JPH0124329Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、排気ガスの流速を早めて高回転域
の出力向上を図つた二サイクルエンジン用マフラ
に関する。

二サイクルエンジンでは、エンジンの排気孔に
連結した排気管の後端に連結するマフラの前部に
第一膨張室を設け、排気ガスの脈動により、排気
管内に生じる圧力定常波の負圧波によつて、掃気
効率を高め、出力の向上を図つている。そして、
この出力向上域は、エンジンが高出力を発生する
高回転域に合せて、第一膨張室の容積を定めてい
る。

この考案は、第一膨張室の出口で、排気ガスに
ガス流れの流速を更に早めさせ、一層高回転域の
出力が向上できるように改善したもので、以下図
面に示す本考案の実施例について説明する。

マフラ１は筒状に長くできていて、前端をエン
ジンの排気孔に連結した排気管２の後端に連結す
る。マフラ１は、前部に第一膨張室３が設けてあ
り、後部は、複数の消音室４になつていて、貫通
するバツフルパイプ５で連通させてある。しかし
て本考案は、第一膨張室３の後壁６を先細の円錐
面に形成し、バツフルパイプ５に連結する。そし
て、先細にした後壁６の内側に、渦巻状にした誘
導板７を同芯状に設ける。

作用について説明する。

エンジンの排気ガスは、排気管２を通つてマフ
ラ１の前部の第一膨張室３に入つて膨張し、更に
バツフルパイプ５を通り、次々に消音室４を通つ
て消音し、バツフルパイプ５の後端から放出され
る。第一膨張室３での排気ガスの膨張によつて、
排気管２内に生じる圧力定常波の負圧波によつ
て、排気ガスを強制的に吸出し、シリンダー内が
新しいガスと入れ替る掃気効率を高めて、出力を
向上させる。第一膨張室３の後部に設けた先細り
の後壁６と、その内側に設けた渦巻状の誘導板７
によつて、第一膨張室３で膨張した後、バツフル
パイプ５に抜ける排気ガスを絞つて、流速を高め
ると共に、誘導板７で、更に排気ガスに旋回流を
与えて、流速を一層高めることができる。これに
よつて、排気ガスの吸出し効果が一層よくなり、
負圧波が高くなつて、掃気効率がよくなるので、
高回転域の一層の出力向上を図ることができる。

以上説明したように、この考案は、マフラ前部
の第一膨張室の後壁を先細りとしてバツフルパイ
プの前端に連結すると共に、該後壁の内側に渦巻
状にした誘導板を設けたので、第一膨張室から出
る排気ガスを先細りの後壁で絞つて流速を高める
と共に、誘導板で、排気ガスに旋回流を与えて、
排気ガスの流速を一層高めることができる。これ
によつて、排気ガスの流れが向上し、排気管内の
負圧波も高くなり、吸出し効果が一段とよくなつ
て、掃気効率が向上し、高回転域の出力の向上を
図ることができる。又、出力が向上できるので、
燃料消費も少くて済む。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は縦断側
面図、第２図は第１図Ａ―Ａ矢視相当部分の拡大
横断面図である。 １……マフラ、３……第一膨張室、５……バツ
フルパイプ、６……後壁、７……誘導板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マフラ前部の第一膨張室の後壁を先細りとして
   バツフルパイプの前端に連結すると共に、該後壁
   の内側に渦巻状にした誘導板を設けたことを特徴
   とする二サイクルエンジン用マフラ。