JPH0111165Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は洗浄室内に収容した食器類をノズルか
ら噴出する湯の水圧を利用して自動洗浄せしめる
食器洗浄機に関する。

〔従来の技術〕

スプレーノズル噴霧方式の食器洗浄機において
は、洗浄室内にこもる蒸気を速やかに排出して乾
燥速度を高めるために蒸気抜き構造が設けられて
いるのが普通であり、実開昭58−169851号公報等
によつて公知である。

また、タンク方式と称し貯湯タンク内に貯溜せ
しめた定量の湯をポンプで洗浄室内のノズルに給
送して加圧湯によつて洗浄すすぎを行わせる構造
のものが一部において実用されており、その場
合、貯湯タンクに設けた止水弁機構が不具合な際
の保護としてオーバーフロー機構が設けられてい
るのが普通である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このような点からタンク・スプレーノズル噴霧
方式を採用した食器洗浄機では、蒸気抜き構造と
オーバーフロー機構とが双方共必要であることか
ら、機械内配管系統が輻輳して頗る複雑となり、
清掃など保全管理が厄介であるだけでなく、装置
コストの上昇をもたらす欠点があつた。

かかる問題点に対処して本考案は成されたもの
であつて、蒸気抜きとオーバーフローとを１つの
機構で兼用可能となすことによつて装置の簡易構
造化と低装置コスト化をはからせるようにしたも
のである。

〔問題点を解決するための手段〕

しかして本考案は図面に例示してなる如く、洗
浄室２の洗浄・すすぎ用ノズル４に給送するため
の湯を所定量貯溜させる開放型の貯湯タンク７が
洗浄室２のオーバーフロー水準よりも高位に設置
されてなる食器洗浄機において、下端部の開口を
前記洗浄室２内の上層部に連通せしめた蒸気抜き
管９を前記貯湯タンク７の近傍まで延長して、そ
の上端部の開口９_Aまたは中間部の管壁に穿設し
た接続口１６と、貯湯タンク７の側壁における所
定水位に比し高位置となる個所に開口させたオー
バーフロー口１４とを連結せしめて、前記蒸気抜
き管９をオーバーフロー管に兼用させてなる構成
としたことを特徴とする。

〔作用〕

上述の手段を有する本考案は蒸気抜き管９が洗
浄室２内の蒸気を室外に排出させる本来の機能を
発揮することはもとより、貯湯タンク７が万一、
貯溜量を一定に保持し得なくなつて溢れる事態に
なつても、この蒸気抜き管９を介して洗浄室２内
に溢水させることが可能であつて、周辺が浸水す
る如き不都合な事態は解消される。

〔実施例第１〕 以下本考案の実施例を添付図面により詳述す
る。

第１図において、１はケーシングであり、食器
を収納する個所となる洗浄室２を有していて、こ
の洗浄室２の底部を洗浄液タンク３に形成してお
り、洗浄液タンク３の底部出口に電磁弁１０を介
設すると共に、この出口部をケーシング１内底部
に固定したポンプ５の吸込部に接続せしめてい
る。

一方、前記ポンプ５の吐出部は洗浄室２に配設
した洗浄・すすぎ用ノズル４に接続せしめてい
る。

なお、洗浄液タンク３は所要量に対応する液位
を決定するために該液位に開口させたオーバーフ
ロー管６を配設せしめている。

７は貯湯タンクであつて洗浄液タンク３のオー
バーフロー水準よりも高位置のケーシング１内適
当個所に配置せしめているが、第１図々示は洗浄
室２よりも高所に配設している。

しかして上記貯湯タンク７は大気に開放した開
放型のタンクであつて、内部に所要量に対応する
液位を決定するための水位検出器８を付設する一
方、出口部（出口配管を含む）に電磁弁１１を介
設してこの出口配管を前記ポンプ５の吸込部に接
続せしめており、さらに電磁弁１３を備えた給湯
管１２の先端部を貯湯タンク７の上部に臨ませて
いる。

なお、貯湯タンク７の配置個所としては、該タ
ンク７の底部が洗浄液タンク３の所定液面、すな
わち、オーバーフロー管６の溢水口レベルよりも
高くなる位置が選定されるものである。

９は蒸気抜き管であつて、貯湯タンク７と洗浄
室２内上部とを連結するためのものであるが、下
端部の開口を洗浄室２内上層部に連通せしめると
共に、貯湯タンク７の近傍まで延長せしめて、そ
の上端部の開口９_Aを貯湯タンク７の側壁に開口
させたオーバーフロー口１４に連結せしめてい
る。

このオーバーフロー口１４は水位検出器８が故
障したり、電磁弁１３が弁漏れを生じたりする不
測の事態に貯湯タンク７から溢水することがあつ
ては好ましくないので、水位検出器８によつて設
定した水位よりもわずかに高位置となるタンク側
壁に開口せしめている。

第１図々示の食器洗浄機は叙上の構成になる
が、前記蒸気抜き管９は洗浄室２内で飛散する飛
沫が飛び込んだり、洗浄水が流入して貯湯タンク
７内に流れ込んでは好ましくないので垂直部Ａを
長くしたり、また下端部を適当な長さだけ水平に
展延するなどして貯湯タンク７内への液浸入がな
いようにしている。

次にこの洗浄機の運転態様について概要説明す
ると、１日のうちで最初の給湯を行うには電磁弁
１３を開かせて貯湯タンク７内に給湯を行い、所
定量の湯が貯溜されて電磁弁１３が閉止し、給湯
が終ると同時に電磁弁１０，１１を開かせて洗浄
液タンク３に貯湯タンク７の湯を流下させる。

この貯湯タンク７内の湯が全量洗浄液タンク３
に流下してオーバーフロー管６から溢水し、所定
水量の湯が洗浄液タンク３に溜つた時点になる
と、タイマーなどの制御器で検知して電磁弁１
０，１１を閉止せしめる。

かくして洗浄液タンク３への最初の給湯が終る
とスイツチ操作でポンプ５を駆動すると共に電磁
弁１０を開かせて洗浄工程を行わせる。

この洗浄工程開始に連動させて電磁弁１３を開
かせ、貯湯タンク７への自動定量給湯を行わせ
る。

なお、貯湯タンク７で所定量以上に湯が溜るこ
とがあると、オーバーフロー口１４及び蒸気抜き
管９を経て、洗浄室２内に流れ落ちオーバーフロ
ー管６から溢水するので、機外に漏水するなどの
問題は生じない。

洗浄工程はタイマーによつて運転時間が決めら
れるが、前記ノズル４から噴き出した洗浄液は洗
浄室２内の食器に噴き当つて洗浄後、洗浄液タン
ク３に回収され、前記タイマーの設定時間に達す
ると電磁弁１０が閉じ、かつポンプ５が停止して
洗浄運転は終了する。

若干のタイミングをとつた後、電磁弁１１を開
き、ポンプ５を駆動してすすぎ工程に入らせる
が、このすすぎ運転はタイマーによつて時間が決
められる。

なお、洗浄工程が終了した後は電磁弁１３の閉
止を保持して給湯は行わせない。

かくして貯湯タンク７内のすすぎ湯はポンプ５
により前記ノズル４に送られて食器をすすぎ清浄
にした後、洗浄液タンク３に回収され、タイマー
で設定した時間すすぎ運転が行われると、電磁弁
１１が閉じ、ポンプ５が停止してすすぎ運転は終
了する。

このようにして一連の洗浄サイクルは完了する
が、洗浄工程、すすぎ工程を通じて洗浄室２内に
発生し、充満している蒸気は、前記蒸気抜き管９
を通じて貯湯タンク７に至り、該タンク７の開口
から追出されてケーシング１に設けた通気口から
機外に排出される。

従つて、すすぎ終了後の乾燥は蒸気の排出によ
つて迅速に行われることは云うまでもない。

〔実施例第２〕 第２図は本考案の他実施例の要部を示している
が、これは貯湯タンク７の側方に設けたもので蒸
気抜き管９は洗浄室２内において適当長の垂直部
A′を有して垂下せしめているだけであるので、
洗浄水の流入・飛沫の飛び込みを防ぐため蒸気抜
き管９の下端部開口に対面させて板１５を横設せ
しめている。

このように板１５を設けたことによつて蒸気の
みを円滑に誘導し排出することが可能である。

〔実施例第３〕 第３図及び第４図は本考案の今一つの実施例の
要部を示しているが、この例は蒸気抜き管９の上
端部は真直ぐ上に延ばしたまま上端部開口９Ａを
ケーシング１内の適当個所に又はケーシング１を
貫通して機外に開放せしめる一方、蒸気抜き管９
の前記オーバーフロー口１４と略々等レベルとな
る位置の管壁に接続口１６を穿設せしめて、この
接続口１６と端部を斜め切断したオーバーフロー
口１４とを嵌合により連結せしめている。

この場合、蒸気抜き管９の管径φAに比してオ
ーバーフロー口１４の口径φBを小さくすること
が望ましい。

このような接続形態をとることによつて、洗浄
室２から蒸気抜き管９に流れ込んだ蒸気及び臭気
は、貯湯タンク７に入らずに蒸気抜き管９を通過
して上端部開口９Ａから機外に排出され易くな
り、従つて、貯湯タンク７に貯溜中の新鮮なすす
ぎ湯が臭気などによつて何等かの影響を受けるお
それを未然に防止し得る。

勿論、この例の場合における蒸気抜き管９は、
オーバーフロー管としての機能は何等害われるも
のではない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、蒸気抜き管９を貯湯タンク７
からの溢水を保護するためのオーバーフロー管に
兼用せしめたことにより、機械内の配管構造が簡
易化されるに至つて、製造コストの低減、保守管
理の利便が果され実用価値は頗る大である。

また、蒸気の排出を円滑に行い得ることによつ
て、洗浄終了後の食器乾燥は迅速に成され洗浄サ
イクルに要する時間の短縮が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例に係る構造図、第２
図及び第３図は本考案の各実施例に係る要部示構
造図、第４図は第３図の側面図である。 ２……洗浄室、４……洗浄・すすぎ用ノズル、
７……貯湯タンク、９……蒸気抜き管、９Ａ……
上端部の開口、１４……オーバーフロー口、１６
……接続口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗浄室２の洗浄・すすぎ用ノズル４に給送する
   ための湯を所定量貯溜させる開放型の貯湯タンク
   ７が洗浄室２のオーバーフロー水準よりも高位に
   設置されてなる食器洗浄機において、下端部の開
   口を前記洗浄室２内の上層部に連通せしめた蒸気
   抜き管９を前記貯湯タンク７の近傍まで延長し
   て、その上端部の開口９_Aまたは中間部の管壁に
   穿設した接続口１６と、貯湯タンク７の側壁にお
   ける所定水位に比し高位置となる個所に開口させ
   たオーバーフロー口１４とを連結せしめて、前記
   蒸気抜き管９をオーバーフロー管に兼用させてな
   ることを特徴とする食器洗浄機。