JPH0122658Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、オルソバギー、詳細には、身体障害
者を対象とした外出用の手押し型車椅子に関す
る。

（従来の技術） 身体障害者、特に身体の姿勢を自分で適正に保
持することが困難な重度障害者にとつては、ほと
んどの行動に介助者の手を借りる必要がある。

このような重度障害者を外出させる場合には、
乗用自動車を利用することが多いが、従来では一
般的な車椅子によつて自動車まで連れて行き、こ
の車椅子から降ろして自動車に座らせ、目的地に
つけば自動車から降ろして再び車椅子を用いるよ
うにしていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このように一般的な車椅子で
は、障害者の姿勢を保持するのが困難であり、特
に、自動車内ではしつかりと姿勢を保持させる必
要があるため、介助者の労力が大変になるばかり
か、障害者自身にとつても外出が苦痛になるとい
う問題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、かかる従来の問題点を解決すること
を目的としてなされたもので、そのための技術的
手段として、本考案では、 下端にキヤスタが設けられると共に、上端にハ
ンドル部が設けられ、側面形状が座位姿勢に沿う
形状に形成された椅子フレームと、 前端が椅子フレームの下端部に枢着されると共
に、後端部に車輪が設けられ、側面形状が前記椅
子フレームに略近似した形状に形成された下部フ
レームと、 下端が下部フレームの後端部に枢着され、上端
が椅子フレームの上端部に枢着された伸縮フレー
ムと、を有し、 前記伸縮フレームには、伸縮調節手段が設けら
れると共に、前記椅子フレームと下部フレームの
間には、該椅子フレームを下部フレームにラツプ
させる折畳み状態に椅子フレームを付勢する引張
スプリングが設けられ、 前記椅子フレームには、座部フレーム部にシー
トクツシヨンが設けられ、背部フレーム部にシー
トバツクが設けられ、脚部フレーム部に足載せ台
が設けられ、 前記シートクツシヨンの前縁中央部に股関節パ
ツドが設けられ、シートクツシヨンの後部からシ
ートバツクの下部にかけての両側部分に臀部パツ
ド及び腹部シートベルトが設けられ、かつシート
バツクにはヘツドレストが上下方向に移動可能に
設けられると共に、胸部シートベルトが設けら
れ、かつ足載せ台には足首ベルトが設けられた構
成とした。

（作用） 従つて、本考案のオルソバギーでは、伸縮フレ
ームを伸縮調節手段によつて伸縮させることによ
つて、下部フレームに対して椅子フレームの起立
角度を調節することができるし、又、折畳むこと
ができると共に、その折畳み状態では、椅子フレ
ームと下部フレームの側面形状が略近似している
ので、両フレーム同士がラツプ状態となり、しか
も、下部フレームも座位姿勢に沿つた側面形状で
あるため、これを自動車の座席上に納まりよくセ
ツトでき、このオルソバギーを乗車時の補助椅子
として使用できる。

又、姿勢を保持する手段として、股関節パツ
ド、臀部パツド、ヘツドレスト、腹部シートベル
ト、胸部シートベルト、足首ベルトが設けられ、
これらによつて姿勢を強固かつ適正に保持させる
ことができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面により詳述する。

図において、１は椅子フレームで、１本の角パ
イプによる脚部フレーム部２の上端に、二又状の
丸パイプにより座部フレーム部３と背部フレーム
部４が形成されると共に、側面形状は座位姿勢に
沿つた形状に形成され、かつ脚部フレーム部２の
下端には横フレーム５が設けられ、該横フレーム
５の両端にそれぞれキヤスタ６，６が取付けら
れ、かつ座部フレーム部３と背部フレーム部４と
に跨つて側部フレーム７が設けられ、背部フレー
ム部４の上端には下向きに折返し形成された曲げ
ハンドル８が設けられると共に、背部フレーム部
４，４間に横ハンドル９が渡されている。

次に、１０は下部フレームで、側面形状が前記
椅子フレーム１の側面形状と略近似した形状に形
成され、前端が前記脚部フレーム部２の下端に枢
着され、かつ後端部には左右方向に車軸１１が延
設され、該車軸１１の両端に車輪１２，１２が設
けられ、又、該下部フレーム１０と前記椅子フレ
ーム１の間には椅子フレーム１を下部フレーム１
０にラツプさせる析畳み状態に椅子フレーム１を
付勢する引張スプリング１３が設けられている。
尚、前記車輪１２には、ロツク２１が設けられて
いる。

１４は伸縮フレームで、上端を前記椅子フレー
ム１の横ハンドル９に枢着した外パイプ１５内
に、下端を下部フレーム１０の後端に枢着した内
パイプ１６が摺動可能に嵌合された二重パイプに
形成されている。

１７は、伸縮調節手段としての伸縮機構で、ロ
ツド１８の上端にレバー１９を設けた略Ｌ字状杆
２０が、外パイプ１５の上端ブラケツトにピン２
２により枢着され、かつ外パイプ１５の下端部に
設けた貫通穴２３に係止ピン２４が進退可能に設
けられると共に、該係止ピン２４は前記ロツド１
８の下端に連設され、かつ内パイプ１６には複数
個（実施例では３個）の係止穴２５が形成され、
そして、この各係止穴２５に係止ピン２４を選択
的に係合することで、伸縮フレーム１４の調節幅
を３段階にしている。

２６はシートクツシヨンで、椅子フレーム１の
座部フレーム部３上に取付けられ、その前縁中央
部には、股関節パツド２７が前後方向に移動調節
可能に取付けられ、この場合、該股関節パツド２
７にＬ字腕２８が取付けられ、このＬ字腕２８が
シートクツシヨン２６の前部下面に取付けたガイ
ド枠２９に前後方向に摺動可能に設けられると共
に、留めボルト３０によつて位置固定される取付
け構造となつている。

３１はシートバツクで、椅子フレーム１の左右
の背部フレーム部４，４間に張設され、該シート
バツク３１の下部からシートクツシヨン２６の後
部にかけての両側部分に、臀部パツド３２，３２
がガイド溝３３および止めピン３４を介して上下
方向に移動調節可能に設けられ、かつ先端同士を
ベルベツトフアスナ３５により接合するようにし
た腹部シートベルト３６が両側部から延設されて
いる。

又、該シートバツク３１には、ヘツドレスト３
７が上下方向に移動可能に設けられるとともに、
胸部シートベルト３８が設けられている。この場
合、ヘツドレスト３７は、止めベルト４０に側頭
パツド３９，３９が左右方向に移動調節可能に設
けられ、かつ該止めベルト４０は先端同士をシー
トバツク３１の背面部でベルベツトフアスナ４１
により接合することで、シートバツク３１に鉢巻
状に取付けられている。又、胸部シートベルト３
８は、上端が横ハンドル９に取付けられるととも
に、下端が腹部シートベルト３６に取付けられた
状態で、シートバツク３１の表面側に左右に１対
に設けられ、かつ両胸部シートベルト３８，３８
間には連結ベルト４２が設けられている。尚、４
７はシートバツク３１の背面に設けた小物入れ袋
である。

４３は足載せ台で、椅子フレーム１の脚部フレ
ーム部２に調節穴４４を介して上下方向に移動調
節可能に取付けられ、かつ該足載せ台４３には、
先端同士をベルベツトフアスナ４５で接合するよ
うにした足首ベルト４６，４６が設けられてい
る。

次に、本実施例の作用を説明する。

本実施例のオルソバギーを使用するに際して
は、身体障害者をシートクツシヨン２６上に腰掛
けさせると共に、背中をシートバツク３１にもた
れさせ、かつ足を足載せ台４３上に載せる状態に
着座させるもので、この場合、股関節パツド２
７、臀部パツド３２，ヘツドレスト３７、及び腹
部シートベルト３６、胸部シートベルト３８、足
首ベルト４６、によつて身体を拘束して適正な姿
勢に保持させることができる。尚、このとき、各
調節部を体格や障害の程度に応じて調節する。

又、伸縮機構１７によつて伸縮フレーム１４を
伸縮することによつて、下部フレーム１０に対し
て椅子フレーム１の起立角度を調節（本実施例で
は３段階）することができ、使用者の要求に応じ
た着座角度が選択できる。

又、伸縮フレーム１４を最小限に短縮させる
と、椅子フレーム１は第２図に示すように折畳ま
れ、この折畳み状態は引張スプリング１３によつ
て保持され、かつ座位姿勢に沿つた形状の椅子フ
レーム１に下部フレーム１０の側面形状が略近似
しているので、この折畳み状態では両フレーム
１，１０がラツプ状態となり、しかもその側面形
状は座位姿勢に沿つた形状となつているので、こ
れを自動車の座席上に納まりよくセツトでき、座
席を傷つけることなく、このオルソバギーをその
まま乗車時の補助椅子として使用できる。

以上、本考案の実施例を図面により説明した
が、本考案の具体的な構成は前記した実施例に限
定されるものではなく、考案の要旨を逸脱しない
範囲の設計変更等があつても本考案に含まれる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、車椅子
でありながら、股関節パツド、臀部パツド、ヘツ
ドレスト、腹部及び胸部のシートベルト、足首ベ
ルトによつてその着座姿勢を保持することができ
るし、又、椅子フレームの起立角度を調節できる
と共に、析畳みも可能となり、重度身体障害者を
対象とした外出用の手押し型車椅子として有効に
使用できるし、自動車の座席に取付ける補助椅子
としても利用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例のオルソバギーを示す全
体側面図、第２図は該オルソバギーの折畳み状態
の側面図、第３図は該オルソバギーの正面図、第
４図は該オルソバギーの一部背面図である。 １：椅子フレーム、２：脚部フレーム部、３：
座部フレーム部、４：背部フレーム部、６：キヤ
スタ、８：曲げハンドル、９：横ハンドル、１
０：下部フレーム、１２：車輪、１３：引張スプ
リング、１４：伸縮フレーム、１７：伸縮機構、
２４：係止ピン、２５：係止穴、２６：シートク
ツシヨン、２７：股関節パツド、３１：シートバ
ツク、３２：臀部パツド、３６：腹部シートベル
ト、３７：ヘツドレスト、３８：胸部シートベル
ト、４３：足載せ台、４６：足首ベルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下端にキヤスタが設けられると共に、上端にハ
   ンドル部が設けられ、側面形状が座位姿勢に沿う
   形状に形成された椅子フレームと、 前端が椅子フレームの下端部に枢着されると共
   に、後端部に車輪が設けられ、側面形状が前記椅
   子フレームに略近似した形状に形成された下部フ
   レームと、 下端が下部フレームの後端部に枢着され、上端
   が椅子フレームの上端部に枢着された伸縮フレー
   ムと、を有し、 前記伸縮フレームには、伸縮調節手段が設けら
   れると共に、前記椅子フレームと下部フレームの
   間には、該椅子フレームを下部フレームにラツプ
   させる折畳み状態に椅子フレームを付勢する引張
   スプリングが設けられ、 前記椅子フレームには、座部フレーム部にシー
   トクツシヨンが設けられ、背部フレーム部にシー
   トバツクが設けられ、脚部フレーム部に足載せ台
   が設けられ、 前記シートクツシヨンの前縁中央部に股関節パ
   ツドが設けられ、シートクツシヨンの後部からシ
   ートバツクの下部にかけての両側部分に臀部パツ
   ド及び腹部シートベルトが設けられ、かつシート
   バツクにはヘツドレストが上下方向に移動可能に
   設けられると共に、胸部シートベルトが設けら
   れ、かつ足載せ台には足首ベルトが設けられてい
   ることを特徴とするオルソバギー。