JPH01143668A - コーティング剤の塗布並びにその熟成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は内部中空の貫通した回転体状の被塗物の内面に
コーティング剤を塗布する方法とその熟成方法に係る。

〔従来の技術〕

円筒の内面をコーティングすることは従来より行なわれ
ていることである。しかし、その場合にはその塗布膜内
に気泡が発生したり、又はその厚さが不均一であったり
、そしてまた、塗布直後の乾燥により多くの時間を要し
たり。

数多くの問題があった。しかしハイテクの今日に至って
は、これらの問題を放置することは許されず、緊急の対
応策が待たれていた。

〔解決しようとする問題点〕

従来、塗布膜に発生する気泡の防止策としては、減圧下
において乾燥する方法などとられてきたが、その効果と
いうのはまだ十分ではなかった。元来、塗布層内にて行
なわれる液体の蒸発というのは、先ずその塗布層の表面
から始まり、逐次その内側に進行して行くものである。

従って蒸発後は乾燥して表面が固化し、俗にいう皮張り
現象が発生する。その後、その皮張りの内側に残存する
液体の蒸発が行なわれ、これらの気泡が外部に出られず
、封じ込められて気泡となって塗布膜内に残るのである
。

このように、減圧の下に塗布乾燥を行なっても、蒸発時
間は短縮化されるものの、皮張り現象は常圧の下におけ
ると同様に発生し、気泡抑止の効果は少なかったのであ
る。

また加熱による蒸発時間短縮化の場合にも、上述の場合
と同様に皮張り現象が発生した。理由は、加熱手段は塗
布面側から行なわれるので、塗布層の表面から乾燥固化
が行なわれるからである。

上述のように、減圧下においても、また加熱下において
も、皮張り現象による塗布膜内に発生する発泡を抑止す
ることはできなかったのである。

本発明の動機はコーティング剤を気泡などのない均一厚
さの、しかもより短時間にて完璧な塗布膜を形成するこ
とにあった。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の目的は、内部中空貫通した回転体状の被塗物の
内面にコーティング剤をスプレィ塗布するに当って、そ
の塗布膜内に気泡などを発生せしめることなく、かつミ
クロン単位の精度をもってより均一に、更にそれらをよ
り短時間に乾燥熟成する方法である。

本発明の要旨は、内部中空貫通した回転体状の被塗物の
内面にコーティング剤を回転し乍ら塗布した直後、その
塗布面側に負圧をかけ、同時にその面の反対面側から加
熱を行ない、その被塗物を介して、それと塗布層との接
触部即ちその下面部に熱傅導し、逐次同層の表面部に向
かって蒸発即ち乾燥固化を進行せしめ、よって塗布膜内
に発生する気泡を完全に追放しようとするものである。

なお、コーティング剤の塗布工程において、該コーティ
ング剤の性状により、塗布直後、過剰溶剤のために量刑
が被塗物面上を流れたり、又は過少溶剤のために塗着層
に厚薄が生じたりする場合には塗布室内を減圧又は加圧
することが必要である。

次に本発明の方法を図面によって詳細に説明する。第１
図を参照されたい、同図にては説明を簡易化するため被
塗物を円筒状のもの（Ｃ）とした。該被塗物である円筒
（Ｃ）を、先ず耐圧容器（１）の中に入れ、かつ該円筒
（Ｃ）の両端を二本のスピンドル（７）、（８）にては
さみ、その−方を駆動して所要の速度にて回転する。該
回転する円筒（Ｃ）の内側よりコーティング剤をエアレ
ススプレィし、上記円筒（Ｃ）の内面上を塗布する。塗
布層を均一にするため、ガンノズル（５）は上記円筒（
Ｃ）の軸方向に所要の速度をもってトラバースせしめる
。この塗布時には該耐圧容器（１）及び被塗物円筒（Ｃ
）内は常圧である。このようにして円筒（Ｃ）の内面上
に、所要の厚さの塗布層が均一に塗着し終った後、塗布
層の内部に含まれている溶媒即ち液体をより早く、蒸発
乾燥せしめるために、その周囲の気圧をより低下せしめ
る。即ち上記スピンドル（８）内と連通している真空配
管（１１）上のソレノイド式エアバルブ（１２）を開い
て、該円筒（Ｃ）内をより減圧する。その真空度は７６
０Ｔｏｒｒ以下０．０２Ｔｏｒｒの範囲内であり、その
選択は被塗物における諸条件、例えばコーティング剤の
特性、塗布膜の厚さ、被塗物に対する加熱温度などによ
って決定される。さてこの加熱方法が１本発明の特長で
ある被塗面の反対面即ち円筒（Ｃ）の外側より加熱する
のである。加熱手段にも種々あげられるが、同図にては
加熱エア（ＨＡ）を耐圧容器（１）内に送入している。

前述したように、コーティング剤の塗布直後、被塗物円
筒内の雰囲気の気圧を減圧することにより、常圧時より
も、より早く乾燥されるが、それに加えて本発明におい
ては、その被塗面の反対面よりも加熱するのである。

次に第２図を参照されたい。同図は第１図上の“Ａ′″
部の拡大図であり、被塗物円筒（Ｃ）の内面上にコーテ
ィング剤が膜状に塗布された後、該円筒（Ｃ）外部より
加熱して、上記塗布層の内部に発生した気泡を外部に放
逐する状態説明図である。同図について詳しく説明する
。先ず円筒（Ｃ）の外側を通過する加熱エア（ＨＡ）に
より、該円筒の外面部（ＣＯ）が加熱され、その熱エネ
ルギは該円筒の壁内を移動して該円筒の内面部（Ｃｉ）
に達する。該内面部（Ｃｉ）はコーティング剤の塗布層
（Ｓ　Ｌ）の底面（ＳＬｂ）と接触しているので、上記
円筒（Ｃ）の内面（Ｃｉ）に達した熱エネルギは、塗布
層（Ｓ　Ｌ）の底面（ＳＬｂ）部に伝導し、同部の温度
は上昇する。同熱エネルギにより、該底部の内部に存在
する多量の溶剤即ち液体は蒸発し、気泡（Ｂ１）を発生
すると同時に同部は乾燥固化する。それらの固化によっ
て１次の塗布層内の底部に発生した気泡（Ｂ１）は、そ
の底部よりも温度が低く未固化の液状である表面部に向
かって押しやられる。また熱エネルギは次第に同層の中
部（ＳＬｍ）に伝導し、同部の液体を上述と同様に蒸発
せしめて気泡（Ｂ２）を発生せしめ、同部を固化させ、
上述と同様に気泡を表面部に向けて押しやる。そしてま
た同様に、同層の表面部（ＳＬｆ）に伝導した熱エネル
ギも気泡（Ｂ３）を発生せしめ、ついに外気中に押し出
す、このようにして塗布層の底部より、その加熱蒸発に
よる固化攻勢によって、続々と後発する気泡は、すべて
表面部に向けて押しやられ、ついに外気に放散、かくし
て塗布層内には全く気泡の存在しない、乾燥固化した塗
布膜が得られるのである。

上述の説明は円筒（Ｃ）の上方部における塗布層内部の
気泡の駆逐状態について述べたが、下方部においても同
様に気泡は駆逐される。第３図を参照されたい、この場
合、塗布層の底部（ＳＬｂｌ）に発生した気泡（Ｂ５）
は、前述の場合と同じく塗布層（Ｓ　Ｌ）の下面より表
面部に向けて。

同層の固化攻勢に押されて上方に移動するが、更に気泡
の浮上刃も加わって、より早く、効果的に外気中に放出
されこのようにして、円筒状被塗物の内面上に塗布され
た塗布層は、減圧された雰囲気と塗布面の反対側よりの
加熱とによって、最も早くかつ効果的に気泡の全く存在
しない完璧な塗布膜が得られるのである。

また、上述の方法において、塗布時における塗布面側即
ち被塗物内側の雰囲気の圧力は、常圧としたが、これを
加圧することもある。それはコーティング剤中に沸点の
比較的低い溶剤が含まれている場合には、スプレィと同
時に、即ちノズルから大気中に噴出すると同時に、瞬間
時に気化し、よって粘度が上がって、即ち霧化した微粒
子の粘度が比較的大きくなって、それらが被塗物面上に
到達、塗着するときには、上述の如く粘度が比較的高い
ため、レベリング作用が低調となり、凹凸ある塗布層と
なって終うのである。これを避けるため、ある圧力に雰
囲気を加圧してやると、上述したスプレィの瞬間にも溶
剤は気化せず、適切なる粘度をもって塗着するので、レ
ベリング作用が起こり、平滑にして均一なる塗布膜が得
られるのである。

また逆に雰囲気を減圧して塗布することもある。それは
コーティング剤中に含まれている溶剤の沸点が比較的高
い場合である。その場合には溶剤は気化し難いので、ス
プレィ時にも溶剤が十分に含まれているため、霧化も十
分行なわれるが、その反面塗着後においては、その過分
な溶剤のために被塗物面上から流れ易くなるという欠点
がある。それを防ぐために、スプレィ時の雰囲気を減圧
してやると、溶剤の沸点は降下し、気化し易くなって霧
化現象は若干降下するが、塗着後においては、適切なる
粘度となるため、被塗物面上における流下は、一応防止
できるのである。また派生的メリットとして、減圧によ
って、スプレィ時における空気の巻き込み現象も少くな
るということもあげられる。

以上の、塗布時における被塗物内側の雰囲気の加圧及び
減圧の条件は、何れも塗布時において、それぞれのコー
ティング剤中に含まれる溶剤の特性に最もマツチしたも
のを選び、最も良質の塗布層を得ることである。

〔実　施　例〕

その１．内部貫通した中空の回転体状の被塗物としては
、種々の形状のものがあるが、本項にてはその代表的な
ものとして円筒をあげる。

その２１本発明の説明においては内部貫通した中空の回
転体状の被塗物を回転させ、塗布用ノズルを固定又はト
ラバースすることとしたが、その被塗物が特に小物であ
る場合には、それを固定して塗布用ノズルを回転させる
こともできる。

その３００本発明説明においてはエアレススプレィを使
用した場合を述べたが、エアスプレィの場合も可能であ
る。

大気中でエアレススプレィし、その後、乾燥室内に持ち
込んで減圧乾燥する場合には問題はないが、同室内にて
エアスプレィ塗布と乾燥とを行なう場合には、エアスプ
レィしたエア量だけ排気し、減圧するを必要とする。

その４．　またノズルによるカーテンコーティングにも
使用することができるにれはエアレススプレィにおける
低圧吐出であり、エアレススプレィと同様に使用するも
のである。

その５．上述のように、各種方法によりスプレィ塗布し
た後、減圧状態においては乾燥作業を開始するのである
が、この間、時間をおきすぎると、減圧状態におく前に
乾燥が始まって終い不都合となる。よってその時間は、
諸条件によって、さまざまであるが、生産性等も考慮し
２０秒以内が望ましいという結果が実験的に得られてい
る。

その６．　また乾燥時における加熱温度も諸条件によっ
てさまざまであるが、適切なる温度を短時間内に得るに
は。

自動温度制御装置を介して加熱冷却を併用することが望
ましい。

その７．更に乾燥加熱時には、被塗物を回転させ、塗布
層に対する条件を一様にすることが望ましい。

その８．加熱及び冷却手段としては、最も簡便な加熱気
体及び／又は冷却気体を使用することが望ましい。これ
は適正温度を短時間に得るためであり、加熱気体により
被塗物が過熱された場合には、冷却気体と入れかえて、
短時間に適正温度に引き戻すことができるからである。

これらの入れかえは、自動温度調整器により自動的に行
なうことができる。

その９．加熱一方の場合には、電気的加熱手段でもよろ
しい、即ち電熱ニクロム線又は赤外線対、高周波加熱な
どである。この場合には、第４図に示すように、従動チ
ャック（２８）の中空軸内を通して電気的発熱体（３１
）を両チャックの間に突出せしめるものである。

〔効　　果〕

上述の如く、本発明の方法によれば、内部中空貫通の回
転体状の被塗物をコーティング剤等により塗布した直後
、減圧下におき、同時に該被塗物の内部より加熱するこ
とによって、気泡の全く存在しない完璧な塗布膜を得る
ことができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法説明図　第２図は同上図１１　Ａ
　１１部の拡大図　第３図は同じく′″Ｂ　１１部の拡
大図主要な符号の説明 １・・耐圧容器　　２・・・コーティング剤供給管　　
４・ガン５・・・ノズル　　７・・スピンドル（駆動側
）　　　８・・スピンドル（従動側）１１・・真空配管
　　２２・・・加熱気体供給配管　　２４・・冷却気体
供給配管　　２８・・ガン取付管　　３１・・・電気式
加熱器　　Ｃ・被塗物の円筒

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、内部中空貫通の回転体状の被塗物を回転しつつ、そ
   の内側の面上に常圧下にてコーティング剤をエアレスス
   プレイ塗布し、その直後真空度７６０Ｔｏｒｒ以下０．
   ０２Ｔｏｒｒ以上の間の減圧下におき、同時に該被塗物
   の外側より必要とする温度をもって加熱し、それによっ
   てその塗布層の底部より表面部に向けて乾燥熟成するこ
   とを特徴とするコーティング剤の塗布並びにその熟成方
   法。 ２、内部中空貫通の回転体状の被塗物が、円筒である特
   許請求の範囲第１項記載のコーティング剤の塗布並びに
   その熟成方法。 ３、被塗物が固定され、エアレススプレイノズルが回転
   されつつコーティング剤を塗布することを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載のコーティング剤の塗布並びに
   その熟成方法。 ４、エアレススプレイが、エアスプレイである特許請求
   の範囲第１項記載のコーティング剤の塗布並びにその熟
   成方法。 ５、エアレススプレイによる塗布が、同ノズルによるカ
   ーテンコーティングである特許請求の範囲第１項記載の
   コーティング剤の塗布並びにその熟成方法。 ６、塗布直後が、塗布後２０秒以内であることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載のコーティング剤の塗布
   並びにその熟成方法。 ７、乾燥工程における所要の温度が、加熱及び冷却によ
   って調整されることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載のコーティング剤の塗布並びにその熟成方法。 ８、加熱及び冷却が、加熱気体及び冷却気体により行な
   われることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載のコ
   ーティング剤の塗布並びにその熟成方法。 ９、加熱が、電気的手段により行なわれることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載のコーティング剤の塗布
   並びにその熟成方法。 １０、加熱が、被塗物を回転しつつ行なわれることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項記載のコーティング剤の
   塗布並びにその熟成方法。 １１、内部中空貫通の回転体状の被塗物を回転しつつ、
   その内側の面上に加圧下にてコーティング剤をエアレス
   スプレイ塗布し、その直後真空度７６０Ｔｏｒｒ以下０
   ．０２Ｔｏｒｒ以上の間の減圧下におき、同時に該被塗
   物の外側より所要の温度をもって加熱し、よってその塗
   布層の底部より表面部に向けて乾燥熟成することを特徴
   とするコーティング剤の塗布とその熟成方法。 １２、内部中空貫通の回転体状の被塗物が、円筒である
   特許請求の範囲第１１項記載のコーティング剤の塗布並
   びにその熟成方法。 １３、被塗物が固定され、エアレススプレイノズルを回
   転しつつコーティング剤を塗布することを特徴とする特
   許請求の範囲第１１項記載のコーティング剤の塗布並び
   にその熟成方法。 １４、エアレススプレイが、エアスプレイである特許請
   求の範囲第１１項記載のコーティング剤の塗布並びにそ
   の熟成方法。 １５、エアレススプレイによる塗布が、同ノズルによる
   カーテンコーティングである特許請求の範囲第１１項記
   載のコーティング剤の塗布並びにその熟成方法。 １６、塗布直後が、塗布後２０秒以内であることを特徴
   とする特許請求の範囲第１１項記載のコーティング剤の
   塗布並びにその熟成方法。 １７、乾燥工程における所要の温度が、加熱及び冷却に
   よって調整されることを特徴とする特許請求の範囲第１
   １項記載のコーティング剤の塗布並びにその熟成方法。 １８、加熱及び冷却が、加熱気体及び冷却気体により行
   われることを特徴とする特許請求の範囲第１１項記載の
   コーティング剤の塗布並びにその熟成方法。 １９、加熱が、電気的手段により行なわれることを特徴
   とする特許請求の範囲第１１項記載のコーティング剤の
   塗布並びにその熟成方法。 ２０、加熱が、被塗物を回転しつつ行なわれることを特
   徴とする特許請求の範囲第１１項記載のコーティング剤
   の塗布並びにその熟成方法。 ２１、内部中空貫通の回転体状の被塗物を回転しつつ、
   その内側の面上に減圧下にてコーティング剤をエアレス
   スプレイ塗布し、その直後真空度７６０Ｔｏｒｒ以下０
   ．０２Ｔｏｒｒ以上の間の減圧下におき、同時に該被塗
   物の外側より所要の温度をもって加熱し、よってその塗
   布層の底部より表面部に向けて乾燥熟成することを特徴
   とするコーティング剤の塗布並びにその熟成方法。 ２２、内部中空貫通の回転体状の被塗物が円筒である特
   許請求の範囲第２１項記載のコーティング剤の塗布並び
   にその熟成方法。 ２３、被塗物が固定され、エアスプレイノズルが回転さ
   れつつコーティング剤を塗布することを特徴とする特許
   請求の範囲第２１項記載のコーティング剤の塗布並びに
   その熟成方法。 ２４、エアレススプレイが、エアスプレイである特許請
   求の範囲第２１項記載のコーティング剤の塗布並びにそ
   の熟成方法。 ２５、エアレススプレイによる塗布が、同ノズルによる
   カーテンコーティングである特許請求の範囲第２１項記
   載のコーティング剤の塗布並びにその熟成方法。 ２６、塗布直後が、塗布後２０秒以内であることを特徴
   とする特許請求の範囲第２１項記載のコーティング剤の
   塗布並びにその熟成方法。 ２７、乾燥工程における所要の温度が、加熱及び冷却に
   よって調整されることを特徴とする特許請求の範囲第２
   １項記載のコーティング剤の塗布並びにその熟成方法。 ２８、加熱及び冷却が、加熱気体及び冷却気体により行
   われることを特徴とする特許請求の範囲第２１項記載の
   コーティング剤の塗布並びにその熟成方法。 ２９、加熱が、電気的手段により行われることを特徴と
   する特許請求の範囲第２１項記載のコーティング剤の塗
   布並びにその熟成方法。 ３０、加熱が、被塗物を回転しつつ行われることを特徴
   とする特許請求の範囲第２１項記載のコーティング剤の
   塗布並びにその熟成方法。