JPH01213599A - 反射型回折格子 - Google Patents
反射型回折格子Info
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- JPH01213599A JPH01213599A JP3852188A JP3852188A JPH01213599A JP H01213599 A JPH01213599 A JP H01213599A JP 3852188 A JP3852188 A JP 3852188A JP 3852188 A JP3852188 A JP 3852188A JP H01213599 A JPH01213599 A JP H01213599A
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Landscapes
- Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は軟X線領域で用いる反射型の回折格子に関する
ものである。
ものである。
従来の反射型回折格子としては、第6図および第7図に
示すように、基板上に矩形の凸部1や月形の溝2を周期
的に形成し、これらの凸部1又は溝2の反射面上に反射
率の高い白金や金などの金属薄膜を蒸着した回折格子が
一般的である。回折格子の回折光強度は回折光相互の干
渉と回折格子の反射面からの反射強度の積によって決ま
る。
示すように、基板上に矩形の凸部1や月形の溝2を周期
的に形成し、これらの凸部1又は溝2の反射面上に反射
率の高い白金や金などの金属薄膜を蒸着した回折格子が
一般的である。回折格子の回折光強度は回折光相互の干
渉と回折格子の反射面からの反射強度の積によって決ま
る。
従って、軟X線などの短波長光を用いた場合には、反射
面の反射率が0.1〜0.01程度に低下し、凸部1又
は溝2の反射面からの反射強度が低下してしまうため、
回折光強度も著しく低下してしまう。また、同じ回折条
件を満たす波長λと次数mの回折光はすべて同一方向に
回折してしまうため、特定の波長の単色光を得るために
は、回折格子以外に適切なフィルタおよびミラーを用い
て不必要な高次回折光を取り除かなければならなくなり
、装置全体が複雑かつ大型化してしまうという欠点があ
った。
面の反射率が0.1〜0.01程度に低下し、凸部1又
は溝2の反射面からの反射強度が低下してしまうため、
回折光強度も著しく低下してしまう。また、同じ回折条
件を満たす波長λと次数mの回折光はすべて同一方向に
回折してしまうため、特定の波長の単色光を得るために
は、回折格子以外に適切なフィルタおよびミラーを用い
て不必要な高次回折光を取り除かなければならなくなり
、装置全体が複雑かつ大型化してしまうという欠点があ
った。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、高い回折光強度が得られ、かつ
高次回折光の除去の可能な反射型回折格子を提供するこ
とにある。
の目的とするところは、高い回折光強度が得られ、かつ
高次回折光の除去の可能な反射型回折格子を提供するこ
とにある。
このような目的を達成するために本願の第1の発明は、
基板上に周期的な溝を形成することによって得られる反
射型回折格子において、異なる元素の薄膜を交互に重ね
た多層膜を反射面上に形成するようにしたものである。
基板上に周期的な溝を形成することによって得られる反
射型回折格子において、異なる元素の薄膜を交互に重ね
た多層膜を反射面上に形成するようにしたものである。
また本願の第2の発明は、基板上に周期的な溝を形成す
ることによって得られる反射型回折格子において、周期
と層数の異なる複数種の単位多層膜を反射面上に積層す
るようにしたものである。
ることによって得られる反射型回折格子において、周期
と層数の異なる複数種の単位多層膜を反射面上に積層す
るようにしたものである。
本発明による反射型回折格子においては、回折光強度が
高く、かつ高次回折光の除去が可能である。
高く、かつ高次回折光の除去が可能である。
まず本発明の概要について説明する。本発明は前述の目
的を達成するために、回折格子の反射面上に異なる元素
の薄膜を交互に重ねた多層膜を形成し、回折光強度を従
来と比べ2桁程度高くしていると同時に高次回折光の除
去を可能としている。
的を達成するために、回折格子の反射面上に異なる元素
の薄膜を交互に重ねた多層膜を形成し、回折光強度を従
来と比べ2桁程度高くしていると同時に高次回折光の除
去を可能としている。
また、本発明による回折格子の反射面上に形成される多
層膜の構成材料としてBあるいはBeを用いることによ
り40Å以下の波長領域でより高い回折光強度を得るこ
とができる。また、多層膜の構造として周期の異なる単
位多層膜を複数積層したものとすることにより、周期の
一定な多層膜構造をとった場合に比べ、より広い入射角
度範囲で高い回折光強度を得ることができる。また、こ
の効果を高めるために、各々の該単位多層膜の周期を基
板側から上に向かって順に増大した構造とすることによ
り、多層膜構成元素による軟X線の長波長側の吸収をよ
り小さくすることができる。
層膜の構成材料としてBあるいはBeを用いることによ
り40Å以下の波長領域でより高い回折光強度を得るこ
とができる。また、多層膜の構造として周期の異なる単
位多層膜を複数積層したものとすることにより、周期の
一定な多層膜構造をとった場合に比べ、より広い入射角
度範囲で高い回折光強度を得ることができる。また、こ
の効果を高めるために、各々の該単位多層膜の周期を基
板側から上に向かって順に増大した構造とすることによ
り、多層膜構成元素による軟X線の長波長側の吸収をよ
り小さくすることができる。
本発明による反射型回折格子の実施例を図面と共に説明
する。第1図は、本発明による回折格子の一実施例を示
す断面図である。本実施例は、矩形の断面形状を有する
溝数Ng、周期dgの矩形回折格子3の反射面上に、反
射層である厚さdrの重元素薄膜4とスペーサ層である
厚さdsの軽元素薄膜5とから成る周期dmの2層膜を
回折格子3の反射面側から順にNm層積層したものであ
る。この回折格子の光学特性の原理を、入射光として軟
X線を用いた場合を例に挙げて以下に説明する。
する。第1図は、本発明による回折格子の一実施例を示
す断面図である。本実施例は、矩形の断面形状を有する
溝数Ng、周期dgの矩形回折格子3の反射面上に、反
射層である厚さdrの重元素薄膜4とスペーサ層である
厚さdsの軽元素薄膜5とから成る周期dmの2層膜を
回折格子3の反射面側から順にNm層積層したものであ
る。この回折格子の光学特性の原理を、入射光として軟
X線を用いた場合を例に挙げて以下に説明する。
反射面に白金薄膜等が蒸着されている通常の溝数Ng、
周期dgの回折格子に白色軟X線を所定の入射角αで入
射した時に回折角βで回折される波長λの軟X線の強度
は、sinβ−5inα=pとした場合、第3図(a)
に示すような回折格子の各凸部からの回折光相互の干渉
を表わす関数H(p)= (1−cos (Ngx2
πxdg/λ))/(1−cos(2πxdg/λ))
と、第3図(blの曲線6に示すような単一の溝から反
射した軟X線の強度を表わす関数1o(p)との積によ
って表せることが知られている(参考文献二M ポルン
、Eウォルフ著、光学原理第8章“Pr1nciple
s ofOptics、PERGAMON PRESS
LTD、1975″)。即ち、回折された波長λの軟
X線は第3図(b)の曲線7に示す回折光強度分布を示
す。
周期dgの回折格子に白色軟X線を所定の入射角αで入
射した時に回折角βで回折される波長λの軟X線の強度
は、sinβ−5inα=pとした場合、第3図(a)
に示すような回折格子の各凸部からの回折光相互の干渉
を表わす関数H(p)= (1−cos (Ngx2
πxdg/λ))/(1−cos(2πxdg/λ))
と、第3図(blの曲線6に示すような単一の溝から反
射した軟X線の強度を表わす関数1o(p)との積によ
って表せることが知られている(参考文献二M ポルン
、Eウォルフ著、光学原理第8章“Pr1nciple
s ofOptics、PERGAMON PRESS
LTD、1975″)。即ち、回折された波長λの軟
X線は第3図(b)の曲線7に示す回折光強度分布を示
す。
本実施例の回折格子は第1図に示すような構造を有し、
回折格子の反射面上に多層膜が形成されている。所定の
周期の多層膜は所定の入射角において、所定のピーク波
長とスペクトル帯域幅から成る軟X線を高い反射率で反
射することが知られている。第3図(C)の曲線8に回
折格子の反射面上に多層膜を形成した際に得られるL(
piの分布例を示す。多層膜を形成しない場合に比べ、
著しく高い1.(P)を得ることができる。例えば、本
発明者の計算によれば、溝数2400本/ m mの矩
形回折格子の反射面上に周期dm=29人、層数Nm=
30のW/Be多層膜を形成した場合、通常の回折格子
によくみられるような反射面上に白金薄膜を蒸着した場
合と比較し、p=oにおける強度I0゜(piは波長1
0人において150倍程度である(入射角5度)。また
、回折格子の反射面上に多層膜を形成することにより、
高次の回折光を除外することが可能である。
回折格子の反射面上に多層膜が形成されている。所定の
周期の多層膜は所定の入射角において、所定のピーク波
長とスペクトル帯域幅から成る軟X線を高い反射率で反
射することが知られている。第3図(C)の曲線8に回
折格子の反射面上に多層膜を形成した際に得られるL(
piの分布例を示す。多層膜を形成しない場合に比べ、
著しく高い1.(P)を得ることができる。例えば、本
発明者の計算によれば、溝数2400本/ m mの矩
形回折格子の反射面上に周期dm=29人、層数Nm=
30のW/Be多層膜を形成した場合、通常の回折格子
によくみられるような反射面上に白金薄膜を蒸着した場
合と比較し、p=oにおける強度I0゜(piは波長1
0人において150倍程度である(入射角5度)。また
、回折格子の反射面上に多層膜を形成することにより、
高次の回折光を除外することが可能である。
次に、その原理について説明する。mを1以上の整数、
λを回折光の波長、dgを回折格子の溝の周期、αを回
折格子に対する光の入射角、βを回折角とした場合、従
来の回折格子においてはmλ−dg(sinα−5in
β)の回折条件を満たす波長の軟X線はすべて回折角β
の方向に回折する。即ち、回折角βの方向にはm=1次
の回折光の他に、m=2次以上の高次の回折光も回折し
、これらはm=1次の回折光の整数分の1の波長を有す
る。とるこが回折格子の反射面に多層膜を形成した場合
、多層膜は特定の波長範囲の軟X線のみを反射するため
、多層膜の構造パラメータである周期dm、層数Nmを
適切に選び、最も回折光強度の高い1次の回折光のみ反
射させるようにすれば、2次以上の高次回折光を除去す
ることが可能である。たとえば、発明者らの計算によれ
ば、dm=57人、Nm=30とすることにより、β−
5度の方向にはλ=10人の単色軟X線のみ取り出すこ
とが可能である。
λを回折光の波長、dgを回折格子の溝の周期、αを回
折格子に対する光の入射角、βを回折角とした場合、従
来の回折格子においてはmλ−dg(sinα−5in
β)の回折条件を満たす波長の軟X線はすべて回折角β
の方向に回折する。即ち、回折角βの方向にはm=1次
の回折光の他に、m=2次以上の高次の回折光も回折し
、これらはm=1次の回折光の整数分の1の波長を有す
る。とるこが回折格子の反射面に多層膜を形成した場合
、多層膜は特定の波長範囲の軟X線のみを反射するため
、多層膜の構造パラメータである周期dm、層数Nmを
適切に選び、最も回折光強度の高い1次の回折光のみ反
射させるようにすれば、2次以上の高次回折光を除去す
ることが可能である。たとえば、発明者らの計算によれ
ば、dm=57人、Nm=30とすることにより、β−
5度の方向にはλ=10人の単色軟X線のみ取り出すこ
とが可能である。
なお、以上の説明において、回折格子は断面形状が矩形
の平面回折格子であるとしたが、これを断面形状が月形
の曲面回折格子とすることにより軟X線を集光すること
もでき、回折軟X線の強度を増大することができる。ま
た、ブレーズ効果により特定の次数(−次あるいは二次
)のみの光を集めることができる(参考文献:アール・
ダブリュー・ウッド、ネイチャア−(Nature)
、 1937゜723頁)。特に、上記曲面回折格子の
反射面上に、所定の周期と層数からなる多層膜を単位多
層膜として、周期と層数の異なる複数種の上記単位多層
膜を複数個積層した複合構造の多層膜を反射面に形成す
ると、回折光強度をより高めることができる。
の平面回折格子であるとしたが、これを断面形状が月形
の曲面回折格子とすることにより軟X線を集光すること
もでき、回折軟X線の強度を増大することができる。ま
た、ブレーズ効果により特定の次数(−次あるいは二次
)のみの光を集めることができる(参考文献:アール・
ダブリュー・ウッド、ネイチャア−(Nature)
、 1937゜723頁)。特に、上記曲面回折格子の
反射面上に、所定の周期と層数からなる多層膜を単位多
層膜として、周期と層数の異なる複数種の上記単位多層
膜を複数個積層した複合構造の多層膜を反射面に形成す
ると、回折光強度をより高めることができる。
次に、その原理について説明する。第2図に、複合構造
の多層膜10を固形回折格子11の反射面上に形成した
本発明による反射型回折格子の一実施例を示す。第4図
に、複合構造の多層膜の概念図を示す。回折格子の反射
面上に、反射層である厚さAmの重元素薄膜12と、ス
ペーサ層である厚さBmの軽元素薄膜13とから成る周
vJd mの2N膜をNm層重ねた周期的な単位多層膜
Emを基板側から順にEl、 ・・・、Em、 ・
・・。
の多層膜10を固形回折格子11の反射面上に形成した
本発明による反射型回折格子の一実施例を示す。第4図
に、複合構造の多層膜の概念図を示す。回折格子の反射
面上に、反射層である厚さAmの重元素薄膜12と、ス
ペーサ層である厚さBmの軽元素薄膜13とから成る周
vJd mの2N膜をNm層重ねた周期的な単位多層膜
Emを基板側から順にEl、 ・・・、Em、 ・
・・。
EMというようにM個積層したものである。このような
複合構造多層膜の光学原理をM=2の場合を例に挙げて
説明する。所定の周期の多層膜は、所定の入射角度にお
いて所定のピーク波長と帯域幅を有する軟X線を高い反
射率で反射するので、第4図に示すような構造において
、M=2の場合、即ち周期の異なる2個の単位多層膜を
積層した多層膜は、第5図に示すように、各々の単位多
層膜に対応する異なる反射角α1.α2にピークを有す
るスペクトル14.15を合成した広い入射角度範囲に
わたり高い反射率を実現し得る。また、−iに光源の長
波長成分は短波長成分よりも多層膜の構成材料に吸収さ
れ易いので、短波長側に反射率スペクトルのピーク波長
を有する単位多層膜から順に上に向かってdmが増大す
るように基板上に積層することにより、長波長成分が上
層の単位多層膜で、短波長成分が下層の単位多層膜で主
に反射されるために、吸収の影響を小さくでき、より高
い反射率が実現できる。また、M種の単位多層膜がそれ
ぞれ最大のピーク反射率が得られるような最適のA m
/ d m比を有している。以上のような複合構造の
多層膜の特徴は、広い入射角度範囲にわたり高い反射率
が実現できることである。
複合構造多層膜の光学原理をM=2の場合を例に挙げて
説明する。所定の周期の多層膜は、所定の入射角度にお
いて所定のピーク波長と帯域幅を有する軟X線を高い反
射率で反射するので、第4図に示すような構造において
、M=2の場合、即ち周期の異なる2個の単位多層膜を
積層した多層膜は、第5図に示すように、各々の単位多
層膜に対応する異なる反射角α1.α2にピークを有す
るスペクトル14.15を合成した広い入射角度範囲に
わたり高い反射率を実現し得る。また、−iに光源の長
波長成分は短波長成分よりも多層膜の構成材料に吸収さ
れ易いので、短波長側に反射率スペクトルのピーク波長
を有する単位多層膜から順に上に向かってdmが増大す
るように基板上に積層することにより、長波長成分が上
層の単位多層膜で、短波長成分が下層の単位多層膜で主
に反射されるために、吸収の影響を小さくでき、より高
い反射率が実現できる。また、M種の単位多層膜がそれ
ぞれ最大のピーク反射率が得られるような最適のA m
/ d m比を有している。以上のような複合構造の
多層膜の特徴は、広い入射角度範囲にわたり高い反射率
が実現できることである。
従って、入射角および出射角に一定の広がりのある曲面
回折格子の反射面上に上記複合構造の多層膜を形成する
と、第1図の実施例で示したようなdmが一定の場合と
比べ、回折光強度をさらに高めることができる。発明者
らの簡単な計算によると、dl=37人とd2=43人
の複合構造のW/Be多層膜反射鏡を前記曲面回折格子
の反射面上に形成することにより、形成しない場合と比
べ、−次の回折軟X線(波長10人)の強度を50倍程
度高めることができる(入射角5度)。
回折格子の反射面上に上記複合構造の多層膜を形成する
と、第1図の実施例で示したようなdmが一定の場合と
比べ、回折光強度をさらに高めることができる。発明者
らの簡単な計算によると、dl=37人とd2=43人
の複合構造のW/Be多層膜反射鏡を前記曲面回折格子
の反射面上に形成することにより、形成しない場合と比
べ、−次の回折軟X線(波長10人)の強度を50倍程
度高めることができる(入射角5度)。
次に、本発明による反射型回折格子の反射面上に形成す
る多層膜の軽元素薄膜の材料としてBあるいはBeを用
いた場合の効果について説明する。
る多層膜の軽元素薄膜の材料としてBあるいはBeを用
いた場合の効果について説明する。
多層膜構成材料の複素屈折率を1−δ−1βとした場合
、多層膜界面における複素振幅反射率は入射角αが一定
の条件下では(Δδ+iΔβ)に比例する。ただし、Δ
δとΔβは重元素薄膜と軽元素薄膜の屈折率および吸収
係数の差である。また、より高いピーク反射率を得るた
めにはスペーサ層材料による軟X線の吸収は小さい方が
望ましい。
、多層膜界面における複素振幅反射率は入射角αが一定
の条件下では(Δδ+iΔβ)に比例する。ただし、Δ
δとΔβは重元素薄膜と軽元素薄膜の屈折率および吸収
係数の差である。また、より高いピーク反射率を得るた
めにはスペーサ層材料による軟X線の吸収は小さい方が
望ましい。
X線分光学およびX線露光に重要な軟X線領8域におい
てはBあるいはBeの吸収係数は従来スペーサ層材料と
して広く用いられているCの吸収係数に比べ低い値を示
している。Beの吸収係数は特にCの吸収係数との差が
著しい。また、屈折率に関しても軟X線に比べ低い値を
示している(参考文献:ビー・エル・ヘンケ他著、原子
と核のデータ表(Atomic Data and N
uclear Data Tables)。
てはBあるいはBeの吸収係数は従来スペーサ層材料と
して広く用いられているCの吸収係数に比べ低い値を示
している。Beの吸収係数は特にCの吸収係数との差が
著しい。また、屈折率に関しても軟X線に比べ低い値を
示している(参考文献:ビー・エル・ヘンケ他著、原子
と核のデータ表(Atomic Data and N
uclear Data Tables)。
1982、第27巻)。従って、従来スペーサ層材料に
一般的に用いられているCの代わりにBあるいはBeを
用いることにより、軟X′!tIA領域においてΔδお
よびΔβが増大し、かつスペーサ層材料による軟X線の
吸収が低減するので、非常に高い反射率が得られる。例
えば、周期dm=41人のW/Be多層膜はピーク波長
11人においてW/C多層膜と比較し、2倍近くのピー
ク反射率が得られる。
一般的に用いられているCの代わりにBあるいはBeを
用いることにより、軟X′!tIA領域においてΔδお
よびΔβが増大し、かつスペーサ層材料による軟X線の
吸収が低減するので、非常に高い反射率が得られる。例
えば、周期dm=41人のW/Be多層膜はピーク波長
11人においてW/C多層膜と比較し、2倍近くのピー
ク反射率が得られる。
以上のような、多層膜を反射面上に形成した回折格子の
提案はかってなされたことがあった(参考文献:イー・
スピラー、AIP会議議事録(AIPConf、 Pr
oc、) 、 1981. No、75,124頁)。
提案はかってなされたことがあった(参考文献:イー・
スピラー、AIP会議議事録(AIPConf、 Pr
oc、) 、 1981. No、75,124頁)。
しかし、多層膜の構造や材料に関する提案は全くなされ
ておらず、本発明におけるような周期と層数の異なる複
数種の単位多層膜を複数個積層した複合構造に関する提
案や、上記単位多層膜のスペーサ層材料にBあるいはB
eを用いる提案は全(なされていない。
ておらず、本発明におけるような周期と層数の異なる複
数種の単位多層膜を複数個積層した複合構造に関する提
案や、上記単位多層膜のスペーサ層材料にBあるいはB
eを用いる提案は全(なされていない。
前述したように、本発明による反射型回折格子において
は、従来分光することが困難であった5人〜40人程度
の軟X線領域において高い回折光強度が得られる。従っ
て、この領域における分光素子として有用である。
は、従来分光することが困難であった5人〜40人程度
の軟X線領域において高い回折光強度が得られる。従っ
て、この領域における分光素子として有用である。
以上説明したように本発明による反射型回折格子は、異
なる元素の薄膜を交互に重ねた多層膜を反射面上に形成
したことにより、あるいは周期と層数の異なる複数種の
単位多層膜を反射面上に積層したことにより、特定の波
長範囲の軟X線のみ ′を高い反射率で反射す
ることができるので、回折光強度が高く且つ高次回折光
の除去が可能な反射型回折格子を得ることができる効果
がある。従って、本発明による反射型回折格子は各種の
分光素子、分散素子、帯域フィルタとして有用である。
なる元素の薄膜を交互に重ねた多層膜を反射面上に形成
したことにより、あるいは周期と層数の異なる複数種の
単位多層膜を反射面上に積層したことにより、特定の波
長範囲の軟X線のみ ′を高い反射率で反射す
ることができるので、回折光強度が高く且つ高次回折光
の除去が可能な反射型回折格子を得ることができる効果
がある。従って、本発明による反射型回折格子は各種の
分光素子、分散素子、帯域フィルタとして有用である。
第1図は本発明による反射型回折格子の一実施例の構造
を示す断面図、第2図は本発明による反射型回折格子の
第2の実施例の構造を示す断面図、第3図は本発明によ
る反射型回折格子の光学特性の原理を説明するための特
性図、第4図は本発明による反射型回折格子における多
層膜構造の一実施例である複合構造の多層膜構造を示す
斜視図、第5図は第4図に示す複合構造の多層膜の光学
原理を説明するための特性図、第6図および第7図は従
来の反射型回折格子の構造を示す斜視図である。 3・・・矩形回折格子、4・・・重元素薄膜、5・・・
軽元素薄膜、IO・・・複合構造の多層膜、11・・・
月形回折格子。 第1図 第2図 第3図 第6図 ゛)7図 反射子
を示す断面図、第2図は本発明による反射型回折格子の
第2の実施例の構造を示す断面図、第3図は本発明によ
る反射型回折格子の光学特性の原理を説明するための特
性図、第4図は本発明による反射型回折格子における多
層膜構造の一実施例である複合構造の多層膜構造を示す
斜視図、第5図は第4図に示す複合構造の多層膜の光学
原理を説明するための特性図、第6図および第7図は従
来の反射型回折格子の構造を示す斜視図である。 3・・・矩形回折格子、4・・・重元素薄膜、5・・・
軽元素薄膜、IO・・・複合構造の多層膜、11・・・
月形回折格子。 第1図 第2図 第3図 第6図 ゛)7図 反射子
Claims (2)
- (1)基板上に周期的な溝を形成することによって得ら
れる反射型回折格子において、異なる元素の薄膜を交互
に重ねた多層膜を反射面上に形成した反射型回折格子。 - (2)基板上に周期的な溝を形成することによって得ら
れる反射型回折格子において、周期と層数の異なる複数
種の単位多層膜を反射面上に積層した反射型回折格子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3852188A JPH01213599A (ja) | 1988-02-23 | 1988-02-23 | 反射型回折格子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3852188A JPH01213599A (ja) | 1988-02-23 | 1988-02-23 | 反射型回折格子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01213599A true JPH01213599A (ja) | 1989-08-28 |
Family
ID=12527578
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3852188A Pending JPH01213599A (ja) | 1988-02-23 | 1988-02-23 | 反射型回折格子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH01213599A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1988
- 1988-02-23 JP JP3852188A patent/JPH01213599A/ja active Pending
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