JPH0122419Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、苗植付装置に、後部軸芯周りで上下
揺動自在、且つ、前記軸芯位置を上下位置調節可
能に支持フロートを取付けるとともに、車輪通過
跡に作用する整地具を対苗植付装置上下位置変更
可能に且つ下降付勢して設けた田植機に関し、そ
の目的は、特別な操作を行なうことなしに整地具
にて常に良好な整地を行なわせるようにせんとす
るものである。

さらに詳述すると、上記田植機は、植付圃場の
泥の硬軟に応じて支持フロートを上下位置調節さ
せることができるようにして、泥の硬軟変動によ
り硬い時ほど泥中に浅く突入することになるフロ
ートの泥中への沈み込み量の変動に拘らず、苗植
付装置の対泥面高さを設定範囲内に維持させて植
付深さの安定化を図ることができるようにすると
ともに、車輪通過跡に作用する整地具を泥面の凹
凸に追従して上下位置変動できるようにして、良
好な整地を行なわせることができるようにしたも
のであるが、従来では、接地状態における整地具
下降付勢力を常に一定に維持させるようにしてい
たため、例えば泥が硬い時に泥を押圧する作用が
不足して所望の整地を行なえなくなつたり、逆
に、泥が軟い時に泥を強く押圧し過ぎてかえつて
泥面を乱してしまうような虞れがあり、本考案
は、このような問題を解消せんとするものであ
る。

本考案による田植機は、冒記構造のものにおい
て、前記フロートの後部軸芯を上方に位置させる
ほど、前記整地具の下降付勢力を増大させ、下方
に位置させるほど前記下降付勢力を減少させるよ
うに前記フロートと前記整地具の下方付勢力変更
機構とを連係させてあることを特徴とする。

すなわち、フロートと整地具の下方付勢力変更
機構を連係させて、泥が硬いほどフロートを上方
に位置させるに伴い接地状態における接地具下降
付勢力を自動的且つ可逆的に増大させるようにす
るから、特別な操作を要することなしに接地具下
降付勢力を泥が硬い時ほど増大させることができ
るのである。しかも、フロート後部の揺動枢支点
の上下位置調節に応じて整地具の下降付勢力を変
更させるので、泥の硬軟に伴うフロートの沈み込
み量の差を相殺して植付け深さを一定範囲に設定
するための変位量に対応して接地具下降付勢力を
調節できることになり、もつて、冒記問題を特別
な操作を要しない構造で解消し、一層便利に使用
することが可能な田植機を得るに至つた。

以下本考案の実施の態様を例示図に基づいて詳
述する。

第１図及び第２図に示すように、機体後部に、
６枚のマツト状苗を横方向に並べて載置した状態
で横往復移動する傾斜苗のせ台１、上下に循環作
動しながら前記マツト状苗夫々の下端部より順次
一株分づつの苗を取出して植付ける６個の植付爪
２……等を備えた苗植付装置３を設け、機体前部
に、機体前後方向視にて、前記６個の植付爪２…
…のうちの横端部のものとそれに隣接位置するも
のとの間に位置させる駆動回転可能な左右一対の
後輪４，４、機体前後方向視にて前記６個の植付
爪２……のうちの横外端から内方に向つて２個目
のものと３個目のものとの間に位置させる向き変
更操作可能で且つ駆動回転可能な左右一対の前輪
５，５等を備えた乗用車体を設けるとともに、前
記苗植付装置３を、前記車体に対して平行四連リ
ンク機構６を介して昇降可能に連結し、前記平行
四連リンク機構６をその伸長作動により前記車体
に対して押上げる苗植付昇降操作用油圧シリンダ
７を設けるとともに、前記油圧シリンダ７と前記
リンク機構６とを、両者の相対接近離間を許す融
通を有せしめた状態で且つスプリング８にて離間
がわに付勢させた状態で連結し、前記苗植付装置
３に、横方向に並置させた状態で３個のフロート
９……を取付け、もつて、前記苗植付装置３を、
前記フロート９により泥面に対して支持する作用
と前記スプリング８にて車体に対して弾性支持す
る作用との共働で泥面に対する適正高さに支持し
ながら進行するに伴い順次６条の苗を植付るべく
構成し、且つ、泥面から耕盤までの深さ変動に応
じて油圧シリンダ７を用いてリンク機構６を昇降
調節することにより、車体の泥中への沈み込み量
の変動に拘らず苗植付装置３を適正状態で支持で
きるように構成してある。

前記苗植付装置３に前記３個のフロート９を取
付けるに、第３図イ，ロ及び第４図に示すよう
に、前記苗植付装置３に軸心Ｘ周りに回転可能に
支承された横軸１０に３個の上下揺動アーム１１
……を取付け、これらアーム１１の遊端部夫々
に、前記各フロート９……の後端部を同一横軸心
Ｙ周りに上下揺動自在に枢支し、前記横軸１０
を、所望の揺動位置で案内枠１２に係止保持可能
な揺動レバー１３にて軸心Ｘ周りに回転操作可能
構成するとともに、前記フロート９……のうちの
中間部のもの９ａの前端部を、苗植付装置３に横
軸心Ｚ周りに上下揺動可能に枢支され、且つ、前
記上下揺動アーム１１が上方へ揺動されると上方
に揺動される状態に前記横軸１０とリンク機構１
４を介して連係された上下揺動アーム１５に対し
て、屈伸可能なリンク機構１６を介して連結する
とともに、前記フロート９……の両横端部のもの
９，９の前端部を、前記苗植付装置３に対して屈
伸可能なリンク機構１７，１７を介して連結し、
もつて、前記フロート後端部軸芯Ｙの苗植付装置
３に対する上下位置を、前記レバー１３にて変更
調節可能に構成してある。従つて、実質的に苗植
付装置３を泥に対して支持し、且つ、泥の硬軟変
動により硬い時ほど浅く泥中に突入することにな
るフロート後端部の沈み込み量の変動を苗植付装
置３に対する上下位置変更により相殺させて、植
付深さを所望深さに維持できるようにしてある。

前記中間部のフロート９ａの前端部を揺動アー
ム１５に対して支持する屈伸リンク機構１６と前
記油圧シリンダ７の制御弁（図示せず）とをワイ
ヤ２２にて連係し、フロート９ａの上下揺動位置
が適正位置にあると、前記シリンダ７を油圧ロツ
ク状態に、適正位置から上方がわに外れると前記
油圧シリンダ７を前記リンク機構６を上昇させる
伸長作動状態に、適正位置から下方がわに外れる
と前記油圧シリンダ７を前記リンク機構６を下降
させる短縮作動状態に自動的に切換えるように構
成してある。要するに、車体の泥中への沈み込み
量の変動をフロート９ａの上下揺動により検出さ
せながら前記シリンダ７を自動的に伸縮作動させ
て、シリンダ７に対する操作を省略させるように
してある。

前記後輪４，４の通過跡を前記両横端部のフロ
ート９，９にて整地させるべく構成するととも
に、前記前輪５，５の通過跡に作用する左右一対
の板状整地具１８，１８を、第３図イ，ロ及び第
４図に示すように、前記上下揺動アーム１５に固
着した杆状体１９の左右端部に、上下揺動可能に
且つつる巻スプリング２０，２０にて下降付勢し
て取付け、もつて、前記フロート後端部を上方に
位置させるほど非接地状態における整地具１８，
１８の対苗植付装置下端位置を下方に位置させ、
且つ、泥面に対する交差角を大となるように傾斜
させるとともに、フロート後端部を下方に位置さ
せるほど、前記下端位置を上方に位置させて泥面
に対する交差角を小となるよう傾斜させるように
構成してある。このようにして、整地具１８の対
泥面付勢力を、フロート後端部の相対上昇に伴い
増大させ、且つ、下降に伴い減少させることが、
特別の操作なしに行えることになつた。

又、前記つる巻スプリング２０の一端部を、前
記杆状体１９に付設の係止枠２１に対して位置変
更操作可能に係止させ、もつて、スプリング端部
の位置変更操作により整地具下降付勢力の初期値
を変更調節できるように構成してある。

又、実施例では、整地具１８を対苗植付装置上
下位置変更可能に設けるに、上下に揺動させる形
態のものを例示したが、平行姿勢で上下に位置変
更させる形態に構成する等、他の形態で実施して
もよい。

又、実施例では、付勢力変更機構を構成する
に、前記整地具１８を、付勢力変更のために対苗
植付装置上下位置変更される支持部材としての杆
状体１９に、上下位置変更可能な状態で且つ下降
付勢させた状態で取付けるものを例示したが、例
えば実施例におけるつる巻スプリング２０をフロ
ート９……と連係させて直接操作するようにする
等、他の形態で実施してもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機の実施例を示し、第
１図は乗用型田植機の側面図、第２図は同機の概
略平面図、第３図イ，ロは整地具装着部の側面
図、第４図は同部の平面図である。 ３……苗植付装置、９，９ａ……フロート、１
８……整地具、１９……支持部材、Ｙ……軸芯。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 苗植付装置３に、後部軸芯Ｙ周りで上下揺動
   自在、且つ、前記軸芯位置を上下位置調節可能
   に支持フロート９，９ａを取付けるとともに、
   車輪通過跡に作用する整地具１８を、前記苗植
   付装置３に対する上下位置を変更可能に且つ下
   降付勢して設けた田植機であつて、前記フロー
   ト９，９ａの後部軸芯Ｙを上方に位置させるほ
   ど、前記整地具１８の下降付勢力を増大させ、
   下方に位置させるほど前記下降付勢力を減少さ
   せるようにフロート９，９ａと整地具１８の下
   方付勢力変更機構とを連係させてあることを特
   徴とする田植機。 ２ 前記付勢力変更機構を構成するに、前記整地
   具１８を、付勢力変更のために対苗植付装置上
   下位置変更可能に設けた支持部材１９に対し
   て、上下位置変更可能な状態で且つ下降付勢さ
   せた状態で取付けてあることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載の田植機。