JPH0119672Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は分娩豚房内に設置する子豚保温器に関
する。

一般に、分娩豚房内において子豚は30℃以上の
温度と60％以上の湿度を必要とし、特に誕生直後
は36℃以上の温度と80％以上の湿度を必要とす
る。そのため、従来は、ニクロム線ヒーターや面
発熱体から成る子豚用保温マツトを保温箱の中に
入れて保温したり、温湯式や超音波式等の通常使
用する加湿器を置いて加湿していた。しかし、こ
のような保温マツトはヒーターの直上の温度が他
の部分と比べ高いという空間的温度ムラがあつた
り、スイツチが入つた時と切れた時の温度の昇降
が見られるという時間的温度ムラが生じていた。
また別途使用する加湿器は保温器と別に設ける必
要があるという欠点があつた。

そこで、本考案は上記の諸点に鑑み、温度ムラ
を生じることなく加温すると共に、加湿をも行な
い、子豚の育成に適した環境をつくることのでき
る子豚保温器を提供しようとするものである。

以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。

第１図、第２図は本考案の第１の実施例を示
し、１は子豚保温器、２は子豚保温器を覆う保温
箱である。子豚保温器１は、底面積の広い偏平な
温水槽３内に電熱ヒーター４を内蔵するヒーター
ケース５を設け、常時ヒーターケース５より高い
一定水位を保つ給水装置として側壁に設けた給水
口にフロートバルブ６を設ける。温水槽３の側壁
上方、水位より高い位置に第１の通気孔７を多数
設ける。また、温水槽３の上面には、第１の通気
孔７を設けた側壁を超えて外側に突出する突出部
８を有する蓋９を設けて温水槽３を覆い、突出部
８に第２の通気孔１０を多数設ける。なお、１１
は蓋９が温水槽３とずれないように設けたフラン
ジで、第２の通気孔１０の下方に位置する所は凹
部１２を設ける。１３はフロート、１４は給水
管、１５は電源コード、１６は温水、１７は保温
箱に設けた出入口である。

次に、第１の実施例の作用を説明する。

給水管１４とフロートバルブ６を経て温水槽３
内に給水された水は、電源コード１５を電源に接
続すると、電熱ヒーター４が熱くなり、ヒーター
ケース５を介して温められる。温められた温水１
６により蓋９は温度ムラを生じることなく均一的
に温められ、保温箱２内を加温する。また、温め
られた温水１６の一部は蒸発し、第１の通気孔７
から第２の通気孔１０を通つて保温箱２内へ水蒸
気が入り、加湿する。蒸発により温水１６が減少
すると、フロート１３が下がり、フロートバルブ
６が開いて、一定水位まで水が供給される。

なお、ヒーター４はケース５を用いない形式の
もの等、適宜のものでよいことは云う迄もない。

第３図は本考案の第２の実施例を示し、第１の
実施例のフロートバルブ６を設ける代りに、子豚
保温器１とは別体の密閉タンク１８内に水を入
れ、ホース１９を介して子豚保温器１の温水槽３
に設けた給水管２０と連結し、サイフオン式給水
装置により、温水槽３に、常に一定水位の水を給
水するようにしている。すなわち水位が給水管２
０の先端よりも下がれば密閉タンク１８内に空気
が流入してタンク内の水が温水槽３内に流入し、
水位が上昇して給水管２０の先端を閉じることに
よつて流入は止る。

第４図は、本考案の第３の実施例を示し、温水
槽３内に電熱ヒーター４およびヒーターケース５
は設けずに、温水槽３に温水槽とほぼ同じレベル
に設置された自然対流式の湯沸器２１の給湯管２
２，２２′を連結し、所望温度の温湯の供給を受
ける。すなわち、湯沸器２１で加熱された温湯は
自然対流によつて上側給湯管２２から流入し、さ
めた温湯は下側給湯管２２′から湯沸器２１へと
還流する。この際、湯沸器２１は、複数の子豚保
温器の温水槽と連結しても良い。また、温水槽に
電熱ヒーターとヒーターケースを内設したうえ
に、さらに湯沸器と連結しても良い。

以上のように、本考案は一定水位を保つことの
できる給水装置を設けた温水槽の上面を蓋で覆
い、温湯の熱により加温するようにしたので、従
来の保温マツトと比べ、場所による温度ムラやス
イツチが入つた時と切れた時の温度の昇降の差が
なくなり、電熱ヒーターの配置も容易となる。ま
た、温水槽の蒸気を利用して加湿するので別途加
湿器を用意する必要がなく加湿でき、床面となる
蓋に設けた通気孔は温水槽の上部を避けたので、
蓋に設けた通気孔より糞尿が落下しても温水槽中
に混入することがなく、衛生的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例の使用を示す一
部切欠の側面図、第２図は第１の実施例の一部切
欠の斜視図、第３図は本考案の第２の実施例の断
面図、第４図は本考案の第３の実施例の斜視図で
ある。 １……子豚保温器、２……保温箱、３……温水
槽、４……電熱ヒーター、５……ヒーターケー
ス、６……フロートバルブ、７……第１の通気
孔、８……突出部、９……蓋、１０……第２の通
気孔、１１……フランジ、１２……凹部、１３…
…フロート、１４……給水管、１６……温水、１
８……密閉タンク、１９……ホース、２０……給
水管、２１……湯沸器、２２……給湯管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 温水槽に常時一定水位を保つ給水装置を設
   け、該温水槽側壁上方には第１の通気孔を多数
   設け、該温水槽の上面には、該第１の通気孔を
   設けた該温水槽の側壁を超えて外側に突出する
   突出部を有する蓋を設けて該温水槽を覆うと共
   に、該突出部に第２の通気孔を多数設けたこと
   を特徴とする子豚保温器。 ２ 前記温水槽内には、電熱ヒーターを内蔵する
   ヒーターケースを有することを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の子豚保温器。 ３ 前記給水装置は、温湯供給装置と連結してい
   ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項、または第２項記載の子豚保温器。