JPH0115232B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は映像信号伝送方式、特にテレビ映像信
号を水平走査周期を単位として擬似ランダム符号
（PN符号と略記）で極性反転して送信し、受信
側で復元再生する映像信号伝送方式に関する。

衛星を用いた有料のテレビ番組分配や、有線・
無線による有料テレビ放送においては、テレビ映
像信号を通常の受信装置では容易に受信できない
ように波形変換処理を行つて送信し、契約した受
信者はこれを復元して良質の画像を再生できる伝
送方式が必要とされる。この種の伝送方式とし
て、既に幾つかの基本的な処理方法と、これらを
組み合わせた複合処理方法が公知となつている。
処理が比較的に簡単な基本的な処理方法の一つと
して、映像信号の白黒レベルを中間の灰色レベル
を基準として極性を反転して伝送する方法があ
り、更に、他の方法として同期信号のみをペデス
タルレベルを基準として反転・伸長して伝送する
方法がある。これら従来の極性反転を行う方法で
は、通常直流分再生時の基準レベルとして用いら
れる水平同期信号と映像信号とが別々に処理され
るため、反転処理回路の直流ドリフトによる反転
基準レベルの変動や、反転処理する送信側と復元
処理する受信側との基準レベルの差異によつて、
復元された映像信号にレベル差が発生し、走査線
単位で反転処理する場合には画像に縞状の濃淡が
生ずることがあり、良質な画像が安定に再生され
ない欠点がある。

本発明の目的は、水平同期信号を含む複合映像
信号を走査線単位で極性反転することにより、簡
単な極性反転操作で十分な秘匿性を持ち、良質な
復元信号が安定に得られて上述の欠点が除去され
た映像信号伝送方式を提供することである。

本発明の映像信号伝送方式は、テレビ映像信号
を送信側の映像処理部で波形変換処理して送出し
受信側の復元処理部で復元処理して元の信号を再
生する映像信号伝送方式において、送信側の前記
映像処理部が少なくとも水平走査周波数をクロツ
クとするPN符号に従つて水平同期信号を含む複
合映像信号を反転された映像信号の白レベルが反
転されない水平同期信号の尖頭値を下まわらない
ように極性反転して送出し、受信側の前記復元処
理部が極性反転された前記複合映像信号を前記
PN符号に従つて再び極性反転して同一極性の信
号に復元し、反転復元された複合映像信号の水平
同期信号尖頭値またはペデスタルレベルと反転さ
れない複合映像信号の水平同期信号尖頭値または
ペデスタルレベルとの差を検出して帰還し前記反
転復元された複合映像信号と前記反転されない複
合映像信号の水平同期信号尖頭値またはペデスタ
ルレベルを同一値に制御することによつて構成さ
れる。

次に図面を参照して本発明を詳細に説明する。

第１図は本発明の送信側映像処理部の一実施例
のブロツク図、第２図はこれに対応する受信側復
元処理部の一実施例のブロツク図である。第１図
の映像処理部は、差動増幅器１、サンプルホール
ド回路２、複合同期分離回路３、低域フイルタ４
から成る公知の帰還圧縮型のクランプ回路５と、
その出力に接続され反転増幅器６、非反転増幅器
７、FETスイツチ８から成るスクランブル回路
９と、スクランブルされた出力を緩衝増幅して出
力端子１０１に伝える非反転増幅器１０と、垂直
同期分離回路１１、パルス信号発生器１２、PN
符号発生器１３、キーコード設定器１４から成り
スクランブル回路９を制御する切替信号１０２を
発生する切替信号発生回路１５とから構成されて
いる。入力端子１００からの複合映像信号はクラ
ンプ回路５で直流レベルが設定されスクランブル
回路９に送られる。スクランブル回路９は水平同
期信号に同期した切替信号１０２によつて反転増
幅器６と非反転増幅器７の出力を切替えることに
より、第３図ａに示すように水平同期信号のバツ
クポーチ部で極性反転したスクランブル信号を送
出する。反転増幅器６及び非反転増幅器７の直流
電圧は、反転された映像信号の白レベルＡが反転
されない水平同期信号の尖頭値Ｂを若干超過する
ように設定されており、通常の受信装置のスライ
ス式の同期検出回路では、反転部の映像信号によ
つて水平同期が乱されるため、映像信号の反転効
果と加わつて十分な秘匿効果が得られ殆どスクラ
ンブル処理される前の原信号の映像を判別するこ
とができなくなる。切替信号発生回路１５の垂直
同期分離回路１３は、複合同期分離回路３の出力
から垂直同期信号を分離し、垂直同期信号に続い
て送られてくる等化パルス及び水平同期信号の数
をカウントして、最初の水平同期信号と同期した
スタートパルスをパルス信号発生器１２に送出す
る。パルス信号発生器１２は周波数の安定な発振
器を有し、スタートパルスから一定時間遅れた水
平同期信号周波数のパルス信号を発生する。この
信号はPN符号発生器１３のクロツク入力とな
り、10進４桁のキーコード設定器１４の指定によ
るPN符号が切替信号１０２としてスクランブル
回路９に送り出され、第３図ａのように水平同期
信号のバツクポーチ部で極性反転が行われる。パ
ルス信号発生器１２はカウンタを備え、発生した
パルス数を一定数カウントすると信号の送出を停
止し、垂直同期分離回路１１からのスタートパル
スで再び送出を開始するように構成されており、
スクランブル回路９による反転動作を映像信号期
間のみに限定し、等化パルスを含む垂直同期信号
はそのまま伝送されるようになつている。パルス
信号発生器１２の発生するパルス信号の周波数と
水平同期信号周波数が完全に一致しなくても、各
垂直同期信号で同期をとるよう構成されているの
で１フイールド間で生ずる位相のずれは僅かであ
つて、スクランブル回路９の反転動作に支障を生
ずることはない。

第２図に示した復元処理部は、入力端子１０３
からの反転処理されたスクランブル信号を増幅
し、帰還電圧１０４によつて直流分が制御される
差動増幅器１６と、その出力に接続されスクラン
ブル信号を同一極性の信号に復元するデスクラン
ブル回路９′と、その出力を緩衝増幅して再生信
号を出力端子１０５に伝送する非反転増幅器１
０′と、受信信号の垂直同期信号を基準に送信側
と同じPN符号を発生する切替信号発生回路１
５′と、複合同期分離回路３ｂ、サンプルホール
ド回路２ａ及び２ｂ、FETスイツチ８ｂ、差動
増幅器１７、低域フイルタ４ａとから成り帰還電
圧１０４を発生する帰還回路１８とから構成され
ている。入力端子１０３に加えられた第３図ａに
示すようなスクランブル信号は、差動増幅器１６
を経て、スクランブル回路９と同様に反転増幅器
６ａ、非反転増幅器７ａ、FETスイツチ８ａか
ら成るデスクランブル回路９′で第３図ｂのよう
な同一極性の信号に復元される。デスクランブル
回路９′の反転基準レベルが第３図ａにＣで示す
反転・非反転の水平同期信号尖頭値の中間値に一
致していない場合には、復元信号の水平同期信号
尖頭値は例えば第３図ｂのB′及びA′のように一
致しない。これを一致させるにはA′とB′とを検
出し、その差電圧で入力信号の直流分を制御し、
第３図ｂの場合には直流分を減少させるようにす
れば、B′は減少しA′は増加する方向に変化して
Ｄで両者が一致する。逆にB′がA′より低い場合
には入力信号の直流分を増加させるように制御す
ればよい。第２図の回路では複合同期分離回路３
ｂの出力をFETスイツチ８ｂでデスクランブル
回路９′の反転動作と同期して切替え、２個のサ
ンプルホールド回路２ａ，２ｂのサンプリング同
期パルスとすることにより、反転復元された水平
同期信号の尖頭包絡値A′と反転されない水平同
期信号の尖頭包絡値B′を検出し、その差を差動
増幅器１７で求め、低域フイルタ４ａを通して差
動増幅器１６に帰還することによつて実現してい
る。切替信号発生回路１５′は送信側の切替信号
発生回路１５と同様に複合同期分離回路３ａ、垂
直同期分離回路１１ａ、パルス信号発生器１２
ａ、PN符号発生器１３ａ、キーコード設定器１
４ａから成り、送信側PN符号と同じPN符号を
発生し、FETスイツチ８ａ，８ｂを同時に制御
する。以上説明したようにこの帰還回路によつて
復元信号の水平同期信号の尖頭値は常に一致する
ように制御され、映像信号と水平同期信号の関係
は反転操作によつて変ることがないので、正しい
複合映像信号が再生され良質な画像が得られるこ
ととなる。

上述の実施例の説明において、送信側の映像処
理部で反転した映像信号の白レベルが反転しない
水平同期信号の尖頭値を越えるように反転すると
説明したが、両レベルが同等もしくは若干白レベ
ルが下まわつても、通常の受信装置で受信したと
き水平同期の乱れる効果が低下するが、映像信号
の反転効果によつてかなりの秘匿効果を維持する
ことができる。又、上述の操作に加えて、更に垂
直同期信号を反転送出する等の操作を組合わせる
ことによつて秘匿性を更に改善することも可能で
ある。又、第１図および第２図の回路は本発明の
一実施例であつて、この回路に限定されるもので
ないことは言うまでもなく、例えば切替符号発生
回路のパルス信号発生器は周波数の安定な独立の
発振器を内蔵して水平同期信号周波数を発生する
よう説明したが、垂直同期信号周波数を逓倍して
発生するようにしてもよい。又、PN符号発生器
の発生するPN符号はキーコード設定器で外部よ
り設定するよう構成されているが、送信側でキー
コードを符号化して垂直帰線区間等を用いて伝送
し、受信側でこれを解読して自動的に設定するこ
ともできる。なお、第２図のサンプルホールド回
路２ａ，２ｂが水平同期信号の尖頭値の代りにペ
デスタル部のレベルをサンプルホールドするよう
にすれば、ペデルスタルレベルを揃えるような制
御が行えることは明らかで、この場合反転・非反
転増幅器の利得に差があつても画像の劣化が少な
いという特徴がある。

以上詳細に説明したように、本発明の映像信号
伝送方式によれば、送信側でPN符号に従つて水
平同期信号を含む複合映像信号を反転処理して送
信する簡単な操作により、十分な秘匿性を有し、
受信側で復元処理する際に直流ドリフトや低周波
変動成分に影響されず良質な映像信号を復元する
ことができる効果があり、送信側と受信側との反
転基準レベルを厳しく一致させる必要がないとい
う利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の送信側映像処理部の一実施例
のブロツク図、第２図は本発明の受信側復元処理
部の一実施例のブロツク図、第３図ａ及びｂは反
転および復元された信号波形を示す波形図であ
る。 １，１６，１７……差動増幅器、２，２ａ，２
ｂ……サンプルホールド回路、３，３ａ，３ｂ…
…複合同期分離回路、４，４ａ……低域フイル
タ、５……クランプ回路、６，６ａ……反転増幅
器、７，７ａ，１０，１０′……非反転増幅器、
８，８ａ，８ｂ……FETスイツチ、９……スク
ランブル回路、９′……デスクランブル回路、１
１，１１ａ……垂直同期分離回路、１２，１２ａ
……パルス信号発生器、１３，１３ａ……PN符
号発生器、１４，１４ａ……キーコード設定器、
１５，１５′……切替信号発生回路、１８……帰
還回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ テレビ映像信号を送信側の映像処理部で波形
   変換処理して送出し受信側の復元処理部で復元処
   理して元の信号を再生する映像信号伝送方式にお
   いて、送信側の前記映像処理部が少なくとも水平
   走査周波数をクロツクとする疑似ランダム符号に
   従つて水平同期信号を含む複合映像信号を反転さ
   れた映像信号の白レベルが反転されない水平同期
   信号の尖頭値を下まわらないように極性反転して
   送出し、受信側の前記復元処理部が極性反転され
   た前記複合映像信号を前記疑似ランダム符号に従
   つて再び極性反転して同一極性の信号に復元し、
   反転復元された複合映像信号の水平同期信号尖頭
   値またはペデスタルレベルと反転されない複合映
   像信号の水平同期信号尖頭値またはペデスタルレ
   ベルとの差を検出して帰還し前記反転復元された
   複合映像信号と前記反転されない複合信号の水平
   同期信号尖頭値またはペデスタルレベルを同一値
   に制御することを特徴とする映像信号伝送方式。