JPH0121410Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、両替機や券売機等のコインホツパか
ら送り出されてくる両替用あるいは釣り銭用のコ
インを、コインの取出し口へ運ぶ搬送装置の改良
に関するものである。

（考案の概要） 本考案は、搬送装置のガイド壁に寄りかかつた
コインの搬送遅れ防止のために、ガイド壁にコン
ベアの幅中心方向に突出する転倒部材を設け、前
記寄りかかつたコインをコンベア上に転倒させる
ことで、搬送遅れを防止したものである。

（従来の技術） 両替機や券売機等には、両替用あるいは釣り銭
用のコインを入れるコインホツパが装備されてお
り、コイン送給指令により所要のコイン送り出し
機構が動作し、コインはコインホツパから排出ダ
クトを経てコイン搬送装置に排出され、コインの
取出し口に運ばれてくるものである。

このような従来のコイン搬送装置として、第３
図に示すものが知られている。図において、コイ
ン排出ダクト１の下方位置には、コインを、図示
を省略したコイン取出し口に搬送するベルトコン
ベア２が設けられており、さらにこのベルトコン
ベア２の両側にはコインの転落防止用のガイド壁
５および同６が立設された構成となつている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、従来のこの種の装置において
は、コイン排出ダクト１から排出されたコインの
一部が第３図に示すように、起立してガイド壁５
又は同６に寄りかかる場合があり、このような場
合には、起立したコイン７′とガイド壁５との摩
擦等により、コイン７′とベルトコンベア２間に
相対速度差を生じ、コイン７′が他のコイン７か
ら大きく遅れて取出し口に到達することにより釣
り銭不足等のトラブルが発生し易いという問題が
あつた。

本考案は、上記従来の問題点を解決するために
なされたものであり、その目的は、コンベアに排
出されたコインの搬送状態を均一にし、極めてス
ムーズに取出し口に搬送することが出来るコイン
の搬送装置を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するために次のように
構成されている。即ち、本考案は、コインを搬送
するコンベアと、コンベアに沿設されコンベアの
両側に立設された一対のガイド壁とを有するコイ
ンの搬送装置において、両ガイド壁側からコンベ
アの幅中心方向に向つて突出するコイン転倒部材
を設けて構成したものである。

（作用） 上記構成からなる本考案において、コンベアに
排出されたコインの一部が起立した場合、その起
立したコインはガイド壁に寄りかかつたまま回転
しながら運ばれてくる。そしてこの起立したコイ
ンがコイン転倒部材に到達し、コイン転倒部材に
沿つて進行することにより、起立コインは斜め向
きに方向転換されることとなる。このとき、起立
コインの下端部はコンベアから搬送方向の力を受
け、一方、上端部は転倒部材から逆方向の反力を
受ける。この結果、起立コインに転倒モーメント
が作用し、起立コインはコンベア上に転倒する。
したがつて、この転倒されたコインは他のコイン
に対しほとんど遅れを生じることなくスムーズに
コインの取出し口に運ばれることとなる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。なお、本実施例の説明において、従来例と
同一部材には同一符号を付し、その説明を省略す
る。

本考案において、特徴的なことは、コンベア
（本実施例においてはベルトコンベア）上に起立
状態で排出されたコインを確実に転倒させるコイ
ン転倒部材が設けられていることであり、本実施
例においては、一対のコイン転倒板８および同９
がガイド壁５および同６から内側に向かつて伸設
されている。なお、このコイン転倒板８および同
９の下端面とベルトコンベア２の表面との間には
複数枚の転倒コイン７が十分通過できるだけの間
隙１０が形成されている。したがつて、本実施例
によれば、たとえコイン排出ダクト１から排出さ
れたコインが起立してガイド壁５および同６に寄
りかかつた状態で搬送された場合にも、この起立
コイン７′はコイン転倒板８および同９に到達し
コイン転倒板８および同９に沿つて進行すること
で、搬送方向に対して斜め方向に方向転換され
る。そして、この方向転換状態において、起立コ
イン７′の下端部はベルトコンベア２の搬送力に
より搬送方向の力を受け、一方、起立コイン７′
の上部はコイン転倒板８又は同９からの反力を受
ける。この結果、起立コイン７′に転倒モーメン
トが作用し、コイン７′はベルトコンベア２上に
確実に転倒する。この起立コイン７′の転倒によ
り、起立コイン７′の遅れが解消され起立コイン
７′は他の転倒コイン７に対しほとんど遅れるこ
となくコインの取出し口に搬送される。

ところで、本実施例においては、コイン転倒板
８および同９の前方位置およびコイン排出ダクト
１の後方近傍位置にそれぞれノレン板１１および
同１２が設けられている。このノレン板１１およ
び同１２は両ガイド壁および同６に架設した軸１
３および同１４に回動自在に取り付けられてお
り、このノレン板１１および同１２の下端面とベ
ルトコンベア２の表面間にはコイン７を通過させ
るための十分の間隙が設けられている。このよう
にノレン板１１および同１２を設けることによ
り、コイン排出ダクト１からコインが勢いよく飛
び出した場合にも、この飛び出したコインはノレ
ン板１１および同１２により受け止められるの
で、コイン７がコイン排出ダクト１から遠くへ飛
び散ることがなく、前記コイン転倒板８および同
９との併用によりコイン７の搬送遅れによる弊害
をより一層効果的に除去することが可能である。

（変形例） 本実施例では、コイン転倒部材をコイン転倒板
８および同９により構成したが、必ずしもこれに
限定されず、棒状部材、フレーム枠、その他これ
に類する部材をガイド壁５および同６側からベル
トコンベア２の幅中心方向に突出する構成として
もよい。

（考案の効果） 本考案は以上説明したように構成されているの
で、コイン排出ダクトから排出されたコインが起
立状態で搬送される場合においても、この起立コ
インはコイン転倒部材によりただちに転倒され、
他の転倒コインに対しほとんど遅れることなくコ
インの取出し口に運ばれることになる。したがつ
て、起立コインの搬送遅れに起立する釣り銭不足
等のトラブル発生も効果的に除去することが可能
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は第１図のＡ−Ａ断面図、第３図は従来のコイ
ンの搬送装置を示す斜視図、第４図は第３図のＢ
−Ｂ断面図である。 １……コイン排出ダクト、２……ベルトコンベ
ア、５，６……ガイド壁、７，７′……コイン、
８，９……コイン転倒板（コイン転倒部材）、１
０……間隙、１１，１２……ノレン板、１３，１
４……軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コインを搬送するコンベアと、コンベアに沿設
   されコンベアの両側に立設された一対のガイド壁
   とを有するコインの搬送装置において、両ガイド
   壁側からコンベアの幅中心方向に向つて突出する
   コイン転倒部材を設けたことを特徴とするコイン
   の搬送装置。