JPH01198432A - 二相ステンレス鋼中空筒体の製造方法 - Google Patents
二相ステンレス鋼中空筒体の製造方法Info
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- JPH01198432A JPH01198432A JP2491488A JP2491488A JPH01198432A JP H01198432 A JPH01198432 A JP H01198432A JP 2491488 A JP2491488 A JP 2491488A JP 2491488 A JP2491488 A JP 2491488A JP H01198432 A JPH01198432 A JP H01198432A
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D6/00—Heat treatment of ferrous alloys
- C21D6/004—Heat treatment of ferrous alloys containing Cr and Ni
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、製紙用サクションロールの胴部等として有用
な二相ステンレス鋼からなる中空筒体の製造方法に関す
る。
な二相ステンレス鋼からなる中空筒体の製造方法に関す
る。
製紙工程において多湿紙を脱水処理するためのサクショ
ンロールは、多湿紙から搾出される酸性腐食液(所謂白
水)に対する腐食抵抗性を備えていることが必要であり
、またそのロール胴部には、多湿紙から白水を絞り出す
ために押付けられるプレスロールの加圧力にツブ圧)が
常時作用するので、強度と靭性を兼ね備えていることも
要求される。
ンロールは、多湿紙から搾出される酸性腐食液(所謂白
水)に対する腐食抵抗性を備えていることが必要であり
、またそのロール胴部には、多湿紙から白水を絞り出す
ために押付けられるプレスロールの加圧力にツブ圧)が
常時作用するので、強度と靭性を兼ね備えていることも
要求される。
従来より、サクションロールのロール胴部材料として各
種ステンレス鋼、就中JIS SOS 329 J等の
二相ステンレス鋼が広く用いられている。二相ステンレ
ス鋼は固溶化処理、材として使用される(JIS G
4305) 、その固溶化熱処理は、950〜1100
℃に加熱保持したのち、同温度から水冷することにより
行われる。
種ステンレス鋼、就中JIS SOS 329 J等の
二相ステンレス鋼が広く用いられている。二相ステンレ
ス鋼は固溶化処理、材として使用される(JIS G
4305) 、その固溶化熱処理は、950〜1100
℃に加熱保持したのち、同温度から水冷することにより
行われる。
二相ステンレス鋼は、耐食性にすぐれていると同時に、
オーステナイト相とフェライト相の共存により強度と靭
性を兼備し、構造材料として必要な溶接性にもすぐれて
いる材料であるが、従来の二相ステンレス鋼製サクショ
ンロール胴部には、しばしば折損事故が生じるという問
題がある。これは、そのロール胴部(中空筒体)の固溶
化熱処理における水冷時の外周面と内周面との温度差が
大きいために生じた残留応力がロール胴部に内在し腐食
疲労強度等を低下させているからである。
オーステナイト相とフェライト相の共存により強度と靭
性を兼備し、構造材料として必要な溶接性にもすぐれて
いる材料であるが、従来の二相ステンレス鋼製サクショ
ンロール胴部には、しばしば折損事故が生じるという問
題がある。これは、そのロール胴部(中空筒体)の固溶
化熱処理における水冷時の外周面と内周面との温度差が
大きいために生じた残留応力がロール胴部に内在し腐食
疲労強度等を低下させているからである。
上記残留応力は、固溶化熱処理後そのロール胴部を、温
度500〜800℃で焼もどし処理することにより除去
することができるが、反面その応力除去焼もどし処理に
より耐食性が低下し、また耐食性低下のために腐食疲労
強度を十分に回復させることもできない等、二相ステン
レス鋼の材質的特徴を確保することが困難となる。
度500〜800℃で焼もどし処理することにより除去
することができるが、反面その応力除去焼もどし処理に
より耐食性が低下し、また耐食性低下のために腐食疲労
強度を十分に回復させることもできない等、二相ステン
レス鋼の材質的特徴を確保することが困難となる。
本発明は、サクションロール胴部等の二相ステンレス鋼
中空筒体における上記問題点を解決するためになされた
ものである。
中空筒体における上記問題点を解決するためになされた
ものである。
〔問題点を解決するための手段および作用〕本発明の二
相ステンレス鋼中空筒体の製造方法は、二相ステンレス
鋼が、C:0.08%以下、Si: 0.2〜2%、M
n:0.2〜2%、 Cr : 23〜26%、Ni
:3〜8%、Mo:1〜5%、Cu:0.2〜1%、C
o:0.2〜4%、N:0.05〜0.25%。
相ステンレス鋼中空筒体の製造方法は、二相ステンレス
鋼が、C:0.08%以下、Si: 0.2〜2%、M
n:0.2〜2%、 Cr : 23〜26%、Ni
:3〜8%、Mo:1〜5%、Cu:0.2〜1%、C
o:0.2〜4%、N:0.05〜0.25%。
残部実質的にFeからなる化学成分組成を有し、その中
空筒体の固溶化熱処理における固溶化温度が1000〜
1150℃であり、同温度からの冷却を、中空孔内に対
する20Sm2/秒以上〔但し、Sは中空筒体の断面f
f1(rrf)]の送風により行うことを特徴としてい
る。
空筒体の固溶化熱処理における固溶化温度が1000〜
1150℃であり、同温度からの冷却を、中空孔内に対
する20Sm2/秒以上〔但し、Sは中空筒体の断面f
f1(rrf)]の送風により行うことを特徴としてい
る。
本発明は二相ステンレス鋼中空筒体の固溶化熱処理にお
いて、その固溶化温度からの冷却を、中空孔内への強制
送風により行うこととしたので、従来の水冷による場合
と異、なって、冷却過程における筒体内外面の温度差が
少なく、それに伴って中空筒体の残留応力が低減する。
いて、その固溶化温度からの冷却を、中空孔内への強制
送風により行うこととしたので、従来の水冷による場合
と異、なって、冷却過程における筒体内外面の温度差が
少なく、それに伴って中空筒体の残留応力が低減する。
以下、本発明について、まず対象材料であるステンレス
鋼を上記成分組成に限定した理由を説明する。
鋼を上記成分組成に限定した理由を説明する。
C: 0.08%以下
Cはオーステナイト生成元素であり、強度の向上に著効
を有するが、含有量が多すぎると、クロム炭化物が析出
し易くなり、炭化物近傍におけるCr濃度の減少に伴っ
て、孔食、すきま腐食、粒界腐食等の局部腐食に対する
抵抗性が低下し、また耐応力腐食割れ性の低下をみる。
を有するが、含有量が多すぎると、クロム炭化物が析出
し易くなり、炭化物近傍におけるCr濃度の減少に伴っ
て、孔食、すきま腐食、粒界腐食等の局部腐食に対する
抵抗性が低下し、また耐応力腐食割れ性の低下をみる。
このため、0.08%を上限とする。
Si:0.2〜2%
Siは溶鋼の脱酸および鋳造性確保のため、少なくとも
0.2%を必要とする。しかし、多量の添加は靭性を悪
くし、溶接性をも損なうので、2%を上限とする。
0.2%を必要とする。しかし、多量の添加は靭性を悪
くし、溶接性をも損なうので、2%を上限とする。
MrzO,2〜2%
Mnは通常の脱酸・脱硫過程で、0.2%程度添加され
る元素であり、また鋼素地のオーステナイト相の安定化
に有効な元素である。このための含有量は2%までで十
分である。よって0.2〜2%とする。
る元素であり、また鋼素地のオーステナイト相の安定化
に有効な元素である。このための含有量は2%までで十
分である。よって0.2〜2%とする。
Cr:23〜26%
Crは耐食性、特に耐粒界腐食性の改善に著効を有する
とともに、耐応力腐食割れ性の向上に寄与する。また、
Crはフェライト生成元素であり、二相組織におけるフ
ェライト相を形成し、強度を高める。本発明では後記N
i量との関係で23%以上のCrを含有しないと、二相
ステンレス鋼として好ましいフェライト量(面積率で3
0%以上)を確保しがたい。
とともに、耐応力腐食割れ性の向上に寄与する。また、
Crはフェライト生成元素であり、二相組織におけるフ
ェライト相を形成し、強度を高める。本発明では後記N
i量との関係で23%以上のCrを含有しないと、二相
ステンレス鋼として好ましいフェライト量(面積率で3
0%以上)を確保しがたい。
一方、Crlがあまり多くなると、鋼の靭性が著しく低
下し、かつ鋳造時に硬脆なσ相が生成する。また、Ni
量との関係からフェライト量が60%を越え、二相組織
におけるオーステナイト相との量的バランスが失われ、
耐食性、就中孔食、すきま腐食に対する抵抗性が低下す
る。このため、Cr量は23〜26%とする。
下し、かつ鋳造時に硬脆なσ相が生成する。また、Ni
量との関係からフェライト量が60%を越え、二相組織
におけるオーステナイト相との量的バランスが失われ、
耐食性、就中孔食、すきま腐食に対する抵抗性が低下す
る。このため、Cr量は23〜26%とする。
Ni:3〜8%
Niはオーステナイト相を安定化する元素であり、鋼の
靭性を向上させる。また、耐食性の点からも必要な元素
である。含有量が3%に満たないと、これらの効果が不
足する。前記Cr量との関係から、フェライト量を60
%以下にするためにも3%以上の添加を必要とする。
靭性を向上させる。また、耐食性の点からも必要な元素
である。含有量が3%に満たないと、これらの効果が不
足する。前記Cr量との関係から、フェライト量を60
%以下にするためにも3%以上の添加を必要とする。
しかし、Niを多量に加えても、含有量の割に耐食性、
機械的性質の向上効果は少なく経済的に不利であるばか
りか、二相組織におけるオーステナイト相が過剰になっ
て二相の量的バランスを失う。このため、Ni量は8%
を上限とする。
機械的性質の向上効果は少なく経済的に不利であるばか
りか、二相組織におけるオーステナイト相が過剰になっ
て二相の量的バランスを失う。このため、Ni量は8%
を上限とする。
MO:1〜5%
MOはステンレス鋼の耐食性、ことに孔食、すきま腐食
抵抗性の改善に著効を奏する。1%以上の添加により、
非酸化性酸に対する耐食性、ま°た塩化物を含む溶液中
での孔食、粒界腐食および応力腐食割れに対する抵抗性
の顕著な向上をみる。
抵抗性の改善に著効を奏する。1%以上の添加により、
非酸化性酸に対する耐食性、ま°た塩化物を含む溶液中
での孔食、粒界腐食および応力腐食割れに対する抵抗性
の顕著な向上をみる。
しかし、多量に加えると、耐食性の改善効果は飽和する
ばかりか、σ相の析出による鋳造時の脆化が著しくなる
ので、5%を上限とする。
ばかりか、σ相の析出による鋳造時の脆化が著しくなる
ので、5%を上限とする。
Cu:0.2〜1%
Cuは低濃度の塩素イオンを含む環境中での耐食性、こ
とに耐腐食疲労割れ性を高める。また、オーステナイト
相を固溶強化する。これらの効果を十分なものとするた
めに、少なくとも0.2%を必要とするが、あまり多く
なると、金属間化合物の生成に伴い靭性の低下をみるの
で、1%を上限とする。
とに耐腐食疲労割れ性を高める。また、オーステナイト
相を固溶強化する。これらの効果を十分なものとするた
めに、少なくとも0.2%を必要とするが、あまり多く
なると、金属間化合物の生成に伴い靭性の低下をみるの
で、1%を上限とする。
Co:0.2〜4%
CoはNiと同じく置換型オーステナイト生成元素であ
り、COの添加により、塩素イオンを含む環境での耐食
性が著しく高められる。更に、Coは、基地に固溶した
まま、析出物の凝集を抑制する作用を有し、従って従来
の二相ステンレス鋼の大きな問題点であったσ相脆性、
475℃脆性、特に溶接熱影響部での、これら析出物に
よる脆化の緩和に大きく寄与する。これらの効果を得る
には、少なくとも0.2%のCOを必要とする。含有量
の。
り、COの添加により、塩素イオンを含む環境での耐食
性が著しく高められる。更に、Coは、基地に固溶した
まま、析出物の凝集を抑制する作用を有し、従って従来
の二相ステンレス鋼の大きな問題点であったσ相脆性、
475℃脆性、特に溶接熱影響部での、これら析出物に
よる脆化の緩和に大きく寄与する。これらの効果を得る
には、少なくとも0.2%のCOを必要とする。含有量
の。
増加に従ってその効果は増大するが、4%までの添加に
より機械的性質、耐食性、ミクロ組織等の十分な改善効
果が得られる。Coは高価な元素であり、それ以上の添
加は、コスト的に不利である。
より機械的性質、耐食性、ミクロ組織等の十分な改善効
果が得られる。Coは高価な元素であり、それ以上の添
加は、コスト的に不利である。
よって0.2〜4%とする。
N : 0.05〜0.25%
Nは強力なオーステナイト生成元素であり、Nの添加に
より、同じくオーステナイト生成元素であるNiの添加
量を節減することができ、併せて強度および耐孔食性の
改善効果が得られる。これらの効果を得るために、少な
くとも0.05%を必要とする。しかし、多量に加えて
も、添加量の割には、耐食性や機械的性質の向上効果は
少ないので、0.25%を上限とする。
より、同じくオーステナイト生成元素であるNiの添加
量を節減することができ、併せて強度および耐孔食性の
改善効果が得られる。これらの効果を得るために、少な
くとも0.05%を必要とする。しかし、多量に加えて
も、添加量の割には、耐食性や機械的性質の向上効果は
少ないので、0.25%を上限とする。
上記成分組成を有する二相ステンレス鋼を鋳造して中空
筒状体を得たのち固溶化熱処理を行う。
筒状体を得たのち固溶化熱処理を行う。
その固溶化温度を1000〜1150℃に規定したのは
、1000℃より低い温度では、合金元素の十分な固溶
化と組織の均質化効果に不足をきたし、他方1150℃
をこえると、鋭敏化状態が生じ、耐食性の低下をきたす
からである。その加熱保持時間は、中空筒体の肉厚によ
り決められるものであり、2時間/1nch(肉厚1イ
ンチにつき2時間)を目安とし、例えば肉厚2インチの
場合の加熱保持時間は約4時間とするとよい。
、1000℃より低い温度では、合金元素の十分な固溶
化と組織の均質化効果に不足をきたし、他方1150℃
をこえると、鋭敏化状態が生じ、耐食性の低下をきたす
からである。その加熱保持時間は、中空筒体の肉厚によ
り決められるものであり、2時間/1nch(肉厚1イ
ンチにつき2時間)を目安とし、例えば肉厚2インチの
場合の加熱保持時間は約4時間とするとよい。
上記固溶化温度からの冷却を、中空孔内に送風する強制
空冷により行うこととしたのは、中空筒体の内外面の温
度差を可及的に小さく抑えながら所定の固溶化熱処理効
果を確保するためである。
空冷により行うこととしたのは、中空筒体の内外面の温
度差を可及的に小さく抑えながら所定の固溶化熱処理効
果を確保するためである。
第1図はその強制空冷の例を示している。(10)は中
空筒体であり、中空筒体(10)はターニングローラ(
3,3)上に水平に担持されている。(1)は送風機で
あり、その前部に送風ノズル(2)が取付けられている
。中空筒体(10)はターニングローラ(3゜3)の回
転駆動により、自身の軸心を中心として適当な回転速度
で回転しながら、送風機(1)による中空孔(11)内
への送風により強制空冷される。中空筒体(10)を回
転させながら強制空冷するのは、中空筒体(10)の円
周方向の各個所の送風冷却効果を均一化するためである
。円周方向の各個所に対する送風量が均一であれば、回
転駆動を省略してよい。
空筒体であり、中空筒体(10)はターニングローラ(
3,3)上に水平に担持されている。(1)は送風機で
あり、その前部に送風ノズル(2)が取付けられている
。中空筒体(10)はターニングローラ(3゜3)の回
転駆動により、自身の軸心を中心として適当な回転速度
で回転しながら、送風機(1)による中空孔(11)内
への送風により強制空冷される。中空筒体(10)を回
転させながら強制空冷するのは、中空筒体(10)の円
周方向の各個所の送風冷却効果を均一化するためである
。円周方向の各個所に対する送風量が均一であれば、回
転駆動を省略してよい。
中空筒体(10)の内周面は外周面に比べて冷却されに
くいが、上記のように中空孔(11)内に強制送風する
ことにより、中空孔内の高温空気が排出され、内周面が
優先的に冷却される効果、中空筒体の内外面の温度差が
緩和され、残留応力の少ない固溶化熱処理が達成される
。
くいが、上記のように中空孔(11)内に強制送風する
ことにより、中空孔内の高温空気が排出され、内周面が
優先的に冷却される効果、中空筒体の内外面の温度差が
緩和され、残留応力の少ない固溶化熱処理が達成される
。
上記中空筒体(lO)の中空孔内への送風量を、2゜S
nf/秒以上としたのは、内外面の温度差を最小限に抑
えるためであり、これにより残留応力が太き(低減する
からである。第2図は、送風量(ポ/秒)とその冷却過
程における最大の温度差を示している。送風量を20S
rff/秒以上とすることにより、内外面の温度差は1
00℃以下に抑えられることがわかる。なお、送風量と
中空筒体の内外面の温度差との間には、厳密にはその肉
厚が関係するが、通常約30mm以上の厚肉であり、設
計上、肉厚と口径とは略比例関係にあるので、上記のよ
うに中空孔の断面積(S)を基準とし、20Srrf/
秒以上の送風を行うことにより好結果を得ることができ
る。よって、送風量の下限を203nf/秒とした。
nf/秒以上としたのは、内外面の温度差を最小限に抑
えるためであり、これにより残留応力が太き(低減する
からである。第2図は、送風量(ポ/秒)とその冷却過
程における最大の温度差を示している。送風量を20S
rff/秒以上とすることにより、内外面の温度差は1
00℃以下に抑えられることがわかる。なお、送風量と
中空筒体の内外面の温度差との間には、厳密にはその肉
厚が関係するが、通常約30mm以上の厚肉であり、設
計上、肉厚と口径とは略比例関係にあるので、上記のよ
うに中空孔の断面積(S)を基準とし、20Srrf/
秒以上の送風を行うことにより好結果を得ることができ
る。よって、送風量の下限を203nf/秒とした。
送風量を多くする程、その冷却効果は増すが、40Sn
f/秒までで十分であり、それ以上に送風量を増す必要
は特にない。
f/秒までで十分であり、それ以上に送風量を増す必要
は特にない。
このように強制空冷をうけた中空筒体は、その固溶化熱
処理の効果として強度、靭性等の機械的性質と、安定し
た耐食性を兼備し、しかもその残留応力が従来の水冷に
よる場合の約115ないしそれ以下と小さいので、腐食
疲労強度が高く、ロール折損に対するすぐれた抵抗性を
有している。
処理の効果として強度、靭性等の機械的性質と、安定し
た耐食性を兼備し、しかもその残留応力が従来の水冷に
よる場合の約115ないしそれ以下と小さいので、腐食
疲労強度が高く、ロール折損に対するすぐれた抵抗性を
有している。
1星■上
(Il供試材(遠心力鋳造管)
管サイズ(mm) :外径1081 X内径821×長
さ4000成分組成(wt%) : CO,02,S
i O,51,MnO,83,Cr 24.51. N
i 4.73. Mo 2.84. C。
さ4000成分組成(wt%) : CO,02,S
i O,51,MnO,83,Cr 24.51. N
i 4.73. Mo 2.84. C。
1.01. Cu O,52,N O,19゜(U)
固溶化熱処理 加熱条件: 1050℃X7Hr 冷却条件:第1図に示すように供試材(10)をターニ
ングローラ(3,3)に水平担持せしめ、1回転/分の
回転下に、送風機(1)からノズル(2)を介して風速
40m/秒(風量:25rrr/秒=40Snr/秒)
の送風を行って200℃まで強制空冷し、その後放冷に
より常温まで降下させて供試中空体(A)を得た。
固溶化熱処理 加熱条件: 1050℃X7Hr 冷却条件:第1図に示すように供試材(10)をターニ
ングローラ(3,3)に水平担持せしめ、1回転/分の
回転下に、送風機(1)からノズル(2)を介して風速
40m/秒(風量:25rrr/秒=40Snr/秒)
の送風を行って200℃まで強制空冷し、その後放冷に
より常温まで降下させて供試中空体(A)を得た。
比較例として、固溶化熱処理における強制冷却を、風速
10m/秒(風量? 6.5 nf/秒−103rrr
/秒)で行った以外は上記と全く同一の条件下に供試中
空体(B)を得た。
10m/秒(風量? 6.5 nf/秒−103rrr
/秒)で行った以外は上記と全く同一の条件下に供試中
空体(B)を得た。
更に、他の比較例として、JIS SO3329J 1
相当の成分組成(CO,02,S i O,54,Mn
O,7゜Cr 24.6. N i 4.3. M
o 2.95+残部Fe、%)を有する遠心鋳造管(管
サイズは上記と同一)を、上記と同じ加熱条件(105
0℃X 70r)で加熱したのち、同温度から水冷する
従来の固溶化熱処理を行って供試中空体(C)を得た。
相当の成分組成(CO,02,S i O,54,Mn
O,7゜Cr 24.6. N i 4.3. M
o 2.95+残部Fe、%)を有する遠心鋳造管(管
サイズは上記と同一)を、上記と同じ加熱条件(105
0℃X 70r)で加熱したのち、同温度から水冷する
従来の固溶化熱処理を行って供試中空体(C)を得た。
上記各供試中空体の残留応力測定結果は次のとおりであ
る。
る。
供試材 残留応力(kg/wj)供試中空体
A(発明例)0.8 供試中空体B(比較例、風量不足)3.8供試中空体C
(比較例、水冷)6.5 災旅±1 (1)供試材の調製 遠心力鋳造された中空管材(外径1080 X肉厚12
3、5 x長さ4000. am)を固溶化熱処理して
供試材を得た。
A(発明例)0.8 供試中空体B(比較例、風量不足)3.8供試中空体C
(比較例、水冷)6.5 災旅±1 (1)供試材の調製 遠心力鋳造された中空管材(外径1080 X肉厚12
3、5 x長さ4000. am)を固溶化熱処理して
供試材を得た。
第1表に供試材の成分組成と固溶化熱処理条件および熱
処理後の残留応力測定結果を示す。Nα1〜3は発明例
、 klolとNα102は比較例である0発明例(N
al〜3)の固溶化熱処理は、1050℃X101fr
の加熱保持後、第1図の強制空冷装置において、供試材
の回転速度1rpm、送風量15rrr/秒(25Sr
ff/秒)の強制送風により行った。比較例Na101
とNα102の固溶化熱処理は1050″CX1011
rの加熱保持後の冷却を水冷により行った。ただし、N
a102については、水冷後、応力除去のため、525
℃XIHrの焼もどし処理を行った。
処理後の残留応力測定結果を示す。Nα1〜3は発明例
、 klolとNα102は比較例である0発明例(N
al〜3)の固溶化熱処理は、1050℃X101fr
の加熱保持後、第1図の強制空冷装置において、供試材
の回転速度1rpm、送風量15rrr/秒(25Sr
ff/秒)の強制送風により行った。比較例Na101
とNα102の固溶化熱処理は1050″CX1011
rの加熱保持後の冷却を水冷により行った。ただし、N
a102については、水冷後、応力除去のため、525
℃XIHrの焼もどし処理を行った。
(If)材料特性
各供試材から試験片を切、り出し、機械試験、腐食試験
(耐孔食性試験)、および腐食疲労試験を行った。なお
、腐食試験、および腐食疲労試験要領は次のとおりであ
る。
(耐孔食性試験)、および腐食疲労試験を行った。なお
、腐食試験、および腐食疲労試験要領は次のとおりであ
る。
(イ)腐食試験
ASTM G 48A法に規定されている塩化第二
鉄(FeCj!s)溶液による孔食試験(TotalI
mmersion Ferric Chloride
Te5t)に準拠し、腐食源m (g / rrrh)
を測定する。
鉄(FeCj!s)溶液による孔食試験(TotalI
mmersion Ferric Chloride
Te5t)に準拠し、腐食源m (g / rrrh)
を測定する。
(ロ)腐食疲労試験
製紙工業協会規定の標準腐食液(TAPPII)(C/
!−:1100pp、 5Oa−−:11000pp
、 pH3,5)を使用し、小野式回転曲げ法により、
応力20kg/−の条件で、腐食疲労破壊に到るまでの
回転数(N)を測定する。
!−:1100pp、 5Oa−−:11000pp
、 pH3,5)を使用し、小野式回転曲げ法により、
応力20kg/−の条件で、腐食疲労破壊に到るまでの
回転数(N)を測定する。
第2表に、フェライト量、機械的性質の測定結果、およ
び腐食試験結果を示す。
び腐食試験結果を示す。
第2表に示した試験結果から明らかなように、発明例(
阻1〜3)は、加熱後の冷却を水冷で行った比較例11
klIO1と同等もしくはそれ以上の機械的性質と耐食
性を有し、かつその耐腐食疲労性はNα101のそれを
大きく凌いでいる。発明例が比較例11kl101を大
きく凌ぐ耐腐食疲労性を有しているのは、漱101では
高い残留応力(6,5kg/mj)が内在しているのに
対し、発明例は残留応力が大きく低減していることによ
る。また、固溶化熱処理での冷却を水冷により行った後
、焼もどし処理を施したNa102の残留応力は発明例
と同レベルに低減(1,3kg/d)しているけれども
、焼もどし処理に伴うて耐食性が低下しており、またそ
のために腐食疲労強度も低レベルにとどまっている。
阻1〜3)は、加熱後の冷却を水冷で行った比較例11
klIO1と同等もしくはそれ以上の機械的性質と耐食
性を有し、かつその耐腐食疲労性はNα101のそれを
大きく凌いでいる。発明例が比較例11kl101を大
きく凌ぐ耐腐食疲労性を有しているのは、漱101では
高い残留応力(6,5kg/mj)が内在しているのに
対し、発明例は残留応力が大きく低減していることによ
る。また、固溶化熱処理での冷却を水冷により行った後
、焼もどし処理を施したNa102の残留応力は発明例
と同レベルに低減(1,3kg/d)しているけれども
、焼もどし処理に伴うて耐食性が低下しており、またそ
のために腐食疲労強度も低レベルにとどまっている。
本発明方法によれば、強度、靭性、耐食性、耐腐食疲労
性等にすぐれた二相ステンレス鋼中空筒体が得られる。
性等にすぐれた二相ステンレス鋼中空筒体が得られる。
従って、本発明方法は、製紙用サクシボンロール、その
他の上記緒特性が要求される部材の製造法として有用で
あり、その部材の安定性・耐久性の改善に大きな効果を
もたらすものである。
他の上記緒特性が要求される部材の製造法として有用で
あり、その部材の安定性・耐久性の改善に大きな効果を
もたらすものである。
第1図は本発明における中空筒体の固溶化温度からの冷
却方法の例を示す正面説明図、第2図は、中空筒体の固
溶化温度からの強制空冷時の送風量とその冷却過程での
筒体内外面の温度差の関係を示すグラフである。 1:送風機、2:送風ノズル、3:回転駆動ローラ、1
0:中空筒体。
却方法の例を示す正面説明図、第2図は、中空筒体の固
溶化温度からの強制空冷時の送風量とその冷却過程での
筒体内外面の温度差の関係を示すグラフである。 1:送風機、2:送風ノズル、3:回転駆動ローラ、1
0:中空筒体。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1、C:0.08%以下、Si:0.2〜2%、Mn:
0.2〜2%、Cr:23〜26%、Ni:3〜8%、
Mo:1〜5%、Cu:0.2〜1%、Co:0.2〜
4%、N:0.05〜0.25%、残部実質的にFeで
ある二相ステンレス鋼からなる中空筒体を、1000〜
1150℃に加熱保持したのち、その中空孔内に、20
Sm^2/秒以上〔但し、Sは中空孔の径方向断面積(
m^2)〕の送風を行うことにより強制空冷することを
特徴とする二相ステンレス孔中空筒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2491488A JPH01198432A (ja) | 1988-02-03 | 1988-02-03 | 二相ステンレス鋼中空筒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2491488A JPH01198432A (ja) | 1988-02-03 | 1988-02-03 | 二相ステンレス鋼中空筒体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01198432A true JPH01198432A (ja) | 1989-08-10 |
Family
ID=12151434
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2491488A Pending JPH01198432A (ja) | 1988-02-03 | 1988-02-03 | 二相ステンレス鋼中空筒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH01198432A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05302118A (ja) * | 1992-03-27 | 1993-11-16 | Kubota Corp | ドリル及びバイト加工性にすぐれる二相ステンレス鋼の製法 |
-
1988
- 1988-02-03 JP JP2491488A patent/JPH01198432A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05302118A (ja) * | 1992-03-27 | 1993-11-16 | Kubota Corp | ドリル及びバイト加工性にすぐれる二相ステンレス鋼の製法 |
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