JPH0122120B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、輪転機で印刷された紙、すなわち印
刷紙をカツタ胴とカツタ受け胴に導き、カツタ刃
とカツタ受けゴムにより切断し、折り畳み部に搬
送する輪転印刷機のバリアブル折り機におけるカ
ツタ装置に関する。

〔発明の背景〕

第１図に輪転印刷機のバリアブル折り機におけ
る従来のカツタ装置を示す。

この第１図に示すカツタ装置では、印刷紙１を
カツタ胴２とカツタ受け胴３の間に導き、カツタ
刃４とカツタ受けゴム５により切断し、この切断
された印刷紙１を２個一対の紙はがしガイド６，
７により排紙テープ８，９の間に導き次工程であ
る折り畳み部（図示せず）に送り込むようになつ
ている。

カツタ胴２とカツタ受け胴３には、それぞれそ
の表面に所定の間隔で軟質ゴム部材が巻付けられ
ている。そして、カツタ胴２とカツタ受け胴３
は、印刷紙１の厚さより若干大きく、各胴２，３
に巻付けられた軟質ゴム部材の間隔が印刷紙１の
厚さより小さくなるように配置され、軟質ゴム部
材で印刷紙１を挾んで送るようになつている。し
たがつて、各胴２，３からの軟質ゴム部材の突出
量は、印刷紙１の厚さ程度になつている。

一方、印刷紙１は、多数のローラに案内されて
カツタ装置に送り込まれる。このため、ローラと
の摩擦により静電気を滞電している。

このため、カツタ刃４とカツタ受けゴム５によ
つて切断された印刷紙１の始端が、カツタ胴２
（あるいはカツタ受け胴３）に静電吸着により密
着して、カツタ胴２と紙はがしガイド６（あるい
は、カツタ受け胴３と紙はがしガイド７）の間に
入り込んで、次の折り機へ送れないことがあつ
た。また、このようなことがくり返し発生する
と、各胴２，３と紙はがしガイド６，７の間で紙
詰りが生じるなどの欠点があつた。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、前記従来技術の欠点をなく
し、印刷紙の断裁精度を向上でき、かつ紙詰まり
を防止し得る輪転印刷機のバリアブル折り機にお
けるカツタ装置を提供するにある。

〔発明の概要〕

本発明は、印刷紙をカツタ胴とカツタ受け胴間
に導き、カツタ刃とカツタ受けゴムにより切断
し、折り畳み部に搬送する装置において、前記カ
ツタ胴の外周とカツタ受け胴の外周に、それぞれ
軟質ゴム部材を取り付けるとともに、前記カツタ
胴とカツタ受け胴の直後に、ローラ軸にそれぞれ
ブラシローラとプーリとを配列しかつプーリ走行
テープを掛け回して構成されていて印刷紙を挾ん
で搬送する２個一対の搬送ローラを設置したとこ
ろに特徴を有するもので、この構成により前記目
的を確実に達成することができたものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を第３図および第４図
により説明する。

これらの図に示すカツタ装置は、カツタ胴１
０、カツタ受け胴１１、カツタ刃１４、カツタ受
けゴム１５、２個一対の搬送ローラ１６，１７と
を備えている。

前記カツタ胴１０の外周には、紙幅方向に間隔
をおいて複数条の溝が形成され、各溝にはスポン
ジゴム等の軟質ゴム部材１２が嵌合されかつ貼り
付けられている。

前記カツタ受け胴１１の外周には、前記カツタ
胴１０の溝に対応する位置に複数条の溝が形成さ
れ、各溝にスポンジゴム等の軟質ゴム部材１８が
嵌合されかつ貼り付けられている。

また、前記カツタ胴１０とカツタ受け胴１１と
は互いに反対方向に同期回転駆動され、前記軟質
ゴム部材１２，１３間に印刷紙１を挾み、一定の
テンシヨンを与えつつ送り込むように構成されて
いる。

前記カツタ刃１４とカツタ受けゴム１５とは、
前記カツタ胴１０とカツタ受け胴１１とにより送
られて来た印刷紙１を所定長さに切断するように
なつている。

前記搬送ローラ１６，１７のうちの一方の搬送
ローラ１６は、単一のローラ軸１８にブラシロー
ラ２０とプーリ２２とを交互に配列して構成され
ている。

また、前記プーリ２２とその後方に配置された
抑えプーリ２４と中間プーリ２６ａ，２６ｂ，２
６ｃ間にはエンドレスの走行テープ２８が掛け回
されており、この走行テープ２８の往き側の後半
部は折り胴３０の外周の一部に沿つて張設されて
いる。他方の搬送ローラ１７は、単一のローラ軸
１９に前記ブラシローラ２０とプーリ２２に対応
させて、ブラシローラ２１とプーリ２３とを交互
に配列して構成されている。さらに、前記プーリ
２３とその後方において前記抑えプーリ２４に対
応させて配置された抑えプーリ２５と中間プーリ
２７間にはエンドレスの走行テープ２９が掛け回
されている。そして、２個一対の搬送ローラ１
６，１７ではローラ軸１８，１９が互いに反対方
向に同期回転駆動されるに伴い、前記カツタ刃１
４とカツタ受けゴム１５により切断された印刷紙
１をブラシローラ２０，２１に引き込み、走行テ
ープ２８，２９間で挾み付け、折り畳み部として
の折り胴３０に搬送するように構成されている。

なお、第２図中３１は咥胴を示す。

前記実施例のカツタ装置は、次のように作用す
る。

すなわち、印刷紙１は、軟質ゴム部材１２，１８
間に挾まれ、カツタ胴１０、カツタ受け胴１１の
回転により折り胴３０側へ送り出される。そし
て、カツタ胴１０とカツタ受け胴の回転により、
カツタ刃１４がカツタ受けゴム１５を押すことに
より、カツタ刃１４とカツタ受けゴム１５に挾ま
れた印刷紙１を切断する。

さらに、カツタ胴１０とカツタ受け胴１１が回
転し、印刷紙１を折り胴３０側へ送り出す。この
とき、印刷紙１に滞電した静電気により、印刷紙
１がカツタ胴１０（もしくはカツタ受け胴１１）
に密着して巻付いて送られると、ブラシローラ２
０（もしくはブラシローラ２１）により、カツタ
胴１０（もしくはカツタ受け胴１１）からはがさ
れ、走行テープ２８，２９間に送り込まれる。そ
して、印刷紙１の始端が、抑えプーリ２４，２５
の間に送り込まれると、印刷紙１は抑えプーリ２
４，２５に引張られ、カツタ胴１０、カツタ受け
胴１１から送り出された印刷紙１に張力が作用す
るようになる。

この状態で、印刷紙１は再び切断され、折り胴
３０に送り込まれる。

なお、走行テープ２８を通じて折り胴３０に搬
送された印刷紙１は、折り胴３０により折り畳ま
れ、咥胴３１に引き渡される。

〔発明の効果〕

以上説明した本発明によれば、それぞれ、先端
がカツタ胴、カツタ受け胴に接するブラシローラ
を設けたので、カツタ胴やカツタ受け胴に巻付い
た印刷紙の始端を、カツタ胴やカツタ受け胴から
引剥し、折り胴側へ送ることができるので、印刷
紙を折り胴へ確実に送ることができる。また、紙
詰りを完全に防止することができるなどの効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のカツタ装置を示す正面図、第２
図は本発明の一実施例を示す正面図、第３図はカ
ツタ胴とその直後に設置された搬送ローラの側面
図である。 １……印刷紙、１０……カツタ胴、１１……カ
ツタ受け胴、１２，１３……軟質ゴム部材、１４
……カツタ刃、１５……カツタ受けゴム、１６，
１７……搬送ローラ、１８，１９……ローラ軸、
２０，２１……ブラシローラ、２２，２３……プ
ーリ、２８，２９……走行テープ、３０……折り
畳み部としての折り胴。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ カツタ刃と、所定の間隔で円周方向に巻付け
   られた複数の軟質ゴム部材を備えたカツタ胴と、
   前記カツタ刃を受けるカツタ受けゴムと、所定の
   間隔で円周方向に巻付けられた複数の軟質ゴム部
   材を備えたカツタ受け胴とを、各胴の軟質ゴム部
   材が印刷紙を挾持するように、各胴が配置され、
   各胴の排出側に、それぞれ各胴と平行に配置され
   た複数のローラに所定の間隔で掛渡されたテープ
   を備えた輪転印刷機のバリアブル折り機における
   カツタ装置において、前記各ローラのうち、それ
   ぞれ前記各胴に最も近いローラに、それぞれ先端
   が対応する胴の表面に接するように、複数のブラ
   シローラを所定の間隔で設けたことを特徴とする
   輪転印刷機のバリアブル折り機におけるカツタ装
   置。