JPH0115745Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、浴室の洗い場や、土間等の床に埋め
込んで用いる排水用床ボツクスに関するものであ
る。

従来、浴室の洗い場や土間等の排水口は円型が
多く、この排水口の形に合わせてタイルを貼り、
円型の排水盤を載置していたが、排水をスムーズ
にするために排水口に向つてあらゆる角度から床
を傾斜させる必要があり、又、排水口周りに貼る
タイルも大きなものでは隙間が生じてしまい施工
上数々の問題点があつた。更に、排水量が多いと
排水口から水があふれ出ることもあり不衛生であ
つた。このような従来の円型排水口による排水に
対し、実開昭59−76688号公報に示されるように、
底部にトラツプを突設した細長い箱体と、板面に
複数の排水孔が穿設され前記箱体の上部を閉塞す
る上部蓋体とからなる排水用床ボツクスがある
が、この排水用床ボツクスは、床に設けた埋め込
み穴に当該ボツクスを設置し、排水を一旦ボツク
ス内に流入させてからトラツプを通じて排水管へ
と排出させるものである。しかしながら、このよ
うな排水ボツクスは、単に床に設けた埋め込み穴
に嵌め込み、周囲にモルタルを流し入れて固定す
るものであつたため、振動によりモルタルとボツ
クスとの間に隙間ができやすくガタが生じたり、
長期間の使用のうちにはその隙間から水が浸み込
み、アパート等の集合住宅においては、階下に前
記隙間に浸み込んだ水が漏れ出す虞れもあつた。

本考案は従来のこのような問題点を解消し、施
工し易く、衛生的で、且つ床にしつかりと固定で
きるため長期間の使用に際してもガタやそれに伴
う水漏れを生じさせない排水用床ボツクスを提供
することを目的とするもので、その構成は、トラ
ツプ付きの箱体と、板面に複数の排水孔が穿設さ
れ前記箱体の上部を閉塞する上部蓋体とから成る
排水用床ボツクスの、箱体の少なくとも相対向す
る両側面における箱体上縁の下側に箱体上縁に沿
つて内方へ向つて絞り込み成型された突出部を断
続的に設け、当該突出部に前記上部蓋を載置した
ことを特徴とする。

以下、本考案の実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図は、本考案の一実施例を示す斜視図であ
り、１は本実施例の排水用床ボツクスを示し、２
は底面にトラツプ取付用の孔を有する箱体、３は
板面に複数の楕円形の排水孔が穿設され前記箱体
の上部を閉塞する上部蓋である。４は箱体２の相
対向する両側面に、箱体の内方へ向つて絞り込み
成型、即ち、箱体外方から圧力を加えることによ
り箱体外側ではくぼみ、箱体内側においては当該
くぼみに対応する部分が突起となつて内外を貫通
されずに形成される方法で設けられた突出部で、
箱体上縁に沿つて一列状に断続的に設けられてい
る。５は、箱体２の底面に突設されたトラツプ
で、端部を排水管に接続するものである。

第２図は、第１図におけるＡ−Ａ拡大断面図を
表わすものであり、前記箱体側面に断続的に設け
られた突出部４が、図示の通り上部蓋３の蓋受け
も兼ねている。

本考案にかかる排水用床ボツクスの取付けに際
しては、ボツクス埋め込み用の穴に、排水パイプ
に接続したトラツプを取付けた本床ボツクスを載
置し、ボツクスと埋め込み用の穴の間の隙間、及
び箱体側面に設けられた突出部の外側に生ずるく
ぼみ内にもモルタルを流し入れて隙間のないよう
にし、次にタイル下地モルタルを打つてタイル貼
りを行い、前記突出部４に、断面〓型の上部蓋３
を載置するのである。

尚、本実施例においては細長い箱体の長辺に当
る相対向する両側面に前記突出部を設けたが、当
該突出部を前記箱体の短辺に当る相対向する両側
面に設けてもよいこと勿論であり、又、２つの相
対向する側面即ち箱体の４つの側面全てに設けて
もよい。

本排水用床ボツクスは、上記のように箱体側面
に内方に向つて設けられた突出部の外側に生ずる
くぼみにもモルタルを流し入れて固定させるた
め、従来の単なる箱体に形成された排水用床ボツ
クス埋め込み用の穴に載置してモルタルを流し入
れるものとは異り、モルタルをボツクスの間にガ
タが生じにくく、長期間の使用にも耐え、ボツク
スとモルタルとの間に水が浸み込むこともない。
又、当該突出部４には上部蓋を載置させるから、
箱体の上部へりに蓋を載置する従来の排水用床ボ
ツクスに比べ、従来のボツクスの上部へりの下方
に当る部分にも排水を収容できることになり、し
かも前記内方へ向う突出部は断続的に設けられて
いるのみであるから排水の容量が格段に増す。

更に、当該突出部に載置する上部蓋を本実施例
の如く断面〓型にすれば、上部蓋周縁において強
度的に優れるため、従来2.0mm〜3.0mm程度必要で
あつた上部蓋の厚みを1.2mm程度まで薄くするこ
とが可能となり、取扱いが便利となる。

又、本実施例におけるトラツプ５は図に示され
るように数段階の段階状に形成されており、この
トラツプには本実施例によれば３種類の太さの排
水管の接続が可能であり、排水管の太さによりい
ちいち床ボツクスを選定変更する煩しさがない。

更に、第３図に示すように、箱体２の底面の長
手方向中央よりに、底面を折曲させてトラツプ取
付口に向う傾斜部分６を設ければ、箱体底面全体
を傾斜させる場合のようにトラツプが鉛直方向か
ら傾くこともなく、排水がスムーズに行なわれ
る。

尚、第１図に示すように、上部蓋の排水孔を楕
円形にすれば、従来の排水用床ボツクスに多くみ
られる円形の排水孔に比べ、排水の流量が増し、
又、一定流量を排水するのであれば、排水孔の数
が少なくてすむので上部蓋の強度が増すことにな
る。

又、従来上部蓋は通常研磨加工がなされていた
が、ヘアーライン加工を施せば、水を扱う場所で
用いるにも拘わらず、すべりにくく、更にきずも
つきにくく、高級感をも与える。

本考案にかかる排水用床ボツクスによれば、箱
体側面の上縁下側に断続的に内方へ向つて絞り込
み成型された突出部の外側に生ずるくぼみにもモ
ルタルを流し入れて固定するので、ボツクス本体
をしつかりと固定でき、長期間の使用にもガタが
生せず、ボツクスとモルタルとの間に水が浸み込
む虞れもなく集合住宅に用いても階下へ水が漏れ
る心配はない。更に、当該突出部が上部蓋の載置
を兼ねるので、従来の排水用床ボツクスに比べ排
水溶量が増すので排水があふれる虞れも少なく衛
生的であり、その実用的価値は多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は、第１図におけるＡ−Ａ拡大断面図である。
第３図は他の実施例における箱体底面の形状を示
す斜視図である。 １……排水用床ボツクス、２……箱体、３……
上部蓋、４……突出部、５……トラツプ、６……
傾斜部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部にトラツプを突設した細長い箱体と、板面
   に複数の排水孔が穿設され前記箱体の上部を閉塞
   する上部蓋体とからなる排水用床ボツクスにおい
   て、前記箱体の少なくとも相対向する両側面にお
   ける箱体上縁の下側に、箱体上縁に沿つて内方へ
   向つて絞り込み成型された突出部を断続的に設
   け、当該突出部に前記上部蓋を載置したことを特
   徴とする排水用床ボツクス。