JPH0115299Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、苗のせ台の横移動ストローク全長に
対する苗の取出し回数の変更により苗取量を変更
できるようにすると共に、その変更操作を、苗の
せ台が移動方向を反転する位置あるいはそれに近
い位置に移動した時に自ずと行わせるように、苗
のせ台をその幅方向に往復移動させる横移動機構
と、植付ミツシヨン入力軸とをギア式変速機構を
介して連動連結し、前記苗のせ台に、載置苗を下
方に移送する縦送り機構とそれを駆動する回転軸
夫々を付設すると共に、前記入力軸と前記回転軸
とを、前記苗のせ台が移動方向を反転する位置あ
るいはそれに近い位置に移動された時にのみ前記
回転軸を回転させる状態で連動連結し、かつ、前
記変速機構に連係の変速操作部材と変速操作具と
の間に弾性融通機構を介装し、その弾性融通機構
よりも下手側において、前記変速操作具の変速操
作に伴う前記変速操作部材の変位を前記弾性融通
機構による弾性付勢力に抗して接当阻止するスト
ツパーを設けると共に、前記ストツパーの作用を
所定タイミングで解除する解除機構を付設した田
植機に関する。

上記のものにおいて変速するに、入力軸を駆動
させたままで行うものであり、ギア式変速機構に
おいて、そのシフトギアを、固定側伝動ギアとの
間での圧接力に抗して離脱させなければならず、
その操作力として大きなものが必要であり、従来
一般に、弾性融通機構に介装する弾機として付勢
力の大きいものを用いていた。ところが、変速操
作具を操作する場合にその大きな付勢力に抗して
行わなければならず、変速操作が重くなる欠点が
あつた。

本考案は、上記の点に鑑み、簡単な改良によ
り、シフトギアを大きな操作力で操作できながら
も、変速操作具の操作を軽く行えるようにするこ
とを目的とする。

本考案は、上記目的の達成のために、冒記した
田植機において、前記ストツパーを作用させる被
ストツパー部材と前記変速操作部材とを、両者の
所定範囲の相対移動を許容する融通を介して連結
してある事を特徴とする。

つまり、変速に際し、ストツパーが解除されて
被ストツパー部材が弾性融通機構の付勢力により
変位されると共に被ストツパー部材が融通により
変速操作部材に衝撃的に衝突し、その衝撃力によ
り伝動状態のギアが離脱され、かつ、弾性融通機
構の弾性付勢力によりその他方のギアに咬合され
るのである。

従つて、融通を設けるだけの簡単な改良であり
ながら、変速に際して大きな力を要するギアどう
しの離脱に、被ストツパー部材と変速操作部材と
の間での衝撃力を利用でき、弾性融通機構の弾性
付勢力を小さなものにでき、ギア式変速機構にお
ける変速は大きな力で良好に行えながらも、変速
操作具の操作そのものは軽く、実用上楽に操作で
きるようになつた。

以下、本考案の実施例を例示図に基いて詳述す
る。

田植機の苗植付装置において苗のせ台１を駆動
するに、植付ミツシヨンケース２に、ミツシヨン
入力軸３及び螺軸４を回転自在に軸架すると共
に、回転軸５を回転及び摺動自在に設け、前記回
転軸５に、前記螺軸４の無端帯状ネジ部６に係合
するコマ受け７を回転のみ自在に取付けると共
に、前記回転軸５の両端を苗のせ台１に回転のみ
自在に連結し、螺軸４の回転に伴い、前記回転軸
５をその軸芯方向に往復摺動移動させ、苗のせ台
１を往復横移動させるように構成してある。

前記苗のせ台１の下部に、その周方向の一部を
底板から苗載置側に貫通突出する状態で縦送り用
スターホイール８を設け、そのスターホイール８
と揺動アーム９をラチエツト機構（図省略）を介
して連動連結すると共に、揺動アーム９と前記回
転軸５に連設したレバー部分５ａとをリンク１０
を介して連動連結し、かつ、前記回転軸５のコマ
受け７の両側夫々にカムフオロアー１１，１１を
一体回転自在に、他方、螺軸４の両側夫々にに縦
送りカム１２，１２を一体回転自在に夫々取付
け、苗のせ台１がその移動方向反転位置あるいは
それに近い位置に移動した時に、前記カム１２，
１２のいずれか一方をフオロアー１１に接当して
回転軸５を回転させると共にスターホイール８を
一方向にのみ回転し、苗のせ台１上の載置苗を植
付爪１３による苗取出し側に移送するように縦送
り機構１４を構成してある。

前記螺軸４に大径の第１ギア１５と小径の第２
ギア１６を一体回転自在に取付け、他方、ミツシ
ヨン入力軸３に、前記第１ギア１５に咬合離脱さ
れる小径の第３ギア１７と前記第２ギア１６に咬
合離脱される大径の第４ギア１８とを連設した変
速用ギア部材１９を一体回転自在に、かつ、回転
軸芯方向に摺動自在に取付け、苗のせ台１の移動
速度を、即ち、苗のせ台１の左右幅方向における
植付爪１３による苗取出し回数を二段に変更でき
るようにギア式変速機構２０を構成してある。

前記変速用ギア部材１９に、シフトロツド２１
にフオーク２２を連設した変速操作部材２３を連
係し、前記シフトロツド２１をミツシヨンケース
２に摺動自在に設けると共に、スプリングボール
２４を介して二位置夫々で付勢維持するように構
成してある。ケース２外で、前記シフトロツド２
１にロツド状の被ストツパー部材２５を連結し、
その被ストツパー部材２５の他端側に、軸芯方向
所定範囲において変位自在に一対のバネ受け２
６，２６を設けると共にそのバネ受け２６，２６
間にコイルスプリング２７を介装し、かつ、その
コイルスプリング２７を内嵌する状態で筒状体２
８を設けると共にその筒状体２８に前記バネ受け
２６，２６夫々に接当する接当部材２９を連設
し、前記筒状体２８に変速操作具３０を係止連結
して弾性融通機構３１を構成し、そして、前記被
ストツパー部材２５の所定の２箇所に係止孔３
２，３２を設けると共にその係止孔３２，３２に
係脱するストツパー３３を設けてある。前記スト
ツパー３３を揺動自在に、かつ、スプリング３４
により係止孔３２，３２に係止する側に揺動する
ように付勢して設けると共に、前記回転軸５に、
その回転時に前記ストツパー３３に対応位置させ
る状態で操作部材３５を連設して解除機構３６を
構成してある。以上の構成により、変速操作具３
０を変速操作するに伴い、弾性融通機構３１によ
つて被ストツパー部材２５に一方に変位させる力
を付与しながらも、その変位をストツパー３３に
よつて阻止し、苗のせ台１が移動方向反転位置あ
るいはそれに近い位置に移動して、回転軸５が回
転された時にのみ、その回転により前記操作部材
３５がストツパー３３に作用して解除操作し、そ
れに伴い、弾性融通機構３１の付勢力により変速
用ギア部材１９を切換摺動させるのである。

前記被ストツパー部材２５とシフトロツド２１
が長孔３７を介して連結され、ストツパー３３の
作用解除に伴い、前記スプリング２７の付勢力に
より被ストツパー部材２５が変位されると共にシ
フトロツド２１に衝突し、ギア（１５と１７、又
は、１６と１８）の離脱を大きな力で良好に行わ
せるように構成してある。

被ストツパー部材２５とシフトロツド２１を連
結するに、被ストツパー部材２５をガイドによつ
て所定位置でのみ摺動するように設け、ストツパ
ー部材２５とシフトロツド２１の一方に係合ピン
を連設すると共に、他方にその係合ピンを所定範
囲の相対移動を許容しながら係合する凹溝を設け
る等、各種の構造変形が可能であり、それらをし
て融通３７と称する。

上記実施例では、螺軸４を回転のみ自在に設け
て苗のせ台１を横移動させるものを示したが、コ
マ受け７を回転のみ自在に設けると共に螺軸４を
摺動のみ自在に設け、その螺軸４を苗のせ台１に
連結して苗のせ台１をその幅方向に横移動させる
ようにしても良く、それらをして横移動機構と総
称する。

又、前記変速用ギア部材１９としては、それを
螺軸４側に、あるいは、螺軸４を横移動させるタ
イプに適用する場合にはコマ受け７側に設ける
等、要するに、入力軸３から伝動される側に設け
ても良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る田植機の実施例を示し、第
１図は要部の側面図、第２図は要部の縦断面図、
第３図は第２図の要部の拡大断面図、第４図は第
２図の−線断面図である。 １……苗のせ台、３……入力軸、５……回転
軸、１４……縦送り機構、２０……ギア式変速機
構、２３……変速操作部材、２５……被ストツパ
ー部材、３０……変速操作具、３１……弾性融通
機構、３３……ストツパー、３６……解除機構、
３７……融通。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 苗のせ台１をその幅方向に往復移動させる横移
   動機構と、植付ミツシヨン入力軸３とをギア式変
   速機構２０を介して連動連結し、前記苗のせ台１
   に、載置苗を下方に移送する縦送り機構１４とそ
   れを駆動する回転軸５夫々を付設すると共に、前
   記入力軸３と前記回転軸５とを、前記苗のせ台１
   が移動方向を反転する位置あるいはそれに近い位
   置に移動された時にのみ前記回転軸５を回転させ
   る状態で連動連結し、かつ、前記変速機構２０に
   連係の変速操作部材２３と変速操作具３０との間
   に弾性融通機構３１を介装し、その弾性融通機構
   ３１よりも下手側において、前記変速操作具３０
   の変速操作に伴う前記変速操作部材２３の変位を
   前記弾性融通機構３１による弾性付勢力に抗して
   接当阻止するストツパー３３を設けると共に、前
   記ストツパー３３の作用を所定タイミングで解除
   する解除機構３６を付設した田植機であつて、前
   記ストツパー３３を作用させる被ストツパー部材
   ２５と前記変速操作部材２３とを、両者の所定範
   囲の相対移動を許容する融通３７を介して連結し
   てある事を特徴とする田植機。