JPH01156351A - ポリオレフィン組成物 - Google Patents

ポリオレフィン組成物

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JPH01156351A
JPH01156351A JP31690987A JP31690987A JPH01156351A JP H01156351 A JPH01156351 A JP H01156351A JP 31690987 A JP31690987 A JP 31690987A JP 31690987 A JP31690987 A JP 31690987A JP H01156351 A JPH01156351 A JP H01156351A
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polyolefin
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白木 武
Noriji Muraoka
村岡 教治
Kunie Hiroshige
広重 国衛
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 光咀府技術分M 本発明は、耐摩耗性、耐衝撃性、摺動性に優れ、かつ層
状剥離を生ずることがない射出成形品を得るに好適であ
り、しかも成形時の熱安定性および長期耐熱安定性に優
れた射出成形可能なポリオレフィン組成物に関する。
口の一′、−白、−tb−at fにAの。” 6超高
分子量ポリオレフィン、たとえば超高分子量ポリエチレ
ンは、汎用のポリオレフィン、たとえば汎用のポリエチ
レンに比べて、耐衝撃性、耐摩耗性、摺動性、耐薬品性
、引張強度等に優れており、エンジニアリングプラスチ
ックとしてその用途が拡がりつつある。しかしながら、
超高分子量ポリエチレンは、汎用のポリエチレンと比較
して溶融粘度が極めて高く流動性が悪いため、通常の押
出成形や射出成形によって成形することは非常に難しく
、そのほとんどは圧縮成形によって成形されており、ご
く一部が極めて低速でロッド状に押出成形されているの
力i現状である。
もしこのような溶融流動性に劣る超高分子量ポリエチレ
ンを通常の射出成形法によって成形すると、金型キャビ
ティ内に樹脂が充填される過程で剪断破壊流を生じ、得
られる成形品は雲母状に層状剥離を起こし、超高分子量
ポリエチレンの優れた特性を有する成形品が得られない
ばかりか、むしろ汎用のポリエチレン成形品にも劣ると
いう結果になるのが常であった。
本出願人は先に層状剥離を生じない射出成形法として、
樹脂の射出成形前あるいは射出成形終了前に金型キャビ
ティ容積をわずかに大きくした後、所定容積まで圧縮す
る方法(特公昭5’ 7−30067号公報、特公昭6
0−’58010号公報)を提案した。このような方法
を採用することにより、層状剥離を起こさず、超高分子
量ポリエチレンが有する耐衝撃性、耐摩耗性を具備した
射出成形品を得ることが可能になった。しかしながら、
この方法で超高分子量ポリエチレンの射出成形を行うに
は、金型キャビティ可変機構等を具備した射出成形機を
用いる必要があり、いずれにしても汎用のポリエチレン
射出成形機をそのまま使用することはできないという問
題点があった。
一方、超高分子量ポリオレフィンの溶融流動性を改良す
る方法として、超高分子量ポリオレフィンと、低分子量
ないし高分子量のポリオレフィンとを混合する方法が種
々提案されている。
たとえば特開昭57−177036号公報には、分子量
100万以上の超高分子量ポリエチレン1−00重量部
と、分子量5000〜20000の低分子量ポリエチレ
ン10〜60重量部とからなる成形性の改良された超高
分子量ポリエチレン組成物が開示されている。この特開
昭57−177036号公報には、上記のような超高分
子量ポリエチレン組成物の成形性は、厚さ50mmのス
ラブを圧縮成形法で成形する場合、超高分子量ポリエチ
レンのみでは200℃X3時間の成形サイクルを必要し
たのに対し、200℃×2時間の成形サイクルに改善さ
れ、またラム押出成形法ではパイプ押出速度が同様に5
cm/分からLoam/分に改善されると記載されてい
る。しかしながら、このような超高分子量ポリエチレン
を多量に含む超高分子量ポリエチレン組成物を通常の射
出成形機で成形すると、得られる成形品は層状剥離する
ことがあり、良好な性能を有する成形品を得ることはで
きない。
また特開昭59−126446号公報には、超高分子量
ポリエチレン樹脂95〜50重量部と、汎用のポリオレ
フィン系樹脂5〜50重量部とを混合してなる超高分子
量ポリエチレン樹脂組成物が開示されている。この特開
昭59−126446号公報には、汎用のポリオレフィ
ン系樹脂として、実際の具体例としては、メルトインデ
ックス2.5または5.0g/:I−0分のシラン変性
ポリエチレン樹脂を用いた組成物が開示されているにす
ぎず、またその成形性は同公報の第1−表に記載されて
いるとおり、全ての組成について十分に良好であるとい
うほどのものではない。そしてこのような超高分子量ポ
リエチレン樹脂組成物も前記組成物と同様に超高分子量
ポリエチレン成分が多く、得られる射出成形品が層状剥
離してしまうという問題点は解消していない。
一方、特公昭58−41−309号公報には、粘度平均
分子量が50万〜15万であるポリエチレン85〜50
重量部と、粘度平均分子量が100万以上であり、粒度
が1−〇メツシュ以下である粒状超高分子量ポリエチレ
ン15〜50重量部とを、混和したポリエチレン組成物
が開示されている。
このポリエチレン組成物は、同公報第3欄]−7〜28
行に記載されているように、超高分子量ポリエチレンの
成形性を改善したものではなく、超高分子量ポリエチレ
ンの粉粒状態を利用して異方性を減少させ、耐衝撃性の
優れた成形品を与えることを目的としている。しかもこ
のようなポリエチレンと粒状超高分子量ポリエチレンと
を機械的に混合した組成物は、溶融トルクが大きく通常
の射出成形機で成形しても、前記と同様に成形品に層状
剥離が発生ずるのを防止することはできない。
また、特公昭59−10724号公報および特開昭57
−141409号公報には、3基以上の重合器内で分子
量の異なったポリエチレンを多段連続重合する方法が開
示されている。しかしながら、その目的とするところは
、いずれも押出成形とりわけ中空成形におけるダイスウ
ェルが改良されたポリエチレンを製造することにあり、
射出成形品の改良に関するものではない。またたとえ上
記のような公報に具体的に記載されている超高分子量ポ
リエチレンの含有量が10重量%以下であり、しかも組
成物のMIが0,3あるいは極限粘度[η]が2,3〜
B、Odl/g (MIに換算して約0.2〜0,8)
である組成物を射出成形しても、超高分子量ポリエチレ
ンの含有量が10重量%以下と非常に少ないため、耐摩
耗性、耐衝撃性に優れた射出成形品を得ることはできな
い。
さらに特公昭46−11349号公報には、第1段階で
還元比粘度が30〜5であるエチレン・α−オレフィン
共重合体を5〜30重量%重合し、第2段階で還元比粘
度が4.6〜1.5のポリエチレンまたはエチレン・α
−オレフィン共重合体を重合して前記重合体と均質に混
合された重合体を得る方法が開示されている。しかしな
がらその目的とするところは、前記と同様にびん、ケー
ブル、管等の押出成形における成形性を改良することに
あり、射出成形品の改良に関するものではない。またた
とえこのような公報に具体的に記載されているηが2.
9である組成物を射出成形しても、得られる成形品は耐
摩耗性、耐衝撃性等に劣る。
また上記のような超高分子量ポリオレフィン重合体は、
いずれも成形時の熱安定性および長期耐熱安定性に劣る
という問題点があった。
発明の目的 本発明の目的は、超高分子量ポリオレフィンを成分とし
て含み、しかも射出成形性に極めて優れた射出成形可能
なポリオレフィン組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、超高分子量ポリオレフィンが本来
具備する優れた機械的性質、たとえば耐摩耗性、耐衝撃
性、摺動性等を損うことなく、層状剥離を生ずることが
ないような射出成形品を得るのに好適な成形時の熱安定
性および長期耐熱安定性に優れた射出成形可能なポリオ
レフィン組成物を提供することにある。
九則凶見贋 本発明に係る第1の射出成形可能なポリオレフィン組成
物は、 (A)(i>135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘
度が10〜40(1り/gである超高分子量ポリオレフ
ィンと、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度が
0.1〜5dfl/gである低分子量ないし高分子量ポ
リオレフィンとから実質的になり、 (ii )上記超高分子量ポリオレフィンは、該超高分
子量ポリオレフィンと上記低分子量ないし高分子量ポリ
オレフィンとの総重量に対し、15〜40重量%の範囲
にあり、(iii)135℃デカリン溶媒中で測定した
極限粘度[η]Cが3.5〜15d、ll/gの範囲に
あり、 (iv)溶解トルクTが4.5kg−■以下であるポリ
オレフィン:100重量部と、 (B)フェノール系安定剤:0.005〜5重量部と、 (C)有機千オニーチル系安定剤:0.005〜5重量
部とからなることを特徴としている。
また、本発明に係る第2の射出成形可能なポリオレフィ
ン組成物は、 (A)(i)135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘
度が10〜40dl/gである超高分子量ポリオレフィ
ンと、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度が0
.1〜5 d、fl/gである低分子量ないし高分子量ポリオレフ
ィンとから実質的になり、 (ii >上記超高分子量ポリオレフィンは、該超高分
子量ポリオレフィンと上記低分子量ないし高分子量ポリ
オレフィンとの総重量に対し、]−55〜40重量の範
囲にあり、(iii)135℃デカリン溶媒中で測定し
た極限粘度[η]Cが3,5〜15CIQ/gの= 1
2− 範囲にあり、 (iv)溶解トルクTが4゜5kg−am以下であるポ
リオレフィン:100重量部と、 (B)フェノール系安定剤+0.005〜5重量部と、 (C)有機千オニーチル系安定剤:0.005〜5重量
部と、 (0)高級脂肪酸の金属塩:0.005〜5重量部とか
らなることを特徴としている。
発朋!すl釘げ脱朋 以下本発明に係る射出成形可能なポリオレフィン組成物
について具体的に説明する。
ポリオレフィン(A) 本発明で用いられるポリオレフィンは、超高分子量ポリ
オレフィンと、低分子量ないし高分子量ポリオレフィン
とからなっているが、以下に超高分子量ポリオレフィン
と、低分子量ないし高分子量ポリオレフィンについて説
明する。
本発明で用いられる超高分子量ポリオレフィンの135
℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]、は、10
〜40d、I!/g、好ましくは15〜356ρ/gの
範囲にある。この極限粘度[η]Uが106.117g
未満であると、射出成形品の機械的性質が劣る傾向にあ
るなめ好ましくなく、一方40d、I!/gを超えると
、射出成形品の外観が悪く、フローマークが発生し、か
つ層状剥離を生じるなめ好ましくない。
本発明で用いられる低分子量ないし高分子量ポリオレフ
ィンの135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η
]hは、0.1〜5dρ/g、好ましくは0,5〜3d
ρ/gの範囲にある。この極限粘度[η]hが0.1d
ρ/g未満であると、分子量が低すぎて射出成形品の表
面にブリードする虞があるため好ましくなく、一方5d
、ll/gを超えると、溶融流動性が下がるなめ、汎用
のポリエチレン射出成形機をそのまま使用することは困
難であるため好ましくない。
上記のような超高分子量ポリオレフィンおよび低分子量
ないし高分子量ポリオレフィンは、たとえばエチレン、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン
、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチ
ル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンなどのα
−オレフィンの単独重合体または共重合体からなる。こ
のうち、エチレンの単独重合体、またはエチレンと他の
α−オレフィンとからなり、エチレンを主成分としてな
る共重合体が望ましい。
本発明に係るポリオレフィンにおいては、上記超高分子
量ポリオレフィンと、低分子量ないし高分子量ポリオレ
フィンとは、上記超高分子量ポリオレフィンが両ポリオ
レフィンの総重量に対し、15〜40重量%を占めるよ
うな割合で存在しており、換言すれば、上記低分子量な
いし高分子量ポリオレフィンが両ポリオレフィンの総重
量に対し、85〜60重量%を占めるような割合で存在
している。上記のような超高分子量ポリオレフィンは、
両ポリオレフィンの総重量に対し、20〜35重景%を
重量るような割合で存在していることが好ましい。超高
分子量ポリオレフィンの量が15重量%未満であると、
得られる射出成形品の機械的性質が劣る傾向にあるため
好ましくなく、一方40重量%を超えると、得られる射
出成形品に層状剥離が発生し、結果として機械的性質が
良好な成形品が得られないため好ましくない。
本発明で用いられるポリオレフィンは、上記のような量
的割合で存在する超高分子量ポリオレフィンと、低分子
量ないし高分子量ポリオレフィンとから実質的になる。
しかして、本発明で用いられるポリオレフィンは、13
5℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]Cが3,
5〜15(JfJ/rrの範囲にあり、溶融トルクT(
kg−cm)が4.5kg−am以下にある。なお、こ
こで溶融トルクTは、JSRキュラストメーター(命中
機械工業KK製)を用いて、温度240℃1圧力5kg
/ml、振幅3°振動数6CPHの条件で測定した値で
ある。
上記の[η]Cが3.5d、f!/g未満であると、得
られる射出成形品の機械的強度、とくに耐摩耗性が劣る
虞があるため好ましくなく、一方[η]Cが156.0
7gを超えると、得られる射出成形品に層状剥離が発生
し、結果として耐摩耗性等の機械的強度が低下するため
好ましくない。
また溶融トルクTが4.5kg−cmを超えると、成形
時に通常のスクリューに喰い込まず、汎用の射出成形機
では射出成形不能であるため好ましくない。
本発明で用いられるポリオレフィンは、好ましくは[η
]Cが4.0〜]、0dfJ/gの範囲にある。
本発明で用いられるポリオレフィンは、超高分子量ポリ
オレフィンと低分子量ないし高分子量ポリオレフィンと
を上記のような割合で配合して調製することもできるが
、本発明者らの検討によれば、特定の高活性固体状チタ
ン触媒成分および有機アルミニウム化合物触媒成分から
形成される触媒の存在下に、オレフィンを多段階で重合
せしめる下記のような多段階重合法により得られるポリ
オレフィンが優れた特性を有していることが分っな。
このような多段階重合法は、マグネシウム、チタンおよ
びハロゲンを必須成分とする高活性チタン触媒成分(イ
)と、有機アルミニウム化合物触媒成分(ロ)とから形
成されるチーグラー型触媒の存在下に、オレフィンを多
段階重合させることにより実施される。すなわち、少な
くとも1つの重合工程において極限粘度1−0〜40d
、f!/gの超高分子量ポリオレフィンを生成させ、そ
の他の重合工程において水素の存在下にオレフィンを重
合させて極限粘度が0.1〜56U/gの低分子量ない
し高分子量ポリオレフィンを生成させる。
使用される特定のチーグラー型触媒は、基本的には、固
体状チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物触媒成分
とから形成される特定の性状の触媒である。該固体状チ
タン触媒成分としては、たとえば粒度分布が狭く、平均
粒径が0.01〜5μm程度であって、微小球体が数個
固着したような高活性微粉末状触媒成分を用いるのが好
適である。かかる性状を有する高活性微粉末状チタン触
媒成分は、たとえば特開昭56−811号公報に開示さ
れた固体状チタン触媒成分において、液状状態のマグネ
シウム化合物と液状状態のチタン化合物とを接触させて
固体生成物を析出させる際に、析出条件を厳密に調整す
ることによって製造することができる。具体的には、特
開昭56−811号公報に開示された方法において、塩
化マグネシウムと高級アルコールとを溶解した炭化水素
溶液と、四塩化チタンとを低温で混合し、次いで50〜
100℃程度に昇温しで固体生成物を析出させる際に、
塩化マグネシウム1モルに対し、0.01〜0.2モル
程度の微量のモノカルボン酸エステルを共存させるとと
もに強力な撹拌条件下に該析出を行なうことにより、高
活性微粉末状チタン触媒成分を調製することができる。
さらに必要ならば四塩化チタンで洗浄してもよい。
このようにすると、優れた活性および粒子状態を有する
固体触媒成分を得ることができる。かかる触媒成分は、
たとえばチタンを約1〜約6重量%程度含有し、ハロゲ
ン/チタン(原子比)は約5〜約90、マグネシウム/
チタン(原子比)は約4〜約50の範囲にある。
まな、上言eのようにして調製した該固体状チタン触媒
成分のスラリーを高速で剪断処理することにより得られ
る、粒度分布が狭く、しかも平均粒径が0.01〜5μ
m、好ましくは0,05〜3μrnの範囲にある微小球
体も、高活性微粉末状チタン触媒成分として好適に用い
られる。高速剪断処理の方法としては、具体的には、た
とえば不活性ガス雰囲気中で固体状チタン触媒成分のス
ラリーを市販のホモミキサーにより適宜時間処理する方
法が採用される。その際触媒性能の低下防止を目的とし
て、予めチタンと当モル量の有機アルミニウム化合物と
を添加しておく方法を採用することもできる。さらに、
処理後のスラリーを篩いで濾過し、粗粒を除去する方法
を採用することもできる。これらの方法によって、前記
微小粒径の高活性微小粉末状チタン触媒成分が得られる
本発明で用いられるポリオレフィンは、上記のような高
活性微粉末状チタン触媒成分(イ)と有機アルミニウム
化合物触媒成分(ロ)とを用い、必要に応じ電子供与体
を併用して、ペンタン、へキサン、ヘプタン、灯油など
の炭化水素媒体中で、通常、0〜100℃の範囲の温度
条件下、少なくとも2段以上の多段階重合工程でオレフ
ィンをスラリー重合することによって製造することがで
きる。
有機アルミニウム化合物触媒成分(ロ)としては、たと
えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウムのようなトリアルキルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド
のようなシアルミニウムクロリド、エチルアルミニウム
セスキクロリドのようなアルキルアルミニウムセスキク
ロリド、あるいはこれらの混合物が好適に用いられる。
該オレフィンの多段重合工程には、少なくとも2個以上
の重合槽が通常は直列に連結された多段階重合装置が採
用され、たとえば2段重合法、3段重合法、・・・n段
重合法が実施される。また、1個の重合槽で回分穴型合
法により多段階重合法を実施することも可能である。該
多段階重合工程のうちの少なくとも1個の重合槽におい
ては、特定量の超高分子量ポリオレフィンを生成させる
ことが必要である。該超高分子量ポリオレフィンを生成
させる重合工程は、第1段重合工程であってもよいし、
中間の重合工程であってもよいし、また2段以上の複数
段であっても差しつかえない。第1段重合工程において
超高分子量ポリオレフィンを生成させることが、重合処
理操作が容易であり、しかも得られるポリオレフィンの
物性を容易に制御しうるため好ましい。該重合工程にお
いては、本発明で用いられるポリオレフィンの15〜4
0重量%が、極限粘度[η]u (デカリン溶媒中で1
35℃で測定した値)が10〜40d、l!/gである
超高分子量ポリオレフィンで占められるようにすること
が必要であり、さらには本発明で用いられるポリオレフ
ィンの18〜37重量%、とくに21〜35重量%が、
極限粘度[η]、が15〜35dN/g、とくに18〜
30(IQ/、である超高分子量ポリオレフィンで占め
られるようにすることが好ましい。この重合工程におい
て、生成する超高分子量ポリオレフィンの極限粘度[η
1uが1. Odl /g未満であっても、また該重合
工程で生成する超高分子量ポリオレフィンが15〜40
重量%の範囲を外れても、射出成形可能なポリオレフィ
ンを得ることは難しい。
該多段階重合工程において、超高分子量ポリオレフィン
を生成させる重合工程では、前記高活性チタン触媒成分
(イ)および前記有機アルミニウム化合物触媒成分(ロ
)からなる触媒の存在下に重合が実施される。重合は気
相重合法で実施することもできるし、液相重合法で実施
することもできる。いずれの場合にも、超高分子量ポリ
オレフィンを生成させる重合工程では、重合反応は必要
に応じて不活性媒体の存在下に実施される。たとえば気
相重合法では必要に応じて不活性媒体からなる希釈剤の
存在下に実施され、液相重合法では必要に応じて不活性
媒体からなる溶媒の存在下に実施される。
該超高分子量ポリオレフィンを生成させる重合工程では
、触媒として高活性チタン触媒成分(イ)をたとえば媒
体1g当りのチタン原子として約0.001〜約20ミ
リグラム原子、好ましくは約0.005〜約10ミリグ
ラム原子、有機アルミニウム化合物触媒成分(ロ)を、
Al/Ti(原子比)が約0.1〜約1000、とくに
約1〜約500となるような割合で使用するのがよい。
前記超高分子量ポリオレフィンを生成させる重合工程の
温度は、通常、約−20〜約120℃、好ましくは約0
〜約100℃、とくに好ましくは約5〜約95℃の範囲
である。また、重合反応の際の圧力は、前記温度で液相
重合または気相重合が可能な圧力範囲であり、たとえば
大気圧〜約100kg/ca、好ましくは大気圧〜約5
0kg/cnTの範囲である。また、重合工程における
重合時間は、前重合ポリオレフィンの生成量が該高活性
チタン触媒成分中のチタン1ミリグラム原子当たり約1
000E以上、好ましくは約2000g以上となるよう
に設定すればよい。また、該重合工程において、前記超
高分子量ポリオレフィンを生成させるなめには、該重合
反応を水素の不存在下に実施するのが好ましい。さらに
は、該重合反応を実施後、重合体を不活性媒体雰囲気下
で一旦単離し、保存しておくことも可能である。
該超高分子量ポリオレフィンを生成させる重合工程にお
いて使用することのできる不活性媒体としては、たとえ
ばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、デカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロ
ペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素二ジク
ロルエタン、メチレンクロリド、クロルベンゼンなどの
ハロゲン化炭化水素;あるいはこれらの混合物などを挙
げることができる。とくに脂肪族炭化水素の使用が望ま
しい。
また、本発明で用いられるポリオレフィンを製造する際
には、前記超高分子量ポリオレフィンを生成させる重合
工程以外の他の重合工程すなわち低分子量ないし高分子
量ポリオレフィンを得るための重合工程においては、水
素の存在下に残余のオレフィンの重合反応が実施される
。超高分子量ポリオレフィンを生成させる重合工程が第
1−段階重合工程であれば、第2段階以降の重合工程が
当該重合工程に該当する。当該重合工程が超高分子量ポ
リオレフィン生成重合工程の後に位置している場合には
、当該重合工程には該超高分子量ポリオレフィンを含む
ポリオレフィンが供給され、当該重合工程が超高分子量
ポリオレフィン生成重合工程以外の重合工程の後に位置
する場合には、前段階で生成した低分子量ないし高分子
量ポリオレフィンが供給され、いずれの場合にも連続し
て重合が実施される。その際、当該重合工程には、通常
、原料オレフィンおよび水素が供給される。当該重合工
程が第1−段階の重合口[程である場合には、前記高活
性チタン触媒成分(イ)および有機アルミニウム化合物
触媒成分(ロ)からなる触媒が供給され、当該重合工程
が第2段階以降の重合工程である場合には、前段階で生
成した重合生成液中に含まれている触媒をそのまま使用
することもできるし、必要に応じて前記高活性チタン触
媒成分(イ〉および/または有機アルミニウム化合物(
0)を追加補充しても差しつかえない。
このようにして得られる低分子量ないし高分子量ポリオ
レフィンは、全重合工程で重合される全オレフィン成分
に対して5〜70重量%、好ましくは20〜60重量%
、とくに好ましくは25〜55重量%の範囲で存在して
いる。
前記超高分子量ポリオレフィン生成重合工程以外の重合
工程における水素の供給割合は、当該各重合工程に供給
されるオレフィン1モルに対して、通常、0.01〜5
0モル、好ましくは0.05〜30モルの範囲である。
前記超高分子量ポリオレフィン生成重合工程以外の重合
工程における重合槽内の重合生成液中の各触媒成分の濃
度は、重合容積1.1!当り、前記処理した触媒をチタ
ン原子に換算して約0.001〜約0.1ミリグラム原
子、好ましくは約0.005〜約0.1ミリグラム原子
とし、重合系のAI/Ti(原子比)が約1〜約100
0、好ましくは約2〜約500となるように調製される
ことが好ましい。そのために必要に応じ、有機アルミニ
ウム化合物触媒成分(ロ)を追加使用することができる
。重合系には、他に分子量、分子量分布等を調節する目
的で水素・電子供与体、ハロゲン化炭化水素などを共存
させてもよい。
重合温度はスラリー重合、気相重合が可能な温度範囲で
、かつ約40℃以上、より好ましくは約50〜約100
℃の範囲が好ましい。また、重合圧力は、たとえば大気
圧〜約100kg/ayf、とくには大気圧〜約50k
g/crtの範囲が好ましい。そして重合体の生成量が
、チタン触媒成分中のチタン1ミリグラム原子当り約1
ooog以上、とくに好ましくは約5000g以上とな
るような重合時間を設定するのがよい。
超高分子量ポリオレフィンを生成させるための重合工程
以外の重合工程は、同様に気相重合法で゛実施すること
もできるし、液相重合法で実施することもできる。もち
ろん各重合工程で異なる重合方法を採用することも可能
である。液相重合法のうちではスラリー懸濁重合法が好
適に採用される。
いずれの場合にも、該重合工程では重合反応は通常は不
活性媒体の存在下に実施される。たとえば気相重合法で
は不活性媒体希釈剤の存在下に実施され、液相スラリー
懸濁重合法では不活性媒体溶媒の存在下に実施される。
不活性媒体としては前記超高分子量ポリオレフィンを生
成させる重合工程において例示した不活性媒体と同じも
のを例示することができる。
最終段階の重合工程で得られるポリオレフィン組成物[
η]Cが、通常、3.5〜15dN/g、好ましくは4
.0〜10dρ/g、溶融トルクが4.5kg−am以
下となるように重合反応が実施される。
前記多段階重合法は、回分式、半連続式または連続式の
いずれかの方法でも実施することができる。
前記多段階重合方法が適用できるオレフィンとしては、
前述のようにエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、
1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル
−1−ペンテンなどのα−オレフィンを例示することが
でき、これらのα−オレフィンの単独重合体の製法に適
用することもできるし、二種以上の混合成分からなる共
重合体の製法に適用することもできる。これらのα−オ
レフィンのうちでは、エチレンまたはエチレンと他のα
−オレフィンとの共重合体であって、エチレン成分を主
成分とするエチレン系重合体の製法に本発明の方法を適
用するのが好ましい。
フェノールム“′IB 本発明に係る射出成形可能なポリオレフィン組成物は、
上記のようなポリオレフィン(A>に加えて、フェノー
ル系安定剤(B)を含んでいる。
フェノール系化合物としては、従来公知のものが特に限
定されることなく用いられるが、具体的には以下のよう
な化合物が用いられる。
2.6−ジーt−ブチル−4−メチルフェノール、2.
6−ジ−シクロへキシル−4−メチルフェノール、2.
6−ジイソプロピル−4−エチルフェノール、2.6−
ジーt−アミル−4−メチルフェノール、2.6−ジー
t−オクチル−4−n−プロピルフェノール、2.6−
ジシクロへキシル−4−n−オクチルフェノ−ル、 2−イソプロピル−4−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール、 2−t−ブチル−?−エチルー6−t−オクチルフェノ
ール、 2−インブチル−4−エチル−6−t−ヘキシルフェノ
ール、 2−シクロヘキシル−4−n−ブチル−6−インプロビ
ルフエノール、 テ)−ラキス[メチレン(3,5−ジー1−ブチル−4
−ヒドロキシ)ヒトロシンナメ−1へ]メタンなど。
またフェノール系安定剤として、フェノール核を2個以
上有するフェノール系化合物を用いることもできる。こ
のようなフェノール核を2個以上有するフェノール系化
合物としては、具体的には、以下のような化合物が用い
られる。
2.2°−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール) 4.4°−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール) 4,4゛−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール) 2.2゛−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール) 1.3.5−トリメチル−2,4,6−1へリス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンジ
ルベンゼン、 1.3.5−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−1−ブチルフェノール)メタン、 テトラキス[メチレン(3,5−ジーtert−ブチル
ー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートコメタン、
β−(3,5−ジーtert−ブチルー4−ヒドキシフ
ェニル)プロピオン酸アルキルエステル、 2.2“−オキザミドビス[エチル−3−(3,5−ジ
ーtert−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート] などが例示できる。β−(3,5−ジーtert−ブチ
ルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエ
ステルとしてはとくに炭素数18以下のアルキルエステ
ルが好ましい。また、テトラキス[メチレン(2,4−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ートコメタン、n−オクタデシル−3−(4゛−ヒドロ
キシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル〉プロピオネー
ト、2,6−シーtブチル−p−クレゾール、2.4.
6−トリス(3’、5°−ジ−t−ブチル−4°−ヒド
ロキシベンジルチオノ−1,3,5−)リアジン、2,
2゛−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4.4゛−メチレンビス(2,6−ジーt−
ブチルフェノール) 、2,2°−メチレンビス[6−
(1−メチルシクロヘキシル)P−クレゾール]、ビス
[3,5−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェ
ニル)ブチリックアシド]グリコールエステル、4,4
°−ブチリデンビス(6−1−ブチル−■−クレゾール
) 、1,1.3−)リス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3.5−ト
リス(2,6−シメチルー3−ヒドロキシ−4−t−ブ
チルベンジル〉インシアヌレート、1,3.5−)リス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
 −2,4,6−)リスチルベンゼン、1.3.5−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)インシアヌード、1,3.5−トリス[(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシエチル]イソシアヌレート、?−オクチルチオ
ー4,6−ジ(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ル)フェノキシ−1,3,5−トリアジン、4.4゛−
チオビス(6−1−ブチル−m−クレゾール)などが用
いられる。
これらのフェノール系安定剤は、単独であるいは組合せ
て用いられる。
本発明に係る射出成形可能なポリオレフィン組成物では
、上記゛のようなフェノール系安定剤(B)は、ポリオ
レフィン(A)100重量部に対して0.005〜5重
量部、好ましくは0.01〜0.5重量部さらに好まし
くは0.05〜0.2重量部の量で用いられる。このフ
ェノール系安定剤(B)の量がポリオレフィン(A)1
00重量部に対して0.005重量部未満であると、耐
熱性の向上効果が低いため好ましくなく、一方5重量部
を超えると、安定剤の費用が高くなるのみならず、樹脂
の性質、たとえば引張り伸び、相溶性などが損われる虞
れがあるなめ好ましくない。
チオエーテルム″′″1す(C 本発明に係る射出成形可能なポリオレフィン組成物は、
上記のようなポリオレフィン(A>およびフェノール系
安定剤(B)に加えて、有機チオエーテル系安定剤(C
)を含んでいる。
有機チオエーテル系安定剤としては、従来公知のものが
特に制限されることなく用いられるが、具体的には、以
下のような化合物が用いられる。
ジラウリル−、シミリスチル−、ジステアリル−などの
ジアルキルチオジプロピオネート及びブチル−、オクチ
ル−、ラウリル−、ステアリル−などのアルキルチオプ
ロピオン酸の多価アルコール(例えばグリセリン、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレー
ト)のエステル(例えばペンタエリスリトールテトララ
ウリルチオプロピオネート)が挙げられる。
さらに具体的には、ジラウリルチオジプロピオネート、
シミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオ
ジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオ
ネート、ジステアリルチオジブチレートなど。
これらの有機チオエーテル系安定剤は、単独であるいは
組合せて用いられる。
本発明に係る射出成形可能なポリオレフィン組成物では
、上記のような有機チオエーテル系安定剤(C)は、ポ
リオレフィン(A)100重量部に対して0.005〜
5重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部さらに好
ましくは0.05〜0.2重量部の量で用いられる。こ
の有機チオエーテル系安定剤(C)の量がポリオレフィ
ン(A)100重量部に対して0.005重量部未満で
あると、耐熱性の向上効果が低いため好ましくなく、一
方5重量部を超えると、安定剤の費用が高くなるのみな
らず、樹脂の性質、たとえば男1張り伸び、相溶性など
が損われる虞れがあるため好ましくない。
本発明に係る第1の射出成形可能なポリオレフィン組成
物は、前述のポリオレフィン(A>と、フェノール系安
定剤(B)と、有機チオエーテル系安定剤(C)とから
なっているため、射出成形時の熱安定性および長期耐熱
安定性に優れているが、上記の成分(A>、(B)およ
び(C)に、後述する高級脂肪酸の金属塩(D>を加え
ると、さらに射出成形時の熱安定性および長期耐熱安定
性に優れたポリオレフィン組成物が得られる。
¥  2  の  塩 D 本発明に係る第2の射出成形可能なポリオレフィン組成
物は、上記のようなポリオレフィン(A)、フェノール
系安定剤(B)および有機チオエーテル系安定剤(C)
に加えて、高級脂肪酸の金属塩(D)を含んでいる。
高級脂肪酸の金属塩としては、ステアリン酸、オレイン
酸、ラウリン酸、カプリン酸、アラキシン酸、パルミチ
ン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸のマグネシウム塩、
カルシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩、
カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、ナトリウム塩、カリウム
塩、リチュウム塩などのアルカリ金属塩などが用いられ
る。具体的には、以下のような化合物が用いられる。
ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、
パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、
オレイン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステア
リン酸バリウム、オレイン酸バリウム、ラウリン酸バリ
ウム、アラキシン酸バリウム、ベヘニン酸バリウム、ス
テアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ス
テアリン酸すチュウム、ステアリン酸ナトリウム、パル
ミチン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリ
ン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、12−ヒドロキシ
ステアリン酸カルシウムなど。
これらの高級脂肪酸の金属塩は、単独であるいは組合せ
て用いられる。
本発明に係る第2の射出成形可能なポリオレフィン組成
物では、上記のような高級脂肪酸の金属塩(D>は、ポ
リオレフィン(A)100重量部に対して0.005〜
5重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部さらに好
ましくは0.05〜0.2重量部の量で用いられる。こ
の高級脂肪酸の金属塩(D)の量がポリオレフィン(A
)100重量部に対して0.001重量部未満であると
、触媒に由来するポリマー中の残留塩素の吸収が充分で
なく、樹脂劣化の原因となるので好ましくなく、一方5
重量部を超えると、安定剤の費用が高くなるのみならず
、樹脂の性質、たとえば引張り伸び、相溶性などが損わ
れる虞れがあるなめ好ましくない。
本発明に係る射出成形可能なポリオレフィン組成物には
、上記の成分(A>、(B)および(C)、または成分
(A)、(B)、(C)および(D)に加えてたとえば
耐熱安定剤、耐候安定剤、顔料、染料、滑剤、カーボン
ブラック、タルク、ガラス繊維等の無機充填剤あるいは
補強剤、難燃剤、中性子遮蔽剤等、通常、ポリオレフィ
ンに添加混合される配合剤を本発明の目的を損わない範
囲で添加することができる。
発明の効果 本発明の射出成形可能なポリオレフィン組成物は、超高
分子量ポリオレフィンが有する優れた機械的性質、たと
えば耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性、滑性、吸水性、摺
動性等をほとんど損うことなく、しかも超高分子量ポリ
オレフィンの大きな欠点である汎用の射出成形機を用い
た場合に発生する成形品の層状剥離の発生を伴うことな
く射出成形でき、しかも成形時の熱安定性および長期耐
熱安定性にも優れているため、従来の汎用ポリオレフィ
ンでは耐衝撃性、耐摩耗性等に劣り使用できない分野で
あった軸受、ギア、カムに限らず、家電、OA機器等の
摺動部材を始め種々の用途に用いることができる。
[実施例] 次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、
本発明はその要旨を越えない限りこれらの例に何ら制約
されるものではない。
夾施信ユ く触媒調製〉 無水塩化マグネシウム47.6g (0,5モル)、デ
カリン0.25.11および゛2−エチルヘキシルアル
コール0123.0 (1,5モル)を、1−30℃で
2時間加熱して均一溶液とした後、安−4〇 − 息香酸エチル7.4.ml(50ミリモル)を添加した
。この均一溶液を一5℃に保持した1、5.IlのTI
 CI 4に1時間にわたって撹拌下に滴下した。
反応器としては、ガラス製39のセパラブルフラスコを
用い、撹拌速度は950叩…としな。
滴下後90℃に昇温し、90℃で2時間の反応を行った
。反応終了後、固体部を濾過にて採取し、さらにヘキサ
ンにて十分に洗浄し、高活性微粉末状チタン触媒成分を
得た。該触媒成分は、3.8重量%のチタン原子を含ん
でいた。
く重  合〉 内容積2209の重合槽2基を直列に連結した連続2段
重合装置を使用して連続重合を行った。
該連続2段重合装置の第1段目の重合槽(以下、重合槽
1と略記する)にn−ヘキサン]、、 30ρを加え、
60℃に昇温しな。n−ヘキサンを35ρ/時間の速度
で、トリエチルアルミニウムを45mM/時間の速度で
、チタン触媒をチタン原子として1.0ミリグラム原子
/時間の速度で、そしてエチレンガスを4.3Nrrf
/時間の速度で重合槽]に連続的に導入した。ポンプを
用いて重合槽1の重合混合液スラリーを後段の重合槽(
以下重合槽2と略記)に送液し、重合槽1のレベルを1
3゜〃に保った。その際の重合槽1の重合圧力は4.7
kg/afGであった。
重合槽2には、重合槽1がら送られてくる重合混合液ス
ラリーの他に、n−ヘキサンを251/時間の速度で、
エチレンガスを11.2Nm/時間の速度で連続的に導
入した。また、水素ガスを適量加えて重合槽2の気相部
の組成(モル比)を、エチレン1000に対して、水素
30になるように調節した。重合反応によって生成した
スラリーを重合槽2の下部よりタイマー弁を用いて間欠
的に抜出し、重合槽2のレベルを12o〃に保った。
重合槽2の重合温度は85℃1重合圧力は7,2kg 
/ crf+ Gであった。得られたポリマーと溶媒は
遠心分離機によって分離し、N2気流下で乾燥を行った
得られたポリオレフィン(A)の[η]、溶融トルクT
を以下の方法で測定した。
−42= [η] :135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度 溶融トルク(T):JSRキュラストメーター(今月機
械工業製)を用い、温度240℃、圧力5kg/cIT
i、振幅±3℃、振動数6 CPNで測定した溶融状態
の試料の応力トルク〈射出成形〉 前記ポリオレフィン(A)100重量部と、フェノール
系安定剤(B)として、テトラキス[メチレン(3,5
−ジーtert−ブチルー4−ヒドロキシ)ヒドロシン
ナメートコメタン(商品名IRGANOX、1010日
本チバガイギー■製)0.1重量部、有機チオエーテル
系安定剤(C)として、ジラウリルチオジプロピオネー
ト(商品名、DSTPrヨシトミ」、吉富製薬社製)0
.1重量部、とをヘンシェルミキサーで混合後、この組
成物をL/D = 28.25……Φ1軸押出機に供給
し、190℃、50叩…で1回通過させて混練し、造粒
した。造粒したペレットを射出成形機((株)東芝製l
5−50>を用いて以下の条件下で角板(130X12
0X2mm)を成形後切削して試験片を作成した。
射出成形条件 シリンダー温度(’C) : 200/230/270
/270 。
射出圧力(kg/art) : 1次/2次=1000
/800 サイクル(sec)  : 1次/2次/冷却==5/
3/25 。
射出速度(−):2/10 SCREW回転数(rpm)  :97;金型温度(℃
):水冷(32℃) 試料を130℃の空気中に500.1000.3000
.5000時間放置後、それぞれの長期耐熱性評価を以
下の方法で行った。
引張試験:ASTM  D  638、ただし試験片形
状をASTM  4号とし、引張 速度を50mm/分とし、破断点伸び (EL:%)を求めた。
夾施創l二A 実施例2においては、実施例1で得られたポリオレフィ
ン(A>100重量部に対し、実施例1で用いたフェノ
ール系安定剤(B)0.1重量部、有機チオエーテル系
安定剤(C)としてジラウリルチオジプロピオネート(
商品名、DLTPrヨシトミ」、吉富製薬社製)0.1
重量部を添加しな。
実施例3においては、実施例1で得られたポリオレフィ
ン(A)100重量部に対し、フェノール系安定剤(B
)として、2,6−ジーt−ブチル−4−メチルフェノ
ール(商品名、5ANTROX R1MONSANT社
製)0.1重量部、及び実施例1で用いた有機千オニー
チル系安定剤(C)0.1重量部を添加した。
実施例4においては、実施例1で得られたポリオレフィ
ン(A)100重量部に対し、フェノール系安定剤(B
)として実施例3で用いた2、6−ジーt−ブチル−4
−メチルフェノール0.1重量部、及び有機千オニーチ
ル系安定剤(C)として実施例2で用いたもの0.1重
量部を添加した。
その他は実施例1と同様に実施し、長期耐熱安定性を評
価した。これらの結果を表1に示す。
= 45 − 夾施側5ユ這 実施例1〜4と同じ組成物のそれぞれに高級脂肪酸の金
属塩(I))としてステアリン酸カルシウム0.12重
量部を添加した以外は実施例1と同様に実施し、長期耐
熱安定性を評価しな。これらの結果を表1に示す。
ル較医上25 実施例1で得られたポリオレフィン(A)100重量部
に対し、実施例1〜8で用いたフェノール系安定剤(B
)の2種類及び有機チオエーテル系安定剤(C)の2種
類、及び高級脂肪酸の金属塩(D)の1種類、計5種類
をそれぞれ単独で0.2重量部添加しな。これ以外は実
施例1と同様に実地し、長期耐熱安定性を評価した。こ
れらの結果を表1に示す。
更に、実施例1〜8、比較例1〜5で用いた各組成物を
L/D = 28.25mmΦ1軸押出機に供給し、2
20℃、50 rpmで1〜5回通過させて混練し、造
粒した。造粒した1〜5回のペレットそれぞれについて
実施例1と同様に[η]及び溶融トルクを測定し、組成
物の成形時の熱安定性を評価した。これらの結果を表2
に示す。
−47= −タ/〜

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1) (A)(i)135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘
    度が10〜40dl/gである超高分子量ポリオレフィ
    ンと、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度が0
    .1〜5dl/gである低分子量ないし高分子量ポリオ
    レフィンとから実質的になり、 (ii)上記超高分子量ポリオレフィンは、該超高分子
    量ポリオレフィンと上記低分子量ないし高分子量ポリオ
    レフィンとの総重量に対し、15〜40重量%の範囲に
    あり、 (iii)135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度
    [η]_Cが3.5〜15dl/gの範囲にあり、 (iv)溶解トルクTが4.5kg・cm以下であるポ
    リオレフィン:100重量部と、 (B)フェノール系安定剤:0.005〜5重量部と、 (C)有機チオエーテル系安定剤:0.005〜5重量
    部とからなることを特徴とする射出成形可能なポリオレ
    フィン組成物。 2) (A)(i)135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘
    度が10〜40dl/gである超高分子量ポリオレフィ
    ンと、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度が0
    .1〜5dl/gである低分子量ないし高分子量ポリオ
    レフィンとから実質的になり、 (ii)上記超高分子量ポリオレフィンは、該超高分子
    量ポリオレフィンと上記低分子量ないし高分子量ポリオ
    レフィンとの総重量に対し、15〜40重量%の範囲に
    あり、 (iii)135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度
    [η]_Cが3.5〜15dl/gの範囲にあり、 (iv)溶解トルクTが4.5kg・cm以下であるポ
    リオレフィン:100重量部と、 (B)フェノール系安定剤:0.005〜5重量部と、 (C)有機チオエーテル系安定剤:0.005〜5重量
    部と、 (D)高級脂肪酸の金属塩:0.005〜5重量部とか
    らなることを特徴とする射出成形可能なポリオレフィン
    組成物。 3)上記ポリオレフィンは、マグネシウム、チタンおよ
    びハロゲンを必須成分とする高活性チタン触媒成分(イ
    )および有機アルミニウム化合物触媒成分(ロ)から形
    成されるチーグラー型触媒の存在下に、少なくとも1つ
    の重合工程においてオレフィンを重合させて極限粘度が
    10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィンを生成
    させ、その他の重合工程において水素の存在下にオレフ
    ィンを重合させて極限粘度が0.1〜5dl/gの低分
    子量ないし高分子量のポリオレフィンを生成させる多段
    階重合法によって製造されたものである特許請求の範囲
    第1項または第2項に記載の射出成形可能なポリオレフ
    ィン組成物。
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JPS6035647A (ja) * 1983-08-09 1985-02-23 Nippon Denso Co Ltd アンチスキツド制御装置

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JPH0826182B2 (ja) 1996-03-13

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