JPH0123523Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、下水中に含まれる砂や固形物を沈
澱させて捕集する沈砂池に設置して、沈砂池底の
砂溜りに堆積した沈砂等を池外に掻揚げるための
バケツトコンベヤ式沈砂掻揚装置に関するもので
ある。

沈砂池に設けるこの種のバケツトコンベヤ式沈
砂掻揚装置は、沈砂池底の砂溜りに臨ませて対向
内側壁面間に架設した複数の軸に取付けてあるチ
エーンホイールに、Ｖバケツトを取付けた無端の
チエーンを掛渡してなり、このチエーンの一部を
沈砂池外に経由させることによつて、順次Ｖバケ
ツトで砂溜り内の沈砂を掻揚げてゆく形式が一般
的である。

即ち、この装置は沈砂池底の砂溜り内をＶバケ
ツトが通過しつつ、砂溜り内の沈砂をすくい上
げ、沈砂池外にＶバケツトが位置したときにこれ
を反転させてＶバケツト内の砂を放出するもので
ある。

上記構造の装置の場合、四六時中チエーンを無
端走行させていれば問題はないが、砂溜りに沈砂
がないのにチエーンを駆動することは不経済であ
るため、ある程度の沈砂量となるまではチエーン
の走行を停止しておく。

しかしながら、チエーン停止中に沈砂が急激に
増大すると、チエーンを駆動しようとしても負荷
が大きくなつて起動できず、この間にチエーンが
埋没してしまうことがある。一旦、チエーンが埋
没すると、これを復旧し再起動できるまでには多
くの時間と労力が必要となるばかりか、この間は
沈砂池としての機能がなくなるので、汚水処理に
重大な影響が及ぶ。

上述の問題を解決するため、従来、チエーン駆
動を停止している間、チエーンの砂溜り内に位置
する部分を上方に移動させておき、埋没事故の発
生を防ぐようにした装置が種々提案されてきた
（例えば、特公昭42−18543、実開昭48−94627、
実公昭50−6996、特開昭52−9976、特開昭55−
47108）。

上記各提案によれば、一応目的達成は可能であ
るとしても、いずれも構造が複雑で、故障し易
く、さらに、部品点数が多く、不経済をまぬがれ
ないなどの難点があつて実用に供し得なかつた。

この考案は、上述の観点に基き、構造が著しく
簡単で経済的である上に、故障発生のおそれがな
く、保守整備が容易なバケツトコンベヤ式沈砂掻
揚装置を提供するもので、沈砂池上方の定位置に
支持した駆動軸上の駆動チエーンホイールと、沈
砂池底に近い定位置に支持したテール軸上のテー
ルチエーンホイールと、沈砂池内上部に支点をお
く主アームの下端に支持したヘツド軸上のヘツド
チエーンホイールと前記各チエーンホイール及び
所定の中間チエーンホイールに掛渡したバケツト
付無端チエーンと、軸線方向を前記各軸の軸線に
対して90゜向きを異にし、沈砂池上方の定位置に
トラニオン支持とした液圧シリンダと、この液圧
シリンダのロツドに上端を支持し、下端を前記主
アームの中間部に支持したリンクアームと、前記
ロツドとリンクアームの連結部にともに一端を連
結し、他端を前記主アームの支点寄り沈砂池上方
の定位置に支持した副アームとを具備してなるこ
とに特徴を有するものである。

ついで、この考案の装置を実施例により図面を
参照しながら説明する。

第１図はこの考案の実施例を一部略示した縦断
側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線視図で示して
ある。図面に示したように、沈砂池１はコンクリ
ート製床版２の下に形成してあり、底部に所定長
及び深さの砂溜り３が設けられている。

砂溜り３の一端部３Ａの上方に臨む床版２の部
分には開口４が設けられている。

開口４は架構５によつて覆つてあり、この架構
の上部には駆動軸６と中間軸７とが支持されてい
る。

駆動軸６は減速機を介してモータ（ともに図示
しない）に接続してあり、駆動チエーンホイール
８が固着されている。

一方、砂溜り３の他端部３Ｂにはテール軸９が
左右側壁に亘つて架設されていて、テール軸９に
はテールチエーンホイール１０が固着されてい
る。

駆動軸６の支持位置よりも低く、かつ、沈砂池
上方となる定位置としての架構下枠５Ａの左側寄
り上部には軸線方向を前記各軸の軸線方向に対
し、90゜向きを異にした液圧シリンダ１１が軸受
１２にトラニオン支持されている。

一方、沈砂池１内上部には、図中、開口４の右
端直下において、主アーム１３の上端が水平の軸
１４により回動自在に支持されている。

主アーム１３は、沈砂池３の端部３Ａの底面に
下端が接近自在の長さとし、下端に設けたヘツド
軸１５にはヘツドチエーンホイール１６が取付け
られている。

主アーム１３は、中間部下端寄り部分にリンク
アーム１７の下端がピン１８により連結されてい
て、リンクアーム１７の上端は前記液圧シリンダ
１１のロツド１９の先端にピン２０で連結されて
いる。

ピン２０には副アーム２１の一端が連結されて
いる。

副アーム２１は他端を、架構下枠５Ａの中央部
下面にピン２２により支持されている。

前記駆動チエーンホイール８とテールチエーン
ホイール１０とヘツドチエーンホイール１６とテ
ークアツプ軸としての中間軸７に取付けた中間チ
エーンホイール２３と沈砂池１内に架設した中間
軸２４に取付けてある中間チエーンホイール２５
には無端チエーン２６が掛渡されている。

無端チエーン２６は矢印ａ方向に走行するもの
とし、沈砂掻取りを自在とした多数のＶ形バケツ
ト２７を取付けてある。

上述の構成からなるこの考案の装置は、液圧シ
リンダ１１のロツド１９を突出すことによつて主
アーム１３の下端が砂溜り３の一端部３Ａの底面
に接近し、ヘツドチエーンホイール１６とテール
チエーンホイール１０との間を通りつつある無端
チエーン２６の部分が砂溜り３に沿つて移動する
ので、バケツト２７が砂溜り３内の沈砂を掻取
る。

バケツト２７に掻取られた沈砂は上方に送られ
沈砂池外へ取出される。

つぎに、液圧シリンダ１１を作動して、ロツド
１９を引込めると、リンクアーム１７が引上げら
れて主アーム１３の下端が上方に移動する。

このとき、副アーム２１はピン２２を支点とし
て起立する方向に回動し、主アーム１３の前記運
動を可能にする。

主アーム１３の下端上昇により、ヘツドチエー
ンホイール１６とテールチエーンホイール１０と
の間にある無端チエーン２６の部分は、テールチ
エーンホイール１０付近の部分を除き、沈砂に埋
もれない高さまで引上げられているので、停止中
に沈砂に埋没するなどのおそれは皆無である。

以上の説明から明らかなように、この考案の装
置は、液圧シリンダの駆動のみで、極めて簡単
に、無端チエーンの砂溜りに臨む部分の大部分
を、砂溜り外に脱出させることができて砂溜り内
での無端チエーン埋没を確実に回避でき、無端チ
エーンの緊張は常に一定状態に保たれるから、た
るみ調整のテークアツプは不要となり、無端チエ
ーンの昇降装置の主要部は床版上にあるからその
保守管理が容易である上、使用部品の数も少な
く、廉価に得られるなど、工業上幾多の優れた効
果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の装置の実施例を示す一部略
示した縦断側面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線視
図である。 図において、１……沈砂池、２……床版、３…
…砂溜り、４……開口、５……架構、６……駆動
軸、７……中間軸、８……駆動チエーンホイー
ル、９……テール軸、１０……テールチエーンホ
イール、１１……液圧シリンダ、１２……軸受、
１３……主アーム、１５……ヘツド軸、１６……
ヘツドチエーンホイール、１７……リンクアー
ム、１９……ロツド、２１……副アーム、２３…
…中間チエーンホイール、２４……中間軸、２５
……中間チエーンホイール、２６……無端チエー
ン、２７……バケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 沈砂池上方の定位置に支持した駆動軸上の駆動
   チエーンホイールと、沈砂池底に近い定位置に支
   持したテール軸上のテールチエーンホイールと、
   沈砂池内上部に支点をおく主アームの下端に支持
   したヘツド軸上のヘツドチエーンホイールと前記
   各チエーンホイール及び所定の中間チエーンホイ
   ールに掛渡したバケツト付無端チエーンと、軸線
   方向を前記各軸の軸線に対して90゜向きを異にし、
   沈砂池上方の定位置にトラニオン支持とした液圧
   シリンダと、この液圧シリンダのロツドに上端を
   支持し、下端を前記主アームの中間部に支持した
   リンクアームと、前記ロツドとリンクアームの連
   結部にともに一端を連結し、他端を前記主アーム
   の支点寄り沈砂池上方の定位置に支持した副アー
   ムとを具備してなるバケツトコンベヤ式沈砂掻揚
   装置。