JPH0123262Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、アウトスプールタイプ魚釣用スピニ
ングリールのベールアーム反転装置に関する。

一般的に、上述ベールアーム反転装置は、ロー
ターの両側に設けた一対の腕部にベールアームレ
バーとベールアームカムを介してベールアームを
起・伏自在に、かつトーシヨンバネにより糸放出
位置方向へ弾撥付勢して軸支し、ベールアームレ
バーを指で一定方向に回動した後、その指を解放
することにより、ベールアームレバーの掛止部が
開放されてベールアームは糸巻取位置から糸放出
位置に切換えられ、又糸放出位置からトーシヨン
バネの反撥力に抗してベールアームを回転するこ
とで糸巻取位置に反転復帰し、掛止部が腕部のス
トツパーと掛止してその位置に保持されるよう構
成されている。

ところが、スピニングリールにあつて、アウト
スプールタイプは、スプールの糸巻部の位置がイ
ンナースプールタイプのそれと比べてリール本体
接続部から離れている為ベールアームの反転角度
（起・伏角度）を大きくする必要がある。

つまり、ベールアームの反転角度が小さいと、
糸放出時、糸がベールアームと干渉し、糸放出が
不円滑となり、為に糸が擦傷したり遠投時にあつ
ては飛距離が出なくなる。

又、上記反転角度を大きくとることなく糸とベ
ールアームの干渉を避けることも可能であるが、
その為には、ベールアームの回転中心をローター
の回転中心よりも外側にずらせばよいが、このよ
うにするとローターのバランスがくずれて回転が
不円滑となり、特に糸巻取操作が行ない難くなつ
てしまう。

然るに、アウトスプールタイプのスピニングリ
ールにあつては、糸とベールアームの干渉を避け
る為にベールアームの回転中心をリール本体接続
部から可及的遠くに位置せしめることにより反転
角度を大きくとるようにしているが、上記反転復
帰をローターの回転によつて自動的に行なわせる
ようにした従来のベールアーム反転装置は、ロー
ターの一方の腕部に設けたキツクレバーをリール
本体のキツクボスと当接干渉させることによりベ
ールアームをトーシヨンバネの反撥力に抗して全
角度反転するよう構成したものであるから、上述
のようにベールアームの反転角度を大きくとると
ハンドルよりローターを介して伝達されるベール
アーム反転力率が悪くなり、為にハンドルの回転
が非常に重くなる。従つて時としてベールアーム
反転時には、一旦ハンドルを逆転した後、反動を
つけて正回転しなければならないこともあつて操
作性が極めて悪く、為に釣態様によつて要求され
る釣糸の迅速な放出、巻取りに対応できるもので
はなかつた。

そこで本考案は上述従来の事情に鑑みて検討の
結果、ベールアームの反転角度を大きくとること
により、糸のベールアーム干渉を防止できるにも
かゝわらずベールアームの糸巻取位置への反転復
帰を小さい力で軽快かつ迅速に行ない得るように
したことを目的とするベールアーム反転装置を得
たものである。

以下本考案を図示の実施例に基づいて詳述すれ
ば、第１図ないし第３図に示したように、リール
本体１に管軸２により回転可能に支承されたロー
ター３の両側には、前縁に向けて一対の腕部４，
５が突設させてあり、該腕部４，５にベールアー
ム６の端部を夫々支持したベールアームレバー７
とベールアームカム８が段ビス９等にて回転可能
に軸支され、ベールアーム６は、第３図に示した
糸放出位置ａと糸巻取位置ｂに起・伏自在に支承
されている。

又、上記ベールアーム６は、ベールアームレバ
ー７に設けた図示しない掛止部が、腕部４に間隔
的に設けてある図示しないストツパーと夫々掛止
することによつて上記糸放出位置ａと糸巻取位置
ｂに停止されると共に、一方の腕部５とベールア
ームカム８に両端部を掛止して配置したトーシヨ
ンバネ１０により糸巻取位置ｂ側から糸放出位置
ａ方向へ弾撥付勢させてある。

又、上記腕部４の凹部４ａ内には、キツクレバ
ー１１の基端をビス１２等により回転可能に枢着
し、該キツクレバー１１の可動端は一端をベール
アームレバー７にビス１３にてより回転可能に枢
支したリンク１４の他端とビス１５等により枢支
してある。このキツクレバー１１は、下動端側に
曲成してある屈曲部１１ａが、腕部４の窓孔４ｂ
からローター３のリール本体接続部１６側に突設
してあり、ベールアーム６を糸放出位置ａとした
状態で、リール本体１の接続部１６に設けたキツ
クボス１７と当接干渉可能としてある。

更にリール本体１の脚部１８基端にはキツクレ
バー受１９が上記ベールアームレバー７と当接干
渉可能に設けてある。

つまり、このキツクレバー受１９は、上記ベー
ルアーム６を糸放出位置ａに倒した状態で、ハン
ドル（図示せず）によりローター３を回転した
際、ベールアームレバー７を当接干渉し、糸巻取
位置ｂ方向に一定角度だけ回転するよう設けられ
ていて、糸巻取位置ｂにおいては当接干渉しない
ようになつている。

又、上記ベールアームレバー７及びキツクレバ
ー１１とキツクボス１７及びキツクレバー受１９
は、ベールアーム６の糸放出位置ａにおいて、ロ
ーター３を回転することにより先ずキツクレバー
受１９とベールアームレバー７が当接干渉するこ
とにより当該ベールアームレバー７を一定角度回
転させた後、キツクボス１７とキツクレバー１１
の屈曲部１１ａが当接干渉し始め、更にベールア
ームレバー７を一定角度追加回転させ、ベールア
ーム６を糸巻取位置ｂに反転復帰するよう、夫々
は予め位置設定して設けられている。

尚、第１図、第２図において２０は摺動軸２１
に装着したスプールである。

以上説明したように本考案に係る魚釣用スピニ
ングリールのベールアーム反転装置によれば、ロ
ーター３の両側に設けた一対の腕部４，５の一方
腕部４にキツクレバー１１を、一端をベールアー
ムレバー７に関連ずけ、他端はリール本体１に設
けたキツクボス１７と当接干渉可能なるよう取付
けると共に、リール本体の脚部１８にキツクレバ
ー受１９を設け、ベールアーム６の糸放出位置ａ
において、ローター３の回転により、先ずキツク
レバー受１９にベールアームレバー７が当接干渉
して一定角度回転され、更に続いてキツクレバー
１１がキツクボス１７に当接干渉してベールアー
ムレバー７が一定角度追加回転されることにより
ベールアーム６を糸巻取位置に反転復帰するよう
構成したものであるから、糸放出状態にて糸がベ
ールアームに干渉することがないようベールアー
ム反転（回転）角度を例えば110゜〜120゜位迄大き
く設定することができて、しかもベールアームレ
バー７を段階的に追加回転するので、従来例の如
くトーシヨンバネ１０の反撥力に抗して単一キツ
クレバーにより全角度反転するものに比べてベー
ルアーム６をハンドルの小さい出力により円滑、
かつ軽快に反転復帰させることができ、従つて、
釣時にあつて釣糸の放出、巻取りを迅速に、かつ
操作性良く行なうことができる効果がある。

又、装置としては、キツクレバー１１を１個取
付ければよく、他は既存のベールアームレバー７
を反転手段に利用するので、極めて構造簡単で安
価に製作することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るベールアーム反転装置を
備えたアウトスプールタイプ魚釣用スピニングリ
ールの側面図、第２図は同リールを一部欠除して
示した半断側面図、第３図は同リールにおけるベ
ールアームレバー側腕部の平面図である。 １……リール本体、３……ローター、４，５…
…腕部、６……ベールアーム、７……ベールアー
ムレバー、８……ベールアームカム、１０……ト
ーシヨンバネ、１１……キツクレバー、１７……
キツクボス、１８……脚部、１９……キツクレバ
ー受。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ローター３の両側から前縁に向けて突設した一
   対の腕部４，５にベールアームレバー７とベール
   アームカム８を介してベールアーム６を起・伏自
   在に、かつトーシヨンバネ１０により糸放出位置
   方向へ弾撥付勢させて軸支してなるベールアーム
   反転装置において、リール本体１の脚部１８にベ
   ールアームレバー当接干渉用キツクレバー受１９
   を設け、一方上記ベールアームレバー側腕部の凹
   部４ａにキツクレバー１１の基端をビス等により
   回転可能に枢着すると共に可動端は、一端をベー
   ルアームレバーにビス等にて枢支したリンク１４
   の他端とビス１５等で枢支してあり、他端をリー
   ル本体接続部側に設けたキツクボス１７と当接干
   渉可能に関連づけ、該キツクレバーの屈曲部１１
   ａが腕部の窓孔からローターのリール本体接続部
   側に突設してあり、ベールアームを糸放出位置ａ
   とした際前記接続部に設けたキツクボス１７と当
   接干渉可能とし、ローターの回転により前記リー
   ル本体脚部のキツクレバー受１９とベールアーム
   レバーが当接干渉して、該ベールアームレバーを
   一定角度回転させた後、キツクボス１７とキツク
   レバー１１が当接干渉して更に一定角度追加回転
   させ、ベールアームを糸巻取位置ｂへ反転復帰さ
   せるよう構成したことを特徴とする魚釣用スピニ
   ングリールのベールアーム反転装置。