。 ３……予熱帯、４……高温処理帯、５……冷却
帯、８……炉外雰囲気循環ダクト、９……循環フ
アン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 予熱帯、高温処理帯、冷却帯からなる連続熱
   処理炉において、前記予熱帯および冷却帯に対流
   フアンを配設するとともに、予熱帯の装入側端部
   と冷却帯の抽出側端部とを炉外雰囲気循環ダクト
   で連通し、かつ前記循環ダクトに予熱帯の雰囲気
   を冷却帯へ導入させる循環フアンを設け、炉内雰
   囲気を処理材の移動方向に対して向流循環させる
   ことを特徴とする連続熱処理炉。 ２ 前記連続熱処理炉の予熱帯と冷却帯とが対向
   するようにコ字形に配置したことを特徴とする前
   記特許請求の範囲第１項に記載の連続熱処理炉。