JPH0120005Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案はストリツプ処理設備のステアリングロ
ール組替装置に関するものである。

（従来の技術） 近年、ラインの高速化、省力化、製品精度の向
上及び工程省略等に伴い、ラインの連続化がクロ
ーズアツプされ出現している。例えば、連続焼鈍
ライン又はメツキラインと調質圧延、酸洗ライン
と冷間タンデム圧延機等があるが、これらの場
合、ライン全体としても非常に長くなり、圧延作
業開始前にストリツプの先端を通板させる作業が
極めて面倒であり、且つ時間のかかる作業となつ
ている。従つて、ストリツプがライン内に存在す
る状態でも簡単且つ迅速にロールの組替えを行え
るようにした装置が要望されている。またできう
れば圧延作業を中断することなく続行しながら行
えることが要求される。

しかしながら、従来のロール組替えは、材料が
通過し終つた後、或いはこれらの連続作業を中断
し、材料を切断してストリツプを取除いて組替え
を行なわなければならず、作業能率を著しく阻害
している。又、ロール組替えの方法として天井ク
レーンによる上方吊出し、或いはポータバー方式
であり、多数のロールを並行して短時間内に交換
することは非常に困難で、加えて作業の自動化が
極めて困難という欠点があつた。そのために、ス
トリツプがある状態でのロル組替装置も種々提案
されている。

ラインが長い場合、ストリツプの蛇行修正のた
めに、ステアリング装置付のロールが各所に配置
されており、これらの軸受には自動調心型の軸受
が使用されている。これらのロール組替え、或い
はステアリング装置がなくても軸受に自動調心軸
受を使用しているロールにおいては、ポータバー
方式或いは、片側のロールネツクを保持して台車
方式で行なう片持式ロール組替えは、軸受をつけ
たままでは困難である。なぜならば、自動調心軸
受であるため、チヨツクが倒れハウジングへの出
し入れが困難となる。そこで、本考案者は別にハ
ウジング内でチヨツクを昇降させ、両側のハウジ
ング間に組替えのための案内レールを提案した。

（考案が解決しようとする問題点） 前記装置は、非常に有効ではあるが、ステアリ
ングのためにハウジングをシフトさせるタイプの
ものでは、案内レール支持機構が複雑となる。例
えば、両側のハウジング間に渡した案内レールを
ハウジング内で昇降させるタイプのもの、或いは
ハウジング内のレールを昇降させ案内レールを固
定するタイプのどちらの場合においても、片側の
ハウジングがシフトする場合には、両ハウジング
の相互位置がずれ、その結果として、案内レール
が捩られるため、案内レールの支持が複雑とな
る。

そこで、本考案においては、案内レールを構造
簡単で且つ確実に支持し、安価に製造することが
できるものを提供しようとするものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案におけるストリツプ処理設備のステアリ
ングロール組替装置は、ストリツプ１の進行方向
左右に一方をシフトできるように設置した両ハウ
ジング２，２と、両ハウジング２，２内を昇降す
る上下ロール１５，１４の両側の上下ロールチヨ
ツク１５ａ，１５ｂ，１４ａ，１４ｂを昇降させ
る上下ロール用レール１２，１２′，７，７′と、
固定側のハウジング２に組替レベルで固定した
夫々一対の上下案内レール３４，３１の他端を保
持するシフト側のハウジング２の内側に設置した
レール支持具３２とから成るものである。

（作用） 本考案においては、通常時は上下ロール１５，
１４でストリツプ１を挟んで所定の作業を行つて
いる。そして、ストリツプ１が蛇行した際にはシ
フト側のハウジング２をシフトさせて蛇行を修正
する。ロールを組替えを行う際には、シフト側の
ハウジング２をシフトさせて固定側のハウジング
２と同一垂直面内に位置させる。その後、両側の
下ロール用レール７，７′を下案内レール３１と
同一の組替レベルまで上昇させる。この下ロール
用レール７，７′の上昇に伴い移動具１９，１９，
……が下ロール用レール７，７′に載置され、下
ロールチヨツク１４ａ，１４ｂを支持する。同時
に引出し側上ロールチヨツク１５ａは引出し側下
ロールチヨツク１４ａ上に載置される。一方、反
引出し側の上ロール用レール１２，１２′を上昇
させて上案内レール３４と同一の組替レベルに位
置させ、この状態において上下一対のロール１
５，１４を引出し、反引出し側の上ロールチヨツ
ク１５ｂを移動具２３で上案内レール３４上を、
下ロールチヨツク１４ａを移動具１９で下案内レ
ール３１上を夫々案内させてストリツプ１と間隔
をおいた状態で引出す。そして、反引出し側の上
下ロールチヨツク１５ｂ，１５ａが引出し側のハ
ウジング２内に位置した時に引出し側の上ロール
用レール１２，１２′を下降させて反引出し側の
上ロールチヨツク１５ｂを反引出し側の下ロール
チヨツク１４ｂ上に載置し、その後、ハウジング
２外へロール１５，１４を引出し、新旧ロールを
交換する。

又、引出し側及び反引出し側の上ロール用レー
ル１２，１２′を上昇させて両側の上ロールチヨ
ツク１５ａ，１５ｂを上昇させ、上ロール１５と
下ロール１４との間に間隙を発生させ、下ロール
１４のみを引出し、下ロール１４のみを交換する
場合もある。

（実施例） 本考案の実施例を図面に基き詳細に説明する
と、ストリツプ１の進行方向両側に門形をしたハ
ウジング２，２を基盤３，３上に設置する。そし
て、一方の基盤３を支持台Ａ上に設けた対向する
案内具Ｂ，B′に嵌入してシフト用シリンダＣに
よりハウジング２をストリツプ１の進行方向に直
交する方向に移動させる。ハウジング２，２の
夫々内部に下ロール用昇降枠４を昇降自在に嵌合
している。この下ロール用昇降枠４は全体を門形
に形成し、上端の上連結壁４ａにシリンダーで形
成した下用昇降装置５，５′を装着し、ハウジン
グ２の内壁上部に固定した支持部材６，６′で昇
降装置５，５′を保持することにより下ロール用
昇降枠４を支持している。そして、下ロール用昇
降枠４の下端は基盤３よりも上方に位置し、対向
面に下ロール用レール７，７′を間隙を有するよ
うに突設している。

又、下ロール用昇降枠４の上連結壁４ａの下側
から中央部に亘つて両側内面に案内溝８，８′を
設け、この案内溝８，８′内に門形をした上ロー
ル用昇降枠９を昇降自在に嵌合している。この上
ロール用昇降枠９の上連結壁９ａには前記下ロー
ル用昇降枠４の上連結壁４ａに固定した。シリン
ダで形成する上用昇降装置１０のロツド１０ａを
固定しており、上連結壁９ａと間隔をおいた中間
連結壁９ｂの上面にはロール圧下装置１１を固定
し、圧下部１１ａを下側に突出させている。そし
て、上ロール用昇降枠９の両下端には前記下ロー
ル用レール７，７′と同一垂直面内に位置するよ
うに上ロール用レール１２，１２′を間隔を有す
るように対向させて突設している。

一方、両側のハウジング２，２の基盤３，３上
には前記下ロール用レール７，７′の間に位置す
るように、夫々下ロールチヨツク受１３，１３を
固定している。そして、この両側の下ロールチヨ
ツク受１３，１３上に下ロール１４の両側に設け
た下ロールチヨツク１４ａ，１４ｂを載置し、両
下ロールチヨツク１４ａ，１４ｂ上に上ロール１
５の両上ロールチヨツク１５ａ，１５ｂを位置さ
せるようになつている。

下ロールチヨツク１４ａ，１４ｂは第７図に示
すように、中央部両側に支持部１６，１６′を突
出させ、この支持部１６，１６′に頭部１７を有
する保持棒１８，１８′を垂直に挿通し、保持棒
１８，１８′の下端に夫々下チヨツク用車輪１９
を回転自在に保持したフオーク状の保持具２０を
固定し、下チヨツク用車輪１９の自重で保持棒１
８，１８′を下降させて頭部１７の下面を支持部
１６の上面１６ａに当接させ、支持部１６，１
６′の下面１６ｂと保持具２０の上面２０ａとは
当接せず、間隔を有するようになつている。

又、上ロールチヨツク１５ａ，１５ｂは、両側
の下部突出部２１，２１に夫々頭部１７を嵌入さ
せる頭部嵌入穴２１ａを設けている。そして、上
ロールチヨツク１５ａ，１５ｂの上面には保持板
２２，２２′を上方に突設し、保持板２２，２
２′の上端外面に前記上ロール用レール１２，１
２′と同一垂直面に位置する上チヨツク用車輪２
３を上ロール用レール１２，１２′と間隔を有す
るように設けている。

又、両ハウジング２，２の両外側下端部に案内
突条２４，２４′を垂直に突設し、この案内突条
２４，２４′に噛合つて昇降する昇降具２５，２
５′に夫々ストリツプ１を支持するサポートロー
ル２６を装着し、昇降具２５，２５′の上面にハ
ウジング２に装着したサポート用昇降装置２７，
２７′のロツド２８を枢着している。

一方、引出し側のハウジング２の基盤３の反引
出し側上に間隔をおいてレール支持具２９，２９
を固定し、このレール支持具２９，２９にブラケ
ツト３０，３０で下案内レール３１，３１を前記
下ロール用レール７，７′と同一垂直面内で下ロ
ール用レール７，７′の下降位置における上方で
ある組替えレベルに固定している。又、反引出し
側のハウジング２の支持台Ａの引出し側にハウジ
ング２と平行して門形のレール支持具３２を固定
し、このレール支持具３２の内面に下案内レール
３１，３１をブラケツト３３，３３で下案内レー
ルの他端を固定する。

又、下案内レール３１，３１の上方には、前記
上ロール用レール１２，１２′の下降位置におけ
る上方である組替えレベルに上案内レール３４，
３４を位置させて下案内レール３１，３１と同様
にブラケツト３５，３５で引出し側のハウジング
２と、ブラケツト３６，３６でレール支持具３２
の内面とに固定している。尚、レール支持具３２
は第３図に示すように上下ロール１４，１５がシ
フトできるだけの間隔を十分に有するように形成
している。

又、引出し側のハウジング２の外側には前記下
案内レール３１の延長線上に引出し用レール３
７，３７を設置し、端部にストツパー３８を突設
している。そして、引出し用レール３７，３７上
には、第４図に示すように、引出し台車３９を移
動自在に乗架している。この引出し台車３９は前
面下端にフツク４０を回動自在に枢着し、このフ
ツク４０を流体機構等で形成した駆動装置４１に
より操作できるようになつている。一方、下ロー
ル１４の引出し側の下ロールチヨツク１４ａには
外側に前記フツク４０を係合する引掛け用フツク
４２を設けている。

本実施例は前記のように構成したもので、通常
は第４図に示すように上下ロール１５，１４でス
トリツプ１を挟んで所定の作業を行つている。そ
して、ストリツプ１が蛇行した際には、第３図に
示すようにシフト用シリンダＣを駆動して反引出
し側のハウジング２を案内具Ｂ，B′の案内でス
トリツプ１の進行方向に沿つて移動させることに
より、蛇行修正を行う。そして、ロール組替えを
行う際には、シフト用シリンダＣを駆動して反引
出し側のハウジング２を引出し側のハウジング２
とを同一垂直面内に位置させて、上下案内レール
３４，３１とハウジング２内の上下ロール用レー
ル１２，７との位置を合わせる。その後、両ハウ
ジング２，２に設けた夫々両側の下用昇降装置
５，５′を引込み側に駆動して夫々下ロール用昇
降枠４を組替レベル即ち、下ロール用レール７，
７′を下案内レール３１と同一レベルまで上昇さ
せる。この下ロール用レール７，７′の上昇に伴
い第８図右側に示すように下チヨツク用車輪１
９，１９を介して保持具２０が上昇し、保持具２
０の上面２０ａが支持部１６，１６′の下面１６
ｂに当接することにより下ロールチヨツク１４
ａ，１４ｂが上昇する。この状態において引出側
では保持棒１８，１８′の頭部１７，１７は夫々
上ロールチヨツク１５ａの頭部嵌入穴２１ａ，２
１ａに嵌入して上下ロールチヨツク１５ａ，１４
ａは積重ねられた状態となる。さらに両側の下ロ
ール用レール７，７′を下案内レール３１のレベ
ルまで上昇させることにより下ロールチヨツク１
４ａ，１４ｂと下チヨツク受１３との間に隙間δ
を発生させ、組替え可能となる。

一方、反引出し側のハウジング２に設けた上用
昇降装置１０を引込み側に駆動して上ロール用昇
降枠９を組替えレベル即ち、上ロール用レール１
２，１２′を上案内レール３３と同一レベルまで
上昇させる。この上昇に伴い上ロール用レール１
２，１２′で上チヨツク用車輪２３，２３を介し
て反引出し側の上ロールチヨツク１５ｂを上昇さ
せ、上ロール１５を傾斜させた状態にして上下ロ
ール１４，１５間に適当な隙間ができるようにす
る。この時には、ロール圧下装置１１を引上げ、
両側の上ロールチヨツク１５ａ，１５ｂより離間
させておく。又、ストリツプ１はハウジング２，
２の両側に設けたサポート用昇降装置２７，２
７′により上昇させたサポートロール２６，２６
により上下ロール１５，１４間に位置するように
支持される。

次に、引出し台車３９を第５図に示すように前
進させ、駆動装置４１を操作してフツク４０を、
下ロールチヨツク１４ａの引掛用フツク４２に係
合させる。その後、引出し台車３９を後退させる
ことにより下ロール１４を引出し、下ロールチヨ
ツク１４ａの下チヨツク用車輪１９を引出し用レ
ール３１上に、下ロールチヨツク１４ｂの下チヨ
ツク用車輪１９を下案内レール３０上に移乗させ
る。この下ロール１４の移動により、引出し側の
下ロールチヨツク１４ａの両保持棒１８，１８′
の頭部１７，１７′は上ロールチヨツク１５ａの
頭部嵌入穴２１ａ，２１ａに嵌入しているので、
上ロール１５も共に引出される。この際、反引出
し側の上ロールチヨツク１５ｂの上チヨツク用車
輪２３は上用昇降枠９の上ロール用レール１２，
１２′から上案内レール３４に移乗され、上ロー
ル１５は上案内レール３４の案内で下ロール１４
とは間隔をおいた状態で移動する。この移動中
に、引出し側の上ロール用昇降枠９を上昇させて
上ロール用レール１２，１２′を上案内レール３
３と同一レベルまで上昇させて待機させておく。

反引出し側の上下ロールチヨツク１５ａ，１４
ｂが引出し側のハウジング２内に位置した時（第
５図において“ア”で示す位置）、引出しを一旦
中止させる。引出し側のハウジング２の上用昇降
枠９を下降させて前記引出し側と同様に上ロール
チヨツク１５ｂを“イ”に示すように下ロールチ
ヨツク１４ａ上に預ける。この時は反引出し側下
ロールチヨツク１４ｂの保持棒１８，１８′はす
でに上昇しているので上ロールチヨツクを下降さ
せるのみでよい。その後、再び引出し台車３７を
後退させ、下チヨツク用車輪１９を“ウ”で示す
ようにハウジング２外の引出し用レール３７上に
移乗させる。この状態で新旧ロールを入れ替えて
引出しとは逆の手順でライン内へ挿入する。

尚、通常ロール交換は上下一対で行なうが、引
出し側の上ロールチヨツク１５ａを反引出し側の
上ロールチヨツク１５ｂと同様に上用昇降枠９を
上昇させて上ロール用レール１２，１２′で上案
内レール３４のレベルまで上昇させて上ロール１
５全体を上昇させ、下ロール１４との間に間隙を
発生させ、サポートロール２６，２６でストリツ
プ１を上下ロール１５，１４間で支持させた後、
下ロール１４のみを交換することも可能である。

尚、前記実施例においては、上チヨツク用車輪
２３及び下チヨツク用車輪１９でレール上を転動
させるように説明したが、構造上車輪の取付けが
困難な場合等には、車輪の代りにレール上を摺動
するスライダーを用いても同様効果があるもの
で、本考案においては両者を含めて移動具と称
す。

又、上用昇降枠９の昇降装置は上部に、下用昇
降用４の昇降装置は下部に設けてもよいものであ
る。

又、シフトされハウジング２は反引出し側に設
けるように説明したが、引出し側に設けてもよい
もので、この際にはレール支持具３２も引出し側
に設ければよいものである。

〔考案の効果〕

本考案においては、組替レベルに設置する上下
案内レール３４，３１を夫々シフトされるハウジ
ング２の内側に別体のレール支持具３２により支
持固定されているので、ストリツプ１の蛇行修正
のために、ハウジング２をシフトさせても、上下
案内レール３４，３１には影響を及ぼすことがな
い。

それ故、ロールの組替をラインの運転中でも組
替作業を極めて容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るストリツプ処理設備のス
テアリングロール組替装置の一実施例の側面図、
第２図はその縦断正面図、第３図は横断平面図、
第４図乃至第６図は作業順序の説明図で、第４図
は待機状態、第５図は引出し開始時、第６図は引
出し中止時と最終位置を示す、第７図は第５図の
−線矢視図、第８図は第４図と第５図のＢ，
B′部分の拡大側面図である。 尚、図中１……ストリツプ、２……ハウジン
グ、７，７′……下ロール用レール、１２，１
２′……上ロール用レール、１４……下ロール、
１５……上ロール、１４ａ，１４ｂ……下ロール
チヨツク、１５ａ，１５ｂ……上ロールチヨツ
ク、１９，２３……移動具、３１……下案内レー
ル、３２……レール支持具、３４……上案内レー
ルである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ストリツプ１の進行方向左右に一方をシフトで
   きるように設置した両ハウジング２，２と、両ハ
   ウジング２，２内を昇降する上下ロール１５，１
   ４の両側の上下ロールチヨツク１５ａ，１５ｂ，
   １４ａ，１４ｂを昇降させる上下ロール用レール
   １２，１２′，７，７′と、固定側のハウジング２
   に組替レベルで固定した夫々一対の上下案内レー
   ル３４，３１の他端を保持するシフト側のハウジ
   ング２の内側に設置したレール支持具３２とから
   成るストリツプ処理設備のステアリングロール組
   替装置。