JPH01118341A - フェライト系ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents

フェライト系ステンレス鋼の製造方法

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JPH01118341A
JPH01118341A JP27161487A JP27161487A JPH01118341A JP H01118341 A JPH01118341 A JP H01118341A JP 27161487 A JP27161487 A JP 27161487A JP 27161487 A JP27161487 A JP 27161487A JP H01118341 A JPH01118341 A JP H01118341A
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富士川 尚男
Shuji Yoshida
修二 吉田
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、耐ロービング性に優れ、しかも表面性状の
良好なTi添加フェライト系ステンレス鋼を安定して製
造する方法に関するものである。
〈従来技術とその問題点〉 5US430に代表されるフェライト系ステンレス鋼は
、優れた加工性や耐食性を有している上、比較的安価で
あることから、厨房用品、電気製品及び自動車用材料と
して広く用いられている鋼種である。
しかしながら、フェライト系ステンレス鋼には、その連
続鋳造鋳片を圧延して製造した鋼板に深絞りや曲げ等の
冷間加工を施すと圧延方向に沿って“ロービングと呼ば
れる肌荒れ性の表面起伏が頻繁に生じるとの問題が指摘
されており、製品の外観悪化を招いて商品価値を損ねる
ことからこの問題は極めて深刻なものであった。
ところで、ロービングの発生原因は、「連続鋳造時に生
成した粗大な柱状晶組織が圧延工程でも十分に破壊され
ず、しかも集合組織が残存してしまう上、この粗大粒や
集合組織は熱間圧延中に再結晶し難くて組織が微細化せ
ず、従って塑性変形に異方性や不均一性が現れることに
ある」と一般に考えられている。また、5US430鋼
のような鋼種の場合には熱間圧延中にフェライト(α)
とオーステナイト(r)相の2相組織に分離するもので
あり、鋳造組織のαが粗大であれば、これから分離生成
したこれら2相も当然に粗大となって上述のような不都
合を招くものと考えられていた。
そこで、ロービング現象等の表面欠陥の発生を低減する
ためには鋼の結晶粒を微細化することが最も有効である
とされ、従来より“温間圧延法”や“異径ロール圧延法
2等のように圧延に工夫を加えるものが提唱されている
が、それでも十分に満足できる再結晶化を達成するのは
困難であり、更に冷間圧延と焼鈍工程とを付加する必要
がある等、大幅なコストアップを伴う処理を避難かった
一方、圧延素材たる連続鋳造鋳片の横断面方向に分布す
る等軸晶帯を増加することは鋳造組織の微細化につなが
るものであるが、これも耐ロービング性改善に有効であ
ることが確認されたことから、鋳片凝固組織を等軸晶化
してロービング現象の抑制を図るべく“低温鋳造法”、
“電磁撹拌”。
“Ti等の合金元素を添加する方法”等の試みも実施さ
れているが、これらの方法には何れも次のような問題点
があり、今一つ満足できるものではなかった。
即ち、低温鋳造法は、鋳込温度を凝固温度に可及的に接
近させて行う鋳造法であるため操業中にノズル詰りか発
生し易く、最悪の場合には鋳込みが不可能となる他、鋳
込溶湯の粘性が高くなるので“連続鋳造用フラックス(
CCパウダー)の巻き込み現象”或いは“非金属介在物
の浮上分離が不十分となること”等に起因する鋳片表面
疵の発生が目立つことから、量産的な操業ベース下での
採用が困難である。
また、電磁攪拌は凝、同組織の等軸晶化に有効な方法で
はあるが、安定して達成できる等軸品化率は精々鋳片断
面の60%以下程度でしかなく、通常圧延によって耐ロ
ービング性に優れた鋼板を得ることのできる鋳片の等軸
晶化率の下限たる“等軸品化率ニア0%”には及ばない
ものであった。
一方、フェライト系ステンレス鋼にTiを添加すること
で凝固組織の等軸化は容易となるが、この場合でも“等
軸晶化率ニア0%以上”を達成するためには低温鋳造法
との併用が不可欠であるので前述した“低温鋳造法に指
摘される問題1を免れ得ない上、添加したTiと溶鋼中
に存在するNとの反応生成物たるTiNが単独で、或い
は更にこれとノズル耐火物やCCパウダーとの反応生成
物として鋳片表面に補足され、表面疵の原因となると言
う問題も無視できなかった。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明者等は、上述した観点から、深絞り等の冷間加工
時に問題となるロービング発生の懸念がなく、しかも良
好な表面性状を有するフェライト系ステンレス鋼を安定
に量産し得る手段を提供すべ(様々な角度から実験・研
究を行った過程で、[格別な設備や実作業上困難な条件
を導入することなく耐ロービング性に優れたフェライト
系ステンレス鋼を量産するには、Ti添加によって連続
鋳造鋳片の等軸晶化率を上げる方法が最も現実的であり
、Ti添加量、 Tiと反応し易いN含有量並びに鋳込
み温度の調整によっては、格別な平置てを講じなくても
好ましい性状のフェライト系ステンレス鋼が安定して得
られる可能性がある」との感触が得られたのである。
そこで本発明者等は、上記感触を踏まえ、まず成分組成
の面から、フェライト系ステンレス鋼の耐ロービング性
を左右する鋳造組織の等軸晶率と品質評価の大きな決定
要件である表面疵発生状況とに影響を及ぼすとみられる
“溶鋼中のTi含有量とN含有量”についての検討を中
心に研究を続けた結果、次に示す如き知見を得るに至っ
たのである。
(a)  フェライト系ステンレス鋼にあっては、鋼中
のTi含有量及びN含有量の増加に伴って“等軸晶化率
”及び“表面疵発生の頻度”とも増加し、都合の悪い動
向を示すが、比較狭い範囲ではあるが“耐ロービング性
にとって好ましい等軸品化率ニア0%以上の領域”と“
表面疵発生率が許容範囲となる領域”とが重複して存在
するTi及びNの含有量範囲が明らかに存在すること。
即ち、第1図は17%Cr含有フェライト系ステンレス
鋼(以降、成分割合は重量%で示す)での「鋼中Ti量
及びN量と連続鋳造鋳片の等軸品化率との関係を示すグ
ラフ」であるが、等軸晶化率は溶鋼中Ti量及びN量の
増加と共に高くなり、該Ti量及びN量が第1図中の曲
線以上の値になると70%以上の等軸晶化率が安定して
得られることを示している。一方、第2図は、同じ<1
7%Cr含有フェライト系ステンレス鋼での「鋼中Ti
量及びNiと連続鋳造鋳片の表面疵との関係を示すグラ
フ」であるが、表面疵の発生状況は、やはり溶鋼中Ti
量及びN量の増加と共に高くなり、該Ti量及びNii
を第2図中の曲線以下の値に抑制しないと表面疵を許容
できる範囲内に抑え切れないことを示している。そして
、第3図に注目されたい。第3図は、第1図に示される
結果と第2図に示される結果を同一図中にまとめて表わ
したものであるが、“等軸晶化率ニア0%以上を安定し
て得られるTi及びN含有量”と“表面疵を許容できる
範囲内に安定して抑え得るTi及びN含有量”とが重複
している領域(第3図中のハツチングを付した領域)の
存在することを明瞭に示している。
(b)  ところが、前記第1図に示した曲線は、凝固
温度をT(t)とした場合の式 で3!Bされる「17%Cr含有フェライト系ステンレ
ス鋼における凝固温度(1500℃)でのTi−N平衡
曲線」に良く一致しており、一方、前記第2図で示した
曲線は、過熱度(ΔT)が60℃のときの鋳込温度をT
(”C)とした場合に前記(1)式で算出される「17
%Cr含有フェライト系ステンレス鋼における鋳込温度
(1560℃)でのTt−N平衡曲線」と良く一致して
いること。
第4図は、第3図で示したグラフ中に、17%Cr含有
フェライト系ステンレス鋼における凝固温度(1500
℃)及び過熱度(ΔT)を60℃とした鋳込温度(15
60℃)でのTi−N平衡曲線をそれぞれ併記したもの
であるが、この第4図からも上記事実を明瞭に確認でき
る。
(d)  従って、冶金学的に描かれた前記第4図を現
象面から見ると、17%Cr含有フェライト系ステンレ
ス鋼においては、凝固温度たる1500℃でのTi−N
平衡曲線よりも鋼中のTi及びN含有量が多くなると等
軸晶が形成し易くなり、一方、過熱度(ΔT)が60℃
の鋳込温度(1560℃)でのTi−N平衡曲線よりも
鋼中のTi及びN含有量が少なくなると表面疵の発生が
減少するので、1500℃及び1560℃でのTi−N
平衡曲線にて囲まれたTi及びN含有it SI域であ
れば“等軸晶化率が70%以上”で“表面疵発生が殆ん
ど無い”と言う、絞り加工等に供するのに好適な高品質
の連続鋳造鋳片が得られる旨を示している。
なお、上述のように、17%Cr含有フェライト系ステ
ンレス鋼において凝固温度たる1500℃でのTi−N
平衡曲線よりも鋼中のTi及びN含有量が多い領域で等
軸晶化率が大となるのは、溶鋼の凝固開始以前にTiN
が析出し、これが核となって等軸晶生成に寄与するため
であり、また、1560℃の鋳込温度でのTi−N平衡
曲線よりも鋼中のTi及びN含有量が少な(なると表面
疵が発生し難くなるのは、表面疵の一因となるTiNが
鋳込時点での溶鋼中に析出していないことによるものと
推察される。そのため、凝固温度たる1500℃でのT
i−N平衡曲線と鋳込温度たる1560℃でのTi−N
平衡曲線にて囲まれたTi及びN含有量領域は、鋳込゛
温度でTiNが析出していないことによる表面疵発生要
因除去効果と、凝固温度以前にTiNが析出することに
よる等軸晶化率増大効果との相乗効果が十分に期待し得
る領域であると窺うことができる。
(e)  更に、以上の知見事項をTi添加フェライト
系ステンレス鋼全般に拡張すると、連続鋳造鋳片の等軸
晶化率ニア0%以上(十分に満足できる耐ロービング性
が確保できる)を実現するためには化学成分組成で決定
される凝固温度以上でTiNを析出させることが必要で
あり、一方、表面疵の発生を十分に抑制するためには、
鋳込温度においてTiNを析出させないことが必要であ
って、耐ロービング性及び表面疵抑制効果とも優れたT
i添加フェライト系ステンレス鋼を得るには、溶鋼中の
TiとNとの反応生成物であるTiNを溶鋼中の各種成
分で決定される凝固温度(T1)以上で析出させる共に
、鋳込温度(T2)以上では析出させないようにするこ
とが重要な要件となること。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、 rCrを9〜30%含有するTi添加フェライト系ステ
ンレス鋼の連続鋳造に当り、綱の成分組成に基づいて定
まる凝固温度TI(”C)と、鋳込温度TZ(’C)と
、鋼中のTi量、N量及びCrtに基づいて定まるTi
N析出温度Tel (’c )とが弐T1 ≦’ri 
< T2≦T++100を満たすように調整することを
特徴とすることにより、耐ロービング性に優れると共に
表面疵発生が殆んど見られないTi添加フェライト系ス
テンレス鋼を安定して量産し得るようにした点」に特徴
を有するものである。
なお、本発明がCr含有量:9〜30%のフェライト系
ステンレス鋼を対象としたのは、Cr含有量が9%未満
になるとステンレス鋼としての耐食性が発揮されなくな
り、一方、30%を超えてCrを含有させる加工性が悪
くなって本発明の方法を適用する工業的価値が無くなる
からである。
また、対象とするフェライト系ステンレス鋼の凝固温度
Tl(’C)は略その化学成分組成によって決まり、式 にて算出される。更に、対象とするTi添加フェライト
系ステンレス鋼のTiN析出温度T+(’c)は、弐で
算出される。
そして、前記凝固温度T1.鋳込温度T2及びTiN析
出温度T3がそれぞれ(Tl ≦T3〈T2〕なる条件
を満たしていないと、十分に満足できる耐ロービング性
と表面性状を有するフェライト系ステンレス鋼を安定し
て製造することができない。
更に、実操業においては耐ブレークアウト性を確保しか
つ健全鋳片を得るためには過熱度(ΔT)の上限が存在
し、この点から見た採用可能な鋳込温度は〔凝固温度+
100℃〕以下程度で以下−とから、鋳込温度rz(’
c)は凝固温度T、(”C)を使用したところの T2≦T、+100 なる条件で上限を規制した。なお、鋳込温度の下限につ
いては、理論上は凝固温度より高ければ良いことになる
が、実操業においては過熱度(ΔT)が30℃より小さ
いと注湯用ノズルの閉塞が生じ易くなることから、好ま
しくは鋳込温度TZ(”C)を(T++ 30) (”
C)以上とすることが推奨される。
続いて、この発明を実施例により、比較例と対比しなが
ら更に具体的に説明する。
〈実施例〉 まず、常法にて第1表に示される如き成分組成のTi添
加フェライト系ステンレス鋼を溶製し、実験室規模の連
続鋳造装置によって鋳込温度T2を変化させつつ501
m厚鋳片を鋳造した。
次いで、得られた各鋳片について表面疵発生状況と等軸
晶化率を調べた後、これを1200℃に加熱してから熱
間圧延し、厚さが3寵の熱延鋼板を得た。続いて、これ
ら熱延鋼板に〔830℃で16時間均熱”した後炉冷〕
なる条件の焼鈍を施してから0.5mm厚にまで冷間圧
延し、更に〔830℃に1分間加熱保持後空冷〕なる条
件の焼鈍を施して冷延板製品とした。
そして、得られた冷延板製品からJISS号引張り試験
片を採取し、20%引張りを加えた後、耐ロービング性
を評価した。
このようにして得られた結果を第1表に併せて示した。
第1表に示される結果からも明らかな如く、本発明で規
定する条件通りに製造されたフェライト系ステンレス鋼
材は、何れも耐ロービング性及び表面疵状況ともに十分
満足できる結果を示すのに対して、〔凝固温度T、≦T
iN析出温度T3〕なる条件を満足しない試験番号12
〜16.20〜21.25及び27では耐ロービング性
評価がB−Cの不満足な成績となっており、一方、(T
iN析出温度T、<鋳込温度T2)なる条件を満足しな
い試験番号17〜19゜22〜24.26及び28では
許容限度を超える表面疵の発生が見られる。
く効果の総括〉 上述のように、この発明によれば、耐ロービング性に優
れると共に良好な表面性状を有し、建材。
厨房用品、電気製品或いは自動車用品素材等として十分
に満足できる性能を発揮するフェライト系ステンレス鋼
を、コスト高を招くような格別な設備や手段を講じるこ
となく安定生産することが可能となるど、産業上極めて
有用な効果がもたらされるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、17%Cr含有フェライト系ステンレス鋼に
おける「鋼中Ti量及びN量と連続鋳造鋳片の等軸晶化
率との関係」を示すグラフ。 第2図は、17%Cr含有フェライト系ステンレス鋼に
ける「鋼中Ti量及びN量と連続鋳造鋳片の表面疵との
関係」を示すグラフ。 第3図は、第1図に示される曲線と第2図に示される曲
線とを同一図中にまとめて表わしたグラフ。 第4図は、第3図で示したグラフ中に、17%Cr含有
フェライト系ステンレス鋼における凝固温度(1500
℃)及び過熱度(ΔT)を60℃とした鋳込温度(15
60℃)でのTi−N平衡曲線をそれぞれ併記したもの

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)Crを9〜30%含有するTi添加フェライト系
    ステンレス鋼の連続鋳造に当り、鋼の成分組成に基づい
    て定まる凝固温度T_1(℃)と、鋳込温度T_2(℃
    )と、鋼中のTi量、N量及びCr量に基づいて定まる
    TiN析出温度T_3(℃)とが式 T_1≦T_3<T_2≦T_1+100 を満たすように調整することを特徴とする、Ti添加フ
    ェライト系ステンレス鋼の製造方法。
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