JPH0114173Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業の利用分野 本考案はスライドフアスナー仕上加工装置にお
けるフアスナーチエーンの送り位置決め装置に関
するものである。

従来の技術 従来のスライドフアスナーの仕上げ加工装置に
おける位置決めストツパーを装着したものには、
例えば特公昭59−33365号があるが、このものは
移送される一対のフアスナーチエーンに対して、
その下方に位置決めストツパーが設けられてお
り、フアスナーチエーンガイド板の先端に形成さ
れた感知ストツパー装置の感知により、前記位置
決めストツパーがフアスナーチエーンの下方に侵
入し、下位より上位に上昇して停止する。その後
位置決めストツパーに形成された凹溝にフアスナ
ーエレメントが当接するまでフアスナーチエーン
を移動させてフアスナーチエーンの位置決めを行
うものである。

考案が解決しようとする課題 前記の如く、従来の位置決め装置は感知ストツ
パーを併設しなければならず、またその感知スト
ツパーと確実に連動するように位置決めストツパ
ーを形成しなければならない等、装置の構造が複
雑となると共に高価となり、またフアスナーチエ
ーン移送用ガイド板と位置決めストツパーとが離
れた位置にあるため、フアスナーチエーンに曲り
ぐせ等がある場合ストツパーに挿入し損うことが
生じたり、その結果以後のフアスナーチエーンの
加工に大きな障害を与えることになり問題となつ
ていた。

問題点を解決する手段 本考案は、前記のような問題点を解決するため
になされたもので、溝状のチエーン通路に案内さ
れて移送されるフアスナーチエーンの両側面より
テープの側縁部を挾持するように、前記チエーン
通路と連設して１対のエレメント係止部の少くと
も一方を揺動可能に配置し、該揺動可能なエレメ
ント係止部のフアスナーチエーンに面した側面に
テープ側縁部収納溝およびエレメント当接段部を
形成したことを特徴とするフアスナーチエーン送
り位置決め装置であつて、フアスナーチエーンの
テープ側縁部の移送中に起る横ぶれや、フアスナ
ーチエーンの曲りぐせがあつても正確に挾持して
位置決めを行い、以後の工程に支障がないように
したものである。

実施例 次に本考案の実施例について説明すると、第１
図は、フアスナーチエーンガイド機構のフアスナ
ーチエーンの出口側に本考案の送り位置決め装置
を取付けた状態を示す平面図であつて、フアスナ
ーチエーンガイド機構には１対のフアスナーチエ
ーンを、エレメントを取付けたテープ側縁部を下
方にして垂直状態で案内するチエーン通路１５が
２本形成されており、その通路の出口に連設して
１対のエレメント係止部２ａ，２ｂが夫々設けら
れている。このエレメント係止部は揺動可能な係
止部（以下揺動エレメント係止部という）と固定
された係止部（以下固定エレメント係止部とい
う）からなり、該揺動エレメント係止部２ａと固
定エレメント係止部２ｂとの間には、チエーン通
路１５と連通するチエーンの通路が形成されてい
る。そして第２図に示す駆動棒１３を所定時に上
昇させて、レバー１２を支承部１１を中心に回動
させ、押付部９を作動して一方の揺動エレメント
係止部２ａを固定エレメント係止部２ｂに揺動接
近させて作動位置をとらせるようにしたものであ
る。なお第１図に示すエレメント係止部２ａの揺
動機構は１本の駆動棒１３により２本のフアスナ
ーチエーンに作動する２個のエレメント係止部２
ａを同時に揺動するように構成されている。

送り位置決め装置を更に詳しく説明すると、第
３図はその要部の斜視図であつて、揺動エレメン
ト係止部２ａを実線で、固定エレメント係止部を
２点鎖線で示したものである。揺動エレメント係
止部２ａは、支承ピン７を中心として揺動するＬ
型レバー１の先端に設けられており、該レバー１
の自由端部６を圧縮スプリング１０に抗して押付
部９により押付けることによりＬ型レバーを揺動
し、先端に設けた揺動エレメント係止部２ａを対
向して設けてある固定エレメント係止部２ｂに接
近させるように構成されている。揺動エレメント
係止部２ａのフアスナーチエーンの通路側の面に
は、第６図に示すように中央にテープの突出した
側縁部を収納通過させるように収納溝３が設けら
れており、これに続いて下方に傾斜して、固定エ
レメント係止部２ｂの下方に突出した延設部５が
設けられている。これは基準以下の高さを通過す
るテープの側縁部を上方に誘導し収納溝３内を通
過させるようにしたものである。またテープ側縁
部収納溝３の後方には、フアスナーエレメントを
当接して所定寸法の長さを検出するエレメント当
接段部４が設けられている（第３図および第４，
５図参照）。そして固定エレメント係止部２ｂは
フアスナーチエーンの通路側の面は平坦で全体の
形状は揺動エレメント係止部２ａと同様に三角形
状をなしている（第４図参照）。

第４図はエレメント係止部の作動順序を示した
もので、イはフアスナーエレメント１７ａを通過
させることができるように揺動エレメント係止部
２ａを固定エレメント係止部２ｂに対して後退さ
せた状態を示したもので即ち不作動位置にある。
ロはフアスナーチエーンのスペース部１８の位置
を予め前方でマイクロスイツチ等により検出し、
丁度スペース部１８がエレメント係止部を通過す
る時に揺動エレメント係止部２ａを固定エレメン
ト係止部２ｂに揺動接近させて作動位置に位置さ
せた状態を示している。ハはスペース部１８に続
く次位のフアスナーチエーンのエレメント１７ａ
がエレメント当接段部４に当接した状態を示して
いる。これによつてフアスナーチエーンの所定寸
法を検出し、マイクロスイツチ等を働かせてフア
スナーチエーンを移送中の第２グリツパーを停止
させ、次いでスペース部１８を第１グリツパー２
０が把持し（第５図および第６図参照）、スペー
ス部１８の所定位置で切断線１９の如く切断し
て、所定寸法のフアスナーチエーンを得るように
したものである。

第４図に示すようにフアスナーテープの１側の
みにエレメントが突出するコイル状フアスナーエ
レメント１７ａを取付けたフアスナーチエーンに
適用する場合には、第４図に示す如く揺動エレメ
ント係止部２ａと固定エレメント係止部２ｂとを
１対とした送り位置決め装置でよいが、金属や合
成樹脂の務歯１７ｂを取付けた、テープの両側面
にフアスナーエレメントが突出するフアスナーチ
エーンに適用する場合には第７図に示すようにエ
レメント当接段部を有する揺動エレメント係止部
２ａを１対とした送り位置決め装置を使用する。
第８図および第９図は揺動エレメント係止部２ａ
を１対として使用した送り位置決め装置の平面図
と側面図であつて、Ｌ型レバー１の代りに直線状
のレバー２３の先端に揺動エレメント係止部２ａ
を設けている。そしてレバー２３の中間をピン２
４で支承し、その後端にカム２１を取付けた押付
部２２を駆動棒１３の作動により出没させて、レ
バー２３の先端に設けた１対の揺動エレメント係
止部２ａを揺動させて開閉するように構成してあ
る。

なおエレメント当接段部４はエレメント係止部
２ａのチエーン通路に面した側面に設けたが、こ
の代りに三角形状のエレメント係止部２ａの入口
側の、フアスナーチエーンに対して直角な壁面を
利用してエレメントを当接するようにしても同様
な結果が得られる。

考案の効果 本考案は、溝状のチエーン通路と連設する１対
のエレメント係止部により移送されるフアスナー
チエーンの両側面よりテープの側縁部を挾持する
ように構成されているため、フアスナーチエーン
の移送中に横ぶれが発生しても、またフアスナー
チエーンに曲りぐせがあつても確実にかつ正しい
位置で挾持することができるので、以後の加工工
程を支障なく円滑に行うことができる優れた効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の送り位置決め装置をフアスナ
ーチエーンガイド機構に取付けた平面図、第２図
は同じく側面図、第３図は本考案の送り位置決め
装置の要部の斜視図、第４図はエレメント係止部
の作動順序を示す図面、第５図はフアスナーエレ
メントとエレメント係止部の関係を示す側面図、
第６図は同じく正面図、第７図は揺動エレメント
係止部を１対として用いた場合の作動順序を示す
図面、第８図は揺動エレメント係止部を１対とし
て用いた送り位置決め装置をフアスナーチエーン
ガイド機構に取付けた平面図、第９図は同じく側
面図である。 ２ａ……揺動エレメント係止部、２ｂ……固定
エレメント係止部、３……テープ側縁部収納溝、
４……エレメント当接段部、９……押付部、１５
……フアスナーチエーン通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 第１グリツパーと第２グリツパーによりフアス
   ナーチエーンを移送するようにしたスライドフア
   スナー仕上加工装置において、溝状のチエーン通
   路１５に案内されて移送されるフアスナーチエー
   ンの両側面よりテープの側縁部を挾持するよう
   に、前記チエーン通路１５と連設する１対のエレ
   メント係止部２ａ，２ｂの少くとも一方を揺動可
   能に配置し、該揺動可能なエレメント係止部２ａ
   のフアスナーチエーンに面した側面に、テープ側
   縁部収納溝３およびエレメント当接段部４を形成
   したことを特徴とするフアスナーチエーン送り位
   置決め装置。