JPH01145428A - 湿式クラッチ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「技術分野」 本発明は、湿式多板クラッチ装置に関し、特に原動軸を
プーリを介して駆動するタイプの装置に適用して好適な
湿式・多板クラッチ装置に関する。

「従来技術およびその問題点」 クラッチ装置は、乾式と湿式に大別される。乾式は小型
という長所があるが、クラッチ摩擦部の耐久性に乏しく
、接続音およびショックが大きく、またクラッチ板の間
に異物が入りやすいという問題がある。これに対し湿式
は、クラッチ板がオイル中に封入されているため、乾式
の欠点はある程度解消される。

ところでこの湿式クラッチ装置においては、原動側クラ
ッチ板は原動側回転部材に、被動側りラッチ板は被動側
回転部材に、それぞれ軸方向移動可能に支持しなければ
ならない。ところが、原動側と被動側のクラッチ板は、
交互に重ねなければならず、またその際には、その軸方
向ガイド手段をそれぞれ、原動側回転部材および被動側
回転部材の軸方向ガイド手段に嵌めなければならないた
め、作業性か非常に悪く、組立性の上で問題があった。

「発明の目的」 本発明はしたがって、湿式クラッチ装置において、特に
その原動側と被動側のクラッチ板を交互に積層状態とし
て組み立てる際の作業性に優れた装置を得ることを目的
とする。

「発明の概要」 本発明は、被動側クラッチ板はその内周部のスプライン
を介して被動側回転部材に支持されるため、そのセンタ
リングおよび組立が容易であるのに対し、原動側回転部
材に支持される原動側クラッチ板は、その内周部が被動
側回転部材に対してフリーであって径方向の位置が定ま
らず、しかも原動側回転部材との軸方向ガイド手段は、
相手側に嵌めなければならないためセンタリングおよび
組立のガイドとして利用することができず、これが組立
の困難性の原因になっているという事実に着目してなさ
れたものである。

すなわち本発明は、オイル室内に、原動側回転部材と被
動側回転部材とにそれぞれ軸方向移動可能に支持した原
動側クラッチ板と被動側クラッチ板を交互に積層条に配
設し、かつこの原動側と被動側のクラッチ板に密着力を
与える手段を設けた湿式クラッチ装置において、原動側
クラッチ板に、原動側部材との軸方向ガイド手段とは別
に、複数のこれら原動側クラッチ板の該軸方向ガイド手
段の位置を合致させる位置決め手段を設けたことを特徴
としている。

「発明の実施例」 以下図示実施例について本発明を説明する。この実施例
は、特願昭６２−１６３１７７号で本出願人が提案した
湿式クラッチ装置に本発明を適用した実施例である。す
なわちこの湿式クラッチ装置は、小型化を図るために、
原動軸として一般に利用されるブーりをそのまま湿式ク
ラッチのオイル室ハウジングとして利用するようにした
もので、被動輪と一体としだホブの外周部に、該ホブに
対して相対回転自在にプーリを設け、このブーりと、ホ
ブ側部材と、ブーりに一体化したカバーとで、オイル室
を形成し、このオイル室内に位置させて、プーリまたは
カバーに軸方向移動可能に支持した原動側クラッチ板と
、被動輪側部材に軸方向移動可能に支持した被動側クラ
ッチ板とを接離可能に設け、かつこれら原動側と被動側
のクラッチ板に密着力を与える電磁手段を設けたことを
特徴とするものである。

この湿式クラッチ装置は、回転するプーリとカバーの内
側にオイル室が形成されるため小型で、オイルが常に回
転するからオイルの劣化が少なく、電磁手段をオイル室
の外に配設できるため放熱性がよい等の優れた特徴を有
する。

そこでまず第４図ないし第６図についてこの湿式クラッ
チ装置を説明する。ハウシング１１には、例えばコンプ
レッサに連なる被動軸１２が回転自在に支持されており
、この被動軸１２の端部にホブ１３が一体に結合されて
いる。

他方ハウジング１１には、軸受１４を介して、被動軸１
２の外周部に位置するプーリ１５が回転自在に支持され
ている。このプーリ１５とホブ１３の間には、オイルシ
ール１６が設けられている。

プーリ１５には、固定ねじ１８を介してカバー２０が固
定されており、このカバー２０と、プーリ１５と、上記
ホブ１３とでオイル室２１が形成されている。

したがフて、プーリ１５およびカバー２０は原動側回転
部材を梼成し、被動軸１２およびホブ１３は被動側回転
部材を構成する。そしてこの原動側と被動側の部材に、
オイル室２１内に位置するクラッチ板が支持されている
。

すなわちプーリ１５には、そのカバー２０側の端部内周
に、第５図に明らかなように複数の軸方向突起２２が形
成され、この軸方向突起２２に環状の原動側クラッチ板
２３の径方向溝２３ｂがスプライン状に嵌められて、軸
方向移動可能に支持されている。この原動側クラッチ板
２３は、回転方向にはプーリ１５と一体に回転する。他
方ホブ１３には、そのカバー２０側の端部外周に、第６
図に示すようにスプライン（複数の軸方向突起）２４が
形成されていて、このスプライン２４に環状の被動側ク
ラッチ板２５のスプライン溝２５ｂが軸方向移動可能に
支持されている。この被動側クラッチ板２５は、回転方
向にはホブ１３と一体に回転する。

そしてこれらの原動側クラッチ板２３と被動側クラッチ
板２５は、交互に重ねられ、その外端部に、スプライン
２４にそのスプライン孔２６ａを嵌めたアマチュア２６
が軸方向移動に移動可能に支持されている。２７は、ア
マチュア２６の抜は止めリングである。

プーリ１５には、これら原動側クラッチ板２３、被動側
クラッチ板２５、およびアマチュア２６の周方向位置に
合致させて、ハウジング１１側が開放された環状溝２８
が形成されており、この環状溝２８内に、ハウジング１
１にブラケット２９を介して固定したコイル３０が位置
している。プーリ１５には、このコイル３０による磁束
が原動側クラッチ板２３、被動側クラッチ板２５を経て
アマチュア２６に至るように、磁路形成孔３１が穿けら
れている。この磁路形成孔３１は、非磁性体からなる封
止材３２によって閉塞され、オイル室２１の密閉性を確
保している。なおりラッチ板２３および２５にも、磁路
形成孔３１と周方向位置の合致する磁路形成孔２３ａ、
２５ａが穿けられている。

本発明は、以上の基本構造を持つ湿式クラッチ装置にお
いて、原動側クラッチ板２３の周縁に、軸方向ガイド手
段としての径方向溝２３ｂとは別に、複数、好ましくは
３個以上の位置決め溝４０を設け、この位置決め溝４０
により、複数のこれら被動側クラッチ板２３の径方向溝
２３ｂの位置を合致させるとともに、センタリングを行
なわせるようにしたことを特徴としている。この実施例
では、径方向溝２３ｂは、等角度（６０°）間隔で６個
設けられていて、位置決め満４０は、これらの径方向溝
２３ｂの正しい中間位置に、等角度（１２０°）間隔に
３個設けられている。したがって、これらの位置決め満
４０の位置を合致させると、複数の原動側クラッチ板２
３のセンタと径方向溝２３ｂの位置が一致する。

以上の原動側クラッチ板２３と被動側クラッチ板２５と
は、上記位置決め溝４０を利用して、例えば第１図ない
し第３図に示すようにして組み立てられる。組立に当っ
ては、被動輪１２に結合する面のホブ１３と、第２図、
第３図に形状例を示す組立治具５０とが用意される。合
成樹脂材料等の弾性材料からなる組立治具５０は、その
周縁に位置決め溝４０と位置の合致する３木の係止爪５
１を有し、またその中心には、ホブ１３の中心孔１３ａ
に摩擦状態で嵌まる環状突起５２を備えている。係止爪
５１の先端には、内方へ僅かに突出する保持突起５３が
形成されている。

まずホブ１３の中心孔１３ａに、組立治具５０の環状突
起５２を嵌める。この状態で、組立治具５０の反対側か
ら、ホブ１３外周のスプライン２４にアマチュア２６を
嵌め、次に、原動側と被動側のクラッチ板２３．２５を
交互にホブ１３の外周に嵌める。この際、被動側クラッ
チ板２５は、その内周のスプライン溝２５ｂをスプライ
ン２４に嵌め、原動側クラッチ板２３は、その外周の位
置決め満４０を組立治具５０の係止爪５１に嵌める。係
止爪５１にはその先端に保持突起５３が設けられている
ため、係止爪５１に嵌められた原動側クラッチ板２３が
脱落することがない。このようにして、すべてのクラッ
チ板２３と２５を嵌めると、第３図に示す状態となり、
このとき原動側クラッチ板２３は正しくセンタリングさ
れ、その軸方向ガイド手段としての径方向溝２３ｂの位
置は、すべてが揃うこととなる。

この第３図のようにサブ組立の完了したホブ１３、アマ
チュア２６、および原動側と被動側のクラッチ板２３．
２５は、組立治具５０に保持されたまま、第４図の組立
状態とされる。すなわちホブ１３の結合孔１３ｂに被動
軸１２を嵌めるとともに、原動側クラッチ板２３の外周
の径方向溝２３ｂをプーリ１５の軸方向突起２２に嵌め
る。

その後、組立治具５０を引き抜いて、その係止爪５１と
位置決め溝４０の係合を外し、抜は止めリング２７によ
り、アマチュア２６のホブ１３からの抜は止めを図ると
、クラッチ装置の本体部分の組立が完了する。

組立治具５０の形状は、原動側クラッチ板２３に形成す
る位置決め満４０の形状および位置に応じて決定される
。すなわち原動側クラッチ板２３に形成した位置決め溝
４０は、複数の該クラッチ板２３のセンタリングと径方
向溝２３ｂの位置決めに利用することができ、これをど
のように利用するかは次の問題である。位置決め溝４０
は、孔とすることも可能であり、この孔を利用して、同
様に複数の原動側クラッチ板２３をセンタリングし、径
方向溝２３ｂの位置を合致させることができる。

なお第４図ないし第６図の湿式クラッチ装置は、次のよ
うに駆動される。オイル室２１内に適量のオイルを封入
してからカバー２０を閉じ、プーリ１５を回転駆動する
と、カバー２０および原動側クラッチ板２３がこれと一
体に回転する。

コイル３０に通電しない状態では、アマチュア２６は吸
引されず、したがって原動側クラッチ板２３と被動側ク
ラッチ板２５は滑り、ホブ１３（被動軸１２）への回転
の伝達は行なわれない。

これに対し、コイル３０に通電すると、プーリ１５、コ
イル３０、原動側クラッチ板２３、被動側クラッチ板２
５、およびアマチュア２６内に、第４図に模式的閉曲線
Ａで示す磁束が生じ、アマチュア２６がプーリ１５側に
吸引される。この吸引力により、原動側クラッチ板２３
と被動側クラッチ板２５は強く接触して一体に回転し、
被動側クラッチ板２５とともにホブ１３および被動軸１
２が回転する。よって被動軸１２に連なるコンプレッサ
が駆動される。

以上の実施例では、プーリ１５を原動側、被動軸１２を
被動側として説明し、実際その用い方が一般的であるが
、被動軸１２を原動側とし、プーリ１５を被動側として
も本発明は使用可能である。本文および請求範囲の記載
では、構成を明瞭とするために、便宜的に原動側と被動
側の区別をしたが、本発明がこのような使用方法を含ま
ないとする趣旨ではない。

「発明の効果」 以上のように本発明は、プーリおよびこれに固定したカ
バーを湿式クラッチのオイル室ハウジングの一部として
利用し、その内部に原動側、′被動側のクラッチ板を配
設して湿式クラッチとした湿式クラッチ装置において、
原動側クラッチ板に、原動側部材との軸方向ガイド手段
とは別に、複数のこれら原動側クラッチ板の該軸方向ガ
イド手段の位置を合致させる位置決め手段を設けたから
、特に被動軸とのセンタリング手段を持たない原動側ク
ラッチ板を、この位置決め手段を利用してセンタリング
し、その軸方向ガイド手段の位置を合致させることがで
きる。よって組立作業性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の湿式クラッチ装置の実施例を示す原動
側クラッチ板の平面図、第２図は組立治具の斜視図、第
３図は第２図の組立治具によるサブ組立の状態を示す縦
断面図、第４図は組立状態の湿式クラッチ装置を示す、
上半部を断面とした正面図、第５図、第６図はそれぞれ
第４図のＶ−Ｖ線、Ｖｌ−Ｖｌ線に沿う断面図である。 １１・−ハウジング、１２・−被動軸、１３−・・ホブ
、１４−・・軸受、１５−・・プーリ、１６−　オイル
シール、１８−・・固定ねし、カバー２０・−カバー、
２１−・・オイル室、２２・−軸方向突起、２３−・・
原動側クラッチ板、２４・−スプライン、２５・・・原
動側クラッチ板、２６−・・アマチュア、２８・・・環
状溝、２９−・・ブラケット、３０・−コイル、３１・
・・磁路形成孔、３２−・・封止材、４０・−位置決め
溝（位置決め手段）。 第１図 り１ 第２図 第３図 第４図 第５図 第６因

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）オイル室内に、原動側回転部材と被動側回転部材
   とにそれぞれ軸方向移動可能に支持した原動側クラッチ
   板と被動側クラッチ板を交互に積層条に配設し、かつこ
   の原動側と被動側のクラッチ板に密着力を与える手段を
   設けた湿式クラッチ装置において、上記原動側クラッチ
   板に、原動側部材との軸方向ガイド手段とは別に、複数
   のこれら原動側クラッチ板の該軸方向ガイド手段の位置
   を合致させる位置決め手段を設けたことを特徴とする湿
   式クラッチ装置。
2. （２）特許請求の範囲第１項において、原動側クラッチ
   板の位置決め手段は、該クラッチ板の周縁に形成した位
   置決め溝から構成されていて、これらクラッチ板の位置
   決め溝の位置を合致させると、原動側部材との軸方向ガ
   イド手段の位置が合致する湿式クラッチ装置。
3. （３）特許請求の範囲第２項において、原動側クラッチ
   板の原動側部材との軸方向ガイド手段は、原動側部材の
   軸方向突起に嵌合する径方向溝である湿式クラッチ装置
   。