JP2019000800A - 金属加工品の洗浄方法 - Google Patents

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良彦 松浦
Yoshihiko Matsuura
良彦 松浦
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Matsuura Machinery Corp
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Abstract

【課題】本発明は、蒸気による洗浄を効率化して、高度に清浄化されたワークを得るための金属加工品の洗浄方法を提供する。また、ミストを使用して、洗浄工程を温度コントロールすることにより、さらに高度に清浄化されたワークを得るための金属加工品の洗浄方法を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するため、洗浄槽内に置かれた被洗浄物である金属加工品に対し洗浄液の蒸気を噴出させて洗浄を行う金属加工品の洗浄方法であって、被洗浄物の表面が凝縮を行うことが可能な温度範囲内にある場合に、圧力を高めた洗浄液の蒸気を噴出させて洗浄を行う蒸気洗浄手段と、乾燥空気を被洗浄物の表面に噴出させて乾燥を行う乾燥手段と、油分を被洗浄物の表面に吐出させて油膜形成を行う油膜形成手段と、を備え、洗浄工程から開始して、乾燥工程を経て、油膜形成工程に至る順に処理すること、を特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属部品の製造過程において金属加工後の洗浄工程で被洗浄物である金属加工品(金属加工分野において製造工程途上の加工品はワークと呼ばれている。以下、ワークと呼ぶ。)について清浄度の高い洗浄を行う方法に関する。
従来、ワークの洗浄は、高圧の純水、温水又は洗浄液をワークに向けて噴出させ、その勢いで汚れや油分などを表面からはがし取る方法で行われていた。その後、ワークは検査工程に送られ、表面のキズ、ワーク表面の清浄度、又は、寸法など加工精度が測定される検査が行われ評価される。
近年では、洗浄槽において蒸気を充満させてワーク表面に当接させ、汚れや油分などを表面から浮き上がらせる方法が開発されている。
特許文献1では、真空状態にした洗浄槽内で、溶剤液をシャワーでワークに噴射し、続いて、充満させた蒸気をワークに当接させて、液化し、表面の油脂を柔らかくし浮き上がらせた後、再度洗浄槽内を真空にしてワークを乾燥させる方法が開示されている。
特許文献2では、蒸気洗浄について、以下の方法が開示されている。洗浄液のシャワーが減圧状態の蒸気発生器に噴射され、減圧状態に維持されている洗浄槽に洗浄蒸気として供給される。蒸気は被洗浄物の表面で液化し洗浄を行う。減圧の程度によって洗浄液を噴射するシャワー又は蒸気を洗浄に選択的に用いることができる洗浄方法である。特許文献2の特徴は使用した洗浄液を蒸留再生し再利用する点である。
また、特許文献3では、蒸気洗浄について、以下の方法が開示されている。減圧した洗浄槽内において、一のノズルによって、蒸気又はノズルから噴射する洗浄液のシャワー、若しくは、両方を併用してワークの洗浄を行う。蒸気は凹凸部に容易に入り込んで凝縮(液化)することにより洗浄でき、洗浄液シャワーは適宜使用してワークをそそぎ洗う方法である。この洗浄方法の使い分けは、ワークの洗浄目的、ワークの熱容量の大小によって選択することが可能である。例えば、ワークが薄板状であるなど熱容量が小さい場合は、蒸気によってすぐ高温化するため、凝縮した液滴の付着量が少なく、有効な蒸気洗浄を行うことができない場合がある。このような場合には、ノズルによる洗浄液の噴射量を増やし、シャワー洗浄を付加して蒸気洗浄を補助するように使用することが可能となるものである。乾燥は、その後自然乾燥、又は、減圧度をさらに下げることにより洗浄液の沸点を下げて強制的に乾燥させることにより行われる。
特許1960343号公報 特許3634718号公報 特許2784159号公報
しかしながら、従来の純水等の洗浄液を高圧でワークに噴射させる方法は、ワークに向けて噴射させた洗浄液とワークから跳ね返った洗浄液とがぶつかり合い相殺し、ワークに向けて噴射させた洗浄液の勢いが弱まる問題があった。また、洗浄液滴は体積が大きく微小な凹部に洗浄液が入り込まず、洗浄効率が低い問題もあった。
蒸気のみの洗浄である場合には、ワークが蒸気との接触により加熱され高温になると蒸気の凝縮が行われなくなる問題があった。
特許文献1又は特許文献2に示された、ワークをシャワー洗浄により表面に付着した油分や汚れを概ね洗浄した後、蒸気をワーク表面及び凹部に付着させ、ワーク表面に凝縮させて、表面の仕上げ洗浄を行う二段階の洗浄方法では、洗浄工程の時間短縮が望まれていた。
特許文献3では、特許文献1又は特許文献2の課題を解決するために、一つの洗浄槽内において、蒸気洗浄とシャワー洗浄とを、同一の機構により同時、又は、蒸気洗浄のみ若しくはシャワー洗浄のみを行うことができるようにして、仕上げ洗浄時間を短縮したとしている。シャワーは、噴出口から発射した当初は液柱の状態にある。その後、時間の経過とともに液柱表面にできたくびれ部分が表面張力により収縮し分断する。分断してできた当初の液滴は不均一で体積も大きい。したがって、洗浄装置において蒸気及びシャワーを同時に噴出する場合には、ワークまでの距離が短く蒸気は洗浄液のシャワーの液柱又は体積の大きい液滴表面で凝縮されてしまいワーク表面の凹部にまで到達せず蒸気洗浄効率が下がる問題があった。したがって、蒸気洗浄によってワークが高温になって凝縮が不能になった際に、シャワーを噴出しワーク表面を洗浄しつつ温度を下げるというように、蒸気及びシャワーの使用は交互にならざるを得なかった。
本発明は、上記課題の解決を図ったものであって、蒸気による洗浄を効率化して、高度に清浄化されたワークを得るための金属加工品の洗浄方法を提供する。また、ミストを使用して、洗浄工程を温度コントロールすることにより、さらに高度に清浄化されたワークを得るための金属加工品の洗浄方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の金属加工品の洗浄方法は、洗浄槽内に置かれた被洗浄物である金属加工品に対し洗浄液の蒸気を噴出させて洗浄を行う金属加工品の洗浄方法であって、被洗浄物の表面が凝縮を行うことが可能な温度範囲内にある場合に、圧力を高めた洗浄液の蒸気を噴出させて洗浄を行う蒸気洗浄手段と、乾燥空気を被洗浄物の表面に噴出させて乾燥を行う乾燥手段と、油分を被洗浄物の表面に吐出させて油膜形成を行う油膜形成手段と、を備え、洗浄工程から開始して、乾燥工程を経て、油膜形成工程に至る順に処理すること、を特徴とする。
本発明の金属加工品の洗浄方法は、前記洗浄槽が、密閉構造であること、を特徴とする。
本発明の金属加工品の洗浄方法は、前記被洗浄物が、微小な凹凸部を有する金属加工品であること、を特徴とする。
本発明の金属加工品の洗浄方法は、前記洗浄工程が、洗浄液をミスト化して圧力を高めて被洗浄物の表面に噴出させて洗浄を行うミスト洗浄手段を備えたこと、を特徴とする。
本発明の金属加工品の洗浄方法は、前記洗浄工程が、前記蒸気洗浄手段と前記ミスト洗浄手段とを同時に用いて洗浄を行うこと、を特徴とする。
本発明の金属加工品の洗浄方法は、前記蒸気洗浄手段が、噴出口が噴出蒸気の圧力によって回転し、蒸気を被洗浄物に対して回転噴出する蒸気噴出ノズルを備えたこと、を特徴とする。
本発明の金属加工品の洗浄方法は、前記ミスト洗浄手段が、噴出口が噴出ミストの圧力によって回転し、ミストを被洗浄物に対して回転噴出するミスト噴出ノズルを備えたこと、を特徴とする。
本発明の金属加工品の洗浄方法は、前記乾燥工程における被洗浄物の温度が、50℃以上60℃以下に保持されるように前記乾燥空気の温度を管理され、前記油膜形成工程における被洗浄物の温度が、40℃以上50℃以下に保持されるように前記油分の温度を管理され、前記洗浄工程から前記乾燥工程を経て前記油膜形成工程に至るまでを段階的に温度降下させるように管理されたこと、を特徴とする。
本発明の金属加工品の洗浄方法は、前記ミスト洗浄手段を備えた際の洗浄工程における被洗浄物の温度が、60℃以上80℃以下に保持されるように前記ミストの温度を管理されたこと、を特徴とする。
本発明の金属加工品の洗浄方法によれば、蒸気をワークの表面に付着させ、凝縮する際に体積が減少する現象を利用してワーク表面から油分や汚れを浮き上がらせる効果を奏する。
本発明の金属加工品の洗浄方法によれば、洗浄槽を密閉することにより、洗浄槽内の環境を容易にコントロールできる。特に、洗浄工程から乾燥工程に移行する際に湿度を下げる必要があるが、洗浄槽を密閉することで容易に湿度を下げることができる。その他、温度のコントロールが容易になることにより、省エネルギー化を図ることができる。
本発明の金属加工品の洗浄方法によれば、蒸気によって洗浄を行うため、微小な凹凸部に蒸気が侵入し凝縮により油分や汚れを浮き上がらせることが可能となるため、高度に清浄化された金属加工品を得ることができる。
本発明の金属加工品の洗浄方法によれば、蒸気でワークが加熱され所定の温度以上になった場合には凝縮が行われなくなるが、蒸気及びミストを併用しミストをワーク表面に付着させることによって、ワークの冷却が可能となり蒸気洗浄効率の低下を防止できる。ミストは、ミスト発生装置によって、直径数μm〜数百μmの液滴群又はそれよりも小さいナノレベルの液滴群が形成される。ミストはシャワーと比較すると液滴の体積が小さく、シャワーと同質量のミストは液滴数が増加し広範囲に分散する。したがって、ミストを被洗浄物の表面に噴きつけることで、なだらかな凹凸部分においては均一に付着させて、汚れをムラなく浮き上がらせることによってそそぎ洗うことができる。シャワーと比較すると、少ない液量で高い洗浄効率を得ることができる。
本発明の金属加工品の洗浄方法によれば、蒸気及びミストの量を各々調整し、ワークの表面積によって異なる熱容量に対応し、過度な温度上昇を抑えることができる。同様に、金属の種類によって異なる比熱にも対応し、過度な温度上昇を抑えることもできる。また、シャワーに比べミストの液滴体積が小さいので、蒸気及びシャワーを同時併用する場合と比較すると、蒸気はミストとの接触機会が少なく洗浄液滴表面で凝縮する現象の発生を抑えることができ、ワーク凹部での凝縮による洗浄効果を最大限活用することができる。さらに、ミストによるワーク表面の高圧洗浄との相乗効果によって洗浄効率が向上する。
本発明の金属加工品の洗浄方法によれば、噴出口を微小に振動させて回転させることにより、広角に蒸気を噴出させることができワークの広範囲に凝縮の洗浄効果を及ぼすことができる。
本発明の金属加工品の洗浄方法によれば、噴出口を微小に振動させて回転させることにより、広角にミストを噴出させることができワークの広範囲にミストによる高圧洗浄効果を及ぼすことができる。
本発明の金属加工品の洗浄方法によれば、洗浄工程で上昇した温度を乾燥に適した温度、油膜形成に適した温度へと工程にしたがって制御しつつ段階的に降下させることにより各工程のサイクルタイムを短縮することができる。特に油膜形成後の温度を検査に適した温度まで降下させることにより検査工程に移る際のロスタイムをなくすことができる。また、検査に移る際のワークの温度を一定にコントロールすることにより、寸法検査の検査精度を高めることができる。
本発明の金属加工品の洗浄方法によれば、洗浄工程での温度上昇を最小限にコントロールすることができ、乾燥工程以下の工程にスムーズに移行できる。したがって、洗浄から油膜塗布までの工程全体のサイクルタイムを短縮することができる。
本発明の金属加工品の洗浄方法に係る洗浄システム構成図である。 本発明に係る金属加工品の洗浄方法が有効に活用できるワークWの一例の一部断面図である。 本発明に係る金属加工品の洗浄方法に使用する回転ノズル90の一例を示した図である。 本発明に係る金属加工品の洗浄方法に使用する回転ノズル90の一例について噴出状態を示した図である。 ワークWの洗浄前の顕微鏡写真である。 ワークWの洗浄後の顕微鏡写真である。
本発明に係る金属加工品の洗浄方法を実施するための形態について、図を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の金属加工品の洗浄方法に係る洗浄システム構成図である。洗浄槽10内に置かれたワークWに対し洗浄液CSの蒸気を噴出させて洗浄を行う構成を基本構成とする。洗浄槽10は、密閉されていることが好ましい。洗浄工程から乾燥工程に移行する際に湿度を下げる必要があるが、洗浄槽10を密閉することで容易に湿度を下げることができるからである。
また、温度のコントロールが容易になることにより、省エネルギー化を図ることができることも理由の一つである。温度を管理する場合には、洗浄槽10にワークWの温度を検出する温度センサーを備える(不図示)。温度センサーは、例えば物体の表面温度を測定するサーモグラフィー、温度で電気抵抗が変わるサーミスタや熱起電力を用いる熱電対が代表的である。
洗浄液CSを蒸気化して圧力を高めてワークWの表面に噴出させて洗浄を行う蒸気洗浄手段は、蒸気発生装置20、蒸気噴出ノズル24、洗浄液槽60及び蒸気供給バルブ26で構成される。
蒸気発生装置20は、燃料を燃焼させて加熱するボイラー、図1に示したような微細管の周囲にヒータ22を密接させたもの、又は、洗浄液CS流路内にヒータ22を設け液体を直接加熱する方法を用いたものでもよい。
蒸気噴出ノズル24は、洗浄槽10内部においてワークWに向けて噴出されるように配設される。図1では、一の蒸気噴出ノズル24を示したが、ワークWの大きさや形状によって、数や配設位置を変更してもよい。また、蒸気噴出ノズル24の噴出口の形状によって蒸気圧を制御してよいが、蒸気の流路上に加圧装置を備え、蒸気圧の制御を行ってもよい。例えば、エアーコンプレッサーによって加圧した空気を蒸気に混合する方法が挙げられる。
ワークWの表面温度を温度センサーで監視すれば、凝縮が行なえる温度範囲内にある場合に蒸気噴出ノズル24から蒸気を噴出させることができる。すなわち、ワークWの表面が凝縮を行うことができない温度に上昇した際には、一旦蒸気の噴出を停止させ、ワークWの表面が、再度凝縮が可能な温度に低下した際に、再度蒸気を噴出させるというような制御が可能となる。
洗浄液槽60には、純水又はワークWに応じた洗浄液CSが貯留される。
洗浄液槽60に貯留された洗浄液CSなどが流路を介して蒸気発生装置20に導入され蒸気化されて、洗浄槽10内のノズルからワークWに向けて噴出される。蒸気の供給又は停止は、蒸気供給バルブ26によって制御される。また、洗浄液CSの供給又は停止は、洗浄液供給バルブ28によって制御される。
蒸気が細かな凹凸に入り込み凝縮化する際に油分や汚れを絡みとってワークW表面から浮き上がらせるため、ワークWが、微小な凹凸部を有する金属加工品である場合に、本発明に係る金属加工品の洗浄方法が有効に働く。
図2に本発明に係る金属加工品の洗浄方法が有効に活用できるワークWの一例として、ボールねじ80の一部断面図を示した。ボールねじ80は、ナット84である台座とねじ軸82の間にボール86を介してねじ軸82の円周方向に回転を行わせて台座を直線移動させるものである。回転を円滑にするためにねじ軸82のボール軌道の溝の中央部に潤滑油溜まり溝88を設け潤滑油を満たしておくことが通常行われている。ねじ軸82の加工時において、潤滑油溜まり溝88は加工油、ゴミ又は汚れが付着しやすく洗浄を行うことが難しい箇所であった。前述したように、本発明に係る金属加工品の洗浄方法によれば、蒸気が凝縮化する際に汚れ等を絡みとる作用を利用して容易に洗浄することができる。
予め設定された温度に加熱された乾燥空気を被洗浄物(ワークW)の表面に噴出させて乾燥を行う乾燥手段は、ドライエアー発生装置40、ドライエアー噴出ノズル42及びドライエアー供給バルブ44で構成される。
ドライエアー発生装置40は、市販されるものを使用することができる。加圧装置が付属されているとなお好適である。
ドライエアー噴出ノズル42は、洗浄槽10内部においてワークWに向けて噴出されるように配設される。
乾燥気体は、ワークWによって気体の種類を変更してもよい。大気を使用する場合には、ドライエアー発生装置40は、水抜きが可能なエアーコンプレッサーで代用できる。
特別な気体を使用する場合には、ボンベ等に貯留された気体がエアー供給バルブ46を備えた流路を介してドライエアー発生装置40に導入され乾燥加圧されて、洗浄槽10内のノズルからワークWに向けて噴出される。乾燥気体の供給又は停止は、ドライエアー供給バルブ44によって制御される。
予め設定された温度に加熱された油分をワークWの表面に吐出させて油膜形成を行う油膜形成手段は、オイルミスト発生装置50、オイルミスト吐出ノズル52及びオイルミスト供給バルブ54で構成される。
オイルミスト発生装置50は、市販されるものを使用することができる。
オイルミスト吐出ノズル52は、洗浄槽10内部においてワークWに向けて吐出されるように配設される。オイルミストは、圧力を加えて噴出させるようにしてもよい。
オイルOは、潤滑油が使用される。ワークWの形状などによって潤滑油の粘度を変更することによってワークW表面に均一に塗布することを補助できる。
オイル槽58には、ワークWに応じた粘度の潤滑油が貯留される。
オイル槽58に貯留された潤滑油が流路を介してオイルミスト発生装置50に導入されミスト化されて、洗浄槽10内のノズルからワークWに向けて吐出される。オイルミストの供給又は停止は、オイルミスト供給バルブ54によって制御される。また、オイルOの供給又は停止は、オイル供給バルブ56によって制御される。
本発明に係る金属加工品の洗浄方法は、ワークWに対して蒸気洗浄手段を用いた洗浄工程から開始して、乾燥手段を用いた乾燥工程を経て、油膜形成手段を用いた油膜形成工程に至る順に処理を行う。
洗浄工程において、蒸気洗浄手段に加えて、洗浄液CSをミスト化して圧力を高めてワークWの表面に噴出させて洗浄を行うミスト洗浄手段を併用すると、ミストをワークWの表面に付着させて、ワークWの冷却が可能となる。蒸気でワークWが加熱され温度上昇し100℃付近になると凝縮が行われなくなり、これが原因で蒸気洗浄効率が低下する。また、一旦、ワークW上に凝縮した洗浄液CSが蒸発し、再度汚れを残したまま蒸気化する。ミストによって冷却を行うことで凝縮が停止することを防止できる。また、ミスト液滴の体積は小さく、蒸気がワークWの表面に到達することを妨げない。
ミスト洗浄手段は、ミスト発生装置30、ミスト噴出ノズル32、洗浄液槽60及びミスト供給バルブ34で構成される。洗浄液槽60は、蒸気洗浄手段に使用するものを併用してもよい。
ミスト発生装置30は、超音波によるもの又は加圧によるものなど市販されるものを使用することができる。
ミスト噴出ノズル32は、洗浄槽10内部においてワークWに向けて噴出されるように配設される。図1では、一のミスト噴出ノズル32を示したがワークWの大きさや形状によって、数や配設位置を変更してもよい。また、ミスト噴出ノズル32の噴出口の形状によってミストの圧力を制御してよいが、ミストの流路上に加圧装置を備え、ミストの圧力の制御を行ってもよい。例えば、エアーコンプレッサーによって加圧した空気をミストに混合する方法が挙げられる。
ミストは、純水又は洗浄液CSをミスト化して使用される。
洗浄液槽60に貯留された純水又は洗浄液CSが流路を介してミスト発生装置30に導入されミスト化されて、洗浄槽10内のノズルからワークWに向けて噴出される。ミストの供給又は停止は、ミスト供給バルブ34によって制御される。また、洗浄液CSの供給又は停止は、洗浄液供給バルブ36によって制御される。
蒸気洗浄手段及びミスト洗浄手段において使用された洗浄液CSが、廃液WFとなった際にはドレンバルブ72を備えた流路を介して廃棄槽70に排出される。廃液WFは、フィルタなどを介して清浄化し再利用することも可能である。
蒸気洗浄手段及びミスト洗浄手段を同時に作用させることにより、ワークWの温度制御を精密に行うことができ、洗浄に掛かるサイクルタイムを短縮し、かつ、洗浄効率を向上させることができる。特許文献に記載された蒸気及びシャワーを同時に噴出する場合には、蒸気は洗浄液のシャワーの液滴表面で凝縮され、ワーク表面の凹部に到達する確率が低下した。したがって、蒸気が凹部に入り込んで凝縮し汚れを浮き上がらせる効率が下がる。一方で、蒸気及びミストを同時に噴出させる場合には、液滴体積の小さいミストの間隙をすり抜けて蒸気は十分にワークWに到達可能であり、洗浄効果はミストによる洗い流し効果が加わり向上する。
図3は、本発明に係る金属加工品の洗浄方法に使用する回転ノズル90の一例を示した図である。
回転ノズル90は、ノズル基台92、可撓チューブ96及び可動噴出口94で構成され、ノズル基台92に可撓チューブ96を取付け、先端部には可動噴出口94が設けられる。回転ノズル90は、蒸気噴出ノズル24、ミスト噴出ノズル32、ドライエアー噴出ノズル42又はオイルミスト吐出ノズル52のいずれのノズルにも使用が可能である。
図4は、本発明に係る金属加工品の洗浄方法に使用する回転ノズル90の一例について噴出状態を示した図である。
回転ノズル90は、加圧された気体や液体を噴出させると、可動噴出口94から噴出する際の圧力によって、可撓チューブ96の管方向の軸線がノズル基台92の噴出方向軸線から外れて振動を始める。そして、可動噴出口94は噴出方向軸を中心に回転する。可動噴出口94が回転することにより、噴出された気体(蒸気又は乾燥空気)又は液体(洗浄液ミスト又はオイルミスト)をワークWの広い範囲に噴き付けることができる。可撓チューブ96の長さを調整することにより、噴出時の可撓チューブ96の噴出方向軸線からの傾き度合(傾角)を変更して気体等の噴き付ける範囲を調整することができる。固定された噴出ノズルと比較すると、ワークWの広範囲に高圧の蒸気やミストを噴き付けることが可能になるので洗浄効果が高まることは明白である。
図5(a)は、ワークWの洗浄前の顕微鏡写真である。加工油が凹部に浸入して、特に多く付着している部位を丸で囲んで示した。
図5(b)は、ワークWの洗浄後の顕微鏡写真である。洗浄は、蒸気ノズルから20秒間高圧蒸気をワークWに向けて噴射して行い、その後、乾燥した。写真の部位は、図5(a)の写真とは異なっているが、凹部に浸入している加工油が取り除かれている。
加工油のみの場合には、比較的簡単に蒸気洗浄で取り去ることができるが、レーザー加工などの熱により、汚れがワークWの表面の凹部に密着したような場合には、蒸気洗浄の時間を長くする必要がある。しかし、長時間の蒸気の噴出はワークWの表面温度の上昇を促進し、凝縮による洗浄効果が低下する。そこで、同時にミストをワークWに噴出させてワークWの表面温度の上昇を制御し凝縮による洗浄効果を持続させることで、密着度の高い汚れをはがし取ることが可能になるのである。
さらに、洗浄効率を高めるために、洗浄工程、乾燥工程及び油膜形成工程において、温度管理を行う。温度を管理するために、各々の工程おいてワークWの温度を検出する温度センサーを備える(不図示)。温度センサーは、例えば物体の表面温度を測定するサーモグラフィー、温度で電気抵抗が変わるサーミスタや熱起電力を用いる熱電対が代表的である。一つの洗浄槽10において、すべての工程を行う場合には温度センサーは一つでもよい。各々の工程において個別に槽を設ける場合には、各々の槽に温度センサーを設ける。
ミスト洗浄手段を備えた最初の工程である洗浄工程において、ミスト噴出ノズル32から噴出される洗浄液CSのミストを用いて100℃以上の蒸気によって加熱されたワークWの上昇温度を60℃以上80℃以下の温度に保持することにより、凝縮による洗浄効果を維持する。また、比熱の大きい金属は、一旦温度が上がると下がりにくい性質を有している。比熱の大きい金属を洗浄する場合には、ワークWを60℃以上80℃以下の温度に保持することにより、乾燥工程以降の工程にスムーズに移行できる温度に管理することができる。
次の乾燥工程では、ワークWを50℃以上60℃以下の温度に保持するようにドライエアー噴出ノズル42から噴出される乾燥空気を管理し、次工程の油膜形成工程にスムーズに移行できる温度状態を確保する。油膜形成工程において、ワークWの温度が高すぎてワークWの表面で潤滑油の粘度が高くなるなどの要因により均一に塗布できなくなることを防止する。乾燥工程にワークWが導入された時点においては、ワークWは60℃以上の温度にあるので、それよりも低い温度の乾燥気体であっても十分にワークWの表面を乾燥させることができる。
油膜形成工程では、ワークWを40℃以上50℃以下の温度に保持するようにオイルミスト吐出ノズル52から吐出される潤滑油の温度を管理し、次工程の検査工程にスムーズに移行できる温度状態を確保する。ワークWの温度が高い状態においては、環境によって温度変化が大きくなり寸法検査を行うことができない。油膜形成後のワークWを周囲温度に近い一定温度に管理することにより、金属の膨張や収縮を管理することができ、直後の寸法検査における検査精度を向上させることができる。
洗浄工程から乾燥工程を経て油膜形成工程に至るまでを段階的に温度降下させるように温度管理を行うことにより、洗浄各工程のサイクルタイムの短縮が可能になる。
摺動、滑動する部品が、使用時間が増加することによって摩耗の要因となる質の異なる油分や汚れを排除することができて、高い清浄度を備えると長時間高い精度を維持できる装置の提供が可能となる。例えば、ボールねじ80や歯車などにおいては、長期間再現性の高い位置精度を備えることができる。
高精度な動きが求められ、再現性の高い位置精度を維持する必要のある装置の金属製の可動部品に本発明の洗浄方法を用いることができる。
10 洗浄槽
12 密閉パッキン
20 蒸気発生装置
22 ヒータ
24 蒸気噴出ノズル
26 蒸気供給バルブ
28 洗浄液供給バルブ
30 ミスト発生装置
32 ミスト噴出ノズル
34 ミスト供給バルブ
36 洗浄液供給バルブ
40 ドライエアー発生装置
42 ドライエアー噴出ノズル
44 ドライエアー供給バルブ
46 エアー供給バルブ
50 オイルミスト発生装置
52 オイルミスト吐出ノズル
54 オイルミスト供給バルブ
56 オイル供給バルブ
58 オイル槽
60 洗浄液槽
70 廃棄槽
72 ドレンバルブ
80 ボールねじ(被洗浄物(ワーク))
82 ねじ軸
84 ナット
86 ボール
88 潤滑油溜まり溝
90 回転ノズル
92 ノズル基台
94 可動噴出口
96 可撓チューブ

CS 洗浄液
O オイル
W ワーク
WF 廃液

Claims (9)

  1. 洗浄槽内に置かれた被洗浄物である金属加工品に対し洗浄液の蒸気を噴出させて洗浄を行う金属加工品の洗浄方法であって、
    被洗浄物の表面が凝縮を行うことが可能な温度範囲内にある場合に、圧力を高めた洗浄液の蒸気を噴出させて洗浄を行う蒸気洗浄手段と、
    乾燥空気を被洗浄物の表面に噴出させて乾燥を行う乾燥手段と、
    油分を被洗浄物の表面に吐出させて油膜形成を行う油膜形成手段と、
    を備え、
    洗浄工程から開始して、乾燥工程を経て、油膜形成工程に至る順に処理すること、
    を特徴とする金属加工品の洗浄方法。
  2. 前記洗浄槽が、
    密閉構造であること、
    を特徴とする請求項1に記載する金属加工品の洗浄方法。
  3. 前記被洗浄物が、
    微小な凹凸部を有する金属加工品であること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載する金属加工品の洗浄方法。
  4. 前記洗浄工程が、
    洗浄液をミスト化して圧力を高めて被洗浄物の表面に噴出させて洗浄を行うミスト洗浄手段を備えたこと、
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載する金属加工品の洗浄方法。
  5. 前記洗浄工程が、
    前記蒸気洗浄手段と前記ミスト洗浄手段とを同時に用いて洗浄を行うこと、
    を特徴とする請求項4に記載する金属加工品の洗浄方法。
  6. 前記蒸気洗浄手段が、
    噴出口が噴出蒸気の圧力によって回転し、蒸気を被洗浄物に対して回転噴出する蒸気噴出ノズルを備えたこと、
    を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載する金属加工品の洗浄方法。
  7. 前記ミスト洗浄手段が、
    噴出口が噴出ミストの圧力によって回転し、ミストを被洗浄物に対して回転噴出するミスト噴出ノズルを備えたこと、
    を特徴とする請求項4から請求項6までのいずれか一項に記載する金属加工品の洗浄方法。
  8. 前記乾燥工程における被洗浄物の温度が、
    50℃以上60℃以下に保持されるように前記乾燥空気の温度を管理され、
    前記油膜形成工程における被洗浄物の温度が、
    40℃以上50℃以下に保持されるように前記油分の温度を管理され、
    前記洗浄工程から前記乾燥工程を経て前記油膜形成工程に至るまでを段階的に温度降下させるように管理されたこと、
    を特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載する金属加工品の洗浄方法。
  9. 前記ミスト洗浄手段を備えた際の洗浄工程における被洗浄物の温度が、
    60℃以上80℃以下に保持されるように前記ミストの温度を管理されたこと、
    を特徴とする請求項4から請求項8までのいずれか一項に記載する金属加工品の洗浄方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112605084A (zh) * 2020-12-25 2021-04-06 红云红河烟草(集团)有限责任公司 自动清洗胶缸装置

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