JPH0123421Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はロータリー式電気かみそりに係り、ロ
ータリー内刃の全周面を簡単に清掃できるように
したものである。

（従来の技術） ロータリー式電気かみそりのロータリー内刃
は、外刃の落ち込みを防止するために、円柱状基
体の周胴面の一端から他端にかけて、適度なねじ
れ角を有する複数のスパイラル状刃部を突設して
形成されている。このため上記刃部先端の刃先に
より剪断された毛屑は、隣接する刃部と刃部の間
の谷間に入り込みやすく、かかる毛屑は皮膚から
の脂肪油と混じり合つているため、刃部の外表面
に強固に付着する。このように刃部外表面に付着
した毛屑は、定期的に清掃除去せねばならない
が、深い谷間を形成する刃部と刃部の間に入り込
んだ毛屑の除去は甚だ面倒である。

従来かかる毛屑を清掃除去する手段としては、
例えば実開昭56−106171号公報第６図に示される
ように、ブラシをロータリー内刃下面の軸方向に
沿つて摺動させることにより、その清掃を行うよ
うにしたものが知られている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながらこのものは、ブラシを上記のよう
に摺動させただけでは、常にロータリー内刃の同
じ面を清掃するだけであり、ロータリー内刃の全
周面を清掃するためには、ロータリー内刃を指先
にて回転させながら、ブラシを摺動させねばなら
ないので、単に面倒であるだけでなく、指先に毛
屑が付着して指先を汚しやすく、また指先にてロ
ータリー内刃を回転軸させる際に、その刃先によ
り指先を傷つける虞れがある。

そこで本考案は、ロータリー内刃の全周面を簡
単に清掃できる手段を提供することを目的とす
る。

（課題を解決するための手段） このために本考案は、スパイラル状の刃部３が
一端から他端にわたつて連続的に形成されたロー
タリー内刃１を備えたこの種ロータリー式電気か
みそりにおいて、ロータリー内刃１の刃部３と刃
部３の間に嵌入してその外表面に摺接し、かつロ
ータリー内刃１の軸線方向に沿つて往復動自在な
清掃体３０を、往動方向イへ倒伏できるが、復動
方向ロへは倒伏できないように起伏自在に設けた
ものである。

（作用） 上記構成において、清掃体３０をロータリー内
刃１の軸方向に沿つて往動させると、清掃体３０
は起立状態のまま同方向に摺動し、ロータリー内
刃１はこれとともに強制的に回転せられて、その
周面が清掃される。また清掃体３０を復動させる
と、清掃体３０は倒伏状態で同方向に摺動し、原
位置に戻る。かかる作業を複数回繰り返すことに
より、ロータリー内刃１の全周面が清掃される。

（実施例 １） 以下、図面を参照しながら本考案の実施例の説
明を行う。

第１図は本考案に係るロータリー式電気かみそ
りの頭部を示すものであつて、１はロータリー内
刃であり、円柱状基体２の周胴面に、その軸線方
向に沿つて、基体２の一端から他端にわたつて連
続したスパイラル状の刃部３を、軸方向中心に対
しねじれ角を付与して複数並設して形成されてお
り、各刃部３間は深い谷間が形成されている。内
刃１は、その一端を軸９を介して本体ケース４の
上面一側に立設された支架フレーム５に回転自在
に軸支されており、また内刃１の他端は本体ケー
ス４に内蔵された駆動用モータ６により駆動され
るギヤボツクス１８内のギヤ７に連結されて支持
されている。

１０は外刃であつて、外刃フレーム１１にアー
チ状に屈曲されて保持されている。外刃フレーム
１１の一側下端は、本体ケース４の上面他側に立
設された支架フレーム１２に回転軸１３を介して
回転自在に支持されており、また外刃フレーム１
１は回転軸１３に装着されたバネ１４のバネ力に
より開蓋方向に付勢されている。また外刃フレー
ム１１の一側壁内面には係合溝１５が形成されて
おり、外刃フレーム１１を上記バネ１４のバネ力
に抗して回転させ、係合溝１５を本体ケース４上
面一側に突設された係合用突起１６に係合させる
ことにより、外刃１０はその内面を内刃１に摺接
させて内刃１上に張架される。１７は上記突起１
６の操作用釦であつて、この釦１７を押すと上記
係合用突起１６は内方へ微動して係合溝１５から
離脱し、外刃フレーム１１はバネ１４のバネ力に
より回転軸１３を中心に自動的に回転して開蓋す
る。

２０は内刃１の下方に設けられた清掃部であつ
て、次に第２図〜第５図を参照しながらその説明
を行う。

２１はダストパツクであつて、横長の箱状体で
あり、内刃１と対向するその上部は開口２２とな
つている。開口２２は上記内刃１の直下にあつ
て、後述するように内刃１を回転させてひげそり
を行うと、内刃１により剪断された毛屑は、開口
２２からダストパツク２１内へ入るようになつて
いる。ダストパツク２１は、上記本体ケース４上
面のやや後側に、上記内刃１に沿つて立設された
支持板２３に、内刃１の軸線方向に移動自在に支
持されている。すなわちダストパツク２１の後面
と底面には、係合用凹部２５，２６がダストパツ
ク２１の長さ方向に沿つて凹設されており（第３
図参照）、各凹部２５，２６を上記支持板２３に
突設された突起２７，２８に摺動自在に装着する
ことにより、ダストパツク２１を内刃１の軸線方
向に往復動自在に支持板２３に支持させている。

２９は支持板２３の上部にやや外方へ傾斜させ
て立設された遮蔽板であつて、その内面は内刃１
の周胴面に近接して対向しており、内刃１により
剪断された毛屑ｐは、内刃１の回転とともにその
遠心力により遮蔽板２９へ向つて飛散し、遮蔽板
２９内面に沿つて滑り落ちてそのままダストパツ
ク２１に落入する。２４は、ダストパツク２１の
前板２１ａに回転自在に軸着された移動操作部と
しての指掛け片であつて、その形状はカギ形状で
あり、常時は第１図実線にて示すように閉じてい
るが、後述するように内刃１の清掃を行うにあた
つては、該指掛け片２４に指先を掛けて回転させ
て前板２１ａから突出させ、そのままダストパツ
ク２１を内刃１の軸線方向へ引き出すようになつ
ている（第１図鎖線および第２図参照）。

３０は内刃１の清掃体であつて、ゴムや軟質合
成樹脂などの若干の弾性を有する腰の強い素材か
ら成つており、第４図に示すように、その下部を
上記ダストパツク２１の後板２１ｂ上面に形成さ
れたカギ形状凹部３１に、ピン３２を介して起伏
自在に軸着されている。ピン３２にはスプリング
３３が装着されて、このスプリング３３のバネ力
により清掃体３０は起立方向（第４図において時
計方向）に付勢されており、清掃体３０はスプリ
ング３３のバネ力に抗してダストパツク２１の往
動方向（第４図矢印イ方向）へは少々回転して倒
伏できるが、ダストパツク２１の復動方向（同図
矢印ロ方向）への回転は後板２１ｂ上端部２１
b′により阻止されて倒伏できないようになつてい
る。

清掃体３０の側面形状は、上端へ向つて先細状
となつている。また清掃体３０の正面形状は略山
形状であつて（第５図参照）、その上端部には山
形を構成する二個の突部３０ａが形成されてお
り、各突部３０ａは側方へややねじれた形状とな
つている。清掃体３０は、ひげそり時には間隔ｔ
をおいて内刃１の側方にあつて内刃１とは接触し
ないが（第４図点線参照）、清掃時には突部３０
ａは上記内刃１の周胴面にねじれ角を付与して突
設された刃部３と刃部３の間の谷間に嵌入し、内
刃１外表面に摺接したまま内刃１の軸線方向に往
動して、内刃１外表面に付着する毛屑をかき落す
ようになつている。

このロータリー式電気かみそりは上記のような
構成より成り、次にその取り扱いを説明する。

内刃１を回転させながら外刃１０外表面を肌に
押しあてて肌面を滑らせれば、外刃１０から進入
したヒゲは刃部３先端の刃先により剪断され、剪
断された毛屑ｐは内刃１の回転に伴う遠心力によ
り遮蔽板２９側へ向つて飛散し、遮蔽板２９表面
を滑り落ちてダストパツク２１に入る。なおひげ
そりの際には、上述のように清掃体３０は内刃１
の側方にあつて内刃１には当らない位置にあるの
で、清掃体３０が内刃１の回転により破損するこ
とはない。

内刃１により剪断された毛屑の一部は、刃部３
と刃部３の間の谷間に入り、内刃１の外表面に付
着するが、かかる毛屑を清掃するときは、釦１７
を押して外刃１０を開蓋し、指掛け片２４に指先
を掛け、そのままダストパツク２１を外方へ引き
出す（第１図鎖線参照）。すると清掃体３０の山
形状突部３０ａは刃部３と刃部３の間に嵌入して
内刃１外表面に摺接し、そのまま内刃１の外表面
に沿つて内刃１の軸線方向に往動し、内刃１外表
面に付着する毛屑をかき落し、かき落された毛屑
はダストパツク２１内に入る。その際、各刃部３
は内刃１の軸方向中心に対しねじれ角が付与され
ているので、清掃体３０上端の突部３０ａが刃部
３と刃部３の間に嵌入して、清掃体３０が矢印イ
方向に刃部３に摺接したまま起立状態にて往動す
ると（第４図実線参照）、内刃１はその摺接往動
により強制的に第５図矢印方向に回転される。こ
のようにして清掃体３０を内刃１の一端から他端
まで往動させて毛屑のかき落しを終えたならば、
次にダストパツク２１を押し込んで清掃体３０を
内刃１の軸線方向に沿つて原位置（第１図実線位
置）まで復動させる。その際清掃体３０はスプリ
ング３３のバネ力に抗して往復方向への回転倒伏
が許容されているので、清掃体３０の突部３０ａ
は刃部３と刃部３間の谷間には嵌入せず、その上
端が内刃１最外周面に軽く摺接した状態で矢印ロ
方向に復動し（第４図鎖線参照）、したがつて内
刃１は清掃体３０の復動時には回転しない。この
ようにして清掃体３０の内刃１の周面に沿つて往
復動させたならば、再びダストパツク２１を引き
出して清掃体３０を往動させる。その際上記のよ
うに内刃１は清掃体３０の往動時に若干回転して
いるので、清掃体３０の各山形状突部３０ａは未
清掃の新たな刃部３と刃部３の間に嵌入し、これ
らの外表面に付着する毛屑をかき落すこととな
る。従つて清掃体３０をこのように内刃１の周面
に沿つて数回往復動させれば、内刃１の全周面の
清掃が行われる。そして清掃作業がすべて終了し
たならば、ダストパツク２１を引き出した状態に
おいて反転させて、内部にたまつた毛屑を取り出
し、再度ダストパツク２１を押し込んだ後、外刃
１０を内刃１に張架する。以上のようにこのロー
タリー式電気かみそりは、内刃１の全周面に付着
した毛屑を簡単に清掃除去することができる。

（実施例 ２） 第６図および第７図は本考案の他の実施例を示
すものであつて、ダストパツク２１の後板２１ｂ
上面には、腰の強い硬質ブラシ毛４０ａから成る
清掃体４０が設けられている。ブラシ毛４０ａは
植設板４１上に植設され、この植設板４１はピン
３２を介して上記凹部３１に起伏自在に軸着され
ており、清掃体４０はダストパツク２１の往動方
向にはスプリング３３のバネ力に抗して回転倒伏
できるが、ダストパツク２１の復動方向への回転
は後板２１ｂ上端部２１b′により阻止されてい
る。またブラシ毛４０ａは、その先端が刃部３と
刃部３の間に嵌入して内刃１の外表面に摺接する
ように、やや側方へ傾斜させて植設されている。

かかる構成において、上記指掛け片２４を指先
に係止し、清掃体４０の上端部を刃部３間に嵌入
させて内刃１の周面に摺接させて往復動させれ
ば、内刃１の周面に付着する毛屑の清掃が行われ
る。またこの場合も、前記実施例の場合と同様に
清掃体４０の往動にともなつて内刃１は回転する
ので、清掃体４０を数回往復させれば、内刃１全
周面の清掃が行われる。

（実施例 ３） 第８図は本考案の更に他の実施例を示すもので
あつて、外刃ホルダー１１の側壁に開閉自在な蓋
板４３が設けられており、内刃１の清掃を行うと
きは蓋板４３を開いて、上記実施例の場合と同様
にダストパツク２１の指掛け片２４を指先にて操
作して、ダストパツク２１を往復動させれば、内
刃１の清掃が済われる。このような外刃ホルダー
１１に、ダストパツク２１を外部から操作しうる
蓋板４３を設ければ、外刃１０を内刃１に張架し
たまま、内刃１の清掃を行うことができる。

本考案は更に種々の設計変更が可能であつて、
例えば清掃体の素材や形状等も上記各実施例のも
のに限定されるものではなく、内刃１の外表面に
摺接して、外表面に付着する毛屑をかき落せるも
のであればよい。

（考案の効果） 以上説明したように本考案は、この種ロータリ
ー式電気かみそりにおいて、ロータリー内刃１の
刃部３と刃部３の間に嵌入してその外表面に摺接
し、かつロータリー内刃１の軸線方向に沿つて往
復動自在な清掃体３０を、往動方向イへは倒伏で
きるが、復動方向ロへは倒伏できないように起伏
自在に設けているので、清掃体３０を往動させる
と、ロータリー内刃１は強制的に回転せられ、ま
たそのまま復動させることができるので、往復動
動作を複数回繰り返すことにより、ロータリー内
刃１の全周面を簡単に清掃することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであつて、第１
図はロータリー式電気かみそりの頭部斜視図、第
２図は清掃部の斜視図、第３図、第４図および第
５図はそれぞれ清掃部の断面図、正面図および側
面図、第６図および第７図は本考案の他の実施例
の要部側面図および正面図、第８図は本考案の更
に他の実施例の要部斜視図である。 １……ロータリー内刃、２……円柱状基体、３
……刃部、１０……外刃、３０，４０，５０……
清掃体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円柱状基体２の周胴面に、その軸線方向に沿つ
   て、該基体２の一端から他端にわたつて連続した
   スパイラル状の刃部３を、軸方向中心に対しねじ
   れ角を付与して複数並設して成るロータリー内刃
   １を軸線まわりに回転駆動するよう支持するとと
   もに、内面にこのロータリー内刃１が摺接するよ
   うに張架された外刃１０を備えたロータリー式電
   気かみそりにおいて、前記ロータリー内刃１の刃
   部３と刃部３の間に嵌入してその外表面に摺接
   し、かつ前記ロータリー内刃１の軸線方向に沿つ
   て往復動自在な清掃体３０を、往動方向イへは倒
   伏できるが、復動方向ロへは倒伏できないように
   起伏自在に設けたことを特徴とするロータリー式
   電気かみそり。