JPH0119538Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、平型導体ケーブルを床面とカーペツ
トとの間に配線した床配線システムの改良に関
し、さらに詳しくは平型導体ケーブルの分岐部又
は接続部における積層厚を減少し隆起を抑制した
床配線システムに関する。

近年、オフイスオートメーシヨン（OA）化が
急速に進展するに伴つてオフイス内のOA機器へ
の電力供給、データ伝送用に、平型導体ケーブル
（以下FCケーブルと称す）を床面上に配し、その
上に金属テープを配し、さらにその上にカーペツ
トを敷詰めた床配線システム（又はアンダーカー
ペツト配線システムとも称されている）が普及し
つつある。

かかるFCケーブルとしては、例えば第１図に
その断面図を示す如く、幅５mm以上、厚さ１mm以
下の銅導体１の複数本を所定間隔に並列配置し、
その上下両面にプラスチツク絶縁フイルム２，２
を貼り合せたテープ状ケーブルが用いられてい
る。

FCケーブルは、埋込みフロアダクト等のダク
トや電線管を一切使用することなく、床面上に直
接配し、その上にカーペツトを敷詰めた簡単な配
線システムで使用されるため、FCケーブルの任
意の位置から分岐が容易であり、さらに配線ルー
トの変更も極めて容易であるなどの多くの利点を
有するので急速にかかる床配線システムが普及し
つつある。

FCケーブルは、このようにダクトや電線管を
一切使用しないので、多くの利点を有するが、そ
の反面ダクトや電線管という保護体がないがため
に、カーペツト上から釘などがFCケーブルの導
体に容易に突きささり導体を切断したり、感電事
故等を招きやすいという欠点がある。したがつて
これを防止するために床面上に配したFCケーブ
ル上には、接地した鉄テープなどの金属テープを
FCケーブルに沿つて設けてあり、その上にカー
ペツトを敷詰めている。これにより、カーペツト
の上から釘などの鋭利な金属突起物が突き刺さつ
てもFCケーブルの上に配してある金属テープで
突起物がくい止められて導体にまで達するのを防
止できる。

また、たとえ、金属テープを貫通して導体にま
で達したとしても、導体を流れる電流は、導体に
突き刺さつている金属突起物を経て金属テープに
流れアースに流れるので人体には感電することが
ないとともに、電源側に設置した漏電遮断器が瞬
時に働き電流を遮断することができる。

このように、絶縁体の厚さの薄いFCケーブル
を直接カーペツトの下に布設する床配線システム
では、安全性の面からFCケーブル上にこれに沿
つて鋼テープの如き保護用金属テープを配置する
ことが不可欠である。

したがつて、FCケーブルの分岐部、接続部等
においても各FCケーブル上に配されている金属
テープ相互の電気的接続が不可欠であり、従来、
第２図に示す如く、分岐部及び接続部では両FC
ケーブルＡ，Ｂを重ね合せ、両ケーブルＡ，Ｂの
各導体間、すなわちFCケーブルＡの導体１とFC
ケーブルＢの導体１とを金属製ハトメ３で貫通接
続をし、同様にして、両FCケーブルＡ，Ｂの各
導体１′，１′間及び１″，１″間をそれぞれハトメ
３′，３″で貫通接続をする。次に両FCケーブル
Ａ，Ｂ上に配されている両金属テープ４，４′を
互に重ね合せ、その相互をハトメ５で所要個所接
続していた。

しかしながら、このように従来の床配線システ
ムでは、分岐部及び接続部においてはFCケーブ
ル２板と比較的に厚い金属テープ２板とが重ね合
せられているのでこの部分の厚さが厚くなり、カ
ーペツト表面がかなり隆起することになり、好ま
しくないものであつた。

本考案は、かかる現状に鑑みて鋭意検討した結
果、分岐部、接続部における重ね合せ部の積層厚
を減少し、隆起量を抑制した床配線システムを提
供せんとするものである。

すなわち、本考案は、フラツト導体の複数本を
所定間隔に並列配置し、その全体を電気絶縁体で
帯状に被覆してなる平型導体ケーブルを床面上に
配線し、該ケーブル上に金属テープを配し、さら
にその上にカーペツトを配してなる床配線システ
ムにおいて、該ケーブルの上に別の平型導体ケー
ブルを重ね合せ、該重ね合せ部の上下両ケーブル
の各導体間をハトメ接続し、各ケーブルの所定導
体と各金属テープとをそれぞれハトメ接続し、上
記重ね合せ部で該金属テープの一方のみが配され
ていることを特徴とする床配線システムである。

次に本考案を図面を用いて説明する。

第３図は本考案による床配線システムにおける
分岐部及び／又は接続部の１例を示す射視図であ
る。図中ＡはFCケーブル、Ｂは別のFCケーブ
ル、１，１′，１″はFCケーブルの各フラツト導
体、２はプラスチツク電気絶縁体、３，３′，
３″はハトメ、４，４′は金属テープ、及び５，
５′はハトメである。尚、図中導体１，１′，１″
はその両面をプラスチツク電気絶縁体２でサンド
イツチ状に積層一体化されているが、FCケーブ
ルの外側から内部の導体１，１′，１″は透視でき
るものとして図示してある。

第３図に示す如く、本考案による床配線システ
ムにおける分岐部及び／又は接続部は、FCケー
ブルＡの各導体１，１′，１″とこれにそれぞれ対
応する、別のFCケーブルＢの各導体１，１′，
１″とを重ね合せ部の上下各交差位置でハトメ３，
３′，３″（実際には斜視図には見えないがその位
置を図示した）により導体接続し、さらに、FC
ケーブルＡの所定導体例えば導体１′と金属テー
プ４とをハトメ５で接続し、他方FCケーブルＢ
の所定導体例えば導体１′と金属テープ４′とを接
続しており、重ね合せ部ではFCケーブルＡの上
に配してある金属テープ４のみが配されており、
別のFCケーブルＢの上に配してある金属テープ
４′は重ね合せ部には達しないように途中で除去
してある構造となつている。

このように第３図から明らかな如く、本考案に
よる床配線システムでは、分岐部、接続部におい
て金属テープは互に重り合うことなく、いずれか
一方のみが配されているので、従来システムにお
ける分岐部、接続部に比べて、比較的厚さの厚い
金属テープ１枚分だけその部分の厚さが薄くなつ
ているため、カーペツトの隆起を僅少に抑えるこ
とができる。

尚、本考案では、FCケーブルＡの導体１′と金
属テープ４とはハトメ５で電気的に接続され、さ
らにFCケーブルＢの導体１′と金属テープ４′と
はハトメ５′で電気的に接続されているので、両
金属テープ４，４′間は両ケーブルＡ，Ｂの両導
体１′，１′によつて電気的に接続されている。し
たがつて、分岐路、接続部において、両金属テー
プを重ね合せによつて電気的接続を行う必要が全
くなく、非分岐部、非接続部と同様に金属テープ
は１枚だけでその目的を果すことができる。

以上の如く、本考案は、FCケーブルの分岐部
及び／又は接続部における積層厚を減少し、隆起
を抑制した優れた床配線システムを提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、平型導体ケーブルの断面図、第２図
は従来の床配線システムの分岐部又は接続部を示
す斜視図、及び第３図は本考案による床配線シス
テムにおける分岐部又は接続部を示す斜視図であ
る。 １，１′，１″……フラツト導体、２……電気絶
縁体、３，３′，３″……ハトメ、４，４′……金
属テープ、５，５′……ハトメ、Ａ，Ｂ……平型
導体ケーブル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フラツト導体の複数本を所定間隔に並列配置
   し、その全体を電気絶縁体で帯状に被覆してなる
   平型導体ケーブルを床面上に配線し、該ケーブル
   上に金属テープを配し、さらにその上にカーペツ
   トを配してなる床配線システムにおいて、該ケー
   ブルの分岐部及び／又は接続部では、該ケーブル
   の上に別の平型導体ケーブルを重ね合せ、該重ね
   合せ部の上下両ケーブルの各導体間をハトメ接続
   し、各ケーブルの所定導体と各金属テープとをそ
   れぞれハトメ接続し、上記重ね合せ部で該金属テ
   ープの一方のみが配されていることを特徴とする
   床配線システム。