JPH0116323Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、地中用ケーブル鋼管内に高圧等のケ
ーブルを通す場合に、ケーブルに繋着した引き出
しワイヤーを地上に引き出す等のために用いる長
尺の先導管を構成する可撓性導通樹脂パイプ相互
の連結構造に関するものである。

（従来の技術） 地中に埋設した鋼管内に高圧ケーブル等を通す
場合には、ケーブルに引き出しワイヤーの一端を
繋着すると共に、ワイヤーの他端を長尺の先導管
に繋着して、先導管の挿通を介してワイヤーを地
上に引き出し、これをウインチ等で牽引してケー
ブルを通すものであり、この場合、前記したよう
に先導管が用いられる。

この先導管は多数本のビニル樹脂等の可撓性導
通樹脂パイプ（以下、単にパイプという。）を相
互に連結して所定の長さを有する１本物として用
いるもので、多数本のパイプの連結はその都度現
場において行うと共に、作業終了後においては、
運搬等のため多数本のパイプの連結を解除しなけ
ればならないものである。

ところで、従来におけるパイプの連結構造は第
１図に示すように、連結される一方のパイプ５
に、円形つば部２を境にして挿入部３とボルト部
４を一体に有する雄側連結金具１がその挿入部３
の内挿をもつて固着されると共に、他方のパイプ
９には、つば部２と略同外径のナツト部７と挿入
部８を一体に有する雌側連結金具６がその挿入部
８の内挿をもつて固着され、ボルト部４とナツト
部７との螺合によつて両パイプ５，９を連結して
いた。

しかしながら、このようなボルト、ナツトによ
るねじ式構造では、多数本のパイプ（１本が約
４）を何回となく廻してねじ込むことは大変なる
労力と時間を要し、特に冬の寒冷時においては大
変な作業であるばかりか、螺合不良によりゆるみ
が生ずる場合があり、またこのゆるみ防止のため
には、工具によつて螺合状態を強固なものとしな
ければならないために、さらに手数と時間を要
し、一方、連結解除に当たつても、大変なる労力
と時間を要するという欠点があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、このような従来の欠点に臨みなされ
たものである。

したがつて、本考案の目的は、パイプ相互の連
結と連結解除を何らの工具を要することなく、雄
雌側の連結金具を介して簡単なワンタツチ操作に
より速やかに行うことができると共に、連結を確
実となし、かつ連結状態において一方のパイプを
自由回転させることができて、先導管としての機
能を充分に発揮させることができる可撓性導通樹
脂パイプの連結構造を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） この目的のため、本考案は、先導管において、
連結される一方の可撓性導通樹脂パイプに雄側連
結金具が、他方の可撓性導通樹脂パイプには雌側
連結金具がそれぞれ挿着固定され、雄側連結金具
はつば部と、このつば部を境にして一側に、可撓
性導通樹脂パイプに一体的に内挿着される段差を
設けた挿入部を有すると共に、つば部他側にし
て、かつ挿入部との同軸上には、先端部が円錐台
状にして、かつ外周に凹溝を周設した嵌合部を有
し、また雌側連結金具はつば部と、このつば部を
境にして一側に可撓性導通樹脂パイプに一体的に
内挿される段差を設けた挿入部と、つば部他側に
して挿入部との同軸上に一体に設けられると共
に、雄側連結金具における嵌合部が嵌り込む嵌合
凹部と周壁には球体嵌合孔を穿設し、さらにつば
部との基部外面には突起部を設けた嵌合部とを有
する本体と、球体嵌合孔に遊動可能として嵌合さ
れ、連結時に雄側連結金具における凹溝と係合す
る球体と、突起部との係合切欠部を有し、嵌合部
に可動自在として外挿されたスライドリングと、
このスライドリングのスプリング受部と嵌合部の
スプリング受部との間に弾装されたスプリング
と、スライドリングの抜け止めのため嵌合部の先
端外周凹溝内に装着されたスナツプリングとを備
え、雄側連結金具の嵌合部を雌側連結金具におけ
る本体の嵌合凹部に挿入するだけで両連結金具が
連結と同時にロツクされて両可撓性導通樹脂パイ
プが連結され、また雌側連結金具におけるスライ
ドリングを軸方向に後退させてロツクを解除し、
嵌合部を引き抜くことによつて離脱させる構成を
特徴とするものである。

以下、本考案を第２図から第９図に示す一実施
例に基づいて説明する。

本案連結構造は連結される一方のパイプに固着
した雄側連結金具と、他方のパイプに固着した雌
側連結金具を介してワンタツチ操作により両パイ
プを相互に、連結する構造である。

そこで、先ず、一方のパイプ１０に固着される
雄側連結金具１１の構成を説明すると、連結され
るパイプ１０の外径よりも僅少大きな径を有する
円形つば部１２を境にして、一側にやや長い円柱
状の挿入部１３が一体に設けられている。この挿
入部１３はパイプ１０の内径よりもやや大径の部
分１４とパイプ内径と略同径の部分１５および部
分１４と同径の部分１６を有し、パイプ１０を加
温膨張させた状態において挿入部１３をパイプ１
０に内挿し、自然冷却による伸縮によつて部分１
４と部分１５および部分１５と部分１６との周段
部に食い込み、一体的に固着されるようになつて
いる。

つば部１２の他側中央部にして、かつ挿入部１
３との同軸上には、外周に凹溝１８が周設された
小径にして、短い嵌合部１７が一体に設けられる
と共に、この嵌合部１７はその先端部分１９が円
錐台状に形成されている。

次に、他方のパイプ２０に固着される雌側連結
金具２１の構成を説明すると、この雌側連結金具
２１は本体、球体、スライドリング、スプリン
グ、スナツプリングを備えている。

円柱状の本体２２はそのやや前方寄り外周に、
前記雄側連結金具１１におけるつば部１２と同径
の円形つば部２３が周設されると共に、このつば
部２３の一側には、雄側連結金具１１における挿
入部１３と対称形の挿入部２４が一体に設けられ
ている。そしてこの挿入部２４は同様にパイプ２
０の内径よりもやや大径の部分２５とパイプ内径
と略同径の部分２６および部分２５と同径の部分
２７を有し、同様にパイプ２０を加温膨張させた
状態において挿入部２４をパイプ２０内に挿入
し、自然冷却による伸縮によつて部分２５と部分
２６および部分２６と部分２７との周段部に食い
込み、一体的に固着されるようになつている。

つば部２３の他側にして、挿入部２４の同軸上
には、雄側連結金具１１における嵌合部１７が嵌
り込む嵌合凹部２９を軸方向に設けた嵌合部２８
が一体に設けられている。

嵌合部２８はそのつば部２３の前部が部分２５
と同径の部分３０となつており、またこの部分３
０の前部はやや小径の部分３１となつている。そ
して部分３０と部分３１との段部がスプリング受
部３２となつており、部分３０には円形突起部３
３が一体に突設されると共に、部分３１の前端外
周面にはスナツプリング装着用凹溝３４が設けら
れ、また部分３１のやや前方寄り部分には90度の
等角度で球体嵌合孔３５が穿設されて、これら嵌
合孔３５には、雄側連結金具１１の嵌合部１７と
の嵌合時にそれの凹溝１８と係合する球体３７が
抜け出ないようにして、かつ半径方向に進退して
部分３１の内側あるいは外側にその一部分が突出
するようにそれぞれ遊嵌されている。また嵌合凹
部２９の前端内周縁３６はテーパー付きとなつて
おり（第９図参照）、このテーパー付周縁３６に
よつて、後述する雄側連結金具１１との連結時に
おいて、その嵌合部１７との嵌合が容易に行うこ
とができるようになつている。

数字３８によつて示されているスライドリング
はその後端縁に、本体２２における突起部３３と
係合するＵ字形切欠部３９が切欠形成されると共
に、中央よりやや前方寄りの内周面にはスプリン
グ受部４０が、また前端内周面にはスナツプリン
グ受部４１がそれぞれ形成されて、（第９図参照）
このスライドリング３８は本体２２における嵌合
部２８の部分３１に軸方向に可動自在として外挿
されると共に、このスライドリング３８のスプリ
ング受部４０と嵌合部２８のスプリング受部３２
との間にはスプリング４２が弾装されて、スライ
ドリング３８を常に前進方向（第３図右方）に押
圧弾持している。そして、スプリング４２による
スライドリング３８の押圧弾持状態は、部分３１
の凹溝３４内に装着されたスナツプリング４３が
スライドリング３８のスナツプリング受部４１と
係合することによつて保持されている。

（作用） 次に、以上の構成に係る雄側連結金具１１と雌
側連結金具２１を介してパイプ（可撓性導通ビニ
ルパイプ）１０，２０を連結し、また連結解除す
る動作について説明する。

先ず、前記したように、それぞれのパイプ１
０，２０の端部を加温してパイプ内を膨張させた
状態において、一方のパイプ１０に雄側連結金具
１１の挿入部１３を、そのつば部１２がパイプ端
面に当接するまで挿入して一体的に固着し、同様
に他方のパイプ２０に雌側連結金具２１における
本体２２の挿入部２４を、そのつば部２３がパイ
プ端面に当接するまで挿入して一体的に固着す
る。

次いで、両パイプの端部を手で持ち、一方の手
で雌側連結金具２１におけるスライドリング３８
をスプリング４２の圧縮を介して第３図に示す矢
印Ｘ方向に移動させてＵ字形切欠部３９と突起部
３３を係合させる。そこで、嵌合凹部２９内に雄
側連結金具１１の嵌合部１７を、その凹溝３４と
球体３７とが係合する位置（つば部１２が嵌合凹
部２９の端面に当接する位置）まで挿入した後、
スライドリング３８を放すと、スライドリング３
８はスプリング４２の復帰力により第３図に示す
矢印X′方向へ移動して、その端面がつば部１２
に係止せしめられ、凹溝３４と係合した球体３７
がスライドリング３８の内周面にて押圧保持され
るため、両連結金具１１，２１の連結は完全にロ
ツクされる。さらにこのロツク状態を確実ならし
めるため、スライドリング３８を任意方向に回動
させてＵ字形切欠部３９と突起部３３との位置を
ずらしておけば、仮にスライドリング３８を軸方
向に移動させる力が加えられても、スライドリン
グ３８の端面が突起部３３により係止せしめられ
てそれ以上の移動は規制されるため、ロツクが解
除されるということはないものである。

このように、両パイプ１０，２０は両連結金具
１１，２１を介して簡易なワンタツチ操作により
順次に連結されて、所定長さの先導管とされる。

両連結金具１１，２１は前記したように、嵌合
凹部２９内に嵌合部１７が嵌り込み、凹溝３４と
係合している球体３７がスライドリング３８の内
周面で押圧保持されることによつて連結されてい
るものであるから、両連結金具１１，２１は自由
回転が可能であるため、先導管としての使用時
に、必要によつてはパイプを自由に回転させる等
して地中用ケーブル鋼管内を挿通させることがで
きる。

先導管としての使用を終え、運搬等のために連
結を解除してパイプを互に分離させるには、スラ
イドリング３８を回動させて、そのＵ字形切欠部
３９と突起部３３との位置を合致させた後、スラ
イドリング３８を第３図に示す矢印Ｘ方向に移動
させればよい。すると、スライドリング３８はス
プリング４２を圧縮させながら移動して、そのＵ
字形切欠部３９が突起部３３と係合し、スライド
リング３８の内周面による球体３７の押圧状態が
解除されるので、この状態で雄側連結金具１１の
嵌合部１７を嵌合凹部２９より引き抜けば、連結
は解除されてパイプ１０とパイプ２０は容易に分
離される。

（考案の効果） しかして、本考案によれば、長尺の先導管を構
成するためになされる多数本の可撓性導通樹脂パ
イプ相互の連結は、片手でスライドリングを軸方
向に移動させ、雄側連結金具の嵌合部を挿入して
スライドリングを放し、回動させるだけの簡単な
ワンタツチ操作でパイプを確実に連結し、かつロ
ツクすることができると共に、その連結解除もス
ライドリングを回動、軸方向へ移動させ、雄側連
結金具の嵌合部を引き抜くだけでのワンタツチ操
作で容易にパイプを分離させることができるの
で、従来のような、長いパイプを何回となく廻し
て多数本のパイプをねじ着連結するという面倒に
して、重労働な作業からは解放され、少ない労力
で簡易にして、かつ速やかに、しかも確実にパイ
プの連結および連結解除を行うことができ、作業
能率を格段と向上させることができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す断面図、第２図は本考案
の一例を示す一部切欠の平面図、第３図は同上断
面図、第４図は第２図の−線に沿つた断面
図、第５図は雄側連結部分を示す一部切欠の平面
図、第６図は雌側連結部分を示す一部切欠の平面
図、第７図は第５図における断面図、第８図は第
６図における断面図、第９図は第８図における要
部の拡大断面図である。 １０，２０……可撓性導通樹脂パイプ、１１…
…雄側連結金具、１２……つば部、１３……挿入
部、１７……嵌合部、１８……凹溝、１９……円
錐台状先端部、２１……雌側連結金具、２２……
本体、２３……つば部、２４……挿入部、２８…
…嵌合部、２９……嵌合凹部、３２……スプリン
グ受部、３３……突起部、３４……スナツプリン
グ装着用凹溝、３５……球体嵌合孔、３７……球
体、３８……スライドリング、３９……Ｕ字形切
欠部、４０……スプリング受部、４１……スナツ
プリング受部、４２……スプリング、４３……ス
ナツプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数本の可撓性導通樹脂パイプが同軸上に連結
   されて構成される地中線用の先導管において、連
   結される一方の可撓性導通樹脂パイプには雄側連
   結金具が、また他方の可撓性導通樹脂パイプには
   雌側連結金具がそれぞれ同軸上に挿着固定され、
   前記雄側連結金具はつば部と、このつば部を境に
   して一側には可撓性導通樹脂パイプに一体的に内
   挿着される段差を設けた挿入部を有すると共に、
   つば部他側にして、かつ挿入部との同軸上には、
   先端部が円錐台状にして、かつ外周に凹溝を周設
   した嵌合部を有し、また前記雌側連結金具はつば
   部と、このつば部を境にして一側に可撓性導通樹
   脂パイプに一体的に内挿着される段差を設けた挿
   入部と、つば部他側にして挿入部との同軸上に一
   体に設けられると共に、前記雄側連結金具におけ
   る嵌合部が嵌り込む嵌合凹部と周壁には球体嵌合
   孔を穿設し、さらにつば部との基部外面には突起
   部を設けた嵌合部とを有する本体と、球体嵌合孔
   に遊動可能として嵌合され、連結時に雄側連結金
   具における凹溝と係合する球体と、突起部との係
   合切欠部を有し、嵌合部に可動自在として外挿さ
   れたスライドリングと、このスライドリングのス
   プリング受部と嵌合部のスプリング受部との間に
   弾装されたスプリングと、スライドリングの抜け
   止めのため嵌合部の先端外周凹溝内に装着された
   スナツプリングとを備え、雄側連結金具の嵌合部
   を雌側連結金具における本体の嵌合凹部に挿入す
   るだけで両連結金具が連結と同時にロツクされて
   両可撓性導通樹脂パイプが連結され、また雌側連
   結金具におけるスライドリングを軸方向に後退さ
   せてロツクを解除し、嵌合部を引き抜くことによ
   つて離脱させ構成を特徴とする地中線用の先導管
   における可撓性導通樹脂パイプの連結構造。