JPH01203255A - 超伝導用セラミクス - Google Patents

超伝導用セラミクス

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JPH01203255A
JPH01203255A JP63027766A JP2776688A JPH01203255A JP H01203255 A JPH01203255 A JP H01203255A JP 63027766 A JP63027766 A JP 63027766A JP 2776688 A JP2776688 A JP 2776688A JP H01203255 A JPH01203255 A JP H01203255A
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JP
Japan
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elements
ceramics
crystal
kinds
superconducting
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JP63027766A
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English (en)
Inventor
Masahisa Muroki
室木 政久
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PORITORONIKUSU KK
Polytronics Inc
Original Assignee
PORITORONIKUSU KK
Polytronics Inc
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は超高感度磁束計(S QU I D)や超高速
電子素子2強磁界発生電磁石などに利用することが出来
る超伝導セラミスフに関する。
〔従来の技術〕
ジョセフソン効果利用素子や強磁界発生用電磁石材料と
して注目されてきた超伝導材料は多くの開発努力にもか
かわらず、つい近年迄液体ヘリウムで冷却しなければ使
用できない低温下(約23に以下)でしか超伝導現象を
示さず、実用化に重大な障害となっていた。しかし、 
1986年4月ベドノーツ(B ednorz)とミュ
ラー(Mueller)によるLa−B a−Cu−0
系セラミクス超伝導体の報告以来ペロブスカイト型酸化
物セラミクス超伝導体の研究が世界的規模で精力的に続
けられ、Y−Ba−Cu−O系セラミクスで液体窒素冷
却上超伝導現象が安定して得られるようになった。この
他にも希土類元素置換型、アルカリ金属元素置換型の酸
化物セラミクスが類似の超伝導特性を示すことや、一部
の超伝導体が室温付近でも抵抗急落現象を示すこともあ
るとの報告が相次いでいるが再現性や安定性に問題があ
ることが指摘されている。また1988年1月には、化
学技術庁金属材料研究所からBi−(Sr、Ca)−C
u−0系セラミクスで100に級超伝導が発表され、希
土類元素の資源制約を解く可能性があるとして注目され
ているが、な゛お高温超伝導体材料の開発は全体として
開発途上にある。
〔発明が解決しようとする11I題〕 上記したように超伝導材料は酸化物セラミクスを中心に
高温臨界点の達成と加工技術の確立を日用して急ピッチ
で進んでいるが、実用上の観点からみると、高い臨界電
流密度(10s〜10’ A / cd以上)をもち経
時的に安定な高温超伝導体(液体窒素温度以上、冷却材
不要が理想的)を再現性よく製造する技術の開発が必要
である。現状ではトップデータとして臨界電流密度10
”A/(!J以上、臨界温度100IC以上のものがそ
れぞれ別のセラミクス系。
別の研究機関から報告されているが、再現性に乏しく、
また安定性が悪い。これは、セラミクス系超伝導体の伝
導機構の解明が充分でないため材料開発の指導原理が立
て難く、また材料構造が複雑なため制御された製造技術
が確立できていないためである。
〔課題を解決するための手段〕
上記した実用上の問題点を解決するには、従来の酸化物
セラミクス超伝導体のデータを参考にしつつ、新たに次
の観点から材料選択を行なう。
(1)通電状態で長期間特性の安定性を保つため。
結晶構造の安定化をはかる→格子歪の少ない組成組合せ (2)高い有効状態密度をもつ電子伝導帯を形成して臨
界電流密度の増大に努める→結晶構成陰イオンの選択に
幅をもたせる。
(3)−次元電子伝導性の確保→層状ペロブスカイト構
造 更に本発明では、資源の制約を緩和するため、希土類元
素を含まない超伝導用セラミクスの開示を目標としてい
る。
本発明者らの研究によれば、(1)の指針からは結晶格
子を構成する多種陽イオン元素間のイオン半径を近接さ
せることが重要である。すなわち、前記した従来の酸化
物超伝導セラミクスは三種類の陽イオン元素(希土類元
素、アルカリ土類金属元素、銅)を含む高分子無機化合
物であるため、結晶格子の所定位置を所定陽イオンが一
定比率で正確に占めるには陽イオン元素間、とくに等価
な格子位置を占める陽イオン元素間(希土類元素とアル
カリ土類金属元素間)のイオン半径を近似させ、格子歪
を極力小さくすることが重要になる。発明者らの研究結
果では、希土類元素とアルカリ土類金属元素間のイオン
半径差が20%を越えると、高温(液体窒素温度程度)
大電流下で長期に亘って一定組成を保つことは難しいこ
とがわかった。このようにイオン半径差が大きい場合は
、同族元素を補償用として導入しイオン半径平均値を調
整することによって異種元素とのイオン半径差を小さく
することが必要である。また(2)の観点からは、これ
迄に報告された高温超伝導セラミクスが全て酸化物であ
ることを考慮すると、同じ結晶構造を保持し、かつ同種
の陽イオン構成元素を用いるならば、陰イオン側に選択
の幅を広げること、すなわち硫化物あるいはセレン化物
をターゲットとすることが重要である。一方、(3)の
観点は結晶構造として従来の酸化物セラミクス超伝導体
の構造(酸素欠陥型複合層状ペロブスカイト)が適当で
あることを示している。
以上の基本的指針に基づき、本発明では実験的検討を加
えた結果として、Bi、Sb、In、TILから成る3
価イオン元素群より選んだ少なくとも1種類の元素(以
下元素Aという)と、アルカリ土類金属元素群に属する
少なくとも1種類の元素(以下元素Bという)と、Cu
およびM口から成る群より選んだ1種類の元素(以下元
素Cという)と〜結晶構成陽イオンとして有し、Sお−
よびSeから成る群より選んだ少なくとも1種類の元素
を結晶構成陰イオンとして有する陰イオン欠陥型複合層
状ペロブスカイト構造を主成分とする超伝導用セラミク
スを開示する。とくに、上記(1)の観点からは元素A
がBiで元素BがCaの組合せ2元素Aがsbで元素B
がM g を元素CがCuの組合せ、また元素AがIn
で元素BがMgとCaの混合の組合せ、更に元素AがT
Qで元素BがCaとMgの混合の組合せが望ましい。一
方、上記(2)の観点からは、前記B1−Caの組合せ
には陰イオンがS、Sb−Mgの組合せには陰イオンが
Se或いはS e−Sの組合せが望ましいといえる。
〔作用〕
本発明で開示した超伝導セラミクスは、既述の酸化物セ
ラミクスに比べて組成の均一性が高く、また内蔵する格
子歪が小さいという特長を有する。
これは超伝導セラミクスの安定性、再現性にとって非常
に重要である。一方、マンガンイオンや硫黄(またはセ
レニウム)イオンを用いることによって伝導帯の有効状
態密度を高め、臨界電流密度を上昇させうろことが期待
される。
以下本発明を実施例に基づいて詳しく述べる。
〔実施例〕
(その1)金属Bi、CaC0at金属Cu 、金属M
nを原料としてそれぞれ硫化水素雰囲気中で1000〜
1200℃に数時間保持して硫化させ、粉砕して再硫化
するというプロセスを数回繰り返して高純度Bi253
.CaS、CuSおよびMnSの粉末(粒径6〜7μl
11)を合成した。次に各硫化物をそれぞれ所定量秤量
の上乾燥窒素雰囲気で十分混合した。
秤量のモル比は、Bi253: CaS : CuS 
(又はMn5)=(1x):4x:3(ただしO< x
 < 1 )の割合とする。得られた混合粉末を直径2
0mmφ。
厚み5!1111のペレットに圧縮整形後、このペレッ
トを再び硫化水素雰囲気で1200℃に3時間保持して
焼成すると、主成分がB12(1−x)Ca4xCu3
S7−δ(ここにδはイオウ欠陥量を表わす、0くδく
1)又はB 12(1−X) Ca4.Mn3 S 7
−δの硫化物セラミクスが得られる。冷却は水素雰囲気
中での自然冷却であり、冷却時間は1200℃から30
0℃迄約1時間とした。これら硫化物セラミクスの結晶
相はX線回折および高圧電子顕微鏡によって観察した。
予備的検討により、x=0.5とした場合もつとも高い
臨界温度が得られることがわかっており、この時主成分
の硫黄欠陥型複合層状ペロブスカイト構造は、既述の9
0に級酸化物セラミクスの場合と同じ結晶構造(三層繰
返し斜方晶)であることが確かめられた。
超伝導特性を調べるために、セラミクスペレットの上面
円周に沿って、直径方向に2ケ所、Au−8n−In合
金を水素気流中で溶着させて電極とし、この電極にリー
ド線を接続して抵抗の温度変化を測定した。前述の予備
的検討から仕込み原料モル比がx==1/2.すなわち
Bi:C:a:Cu(又はMn)=L:2:3の時複金
相セラミクスの超伝導臨界温度がもっとも高くなること
がわかっているので、第1図の抵抗率温度変化はx=1
/2のものだけにとどめた。B1−Ca−Cu−8系セ
ラミクスだけでなく。
B1−Ca−Mn−8系セラミクスに於ても高温超伝導
が&察されることが示されている。化学便覧(日本化学
会線、丸善、昭和59年刊)によれば、陽イオンの結晶
中におけるイオン半径は、Bi”1.17A。
Ca ’ ” 1−14 A T Cu ’ ” O−
87A r M n ” ” Q O−81A t h
 O−97Aであり、電子伝導帯を形成するCu−8(
又はCu−Mn)の、いわば外壁を構成する陽イオン、
Bi”とCa’十のイオン半径差はわずか2.6%であ
る。これは、従来報告されていた高温酸化物セラミクス
系のY3+とBa”十のイオン半径差36.8%に比べ
て桁違いに小さな値であり、したがって内蔵される格子
歪がそれ程小さく安定である。
第1図の抵抗急落が超伝導効果に基づくものであること
を確かめるために、弱磁場を印加して反磁性(マイスナ
ー効果)を観察した。第1図の試料A−1に1.00e
(エールステッド)の直流弱磁界を印加し、5QUID
(超伝導址子干渉素子)を用いて帯磁率の温度測定を行
なった。その結果を第2図に示す。この場合mass 
densityの基準としてB1Ca2Cu3SB、5
を用いている。反磁性は95に付近から観測されはじめ
、完全反磁性の40%程度の大きさを示した。これは、
混合セラミクス相の約40%(主成分)の体積がバルク
高温超伝導を示していることに対応するものと考えられ
、第1図の抵抗急落が超伝導効果によるものであること
を裏付けている。試料調製技術を更に高め、主成分が単
−相あるいは混合相の大部分を占めるようにすることが
出来れば、更に高温で超伝導が生起することは十分予測
できる。
一方、前記B1−Ca−Cu−8系セラミクスをスパッ
タリング法によって半導体ノ↓板上に厚さ約5μm。
幅2III11の薄膜線状に形成し、その両端にA u
−S n−In合金を蒸着溶融処理して電極とした。こ
の電極にリード線を取付け、液体窒素温度で通電試験を
行なった。電流密度5X10’A/cJとして1日5時
間ずつ30日間通電した後抵抗の温度変化を測定したが
、超伝導開始温度は約95にであり、劣化はml M’
Jされなかった。比較のために、主成分がY:Ba: 
Cu=1:2:3のY−Ba−Cu−8系セラミクスを
焼成し、同様にスパッタリング法によって半導体基板上
に厚さ5μm2幅2Iの超伝導セラミクス薄膜線を形成
し1両端にAu−8n−In電極を取付けて液体窒素温
度で通電テストを行なった。この薄膜線の超伝導臨界温
度は当初81にであった。
電流密度を5X10’A/cdとし、1日5時間ずつ通
電するとわずか2日間で超伝導特性が劣化し、臨界温度
は20に以上低下した。これはGu以外の陽イオン半径
差が直接結晶構造の安定性を左右することを示すデータ
として注目される。
((−(7)2)高純度5b203.MgSO4,Ca
C03tCuを原料としてそれぞれ硫化することにより
高純度5b2S3j Mg5j CaS、CuSの粉末
を得た。
これら硫化物粉末をSb2S3:MgS : Cu5=
y:2 (1−y): 1のモル比でよく混合した後、
硫化水素雰囲気中で1200℃に保持、すると化合物が
得られる。
この化合物を再度粉砕混合して、硫化水素雰囲気で12
00℃に保持し、引続いて水素気流中で300℃迄徐冷
した試料をxm回折すると、主成分は(Sb”/Mgx
−y)zCuS4であることがわかった。ただし、この
化合物は硫黄欠陥を含んでいるので表式上は(SbyM
gl−y)2CuS4−δとなる。yの異なるいくつか
の硫化物を焼成し、それらを各々直径20Iφ、厚み5
mmの円形ペレットに圧縮整形後再び硫化水素気流中で
1200℃に2時間保持し、引き続き水素気流中で30
0℃迄徐冷後取出した。円形ペレット上面の両端(直径
方向)に1対のAu−8n−In合金を電極として溶着
し、これら電極からリード線を取出して直流電源に接続
し、クライオスタット中で抵抗の温度変化を測定した。
その結果、y=0.9.0.8.0.7.0.45のい
ずれにおいても30〜40に近傍で抵抗急落が観測され
た。比較のために、y=o、7の場合MgをCaにかえ
た化合物セラミクスも合成した。この場合硫化物セラミ
クスの主成分は(Sbo、7Ca(1,3)2CuS4
−δとなる。上記(Sbo、7Mgo、a)zCuS4
−δを主成分とするセラミクス(試料B−1)の38に
付近における抵抗急落が超伝導効果によることを確かめ
るために、試料に4,00eの直流弱磁界を印加して反
磁性を調べると、完全反磁性の50%近い帯磁率変化が
38に付近から観測されたので、バルク超伝導によるも
のと考えてよい。
結晶中の陽イオン半径はS b”0.9OA 、 Mg
”0.86A 、 Ca”1.14Aとなっており、S
b−Mg−Cu−8系セラミクス(試料B−1)の場合
はSb−Mg間のイオン半径差が約4.5%であるのに
比べ(Sbo、7Cao、5)zCuS4−δ(試料B
−2)の場合は5b−Ca間のイオン半径差が約23.
5%もある6一方、試料B−1におけるイオン半径差を
更に小さくする目的で、Mgイオンの一部をCaイオン
で代替した硫化物(SbO,7Mg0.26C80,0
4)2CuS4−δ (試料B−3)を調製し、上と同
様の手法で円形ペレット通電試料を作成した。この場合
、sbとアルカリ土類金属元素間のイオン半径差は0.
3%程度に縮減され、結晶の内蔵格子歪は一段と小さく
なる。試料B−1,B−2,B−3の抵抗率温度変化を
示したのが第3図である。B−1に比べてB−2は約1
5に超伝導臨界温度が低く、逆にB−3はB−1より約
10に臨界温度が高いことがわかる。このように、イオ
ン半径差が小さな組合せのセラミクス系はど臨界温度が
高いことは硫化物セラミクスの内蔵歪が結晶組成の均一
性に影響していることを示唆している。実際各試料で回
折X線を測定すると、回折線の半値幅は試料B−3がも
っとも狭く、ついでB−1,B−2の順であり、結晶性
がこの順で低下していくことを示している。
(その3)高純度In2O3,MgSO4,CaCO2
、Cuを原料として硫化水素中で高温硫化することによ
り高純度In2S3.MgS、CaS、CuS粉末を得
た。
次に各硫化物を1200℃でセレン化水素気流中に数時
間保持すると、硫化物がセレン化物に変換し。
In2Se3.MgSe、CaSe、Cubeが得られ
る。
In’+イオンの結晶中におけるイオン半径は0.94
Aなので、これに見合った平均イオン半径のアルカリ土
類金属元素を得るために、Mg化合物とCa化合物とを
モル比でMg: Ca=5 : 2として混合して用い
る。硫化物、セレン化物の各々をIn:(Mg十〇a)
:Cu=1:2:3のモル比になるようにして秤景し、
乾燥窒素雰囲気中でよく混合した後、直径20+m+φ
、厚さ5閣の円形ペレットにプレス整形した。しかる後
、硫化物ペレットは硫化水素雰囲気で1200℃に2時
間保持後水素雰囲気中で200℃迄徐冷、セレン化物ペ
レットは真空アンプル中に封入して1100℃で2時間
加熱後徐冷した。この熱処理で得られたセラミクスはそ
れぞれ主成分がI n(Cao、z9Mgo、7+ )
zcus S7−δ、 In (Cao、z9Mg(1
,71)2Cu3Se7−βの斜方晶ペロブスカイトで
あることが確かめられた。各セラミクスペレットの円形
上面周辺に直径方向に1対のAu−S n−I n合金
を溶着して電極とし、これにリード線を取り付けてクラ
イオスタット中で通電テストを行ない、抵抗の温度変化
を測定した。得られた結果を第4図に示す。超伝導臨界
温度を示す抵抗急落温度は硫黄系試料で約82に、セレ
ン系試料で約98にであり、セレン系の方がすぐれてい
ることがわかる。
更にこれら試料をスパッタリング法で半導体基板上に薄
膜化し、実施例(その1)同様にして通電テストを行な
い液体窒素温度で臨界電流密度を調べると、硫黄系が4
XlO’A/d、セレン系が1×10’A/cdである
ことがわかった。これは、 Cu−8よりもCu−8e
で構成される電子伝導帯の有効状態密度が高いことに原
因するものと考えられる。
本実施例のセラミクスは混合相であるが、単一相に近い
ものが出来れば臨界電流密度は更に向上するものと予測
される。ただし、セレン系試料は化学的安定性がよくな
いため、次に硫セレン化物試料を合成して超伝導テスト
を行なった。上記のようにして合成したI n−Ca−
Mg−Cu−SセラミクスとI n−Ca−Mg−Cu
−8eセラミクスをそれぞれモル比でS : 5e=1
:2,1:1,2:1の割合で混合し、真空アンプル中
で熱処理した。得られた硫セレン化物の三試料の抵抗急
落温度を測定すると、S 0.33 S eo 、67
化合物が約95に、 S6.5 Seo、5化合物が約
93K + So、67 S6Q、33化合物が約86
にであり、硫化度が高い程抵抗急落温度も低下すること
がわかった。しかし、So、5S80.5化合物の化学
的安定性は硫黄系セラミクスに近い程改善されており、
また超伝導臨界温度の低下もそれ程大きくないので、実
用上はこの程度の混晶比の硫セレン化物が望ましいと考
えられる。
(その4)前実施例とほぼ同様の焼成技術を用いて、高
純度TQ2S3.SrS’、Cab、MgS、MnSの
粉末を得た。これら硫化物粉末をTQ2S3:XS(但
しX三Sr、CaまたはMg):Mn5=Z:2(1−
Z):1のモル比で秤量混合し、直径20aoφ、厚さ
5Qmの円形ペレットにプレス整形した6次にこのペレ
ットを硫化水素雰囲気中1200℃に2時間保持し、さ
らに引続き水素気流中で300℃迄徐冷すると硫黄欠陥
型ペロブスカイト(T Q zXl−7)2MnS4−
δを主成分とするセラミクスが得られる。2=0.9と
してアルカリ土類金属元素を替えた三つの試料、すなわ
ち(T Qoogsro、1)2MnS4−δを主成分
とするセラミクス(試料C−1)、(Ta2.9Cao
、1)2MnS4−δを主成分とするセラミクス(試料
C−2)、(TlgogMg(14)2MnS4−δを
主成分とするセラミクス(試料C−3)の他に、アルカ
リ土類金属元素イオンのイオン半径差を結晶中における
TQ”+のイオン半径1,03Aに調整するための(C
a p M g )混晶、すなわち(T I2o、9c
ao、osMgo、o4)zMns4−δ(試料C−4
)も合成した。コレら四試料の円形ペレット上面周辺に
直径方向に1対のAu−8n−In合金電極を溶着して
リード線を取付けた。各試料をタライオスタット内の液
体ヘリウム内に浸漬し、抵抗率の温度変化を測定した結
果を第5図に示す。各試料の抵抗急落温度は約27Kか
ら約44Kに及んでいるが、これはTQ”十とX2+の
イオン半径ミスマツチに対応しており、もっともミスマ
ツチの大きなTQ−8r系(24,7%)で超伝導臨界
温度が低く、逆にミスマツチの殆どないT Q−Ca−
Mg系(約0.1%)でもっとも高いのは上記実施例(
その2)に合致した結果となっている。
ところで本発明の超伝導セラミクスは、硫黄またはセレ
ニウムの点欠陥を含む積層ペロブスカイト構造化合物が
主成分になっているが、空格子点はプラス電荷を帯びて
おり、長期にわたる安定性を考慮するとこの空間電荷の
中和が望まれる。空間電荷を中和する一手段として電子
親和力の大きな陰イオン元素を添加する方法がある。硫
黄またはセレニウム格子位置を置換する添加元素として
は周期律表第■族のフッ素、塩素、臭素が適当である。
たとえば第5図に示した試料C−4をHFガス中で熱処
理(900℃、10分間)すると、硫黄の1〜2%程度
のフッ素が硫黄格子点に入る。この試料は化学的安定性
も高く、また加熱サイクル(空気中600″’CIO分
間保持後急冷)を何十回繰返しても超伝導臨界温度に変
化はみられなかった。しかし、フッ素無添加の試料C−
4を同様の加熱サイクルにかけた所、10〜20回で超
伝導特性が劣化し、臨界温度が次第に低温側に移行する
ことがわかった。
これは硫黄欠陥密度の変化が原因しているものと考えら
れる。
また、本発明の希土類元素を用いない超伝導セラミクス
に於ては3価の陽イオン元素(元素A)としてBi、S
b、 In+T Qの4種類の元素を少なくとも1種類
含む化合物のみを開示した。非希土類元素の3価イオン
は他に多数あるが、本発明者らの実験的検討によれば、
結晶中の陽イオンのイオン半径が約0.85A以下の3
価イオンを元素Bおよび元素Cと共に結晶格子構成イオ
ンとして選んだ場合、超伝導臨界温度は著しく低くなる
ことが見出された。上記4種類の元素Aはこの制約をク
リアーしている。たとえば、実施例(その1)で開示し
たB1Ca2Mn3S7−δを主成分とする硫化物セラ
ミクスと同じ結晶構造をもつGaCa2Mn3S7−δ
を主成分とするセラミクスを合成して測定しても超伝導
臨界温度は高々25に程度であり、試料によっては超伝
導を示さないものもある。これはBi系より臨界温度が
70にも低く、Ga3÷のイオン半径0.76Aとこの
現象は深く関係するものと考えられる。Ga”十のかわ
りにRh”(イオン半径0.81A)。
Ti”(イオン半径0.81A)、AI2” (イオン
半径0.68A)などを用いても同様な結果であった。
その明確な理由はまだわからない6 本発明では希土類元素を用いなかったが、本発明の元素
Aとして上記四種類の元素の一部を希土類元素で置換し
ても比較的良好な超伝導セラミクスが得られる。たとえ
ば実施例(その1)で開示したB1Ca2Mn3S7−
δにかえて、Ca”+イオンとイオン半径をほぼ等しく
するために、Biの1部をYに置換したBiO,77Y
0.23Ca2Mn3S7−δを主成分とするセラミク
スを焼成し、その抵抗値変化を調べると約100にで抵
抗急落が観測された。したがって本発明は1元素Aとし
て非希土類元素のみを含むセラミクスだけを対象とする
ものではなく、あくまでも元素Aとして前記四種類の3
価イオン元素を少なくとも1種類含むセラミクスを対象
としているのである。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように1本発明では高温超伝導体と
して最近盛んに開発されているペロブスカイト型酸化物
セラミクスを念頭におきつつ、複合層状ペロブスカイト
構造をとる新材料として非希土類元素3価の陽イオンB
i、Sbt In、T Qから成る群に属する少なくと
も1種類の元素(元素A)とアルカリ土類金属元素(元
素B)およびCu又はM n (元素C)という三種類
の陽イオンの硫化物またはセレン化物または硫セレン化
物を開示した。
とくに(1)元素Aと元素Bの結晶中におけるイオン半
径差の極力小さな組合せを採用することによって、結晶
内での元素混和性を向上させ、かつ結晶内蔵格子歪を小
さくすることによって超伝導特性および経時的安定性を
向上させること、および(2)希土類元素を用いないた
め資源的制約を緩和することができること、さらに(3
)イオン半径差の小さな陽イオン材料の組合せで生ずる
電子伝導帯形成のミスマツチは、結晶構成陰イオンを従
来の酸素から硫黄やセレニウムにかえることで回避し、
さらに有効状態密度を増′して臨界電流密度を増加させ
得ることが示された。
本発明ではまた、電子伝導帯形成陽イオンとして従来か
ら用いられてきたCuと同様、Mnも良好な特性を示す
ことも開示した。本発明の実施例ではセラミクスが混合
相であり1本来材料がもっている超伝導ポテンシャルが
十分発揮されたとは云い難い。今後材料製造技術が改造
され、単一相に近い組成が得られれば一層高い超伝導特
性が得られると期待される。
また、本発明の実施例では超伝導セラミクスの製法とし
て粉末の気相化学反応法のみを開示したが、これ以外に
共沈法やスプレー法など周知の方法が使用できることは
自明である。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図は、本発明の超伝導セラミクスの特性を
示すための図である。 第 1 図 W n sk fl  r  tg) i 灯 5& 廖 r (K) 第3図 紀 fl  、sう(7(K〕 第 5 図 fi ff 11 fl  T  (K)手続補正書輸
発) 昭和63年9月 8日

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.ビスマス,アンチモン,インジウムおよびタリウム
    から成る3価イオン元素群より選んだ少なくとも1種類
    の元素(以下元素Aという)と、アルカリ土類金属元素
    群に属する少なくとも1種類の元素(以下元素Bという
    )と、銅またはマンガン(以下元素Cという)とを結晶
    構成陽イオン元素として有し、硫黄およびセレニウムか
    ら成る群より選んだ少なくとも1種類の元素を結晶構成
    陰イオン元素として有する陰イオン欠陥型複合層状ペロ
    ブスカイト構造結晶を含有する超伝導用セラミクス。
JP63027766A 1988-02-10 1988-02-10 超伝導用セラミクス Pending JPH01203255A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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