JPH01238773A - メカニカルシール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明はメカニカルシールに係り、特に固定環及び回転
環のいずれか一方に形成され他方に圧接される摺動環の
基端部に補強部を設け、それによって摺動環の機械的強
度の向上を図ることが可能なものに関する。

（従来の技術） 第４図乃至第６図を参照して従来例を説明する。第４図
はメカニカルシールを装置、例えばスターリングエンジ
ンのクランクシャフト軸封部に取付けた状態を示す断面
図であり、図中符号１はケーシングである。このケーシ
ング１の一端側開口はフランジ２によって閉塞されてお
り、このフランジ２を貫通してクランクシャフト３が配
設されている。上記シャフト３の貫通部の軸封部にはメ
カニカルシール４が装着されている。

上記メカニカルシール４は次のような構成になっている
。まずフランジ２側には固定環としてのグランド充填部
材５が装着されており、このグランド充填部材５には回
転環としての漏れ止めリング６が対置されている。この
漏れ止めリング６には係止部７ａを介して圧縮リング７
が係合しており、漏れ止めリング６はこの圧縮リング７
を介してを圧縮スプリング８により上記グランド充填部
材５方向に付勢されている。上記圧縮リング７はピン９
を介して駆動リング１０に連結されている。

上記圧縮スプリング８によって漏れ止めリング６をグラ
ンド充填部材５に圧接することにより漏れ止めをなして
いる。尚、図中符号１１及び１２はシールリングである
。

次に上記グランド充填部材５と漏れ止めリング６との摺
動部の構成を詳細に説明する。第５図にも示すようにグ
ランド充填部材５側には摺動環１３が漏れ止めリング６
方向に突設されており、この摺動環１３の先端が漏れ止
めリング６の摺動面１７に圧接され、この部分で上記グ
ランド充填部材５及び漏れ止めリング６が相対的に回転
摺動し、それによってシール機能を発揮している。

上記構成によると次のような問題がある。

まず上述した摺動環１３についてそのシール特性を考察
すると、第６図に示すようなものとなる。

第６図は横軸に摺動環１３の摺動面幅をとり、縦軸に流
体１４の漏れ量及び機械損失ををとって、それらの関係
を示した図である。この第６図から明らかなように漏れ
量及び機械損失を低くおさえるためには、摺動面幅をで
きるたけ小さくする必要がある。一方、摺動環１３を構
成する部材の材料としては、摺動環として突出させない
場合の材料よりも軟かいものを使用するのが普通である
。

したがって上記摺動面幅に関する考察ともあいまって、
従来の摺動環１３はその機械的強度が低いものとなって
おり、流体１４の圧力か高くなると摺動環１３の健全性
か損われる恐れがあった。

これに対しては摺動環１３の突出長を短くすることが考
えられている。しかしながらこの場合にはグランド充填
部材５と漏れ止めリング６との隙間１５か小さくなり、
流体１４の隙間１５を介しての循環が損われる恐れがあ
り、その結果摺動環１３及びその近傍の冷却効果が低下
して、摺動環１３の健全性が損われることも予想される
。つまり摩擦熱によりヒートクラック（第５図中符号１
６で示す）が発生したり、あるいはブリスタリングが発
生したりすることになる。

（発明が解決しようとする課題） このように従来の構成によると、摺動環の機械的強度が
低く、又これを改善するべく突出長を短くすると、流体
による冷却機能が低下してしまうという問題があり、本
発明はこのような点に基いてなされたものでその目的と
するところは、他の機能に大きな影響を与えることなく
摺動環の機械的強度を向上させることが可能なメカニカ
ルシールを提供することにある。

［発明の構成コ （課題を解決するための手段） 上記目的を達成するべく、本願発明によるメカニカルシ
ールは、軸封部に装着された固定環と、この固定環に当
接せられた回転環と、これら固定環及び回転環のいずれ
か一方から突設され他方に圧接される摺動環とを備えた
メカニカルシールにおいて、上記摺動環の基端部に半径
方向に厚肉とした補強部を設けたことを特徴とするもの
である。

（作用） まず摺動環は固定環及び回転環のいずれか一方から突設
されており、他方にその先端面が圧接されている。上記
摺動環の基端部には補強部が設けられており、この補強
部は半径方向に厚肉となっている。したがって上記補強
部により摺動環の機械的強度は向上し、その際軸方向へ
の突出長を長くする必要もない。

補強部は半径方向に厚肉となっており、よって摺動環の
内側に向って厚肉となっているのか、外側に向って厚肉
となっているのか、あるいは両方に厚肉になっているの
かは問わないものである。

厚内についても均一に厚肉となっていてもよいし、ある
いはテーパ状に徐々に厚肉となっていてもよい。

又、補強部が摺動環とは別体の部材からなるものであっ
ても良く、この場合には補強部が何等かの手段により摺
動環に固定されることになる。

尚、実施例では補強部が摺動環に一体に形成されている
ものを示し、又内側に厚肉になっているもの、外側に厚
肉となっているもの、及び軸方向にテーパ状に厚肉とな
っているものを示す。

（実施例） 以下第１図を参照して本発明の一実施例を説明する。尚
、従来と同一部分には同一符号を付して示しその説明は
省略する。

摺動環１３の基端部には補強部１０１が形成されており
、この補強部１０１は図にも示すように、半径方向内側
に向って厚肉となっている。このように摺動部１３の基
端部に厚肉状の補強部１０１を形成することにより摺動
部１３の機械的強度の向上を図るものである。また、そ
の際内周側に向って厚肉となっているので、外周側にお
ける流体１４の循環には同等影響を与えることはなく、
流体循環による冷却効果が低下することもない。

以上本実施例によると以下のような効果を奏することが
できる。

ます、摺動環１３の基端部に半径方向に厚肉となった補
強部１０１を設けているので、摺動環１３の機械的強度
は大幅に向上し、仮に流体１４の圧力が高くなってもそ
の健全性か損われることはない。

又、その際従来のように摺動環１３の突出長を短くする
必要はないので、上記流体１４による循環・冷却機能も
維持される。

さらに、本実施例にあっては、補強部１０１を半径方向
内周側に向って厚内としているので、外周側、すなわち
流体１４の循環空間を狭めることもなく、よって流体１
４の循環、それによる冷却機能は何等損われることはな
い。

次に第２図を参照して第２の実施例を説明する。

この実施例による補強部１０１は半径方向外周側に厚肉
としたものである。その他の構成は前記第１の実施例の
場合と同様でありその説明は省略する。

したがって、前記第１の実施例の場合と同様の効果を奏
することができる。尚、半径方向外周側に厚肉となって
いるので、第１の実施例の場合と比べて流体１４の循環
空間は若干狭くなるが、摺動環１３の突出長を十分に確
保しているので問題はないものである。

次に第３図を参照して第３の実施例を説明する。

この実施例では補強部１０１をテーパ状に半径方向内周
側に向って厚肉としたものである。その他の構成は前記
第１及び第２の実施例の場合と同様である。

したがってこの場合にも前記第１の実施例と同様の効果
を奏することができ、さらにテーパ状としているので、
局部的（例えば薄肉部と厚肉部の境界部）に応力が集中
するようなこともなく、機械的強度をさらに向上させる
ことができる。

尚、本発明は前記各実施例に限定されるものではなく、
既に述べたように、補強部を半径方向内側及び外側の両
方に厚肉とするような構成でもよく、その際テーパ状に
しても良い。さらに、補強部を摺動環とは別部材として
もよい。

［発明の効果コ 以上詳述したように本発明によるメカニカルシールによ
ると、他の機能を何等損うことなく、摺動環の機械的強
度を向上させることができ、それによって軸封装置の信
頼性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例による軸封装置の一部断
面図、第２図は第２の実施例による軸封装置の一部断面
図、第３図は第３の実施例による軸封装置の一部断面図
、第４図乃至第６図は従来例の説明に使用した図で、第
４図はメカニカルシールの断面図、第５図は第４図の一
部を詳細に示す断面図、第６図は摺動環の摺動面幅と漏
れ量及び機械損失との関係を示す特性図である。 ５・・グランド充填部材（固定環）、６・・・漏れ止め
リング（回転環）、１３・・・摺動環、１０１・・・補
強部。 出願人代理人　　弁理士　鈴江武彦 第３図 第４図 第５図 小　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　大摺勲
酌幅 第６図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　軸封部に装着された固定環と、この固定環に当接せら
   れた回転環と、これら固定環及び回転環のいずれか一方
   から突設され他方に圧接される摺動環とを備えたメカニ
   カルシールにおいて、上記摺動環の基端部に半径方向に
   厚肉とした補強部を設けたことを特徴とするメカニカル
   シール。