JPS592049Y2 - 輪転印刷機の排紙装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は輪転印刷機の排紙装置の改良に関する。

輪転印刷機で印刷を完了したウェブは、一般に縦に二つ
折りにされるかまたはそのままで進行方向を変えてから
、排紙装置に導入される。

この排紙装置の概要は第１図に示すとおりで、導入され
たウェブ１はまず載断胴１１と裁断受胴１２の間を通る
。

そして、載断胴１１のナイフ１３が裁断受胴１２の切刃
受１０と接する位置にくると、ウェブ１は横に切断され
てシート２となる。

このシート２は搬送ベルト１４で挾持されて羽根車１５
に送られ、さらにこの羽根車１５の回転によって進行方
向を変えたのち、排紙コンベア１６の上面に重ねられて
いく。

ところで、羽根車１５に投入されるシート２は、羽根車
１５の構成上、その間隔をあけておかねばならない。

そこで従来では搬送ベルト１４をウェブ１に対し１２５
％程度の高速で走行せしめ、この速度差によってシート
２の間隔を設けるようにしている。

しかしながら、裁断前のウェブ１は高速搬送ベルト１４
との間で滑りながら搬送されているため、搬送ベルト１
４の押圧力が強過ぎるときは、ウェブ１の破断が生じ、
また裁断時のバックテンションはウェブ１の巻き付けを
起し易い。

逆に搬送ベルト１４の押圧力が弱い場合は、ウェブ１の
たるみによる裁断不良が生じたり、あるいは搬送遅れに
よる羽根車１５との時期ズレに起因して紙詰り等が生じ
たりする。

したがって従来では搬送ベルト１４の押圧力の調整に微
妙な技術が要求され、手間がかかる問題があった。

この考案は搬送ベルトによるシートの高速搬送において
、上述した面倒な押圧力の調整を必要としない輪転印刷
機の排紙装置を提供する。

この考案の排紙装置は、ウェブの進行方向に回転し、切
断機構の手前近傍の胴外周にブラシを設けた載断胴およ
び裁断受胴と、これら胴の後段に対に配設され、上記ウ
ェブを挾持しながら搬送する搬送ベルトと、該ベルトに
よって回転自在に配設され、上記載断胴および受胴の外
周に接触し、幕間距離が調節可能な対のブラシローラと
、上記載断胴および受胴の後段で上記ウェブの裁断長範
囲内に配設され、上記搬送ベルトと同速で上記載断胴お
よび受胴と同期回転し、外周に部分的に弾性体を巻きつ
けたタイミング口〜うと、このローラと対向し、上記搬
送ベルトと同速回転する引張ローラと、上記搬送ベルト
の後段に配設される羽根車および排紙コンベアと、から
なることを特徴とする。

以下、一実施例の横路につき、図面を参照しながら詳し
く説明する。

第２図において、２１は載断胴１１および裁断受胴１２
と同径で同期回転可能なタイミングローラである。

このタイミングローラ２１は軸２３を支点としてアーム
２２に支持され、バネ２４とツマミ２５によりウェブ１
またはシート２の押圧力を調整しており、載断胴１１お
よび受胴１２の後段において、搬送ベルト１４上のウェ
ブ１の裁断長範囲内の位置に配設されている。

このタイミングローラ２１の外周にはゴム等の弾性体２
６が装着され、この弾性体２６は、裁断時にウェブ１先
端近傍を挟持し且つ切断されたシート２を確実に羽根車
１５に送り込むために、シート２の長さに応じて長さ寸
法を調節してあり、この実施例ではたとえばタイミング
ローラ２１の士の円周長に取付けである。

２７はタイミングローラ２１に対向し該ローラと同速回
転する金属製の引張ローラで、タイミングローラ２１と
ともにシート２を積極的に羽根車１５に移送するもので
ある。

一方、ナイフ１３および切刃受１０前方近傍の載断胴１
１および受胴１２の外周には、ブラシ２８が取付けであ
る。

このブラシ２８は、ウェブ１の切断時に該ウェブの先端
が胴１１．１２に巻き付くのを防止するためのものであ
る。

２９は搬送ベルト１４で回転する対のブラシローラで、
ともに載断胴１１および受胴１２の外周に接触しており
、それらの幕間距離は調節自在となっている。

そのほか、羽根車１５と排紙コンベア１６が従来と同様
に搬送ベルト１４の後段に配設されている。

このような構成の排紙装置において、載断胴１１と裁断
受胴１２の間に導入されたウェブ１は、ナイフ１３と切
刃受１０によって横方向に切断され、その結果、シート
２となって搬送ベルト１４に挾持されながら羽根車１５
に進行する。

上記裁断時には、ウェブ１の先端はタイミングローラ２
１の弾性体２６と引張ローラ２７とで挾持されており、
シート２はこれらのローラで加速されて、搬送ベルト１
４上を羽根車１５に向って搬送されていく。

以上で明らかなように、この考案では載断胴と受胴の外
周にブラシを取付けたこと、これらの胴に接触してブラ
シローラを配したこと、引張ローラおよび弾性体付きタ
イミングローラを対向させてシートを挟持せしめたこと
、などの工夫がなされているため、これまでのような搬
送ベルトの押圧力の微妙な調整は必要なくなり、シート
を効率的かつ確実に搬送することができる。

ウェブのたるみ、搬送遅れ、破断、巻き付は等を未然に
防止でき、実用上顕著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は輪転印刷機の排紙装置の概略構造を示すもので、
第１図は従来例、第２図はこの考案の一実施例を示して
いる。 １・・・・・・ウェブ、２・・・・・・シート、１１・
・・・・・載断胴、１２・・・・・・裁断受胴、１４・
・・・・・搬送ベルト、１５・・・・・・羽根車、１６
・・・・・・排紙コンベア、２１・・・・・・タイミン
グローラ、２６・・・・・・弾性体、２７・・・・・・
引張ローラ、２８・・・・・・ブラシ、２９・・・・・
・ブラシローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ウェブの進行方向に回転し、切断機構の手前近傍の胴外
   周にブラシを設けた載断胴および裁断受胴と、これら胴
   の後段に対に配設され、前記ウェブを挟持しながら搬送
   する搬送ベルトと、該ベルトによって回転自在に配設さ
   れ、前記載断胴および受胴の外周に接触し、基間距離が
   調節可能な対のブラシローラと、前記載断胴および受胴
   の後段で前記ウェブの裁断長範囲内に配設され、前記搬
   送ベルトと同速で前記載断胴および受胴と同期回転し、
   外周に部分的に弾性体を巻きつけたタイミングローラと
   、このローラと対向し、前記搬送ベルトと同速回転する
   引張ローラと、前記搬送ベルトの後段に配設される羽根
   車および排紙コンベアと、からなることを特徴とする輪
   転印刷機の排紙装置。