JPH0122542B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は食品加熱装置の改良に関するものであ
る。

電子レンジ等の高周波加熱装置は近年、調理レ
パートリーの拡大、スペースの有効活用などの要
求から複合化が活発である。すなわち、高周波加
熱機能の他にオーブン機能、グリル機能、スチー
ム機能といつた複数の加熱機能を１台に盛り込ん
だ複合形食品加熱装置となつてきている。このよ
うな複合形食品加熱装置は持ち合わせる機能をそ
れぞれ単独に使用できる他に、高周波加熱機能と
他の機能を連続して使用したり、同時あるいは交
互に使用することができ、その場合、加熱時間の
短縮、省エネルギーの効果を発揮するという特徴
がある。

しかしながら、このように数種の機能の各々単
独ないしは組み合わせによる使用を可能にする
と、加熱機能の選択設定等の操作は従来になく複
雑になり、被加熱物と加熱機能の関連が付けにく
くなることもあるため、使用者は混乱し、使い勝
手は逆に著しく悪くなるという欠点があつた。こ
れを解決するために、食品加熱装置本体にマイク
ロコンピユーターを利用した制御装置を備え、適
宜穴加工された料理カードや磁気カード、または
操作パネルに設けたメニユースイツチなどを操作
することによつて、制御装置の働らきで使用者が
選んだメニユーに適した加熱方法、加熱温度、加
熱時間を自動的に選択する食品加熱装置が普及し
ている。しかし、加熱方法や加熱時間などを自動
セツトできるのは一定の分量の場合のみである。
たとえば４人前の分量が自動セツトされる場合に
ついてみれば、２人前を作りたい使用者には使用
できないという大変不便なものであつた。また、
万一、４人前の自動セツトされた加熱条件で、２
人前の加熱調理を実行すると、食品は加熱しすぎ
て食べられなくなるという問題があつた。

本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、加熱機能と加熱時間が
一定の分量に対して自動設定される便利さに加え
て、簡単な方法で自動設定の内容を一部変更可能
にし、さらに実用的で使いやすい食品加熱装置を
提供することにある。

上記目的を達成するために本発明は、加熱機
能、加熱時間や加熱温度を自動設定する手段と、
加熱時間や加熱温度を手動設定するタイマーや温
度調節器と、それら手動設定手段の操作時その旨
を表示する表示手段を有し、加熱機能、加熱時
間、加熱温度の自動設定後手動操作用タイマーや
温度調節器を操作することによつて、自動設定さ
れた加熱時間を変更可能にし、かつそれら手動設
定手段の操作のあつたことを示す表示手段が動作
するようにしたものである。

以下、本発明を実施例とともに説明する。

図において、１は穿孔の位置の組合せによつて
加熱調理条件を記録した調理カードで、印刷され
た合成紙や耐水紙と硬質塩化ビニールシートを積
層加工して作られたシート状のもので、第３図に
示す如く、カード上部に穴が２列に穿設してあ
る。これらの穴の位置は、カード１がカードホル
ダ３に装填された際、パネル側に設けられたセレ
クトキー２の各々と対向する部位にあつて、セレ
クトキー２の押圧操作を穴の有無で選択操作す
る。上段の穴列１−１は高周波加熱、グリル加
熱、オーブン加熱等の加熱機能の選択、および加
熱温度を設定するためのものである。下段の穴列
１−２は加熱時間を設定するためのものである。
１−３は料理グループ別に分類された色分け部で
あり、１−４は、料理の名称を示す欄、１−５は
料理の写真欄、１−６は、加熱時間の表示欄で、
料理の分量ごとにマークと分量が表示してある。
第３図に示したカードにあつては、線枠でかこん
である４個の分量の時間が自動セツトされるよう
になつている。その他の分量のマークは自動セツ
トとは関係なく、手動で合わせるためのマークで
ある。１−６ａは温度表示欄で、温度表示の必要
のあるメニユーについてはここに温度が表示され
る。カード１の最下部隅部にＣカツト１−７が、
また中央部に切欠き１−８が形成されており、第
４図に示したカードホルダ３の下部対応位置に設
けられた傾斜部３−６および凸部３−７に相対す
る。これらの構造は、カード１の裏表逆の装填
や、正規のカード以外のものの装填の防ぎ、セレ
クトキーの誤操作を防止するためのものである。
カード１の裏面には、料理の作り方、材料、容
器、付属品の使い方等調理法に関する事項が記載
されている。（図示せず） カード１を装填するカードホルダ３は第１図、
第２図、第４図、第５図の如くの構造で、不透明
なプラスチツク材よりなる枠３−１と、透明なプ
ラスチツク材よりなるフアインダ３−２と、カー
ドホルダをパネル側に押しつける際のプツシユハ
ンドル３−８で構成されている。カードホルダ３
にカード１を装填すると、カード１の料理名１−
４、料理の写真１−５、分量ごとの時間表示１−
５および温度表示１−６ａがフアインダを通して
見えるようになつている。枠３−１の裏側はカー
ド１が楽に装填抜去できる構造としてあり、３−
３は傾斜面により構成されたカード装填ガイド、
３−４は本体パネル奥に取付けられたヒンジ装置
４への取付部、４−１はヒンジ支点である。カー
ドホルダ３のフアインダ３−２には通し穴３−５
が設けられており、パネルに設けられている手動
用セレクトボタン６をカードを装填しない状態に
おいて操作可能にしている。カードホルダ３の上
部において、カード１の２列の穴１−１，１−２
に対応する部位の裏側には、凹部３−９，３−１
０が形成されており、カードホルダ３をパネルに
押し付けたときに対向するセレクトキー２頭部が
この凹部内へ入るようになつている。

５はセレクトキー群２やスイツチ群を搭載した
スイツチ組で、このスイツチ組５の説明を第５図
および第６図を用いて説明する。第５図はスイツ
チ組の正面図で、第６図は第５図のＡ−A′線に
おける断面図である。スイツチ組は合計16個のセ
レクトキー群２と、それらセレクトキー群２の
個々の動作に応じてコイルバネ５−２を介して開
閉操作されるスイツチ群で構成される。スイツチ
の個々はプリント基板５−１に取付けられ、コン
タクトラバー５−３およびそのカバー５−４より
構成される。上段の９個のセレクトキーの内５個
はセレクトボタン６と一体になつていて、支点５
−５を中心に動作し、左右両側の２個のキーには
手動操作ボタンを設けておらず、カード１または
カードホルダ３によつてのみ操作される。また、
上段の残りの２個のキーと下段の７個のキー群は
つばの付いた円柱状をしている。５−６はケーシ
ングである。

セレクトキー群２は高周波加熱、スチーム加
熱、グリル加熱、オーブン加熱の中から単独機能
の選択、あるいはそれらを適宜組み合わせて選択
を行うものの他、場合によつては、加熱温度を設
定するための機能キーである２−ｆ１，２−ｆ
２，２−ｆ３，２−ｆ４，２−ｆ５と、加熱時間
を設定するための時間キー２−ｔ１，２−ｔ２，
２−ｔ３，２−ｔ４，２−ｔ５と、カードホルダ
３の押圧操作時にカード１の有無を検出するカー
ド検知キー２−ｃ１，２−ｃ２と、カード１の持
つ情報の制御回路への取込みのタイミングを与え
るかあるいはカード１を用いない場合に温度セン
サーの動作により被加熱物の温度を検出して加熱
を自動化した自動調理の指示を制御回路へ与える
ための自動取込キー２−ｓ１，２−ｓ２と、誤動
作防止用のパリテイーキー２−ｐ１，２−ｐ２と
で構成される。

この実施例では、機能キー２−ｆ１はマイクロ
波強加熱選択用、２−ｆ２はマイクロ波弱加熱選
択用、２−ｆ３はスチーム加熱選択用、２−ｆ４
はグリル加熱選択用、２−ｆ５はオーブン加熱選
択用のもので、これらはいずれも手動操作用のセ
レクトボタンと一体動作する。なお、カード１に
よりオーブン加熱が選択されるときは、２−ｆ
２，２−ｆ３，２−ｆ４の３つのキーは３ビツト
の加熱温度設定キーとして動作するよう内蔵のマ
イクロコンピユーターにプログラムしておく。カ
ード検知キーの２−ｃ１と２−ｃ２は電気的に並
列に構成されていて、自動取込キー２−ｓ１と２
−ｓ２は電気的に直列に接続されている。万一、
カードホルダ３がねじれて押圧された場合でも、
上述のカード検知キー２−ｃ１または、２−ｃ２
のいずれかがいち早くカード１の有無を検知し、
また自動取込キー２−ｓ１と２−ｓ２が両者共接
続しない限り正常動作に入らないようにしたもの
である。自動取込キー２−ｓ１と２−ｓ２はスイ
ツチ組５の両脇に分散して設けられ、カードホル
ダ３がねじれて押圧された場合でも、それら二つ
のキーが共に操作されたときには、その他の被操
作キーが確実に操作され済みであるよう考慮して
配置されている。

パリテイーキー２−ｐ１と２−ｐ２は、カード
１によりキー入力する場合に、セレクトキーの動
作する数をチエツクし、誤動作を避けるために適
宜動作させるものである。カードホルダ３の自動
取込キー２−ｓ１と２−ｓ２に相対する部分は、
他のセレクトキーと相対する部分とは逆に凹部を
形成せず、カードホルダの押圧操作時には必らず
操作されるようになつている。この構造はまたカ
ードホルダ３に復元力を与え、押圧をやめた場合
にスイツチ群が押されたまゝにならないようにす
る役目も有する。自動取込キーのスイツチを動作
させるコイルバネ５−２とその操作部との間には
寸法Ｌ（約１mm）の遊びを設けてある。

次に各キーの突出高さについて説明すると、第
６図に示す基準面Ｆからの高さは、両脇の自動取
込キー２−ｓ１，２−ｓ２が最も高く4.6mmに、
次いでカード検知キー２−ｃ１，２−ｃ２は4.3
mmに、そしてその他のキーは4.0mmになつている。
また、スイツチの動作力については、カード検知
キー２−ｃ１，２−ｃ２をその他のキーに対して
軽く、自動取込キー２−ｓ１，２−ｓ２をその他
のキーに対して重くしてある。前述のキー突出高
さの違いとスイツチの動作力の違いの相互作用
で、スイツチ動作に明確に順序付けがなされるよ
うになつていて、最初にカード検知キー２−ｃが
動作し、続いて機能キー２−ｆ、時間キー２−
ｔ、パリテイーキー２−ｐ、最後に自動取込キー
が動作するようになつている。コイルバネはすべ
て同じ仕様のものが使用されている。

この他、７は選択選定された加熱機能や加熱時
間、加熱温度等を表示する表示窓、８は調理スタ
ートボタン、９は調理の開始を表示する調理ラン
プ、１０は加熱機能の選択をやり直すときや調理
途中で停止させる場合に用いる取消ボタン、１１
は５ビツトのコードスイツチで手動設定用のタイ
マーであり、自動セツトされた加熱時間を好みや
被加熱物の分量に応じて調節する場合にも用いる
タイマー、１２は５ビツトのコードスイツチで、
手動設定用の温度調節器であり、自動セツトされ
た加熱温度を好みによつて調節する場合にも用い
る温度調節器である。また１１−１はタイマー指
針のランプであり、１２−１は温度調節目盛、１
２−２は温度調節目盛の照明用ランプである。

１３はマイクロコンピユータを内蔵した制御装
置であり、第７図にその動作の一部をフローチヤ
ートを示す。

第７図を用いて制御装置の動作を説明すると、
カード１をカードホルダ３に入れ、プツシユハン
ドル３−８を押圧すると、カード検知キー２−ｃ
１，２−ｃ２のいずれかまたは両方が動作し、続
いて機能キー２−ｆ、時間キー２−ｔ、パリテイ
ーキー２−ｐが動作し、最後に自動取込キー２−
ｓ１と２−ｓ２の両者が動作する。ここで制御装
置内のマイクロコンピユーターによりパリテイー
チエツクされ、不良の場合には表示窓７にエラー
表示(E)を表示し、以後取消ボタン１０の入力以外
は受付けない状態となる。パリテイーチエツクで
OKとなると、表示窓７にはカードによつて選択
設定された加熱機能、温度、時間を表示し、スタ
ートボタン８を押せば加熱が実行できる状態とな
る。ここで、使用者が食品の分量のちがいや好み
によつて自動セツトされた加熱時間を変更すべく
タイマーを動かした場合、タイマーが２コード以
上動いた時点でタイマー指針のランプが点灯し、
タイマーの指示によつて自動セツトされた加熱時
間が変更され、表示窓に表示される。また、使用
者が食品のこげ色を強くするために温度調節器１
２を動かした場合、温度調節器１２が２コード動
いた時点で温度調節目盛の照明用ランプが点灯
し、温度調節目盛がライトアツプされ、温度調節
器の指示によつて自動セツトされた加熱温度が変
更され、表示窓に表示される。以後スタートボタ
ン８を押せば、使用者が変更した内容で加熱が実
行される。

一方、カード１を用いないで手動で加熱しよう
とする場合には、カード検知キー２−ｃ１，２−
ｃ２は操作されず、セレクトボタンの操作によつ
て機能キー２−ｆが操作される。次に制御装置は
温度調節の必要なオーブン機能であるかどうかを
チエツクし、オーブン機能である場合にはタイマ
ー１１と温度調節器１２を操作する必要があるの
で、タイマー指針ランプ１１−１が点灯し、温度
調節目盛１２−１がライトアツプされる。オーブ
ン機能以外のときには、温度調節器を操作する必
要がなく、タイマーのみ操作すればよいので、タ
イマー指針ランプ１１−１のみが点灯する。

次に、カード１を用いて調理する場合の動作を
説明する。カードとしてはマイクロ波強加熱とグ
リル加熱の組み合わせのものを用いる。第３図に
示すカード１をカードホルダ３に挿入し、カード
ホルダの上部のプツシユハンドル３−８を押す
と、まずカード検知キー２−ｃ１，２−ｃ２が同
時かまたは順々に操作され、続いてカード１の穴
部１−１，１−２の穴のあいていない部分に相対
する機能キー２−ｆ１，２−ｆ４、時間キー２−
ｔ２，２−ｔ３がONし、最後に自動取込キー２
−ｓ１，２−ｓ２がONする。これを受けて制御
装置１３は加熱機能と加熱時間を表示窓７に表示
する。スタートボタン８を押すと調理ランプ９が
点灯し、カード１で指示した通りの調理が行なわ
れる。すなわち、マイクロ波強加熱によつて急速
加熱が行なわれた後、強い上火のグリル加熱でこ
げ目がつけられ、所定の時間後調理が完了するの
である。カードによる上述の自動セツトは、被加
熱物のある基準とするところの量に対するもので
あるから、それ以外の量を調理する場合には、タ
イマー１１を２コード（本実施例では約４mm）以
上動かずとタイマー指針ランプ１１−１が点灯
し、このタイマー指針ランプ１１−１をカード１
の分量別の時間印に合わせればよい。このタイマ
ーの調節は分量調節以外に、好みによつて仕上り
状態を調節する場合にも有効である。

なお、料理の種類が変つてオーブン加熱を行う
ときには、加熱温度が自動設定されることとなる
が、この場合には被加熱物の仕上がりの好みに応
じて温度調節器１２を２コード以上動かすと、温
度調節目盛１２−１がライトアツプされ、温度調
節目盛に合わせることによつて、加熱温度を変更
することができる。

以上説明したように、本発明によれば、加熱機
能、加熱時間、加熱温度を自動設定し、定められ
た量ならばワンタツチで手軽に調理を楽しめるよ
うにした他、自動設定後も手動設定用のタイマー
や温度調節器を操作することによつて加熱時間を
変更可能にしたので、自動設定される被加熱物の
分量以外でも簡単に調理できるようになり、非常
に実用的で使い勝手は著しくすぐれている。また
自動設定される分量の場合でも好みによつて時間
温度を変更できることも大きな特長である。ま
た、手動設定用のタイマーや温度調節器を用いた
ので、別に分量や好みの調節用のスイツチを設け
る必要はなく、コストは安く、操作パネルに余分
なツマミを設ける必要がなくなるので、非常に効
果は大である。さらに自動設定された加熱時間や
温度をタイマーや温度調節器にて変更した場合に
は、それら手動設定操作手段によつて変更が加え
られている旨の表示を設けたので使用者は明確に
判断でき、誤使用による調理の失敗は解消され
る。

なお、本実施例は穿孔カードを用いて加熱機
能、加熱時間を自動設定する方法について述べた
が、カードは磁気カードでもよいことはいうまで
もない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による食品加熱装置の操作パネ
ルを表わす図、第２図は第１図の断面図、第３図
はカードの一例を示す図、第４図はカードホルダ
ーの詳細図、第５図はスイツチ組の詳細図、第６
図は第５図の断面図で、第７図は制御装置の動作
の一部のフローチヤートである。 １……カード、２−ｆ……カード検知キー、２
−ｓ……自動取込キー、５……スイツチ組、３…
…カードホルダー、７……制御装置、１１……タ
イマー、１１−１……タイマー指針ランプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数の加熱機能の中から単独もしくは複数を
   選択するとともに加熱時間や加熱温度を選択して
   設定するためのセレクトキー群およびそれらキー
   群に応動するスイツチ群からなるスイツチ組を有
   しかつ該スイツチ組が穿孔カードによつて押圧操
   作されることにより前記カードのもつ情報を制御
   回路に対して自動設定する自動設定手段と、該自
   動設定手段により設定された加熱時間や加熱温度
   を手動で変更するための手動設定操作手段と、そ
   して該手動設定操作手段の操作があつたときにそ
   の旨表示する表示手段とで構成されたことを特徴
   とする食品加熱装置。